芝浦工大が二酸化炭素をメタンに変換する反応器を開発 温室効果ガスの排出削減に有望なアプローチを提供
ボイラーなど空気中の燃焼で得られるCO2濃度は15%程度であり、この濃度でもメタンを効率的に生成させることが分かりました。純粋なCO2のみを使用した通常のリアクターと比較して、約1.5倍のメタンを生成する可能性があります。
また、チューブ状の反応器の長さがメタン生成に与える影響についても調査しました。反応器の長さの増大と共に水素の反応率が向上しました。しかし、水素の反応率の向上により反応器内の過熱の可能性が上がるので、操作条件を慎重に選ぶ必要があります。
■今後の展望
本研究は、温室効果ガスの主要な排出源に対する取り組みという意味で有効な解決策となります。DMRを利用することで、低濃度のCO2排出を利用可能なメタン燃料に変換することができます。この方式の利点はメタン化だけにとどまらず、他の反応にも応用できることにあり、家庭や小規模な工場においても、CO2を効率的に利用できる汎用性の高いツールです。
今後、本研究によって、温室効果ガスの排出削減を目指していきます。
■語句解説
※1 ボイラー
ボイラーは、密閉した容器の中に水などを導入し、火気などで加熱することで、蒸気や温水を作るものです。大きさも様々なものがありますが、ここでは、伝熱面積が10m2以下の小型ボイラーの対策を想定しています。