1991年の話題作『ゲーム少年の夢』の復刻版がAmazonから発売 子育て世代、教育関係者 必読の書
【オリジナル版序章より抜粋】
私がコンピューターを専攻し、人工知能を研究するためにアメリカに渡り、博士号を取るという道を歩く事になったきっかけは何を隠そう「インベーダーゲーム」なのである。少年時代からゲームが好きだった私は、昭和五十年代に大流行したインベーダーゲームのとりこになり、想像を絶する量の時間とお金をつぎ込んだ。やがて私は、こんな面白いインベーダーゲームの中身はどうなっているのだろう、と興味を持ち始めた。 独学でプログラミングを勉強し、当時出始めたばかりの「アップルII」というマイコンを駆使して、数多くのオリジナルゲームソフトを開発した。そしてそれらを秋葉原のマイコンショップに売り歩き、当時の私としては大金をせしめたのである。
さらに私は、もっと「知的」なコンピューターゲームを作ってみたくなった。 そこで小学校時代から将棋が好きだった私は、人間と対戦する「コンピューター将棋」の開発に挑戦した。
これが私にとって「人工知能」という学問との出会いだった。
当時日本では人工知能は学問として確立されておらず、本格的に勉強するなら、発祥の地アメリカに渡るしかなかった。そしてアメリカの大学院に留学し人工知能の分野で博士号を取るんだ、という当時の私にとってとてつもなく大きな夢を抱いたのであった。