【先輩ママ特別インタビュー後編】育児がもっとハッピーになることを目標に!
「日本にベビーシッター文化を」という思いを掲げ、オンラインでのベビーシッターマッチングサービスを提供する「キッズライン」。今回、代表の経沢香保子さんがmamagirl WEBに登場!起業家として働く中で3回の出産と離婚を経て、シングルマザーとして生きる経沢さん。後編では子育ての先輩として、mamagirl世代が直面しがちなお悩みに答えます。
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【先輩ママ特別インタビュー】親子の笑顔をもっと増やせる育児の多様性とは
ママは子どもを産んだだけで、もう偉いんです!
―これまで経沢さんが育児で辛いことに直面したとき、どのように乗り越えましたか?
経沢:辛いことはいっぱいありましたよね。私は複数の道を持ち、「そのことばかり考えないようにする」ことで乗り越えました。育児は辛いからといって逃げられません。だからこそちょっとした心の逃げ道を作ったほうがいいと思います。例えば趣味を見つけたり、何かサークルに入ったり、仕事をしてみたり、漫画喫茶に行ってみたり…。
子どものことを一秒一秒見続けると辛いこともありますし、上手くいかないことだけを考えていると自分も周りも責め続けることになります。でも、当たり前ですが、子どもは少しずつ成長しています。自分が没頭できることを見つけて考えすぎないようにすることは、人生を乗りこなす上で大切なポイントだと思うようになりました。
―たしかに、「子どものため」を考えるあまり、疲れてしまうことはありますよね。
経沢:「良いママでいなきゃ」「子どもの責任はママが取らなきゃ」と思い込み過ぎて苦しい時期もありました。でも、もはやママたちは子どもを産んだだけで偉い!今ではそう思うようになりました。だって子どものために10ヵ月も身重な時期を過ごし、日本の人口にも貢献しています。昔の村社会がそうであったように、本来一人の子どもを育てるには一つの村が必要だと言われていた頃があったそうです。
育児はみんなで行うのが自然ではないかと考えています。「親としてこうあるべき」という自責論を強めすぎず、楽観的に周囲の人に頼りながらでも、笑顔で過ごせればいいなと思います。
育児でも「小さなゴール設定」が、心を楽にする
経沢:そうですね。では、自分の中でちょっとしたゴールを設定をしたら楽しくなるのではないでしょうか。例えば暖かくなるまで頑張ろう、あと半年は頑張ろう、その次は小学校まで頑張ろう、次は学年が変わる4月までという風に。「ここまでは頑張ろう」と、気持ちの区切りをつける。
行き先が見えない状況は気持ちを暗くしてしまうので、育児も「この先20年」と思うと辛くなります。しかし、遠すぎる未来を想像しても仕方ないです。だって誰だってコロナやスマホやタブレットの普及なんて想像できませんでした。まずは、「今日一日楽しめればいい」から始めて、育児でも遠すぎない区切りを意識してみてはどうでしょうか。
―それならば、すぐに実践できそうです!
経沢:その上で、小さな新しいことを始めてみるのもオススメですよ。「自分には育児しかない」と思い込むのも良くないので、例えば毎週1冊本を読んでみるでもいいですし、すぐできる副業をしてみるでもいいと思います。
育児と仕事の両立に悩む働くママは、「自分の選択」を楽しもう
―最近だと、コロナ禍に子どもを預けて働くことにプレッシャーを感じているママも増えています。なにかアドバイスをください。
経沢:子どもの命と自分の仕事を天秤にかけている気がしているということですよね?その気持ちをまずは発信してみたらいいと思います。心にあるうちはずっとモヤモヤしてしまいますが、話したり書いたりすると、同じ悩みを持った人と出会えて、新しい解決策を提案してくれることもあります。例えば、コロナで集団保育が難しく、保育園の代わりにベビーシッターを利用した場合、月30万円まで補助が出るんです。そういった情報を知るだけでもプレッシャーは減ります。そして、プレッシャーを感じるのだったら仕事を辞めてもいいですし、休んでもいいと思っています。例えば、コロナが落ち着くまで一旦休職して子どもを守ることに全力を尽くすとか、毎月生活のために月5万円の収入がほしいなら、それだけは頑張るとか。自分で選択した道を楽しめばいいと思います。
「パパが理解してくれない!」には、本音を可愛く伝えてみよう
―困難さえも楽しむ余裕は、育児でも大切ですね。
経沢:はい。物事をネガティブに捉えると、「こんなに辛いんだからもっと皆が優しくしてほしい」とか、「私ばっかりこんなに大変な思いをしてズルい」だとか、どんどん心が壊れてしまうと思います。あえてポジティブに振る舞い、困難を人生の糧にすることで、周りにも明るい人が集まり、良い状況にどんどんなっていくと思います。
―まさに、「私ばっかり大変」は、一番身近な存在であるパパに思いがちな感情です…。
経沢:パパには「大変」「辛い」という感情だけではなく、「一緒に何がしたいか」「一緒に何を楽しみたいか」を伝えれば良いのかなと思います。結婚したということは妻の怒り狂った姿を見たいわけではなく、一緒に楽しい人生を歩みたいと思っているはずなので。例えば、甘え上手なところを発揮して、旦那さんに「こんな元気な妻が家にずっといるなんてロマンチックが足りないかなあ」とか可愛く言うのはどうでしょう(笑)。そうすると、じゃあ食事に行こうかとか、家族で旅行に行こうかとかなる。
別に相手を持ち上げるのではなく、本音を可愛らしく伝えることが、夫婦のコミュニケーションの上手な取り方かもしれません。
「いざという時」のために、ベビーシッターとZoom無料面談を
―ポジティブでいられる心の余裕が、親子関係でも夫婦関係でも大切ですね。
経沢:だからこそ、「自分がご機嫌になれるポイント」をたくさん持っておくべきだと思います。美容院に行くとか、予算内でお洋服を買うとか、女性って楽しいことがたくさんあるので。そのためにベビーシッターサービスを利用するのも選択肢の一つですよ。
―とは言え、ベビーシッターサービスを利用することに経済的・心理的なハードルを感じるママもいるかと思います。
経沢:意外と自治体ごとにベビーシッターサービスへの補助があるので、一度調べてみるとハードルも下がるかと思います。例えば渋谷区でしたら1時間につき1,000円の補助が出るんです。
また、キッズラインでしたらベビーシッターと無料の事前Zoom面談が可能です。これは何人でも無料なので、預ける前にまず会って、どんな人なのかを知ってほしいと思います。私がオススメしているのは、ご家族も一緒に10人位のベビーシッターと面談をして、4人くらいのお気に入りを決めていただくこと。実際に依頼しなくても、「いざ困った時にはこの方々がいる」と選択肢の中に入れておいてほしいです。また、もしも自分の両親や義理のご両親が子どもを預けることに抵抗を感じていらっしゃる場合も、ぜひ一緒に面談に参加いただきたいです。きっと顔が見えることで印象が変わると思いますよ。
ベビーシッターサービスを、当たり前のインフラにしたい
ー子どもを預ける上で、何よりも重視するのはやはり子どもの安全です。キッズラインの対策についても教えてください。
経沢:会社としてもその点を最重視しており、安全管理部という専門部隊を設立しています。メールや電話での対応はもちろんですが、例えば、トラブル時に直接お邪魔してヒアリングする部署や、もし働く側がトラブルに巻き込まれても専門的な弁護士の方にアドバイスを受けられる体制、さらに提携する医療機関などを整備しています。もちろん保険にも加入しておりますし、今後、どのようなことがあっても対応できるように人員も体制も強化しました。高い安全面を維持するためにも、外部の専門家や保育の専門家、利用者の方の代表、働く方の代表など様々な立場の方に集まっていただき諮問委員会なども定期的に開催し、さまざまなご意見を伺いながら、会社としての在り方をバージョンアップさせています。ベビーシッターサービスが社会のインフラになるということは、誰しもが安全に利用できるサービスでなければなりません。一人でも多くのお子さんの笑顔を作り出せるようにこれからも頑張っていきます。
―ありがとうございます。今後の経沢さんの目標についてもお聞かせください。
経沢:「日本にベビーシッター文化をつくる」「家事代行を当たり前に」を弊社では掲げています。まずは、新しい育児の選択肢であるベビーシッターサービスを社会インフラにしていきたいです。かつては保育園に子どもを預けることに罪悪感を持つママたちが多かったですが、今はとても少なくなったと感じています。それは国も一緒に保育園事業を推進し、もはや当たり前のインフラになったから。今後は、国は少子化対策の一つとしてベビーシッターサービスにも力を入れていくことが予想されます。キッズラインもさらなる企業努力で、皆様に使いやすく、そして育児の担い手であるサポーターさんも働きやすく仕組みを整えることで、育児においてベビーシッターサービスを当たり前の選択肢にしていきたいと思っています。―最後に、読者に一言お願いします!
経沢:女性は男性よりも人生の選択肢が多く、悩むことも多いと思います。結婚、仕事、育児といったそれぞれのターニングポイントで選択の場面に迫られます。でも、私は選択肢が多いことこそ豊かな人生だと思っています!女性自身が人生を自分で決めることができる時代だからこそ、自分だけの道を選び、楽しんでほしいと思います。
仕事のためだけではなく、自分の時間のためにベビーシッターサービスを使うことで、心の余裕が生まれます。キッズラインは、ママもパパも子どもも、家族皆が幸せな人生を送るサポートをしてくれる存在ですね。
【経沢香保子さんプロフィール】
株式会社キッズライン代表取締役。1973年生まれ。リクルート、楽天を経て、2000年にトレンダーズを設立。2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。2014年にキッズライン(旧カラーズ)創業。著書『すべての女は、自由である。』(ダイヤモンド社)他
【お問い合わせ】
キッズライン
https://kidsline.me/
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