山陰の雄・米子北が3冠&16連覇達成で“選手権”へ!城市監督「国立に立つのが目標」
県内3冠、16連覇、そしてプリンスリーグ中国制覇。輝かしい実績を引っ提げ、米子北高校が第104回全国高校サッカー選手権大会の舞台へ向かう。山陰の雄が描く景色は、全国の頂だ。
スポーツブルでは今回、チームを指揮する城市徳之監督と梶貴博コーチにオンライン取材を実施。鳥取県大会を振り返ってもらいながら、全国大会への意気込みや現在のチーム状況を聞いた。
城市徳之監督
- 鳥取県大会を振り返ってください。
「多くの選手が出場できたのが良かった。3年生を中心に県予選からいろんな選手を使いながら、最終的に決勝まで戦えた。
怪我人もいたからベストメンバーではなかったけれど、総力戦ができたことが大きかったと思う」
- 鳥取城北との決勝では先制を許しました。ピッチ上の選手たちの表情は監督の目にどう映っていましたか?
「時間帯も早かったし、今までそういうケースがあったので、これまでやってきたことが彼らの中で自信にもなっている。あの場で動揺したりとかはなかったと思う」
- 1点ビハインドの前半終了間際に同点とし、ハーフタイムを迎えました。選手たちの雰囲気はどうでしたか?
「大きいですね。0-1で折り返すより1-1になってそこからまたスタートできたのは大きいと思う。特に決勝はまた別なので、そういった雰囲気の中であの時間帯に追いつけたのは勢いが出たのではないかと思う」
「選手たちは全然動揺もしていなかったし、「やれるぞ、やれるぞ」という雰囲気もあった。このままいけば大丈夫だと僕らも感じていたし、「いつも通り」というところが一番だったかなと思う」
- 選手たちに16連覇へのプレッシャーはありましたか?
「どうですかね。選手たちはその時その時が勝負なので、歴史というのも選手たちにはチラッと話すけれども、どちらかというと我々スタッフの方が勝ち続けることの難しさや厳しさというところを感じている。
県予選も簡単に勝てるわけではないのでスタッフはいつもそれを感じていると思う。逆に選手たちは「いけるんだ、できるんだ」という想いでやっていると思う」
- 今年の米子北について教えてください。
「攻撃的な選手や攻撃が好きな選手が多いので、そういったところでは力を発揮できるかなというところ。もともと米子北は守備的な部分を重要視してきたチームで、何十年間も重要視してきた。それが絡み合った時には非常にバランスの良い戦い方ができるかなと思う」
- 注目選手を3人挙げてください。
「浜梶優大は、1年生の冬から出ているので、インターハイを含めて5回目の全国大会出場。余裕もあると思う。初めて全国のピッチに立つ選手ではないし、キャプテンもしている。
キャプテンをすることによって非常に成長した選手でもあると思うので、そういったところではチームのメンタリティーの部分も含めて中心になる」
「山下一圭については、ドリブルが得意な選手でリズムが他の選手と違。クロスやカットインしてからのシュートといったところには期待している。左サイドの選手なんですけど、右からの攻撃が多い分、得点する機会も彼は多いので、そういったところを期待しながら見ている」
「藤原大空については、安定した部分が一番だと思っている。非常に真面目でコツコツやっていく選手でもあるので、ヘディングのところやカバーリングのところ、1対1のところなど、堅実にやってくれる選手。そういった部分でチームに安定感をもたらしてくれる」
- 初戦の相手・流通経済大柏の印象について教えてください。
「全てにおいて固いですね。守備も固い、攻撃もタレントがいるし、中盤も非常に素早い判断でシンプルに力強くというところで、まさに高校サッカーのトップクラスのチームだなと思う」
- 最後に全国大会への意気込みをお願いします。
「本校のサッカー部は、選手権はベスト8が最高位。
国立に立つというのがまず大きな目標でもあるし、そういったところに向けてまず初戦ですね。12月31日の2回戦に集中して、そこからチームは勢いに乗れればグッと持っていけるチームなので、そういった部分で一つ一つ戦っていけたらと思う」
梶貴博コーチ
- 梶コーチから見るチームの状況はいかがですか?
「私は普段、他のカテゴリーを見ているのですが、トップチームじゃない3年生の子と接する機会が多く、一生懸命やってくれていてると思う。この時期になると(トップチームではない)3年生のモチベーションがガクッと下がるところなんですが、すごく明るく全力で取り組む姿がある。雰囲気はいいんじゃないかなと思う」
- 米子北はどういったところから選手が集まっているのでしょうか?
「関東からも来るし、山陰の子もいる。米子市だけでなく鳥取、倉吉などの中部からも来る。松江から通ってくる子もいるし、出雲とか同じ山陰の島根、岡山、大阪、兵庫あたりが基本ですね。あとは愛知、群馬、沖縄など、色んなところから来る。千葉の子は、(流経大柏との対戦に)相当意気込んでいる」
写真提供:米子北高校サッカー部
文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部