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【センバツ2026】「楽しかった」門倉昂大、9回0封の完封劇 冬を越えて別人になった専大松戸エースの甲子園デビュー

9回を投げ終えた門倉昂大投手がマウンドを降りた瞬間、専大松戸ベンチが沸いた。甲子園のマウンドで完封勝利。試合後のインタビューで問われた今日の感想は、一言「楽しかったです」だった。その言葉の短さと重さが、この3年生エースの充実感をそのまま物語っていた。

1~3回 完璧なテンポで北照打線をねじ伏せる
北照は昨秋の明治神宮大会に出場したチームだ。エースの島田爽介投手(3年)は、安定した実力を持つ右腕である。当然、簡単には攻略できない相手だった。
だが、門倉昂大投手は最初からギアを入れて立ち上がった。
「最初から球走ってて、コントロールもできてたんで、そのまま続けていこうと思ってました」──インタビューでそう振り返ったように、初回から制球は安定し、北照打線はなかなかボールをとらえることができなかった。
門倉は試合前、「打たせて取るスタイルを意識して投げたい」と語っていた。その言葉通り、三振で打ち取るのではなく、打たせてフィールドの守備を使うスタイルで3回まで走者をほとんど許さなかった。テンポは抜群だった。「冬からテンポの良いピッチングを意識していた。やってきたことが出せて良かった」と門倉は話した。リズムよく投手が投げれば野手も守りやすくなる。甲子園でも、そのセオリーは確かに機能していた。


4回 打線が3安打で一挙4点。チームの信頼を背負って投げた
4回1死一、二塁の場面、長谷川大納外野手が左前への適時打を放ち先制。専大松戸はこのイニングに一挙4点を奪い、試合の主導権を握った。
この4得点が、門倉の投球をさらに楽にした。「(4点は)大きかったです。よく点を取ってくれるチームなので、そこに関しては信じて投げています」──門倉はそう語った。投手がマウンドで仕事に集中できる背景には、打線への絶対的な信頼があった。
専大松戸の昨秋公式戦チーム打率は.390を超えており、出場32校の中でもトップクラスの攻撃力を誇る。
持丸修一監督が「全国制覇を目指したい」と語るほど完成度の高い打線が、この日も機能した。そして、北照の島田投手のチェンジアップを全員で狙い打ちしたことが得点につながった。「チェンジアップは狙っていきました。全員に伝えていました」と持丸監督は打ち明けた。組織的な配球読みと実行力が、この4得点を生んだ。

門倉昂大という投手の「成長」
門倉は140キロ近い速球を持つ本格派右腕だ。182cmと長身だが、まだ65kgと線が細く、制球力に課題を抱えていたという評価もあった。しかし、この試合で見せた投球は、そのイメージを大きく塗り替えるものだった。

持丸監督は試合後、門倉の成長について感慨深げに語った。「今日は一番(門倉の)成長が見られましたね。ストライクゾーンといい、スピードといい、変化球といい。今までの中で一番良かったんじゃないですか」。77歳の名将が確かな目で見た、エースの変貌ぶりだった。
スピードと変化球の精度まで兼ね備えた投球を甲子園で見せたことは、また別の意味を持つ。トーナメントの初戦、相手は北海道代表、スタンドは満員──そのプレッシャーの中で「最初から良かった」と感じながら投げ続けられたことが、確かな精神的成長の証明だ。
9回のピンチでは、持丸監督がタイムを取って声をかけた。
「1点取られてもいいので、アウトカウントを優先した方がいいんじゃないか、ということで話しました」と監督。その言葉を受け、門倉は落ち着いてアウトを積み重ねた。本人も「ピンチになっても焦らないで、一個ずつアウト取れたことが良かった」と話している。ピンチで崩れない投手への脱皮──それが今日の最大の収穫だった。

77歳の名将・持丸修一監督と専大松戸の目指す景色
持丸修一監督は現役続行中の77歳。今大会の専大松戸のチーム打率.390は出場32校でトップクラスだ。ダークホースとして上位進出を期待する声も多い。
持丸監督は甲子園という場所をこう表現した。
「人間的に良くなるも悪くなるも、甲子園のグラウンドというのは教えてくれますよね。人間性というのを再認識させるというか。本当にいい場所ですね」。この言葉には、長年高校野球に向き合ってきた指導者の哲学が滲んでいる。
校歌が流れた際には「甲子園の校歌って、本当にいいなと思いました」とも語った。初戦突破。その重みと喜びを、監督もまたアルプス席に向かって噛みしめていた。

次戦に向けて──「打たせて取る」投球で上位を狙う
門倉は次の試合への意欲をこう語った。
「打たせて取るピッチングというのが自分のスタイルなので、そこを意識してやっていきたいです」。完封した今日も、大量の三振を奪うのではなく、捕手・吉岡伸太朗のリードとともにフィールドに打球を転がさせ、守備でアウトを積み上げた。
吉岡伸太朗捕手(3年)は昨秋打率.471を記録しているプロ注目の4番捕手だ。その吉岡との絶妙なコンビネーションが、この完封を成立させた要因の一つだ。バッテリーの完成度が高まれば、専大松戸は上位に食い込む力を持っている。
3回戦、準々決勝と頂点まで勝ち続けるために、門倉のピッチングは欠かせない。甲子園を「楽しい場所」と感じながら投げ続けるエースがいる限り、専大松戸の戦いはまだ始まったばかりだ。

【センバツ2026】専大松戸・門倉昂大が完封4回の集中打で北照を破り4-0初戦突破

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