【W杯】決勝のハーフタイムはなぜ延びるのか 15分の規則とショー

ワールドカップは、日本時間20日に決勝を迎える。アルゼンチンとスペインの一戦だが、その中間にも注目が集まっている。W杯史上初となる、ハーフタイムショーが行われるからだ。
BTS、マドンナ、シャキーラが共同ヘッドライナーを務める。ただ、ここで一つの疑問が浮かぶ。サッカーの競技規則では、ハーフタイムは15分を超えてはならないと定められている。
では、なぜショーが成立するのか。ルールから読み解いてみたい。


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史上初のショーに集う顔ぶれ


まず、何が行われるのかを整理したい。
会場は、ニュージャージー州のメットライフ・スタジアム。共同ヘッドライナーの3組に加え、ジャスティン・ビーバー、バーナ・ボーイ、指揮者のグスターボ・ドゥダメル、PS22コーラスらが名を連ねる。セサミストリートやマペッツのキャラクターも登場するとされる。
監修を務めるのは、コールドプレイのクリス・マーティンだ。制作は、貧困問題に取り組む国際的な市民運動団体が担当する。
FIFAとの共同企画で、恵まれない地域の子どもたちに教育とスポーツの機会を広げることが目的に掲げられている。
W杯決勝でハーフタイムショーが行われるのは、これが初めてとなる。


15分という規則


ここからが本題である。サッカーの競技規則を定めているのは、国際サッカー評議会だ。
この規則の第7条には、競技者には15分間を超えない範囲でハーフタイムのインターバルを取る権利がある、と書かれている。実際の時間は大会ごとの競技会規定で定め、それを変更できるのは主審の承認があった場合に限られる、とも定められている。
つまり15分は目安ではなく、選手に保障された休憩の上限として書かれている。一方、ショーの上演にはそれ以上の時間が必要になる。ステージの設営と撤去にも時間がかかる。ここに、規則と演出のずれが生まれることになる。


20分か30分か


では、実際には何分になるのか。報道は割れている。米メディアは約20分を目安と伝えた。英BBCは、20分程度になる見込みとしたうえで、15分のインターバルに11分のショーを組み込む案が検討されていると報じている。
一方、英テレグラフやタイムズは、最大30分に達する可能性を指摘した。イギリスで中継する放送局は、最大30分を想定して準備を進めているという。FIFAは、ハーフタイム全体の所要時間を正式に発表していない。つまり、当日まで確定しない状態にある。
ただ、前例はある。FIFAは昨夏のクラブワールドカップ決勝でも、約24分のハーフタイムを取ってショーを実施している。

分かれる賛否


この計画には、異論も出ている。指摘されているのは、選手への影響だ。
インターバルが長くなれば、体が冷える。十分なウォーミングアップができないまま後半に入れば、負傷のリスクが高まるという見方がある。放送する側にとっても、前半を振り返る時間が削られる可能性がある。英メディアからは、FIFAがサッカーをアメリカ流に変えようとしている、という皮肉も出た。

一方で、ショーには明確な目的が掲げられている。子どもの教育機会を広げるための企画であり、音楽を通じて世界に発信する場と位置づけられている。
競技の伝統を守るべきか、新しい価値を取り込むべきか。見方は分かれている。

決勝の日は、もう間近だ。当日、ハーフタイムが何分になるのかは、まだ分からない。15分という規則がどう扱われるのかも、始まってみなければ見えてこない。ただ、この一点を知っているだけで、試合の見え方は変わるはずだ。

前半が終わったとき、時計がどう動くのか。ピッチの上だけでなく、その間の時間にも、今大会の姿が表れている。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部

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