【夏の甲子園】1回戦・八幡商 - 健大高崎 両校の地方大会戦績を紹介

第108回全国高校野球選手権大会は8月7日、阪神甲子園球場で第3日を迎える。13時30分から1回戦第2試合として八幡商(滋賀) - 健大高崎(群馬)が行われる。

15年ぶり8回目の出場となる県立の八幡商と、3年連続6回目の健大高崎。滋賀大会をノーシードから勝ち上がった公立校と、群馬大会3連覇を成し遂げた優勝候補という、立場のはっきり分かれた顔合わせだ。ただ、地方大会の中身を並べてみると、両校は「終盤にもつれる試合を勝ち切った」という点でよく似ている。試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。

◆八幡商(滋賀)― 5試合すべて3失点以内、投手を軸に頂点へ

滋賀大会 全戦績

2回戦(7月13日) 八幡商 10-0 日野※6回コールド
3回戦(7月19日) 八幡商 3-0 八日市南
準々決勝(7月21日) 八幡商 5-3 綾羽
準決勝(7月23日) 八幡商 3-2 滋賀短大附
決勝(7月25日) 八幡商 6-2 彦根総合

【通算】5戦全勝 27得点・7失点(1試合平均5.4得点・1.4失点)

初戦から2試合連続無失点で流れをつくった

八幡商は1回戦が免除され、2回戦からの登場となった。初戦の日野戦は6回コールドで10-0。
1番の山口琉希(2年)が二塁打2本を含む4打数3安打、5番・桑原太暉(3年)が三塁打を含む4打数3安打3打点、6番・中村旺輔(2年)が三塁打と二塁打を含む4打数2安打3打点と、上位から下位まで長打が出た。

3回戦の八日市南戦は3-0の完封勝ち。先発した左腕・久保田渓五(2年)が7回を被安打1、7奪三振で無失点に抑え、残る2回をエース右腕・田上晴也(3年)が締めた。2回に西村龍心(2年)の適時打などで2点を先行し、6回には桑原の犠飛で1点を加える、派手さのない試合運びだった。

ここまで2試合で無失点。だが準々決勝以降は、3試合すべてが2点差以内の勝負になる。

準決勝は8回、決勝は5回。どちらも一度追いつかれてから勝ち越した

準々決勝の綾羽戦は、この大会で唯一エース以外が先発した試合だった。
髙木大世(3年)が6回を8安打2失点でまとめ、2-2で迎えた6回に代打・竹中悠善(3年)の適時打と宇城和輝(2年)の犠飛で2点を勝ち越し。7回から田上が3回を1失点で抑えて5-3とした。中村が4打数4安打と当たった。

準決勝の滋賀短大附戦は、2-2の同点で終盤へ。8回、加藤岳(3年)の安打から山口が適時二塁打を放って勝ち越し、そのまま3-2で逃げ切った。久保田が3回2/3を1失点、2番手の田上が5回1/3を1失点。田上はこの試合、最速143キロを記録している。

決勝の彦根総合戦も、投手起用は同じ形だった。
久保田が3回を無失点でつなぎ、4回から田上へ。「4回からはエースの田上に託そうと思っていました」(小川健太監督)と、予定通りの継投だった。その4回裏、辻出愛輝(3年)が右翼へ2ラン本塁打を放って先制。公式戦初本塁打だった。5回に追いつかれた直後、辻井煌大(3年)の内野ゴロ、辻出の犠飛、小林大佑(2年)の適時打で3点を奪い返し、6-2で15年ぶりの優勝を決めた。

今年は学校創立140周年(1886年に滋賀県商業学校として創立)。春季滋賀大会は8強止まり、ノーシードでの登場だった。桑原主将は投手を中心とした守りと、要所で点を取る野球をチームの持ち味に挙げている。
5試合すべて3失点以内という数字が、それを裏づけている。

前回出場の2011年は、2回戦の帝京戦で9回に逆転満塁本塁打が飛び出す劇的な勝利を挙げた。現在の選手たちに当時の記憶はない。

◆健大高崎(群馬)― 4人が先発を分け合い、学校初の3連覇

群馬大会 全戦績

2回戦(7月11日) 健大高崎 17-0 伊勢崎工※5回コールド
3回戦(7月19日) 健大高崎 6-0 伊勢崎
準々決勝(7月21日) 健大高崎 8-1 東農大二※7回コールド
準決勝(7月24日) 健大高崎 2-0 前橋育英
決勝(7月26日) 健大高崎 5-4 前橋商

【通算】5戦全勝 38得点・5失点(1試合平均7.6得点・1.0失点)

準決勝までの4試合で失点はわずか1

健大高崎も2回戦からの登場。初戦の伊勢崎工業戦は5回コールドで17-0と圧倒し、4番・佐藤麻恩(3年)が3ラン本塁打と二塁打を含む4打数2安打5打点。3回戦の伊勢崎戦は6-0で、先発した左腕・大橋叡刀(1年)が5回を被安打2、7奪三振で無失点。以降を新倉大輝(3年)、戸谷圭汰(3年)、石田翔大(3年)がつなぎ、4投手で完封した。

準々決勝の東農大二戦は7回コールドで8-1。
1番・神崎翔斗(2年)が3ラン本塁打を含む4打数3安打3打点、佐藤も2ラン本塁打を放った。準決勝の前橋育英戦は2-0の完封勝ち。3回に萩原雄大(2年)の先制適時二塁打、7回に狩野蓮義(1年)の適時二塁打で1点ずつを重ね、先発の佐藤が5回、2番手の石垣聡志(2年)が4回を、いずれも無失点でまとめた。

ここまでの4試合で失点は準々決勝の1点のみ。試合ごとに先発を替える起用が最後まで機能した。

決勝は2度のビハインドを、8回の一発でひっくり返した

決勝の相手は、春季群馬大会決勝と同じ前橋商。先発は技巧派左腕・北田莉玖(2年)だった。2回に相手のスクイズで先制されると、3回に石田翔大の適時打で追いつき、4回に神崎の適時打で勝ち越す。
しかし7回に2点を失って2-4と再び逆転された。

8回裏、萩原の適時打で1点を返して同点とし、続く神崎が逆転の2ラン本塁打。9回は石田翔大が締めて5-4とした。神崎は5打数2安打3打点、石田雄星主将(3年)が二塁打と三塁打を含む5打数2安打、岩井由來(2年)が4打数3安打と、打線がつながった試合だった。青柳博文監督は選手の粘り強さを勝因に挙げている。

石田雄星主将は6月に右手を骨折し、2回戦を欠場して3回戦から復帰したという経緯がある。春は群馬大会を制し、関東大会準々決勝では横浜に3-4と1点差の試合を演じた。昨夏は初戦敗退で、抽選後の取材では「まず初戦を勝ちたい」と話している。


【夏の甲子園】1回戦・八幡商 - 健大高崎 両校の地方大会戦績を紹介

平均だけを見れば健大高崎が上回るが、38得点のうち17点は2回戦のコールド勝ちによるものだ。準々決勝以降の3試合に絞ると、健大高崎は15得点5失点(平均5.0得点・1.7失点)。八幡商は同じ3試合で14得点7失点(平均4.7得点・2.3失点)となり、差はかなり縮まる。

失点の出方も対照的だ。八幡商の7失点はすべて準々決勝以降で、それも1試合あたり2〜3点に収まっている。健大高崎の5失点は、そのうち4点が決勝の1試合に集中しており、準決勝までの4試合はわずか1失点だった。

投手起用は最も分かりやすい対比になる。八幡商は久保田が5試合中4試合で先発し、田上が全試合に登板する「2枚看板型」。一方の健大高崎は北田が3試合、佐藤と大橋が1試合ずつ先発と、4人が先発を分け合う「継投型」だ。部員数は健大高崎が出場49校で最多の121人、八幡商が69人と、層の厚さにも差がある。1回戦の見どころ

今大会から夏の選手権では初めてDH制(指名打者制)が導入される。この試合では、両校の投手運用にどう作用するかが見どころのひとつだ。健大高崎は先発を分け合う継投型で、投手の打席を気にせず交代させられるDH制は、この形と相性がいい。八幡商も滋賀大会の決勝で、投手登録の中村を3番の指名打者に置いて起用していた。投手を打線から切り離せることが、両校の継投にどう表れるかに注目したい。

もうひとつは、終盤に入ってからの1点の取り方だ。八幡商は準々決勝から決勝まで3試合連続で、一度追いつかれた直後、あるいは同点の終盤に勝ち越している。健大高崎も決勝で2度のビハインドを跳ね返した。どちらも「先に離す」より「後で取り返す」形で勝ち上がってきており、中盤までの点差がそのまま結果に直結しないタイプ同士の対戦になる。

日程面では、この試合の勝者は8月12日(第8日)の第4試合、18時30分開始の2回戦に回る。中5日が空く計算で、同じ7日の第1試合・東海大甲府 - 鶴岡東の勝者と顔を合わせる。投手を複数そろえる健大高崎にとっても、2枚看板で回してきた八幡商にとっても、この間隔は使い方次第だろう。

大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は13時30分プレーボールの予定だ。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部

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