【夏の甲子園】1回戦・立命館宇治 - 有明 両校の地方大会戦績を紹介

第108回全国高校野球選手権大会は8月7日、阪神甲子園球場で第3日を迎える。16時から1回戦第3試合として立命館宇治(京都) - 有明(熊本)が行われる。

3年ぶり5回目の出場となる立命館宇治と、創部30年目で春夏を通じて初出場となる有明。京都大会6試合で54得点を挙げた立命館宇治に対し、有明は熊本大会5試合をわずか5失点で勝ち抜いた。出場歴も勝ち方も対照的な両校が、大会3日目の夕方に顔を合わせる。試合を前に、それぞれが地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。

◆立命館宇治(京都)― 2年生主将が率いる、6試合54得点の打線

京都大会 全戦績

2回戦(7月8日) 立命館宇治 11-1 京都府工※5回コールド
3回戦(7月13日) 立命館宇治 8-1 峰山※8回コールド
4回戦(7月18日) 立命館宇治 10-2 日星※8回コールド
準々決勝(7月22日) 立命館宇治 9-4 福知山成美
準決勝(7月25日) 立命館宇治 6-2 京都翔英
決勝(7月27日) 立命館宇治 10-3 鳥羽

【通算】6戦全勝 54得点・13失点(1試合平均9.0得点・2.2失点)

序盤3試合はすべてコールド

京都大会は75校71チームが参加し、7月4日から27日まで行われた。立命館宇治は2回戦から登場し、京都府工を5回コールド、峰山と日星をいずれも8回コールドで下して、序盤の3試合を危なげなく通過した。


流れが変わったのが準々決勝の福知山成美戦だった。先発の中尾理佑(2年)が2回1/3で4失点と崩れ、4-4のまま終盤へ。9回に2死満塁の好機をつくると、5番・東慶太(3年)、代打の宮本虎太朗(2年)、7番・三村門土(2年)、8番・宮河謙太郎(2年)が4者連続で適時打を放ち、一挙5点。救援した坂本有央(2年)が残る6回2/3を被安打3、無失点に抑えた。

準決勝の京都翔英戦も2-2で折り返す展開だったが、6回に1番・飯田琉翔(3年)の適時打で勝ち越すと、8回に主将・江原雅登(2年)の犠飛、9回に9番・小島千治(2年)の適時内野安打で加点し、6-2とした。先発の谷口瑛太(3年)が6回2/3を2失点、坂本が残りを無失点で締めた。

決勝は8回に打者一巡の7得点

決勝の相手は、ノーシードから準々決勝で龍谷大平安を破って勝ち上がった鳥羽だった。立命館宇治は初回に1点、3回に2点を先行したが、4回と6回に追いつかれて3-3。
決着は8回だった。四球3つで1死満塁とすると、2番・藤川昊大(3年)の適時打、押し出し四球2つ、東の適時打、6番・保田駿介(3年)の走者一掃の二塁打で一挙7得点。先発の中尾が5回2/3を3失点で踏ん張り、坂本が残る3回1/3を無失点でまとめた。

このチームの特徴はベンチ入り20人のうち11人が下級生という編成で、主将の江原も2年生。同校としては初めての下級生主将だという。里井祥吾監督は起用の理由を、リーダー気質があるからだと説明している。京都大会では最多の8打点を挙げた。

今春の京都大会は準優勝。
夏の全国大会は前回出場した2023年に1回戦で敗れており、里井監督は3年前の悔しさを引き合いに、気持ちを切らさず走りきりたいと語っている。夏の甲子園での勝利は2019年の1度だけだ。

◆有明(熊本)― 5試合を2人の左腕だけで投げ切った初出場校

熊本大会 全戦績

2回戦(7月12日) 有明 5-0 千原台
3回戦(7月16日) 有明 5-0 開新
準々決勝(7月19日) 有明 10-0 岱志※5回コールド
準決勝(7月22日) 有明 5-4 熊本工※延長11回タイブレーク
決勝(7月24日) 有明 4-1 東海大熊本星翔

【通算】5戦全勝 29得点・5失点(1試合平均5.8得点・1.0失点)

初戦は継投でノーヒットノーラン

熊本大会は連合チームを含む59校54チームが参加。第3シードの有明は2回戦の千原台戦で、最速143キロ左腕の工修哉(3年)が5回、最速146キロ左腕の斉藤遼汰郎(3年)が残る4回を投げ、2人の継投でノーヒットノーランを達成した。3番・實田聡志(3年)の3ラン本塁打などで5-0。続く3回戦の開新戦、準々決勝の岱志戦も完封し、3試合連続無失点で4強に進んだ。

準決勝の熊本工戦は、今春の選抜大会に出場した第1シードとの一戦だった。有明が初回に實田の適時打、2回にも加点して2点を先行したが、2回に追いつかれ、3回には勝ち越されて2-3。
ここで背番号1の斉藤が登板する。6回に2番・西山享太郎(3年)のソロ本塁打で追いつくと、以降は互いに譲らず延長へ。タイブレークの11回、西山の犠打から實田が三遊間を破る2点適時打を放った。その裏、熊本工に無死満塁から中前へ運ばれたが、中堅手・高橋春喜(3年)の好返球で二塁走者を刺し、1点差で逃げ切った。斉藤は8回を投げて1失点だった。

決勝は前年と同じ顔合わせ

決勝の相手・東海大熊本星翔は、前年の夏に有明を破って優勝した連覇狙いのチームだった。有明は初回、先頭の1番・永田晴輝(3年)が安打で出て2つの盗塁で三塁へ進み、實田の犠飛で先制。2回に高橋の適時打、7回に永田の2点適時打で加点した。
工が5回を被安打1、無失点、斉藤が残る4回を1失点。永田は4打数2安打2打点、2盗塁だった。

有明は1961年に有明商として開校した私立校で、野球部は創部30年目。荒尾市にある高校としては初めての夏の甲子園出場となる。前年の夏は決勝で敗れており、同じ相手にやり返しての初優勝だった。

熊本県では7月下旬に地震が発生し、県内では死者が出るなど大きな被害が続いている。チームは7月30日、当初の予定を変更してバスと新幹線を乗り継ぎ、阪神甲子園球場へ向かった。西原村出身の實田主将は、10年前の熊本地震を自宅で経験している。


【夏の甲子園】1回戦・立命館宇治 - 有明 両校の地方大会戦績を紹介

平均値はそのまま比べにくい。立命館宇治の序盤3試合は29得点4失点のコールド3連発で、ここが平均を押し上げている。準々決勝以降の3試合に絞ると25得点9失点(平均8.3得点・3.0失点)となり、失点13のうち9が終盤の3試合に集中している。有明も同様で、5失点はすべて準決勝と決勝のもの。準々決勝までの3試合は無失点だった。互いに、勝ち上がるにつれて競った試合になっている。

打ち方も似ている。立命館宇治は地方大会の総犠打26個が49代表校中1位、有明は1試合平均4.6個が1位。
本塁打は立命館宇治が0本、有明も2本で、どちらも送って一つずつ得点を積む形だ。有明は加えて15盗塁と機動力を使う。

対照的なのは投手起用だ。有明は5試合43イニングを工と斉藤の2人だけで投げ切り、すべて工が先発して斉藤が締める同じ形だった。
立命館宇治は6試合48イニングを谷口(17回2/3)、中尾(15回2/3)、坂本(14回1/3)の3人でほぼ均等に分け合っている。谷口と中尾のどちらが先発しても、終盤は坂本が出てくる。坂本は京都大会で無失点だった。

1回戦の見どころ

終盤に強い者同士の対戦になる。 立命館宇治は準々決勝で9回に5点、決勝で8回に7点を奪って勝った。有明は準決勝を延長11回のタイブレークで制している。どちらも中盤までに大差がつくタイプではなく、7回以降に持ち込んだときにどちらの控え投手が残っているかが焦点になる。
立命館宇治の坂本、有明の斉藤、それぞれの起用のタイミングは見どころだ。

今大会から導入されたDH制がどう働くか。 夏の全国大会でDH制が使われるのは今回が初めてだ。
有明は工と斉藤の2投手で回してきたチームで、投手を打線から外せる分、継投の判断が動かしやすくなる可能性がある。一方の立命館宇治は主将の江原が捕手で3番を打つなど、野手の並びで得点を重ねてきた。制度変更の影響は、投手を多く抱える側に出やすい。

打線の型がよく似ている。 犠打の多さが全国上位という点で両校は共通しており、1点をどう取るかの勝負になりやすい。
立命館宇治の江原主将は、安打が出なくてもチームで1点を取ることにこだわりたいと話している。有明も盗塁とスクイズで先制点をつくってきた。序盤の1点が最後まで効く展開も想定される。

大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は16時プレーボールの予定で、第3日から第8日までは観客の入れ替えを伴う2部制が採られており、第3試合は入れ替え後の最初の試合にあたる。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

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