【夏の甲子園】1回戦・立正大淞南 - 長崎日大 両校の地方大会戦績を紹介
第108回全国高校野球選手権大会は8月7日、阪神甲子園球場で第3日を迎える。18時30分から1回戦第4試合として立正大淞南(島根) - 長崎日大(長崎)が行われる。
3年ぶり4度目の出場となる立正大淞南と、16年ぶり10度目の長崎日大。今春の選抜大会を経験した長崎日大に対し、立正大淞南は接戦を拾い続けて島根を勝ち上がった。地方大会の総得点は24と38で差があるが、失点はほぼ並ぶ。
試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。
◆立正大淞南(島根)― 5試合24得点、終盤に強い「粘りのチーム」
島根大会 全戦績
2回戦(7月13日) 立正大淞南 7-0 益田※7回コールド
3回戦(7月18日) 立正大淞南 4-3 大社
準々決勝(7月22日) 立正大淞南 6-2 松江南
準決勝(7月24日) 立正大淞南 2-0 石見智翠館
決勝(7月26日) 立正大淞南 5-3 島根中央
【通算】5戦全勝 24得点・8失点(1試合平均4.8得点・1.6失点)
第4シードから、実力校を次々に
島根大会は7月11日開幕、26日決勝の16日間。第4シードの立正大淞南は2回戦から登場し、益田を7回コールドで下すと、3回戦で大社、準々決勝で松江南、準決勝で石見智翠館と、上位進出の常連を続けて破って決勝にたどり着いた。
大黒柱はエース左腕の川口元(3年)。5試合すべてに先発し、防御率0.90をマークした。3回戦の大社戦は3-4の接戦を完投で守り抜き、準決勝の石見智翠館戦では2-0の完封。石見智翠館には今春、島根大会準決勝と中国大会準決勝で連敗しており、3度目の対戦でようやく借りを返した形になった。
川口は3番を打つ野手でもある。太田充監督が攻守の柱と位置づける存在で、この選手をどう起用するかがチームの形そのものを決めている。
決勝は九回、2死満塁からの連打で逆転
決勝の相手は、前年秋の島根大会を制した島根中央。エース塩崎孔耀を擁し、初の夏の甲子園出場を狙う川本町の学校だった。
立正大淞南は六回まで無得点に抑えられ、0-2で終盤に入る。七回、沢岻銀士(2年)の中前打と犠打で1死二塁とすると、7番・西里颯馬の中前適時打で1点を返し、2死二塁から9番・上原凰李生の内野安打で追いついた。八回に1点を勝ち越されたが、九回1死一、三塁で西里のスクイズで再び同点。なおも2死満塁から1番・金城旬太朗の左前適時打で勝ち越し、続く2番で主将の太田嵐(3年)の適時打で5点目を挙げた。最終回だけで5安打を集中させた逆転劇だった。
川口は8安打を浴びながら3失点で完投。三回と四回のピンチをいずれも併殺で切り抜けた。
立正大淞南の夏の甲子園出場は2023年以来。
◆長崎日大(長崎)― 春夏連続出場、決勝は延長11回の死闘を制して
長崎大会 全戦績
2回戦(7月11日) 長崎日大 10-0 壱岐商業※5回コールド
3回戦(7月18日) 長崎日大 3-0 島原中央
準々決勝(7月20日) 長崎日大 4-3 長崎工業
準決勝(7月23日) 長崎日大 14-4 波佐見※5回コールド
決勝(7月25日) 長崎日大 7-2 大崎※延長11回タイブレーク
【通算】5戦全勝 38得点・9失点(1試合平均7.6得点・1.8失点)
春の経験を積んだ第1シード
長崎大会は7月6日開幕、25日決勝。今春の選抜大会に出場した長崎日大は第1シードとして2回戦から登場し、壱岐商業を5回コールドで一蹴した。3回戦の島原中央戦は3-0の完封、準々決勝の長崎工業戦は4-3の1点差と、中盤の2試合はいずれもロースコアの競り合いだった。
準決勝の波佐見戦で打線が一気に目を覚ます。初回に打者一巡の攻撃で6点を先制し、三回に3点、四回にも3点。波佐見も四回に1点、五回表に3点を返して食い下がったが、その裏に2点を加えてサヨナラコールドが成立した。
チームを率いるのは平山清一郎監督。梶山風岳主将(3年)を中心とした部員83人の大所帯で、守りからリズムをつくる野球を掲げている。
決勝、八回まで無安打の右腕と、延長の一発
決勝の相手は第2シードの大崎。夏は初の出場がかかる県立校で、2年生左腕・山本翔大が七回まで長崎日大打線を1安打に抑え込み、試合は緊迫した投手戦になった。
均衡を破ったのは八回2死、1番の太田涼介(3年)の左越えソロ本塁打。九回にも1点を加え、2-0とした。しかしエースの古賀友樹(3年)が八回まで続けていた無安打無得点は九回に途切れる。
十回は両校無得点。11回、長崎日大は4番・川鍋伶恩(3年)の3点本塁打を含む一挙5点で試合を決めた。182センチ88キロ、高校通算11本塁打の右打者が、最も重い場面で結果を出した。古賀は延長11回を3安打2失点で投げ抜き、自己最速の142キロもマークしている。
長崎日大の夏の甲子園出場は2010年以来16年ぶりで10度目。春夏連続出場は1993年、1999年に続く27年ぶり3度目となる。今春の選抜大会は1回戦で山梨学院に3-5で敗れており、その悔しさを晴らす夏でもある。
1回戦の見どころ
似たタイプ同士のロースコア勝負になるか。 両監督は試合前の対談で、互いに守備からリズムをつくるチームだと認め合っている。立正大淞南の太田監督は長崎日大を「タイプ的に似ているチーム」と評したうえで、長打力ではあちらが上だと警戒を口にした。長崎日大の平山監督も、点差を離されない接戦に持ち込みたいと語っている。両校が最も得意とする形が重なるだけに、序盤の1点の価値は高くなりそうだ。
投手が打線に組み込まれている両校と、初導入のDH制。 今大会から夏の選手権では初めてDH制(指名打者制)が採用される。立正大淞南の川口は3番、長崎日大の古賀も打席に立つ選手で、どちらのエースも投げるだけの存在ではない。
14年ぶりの1勝か、春のリベンジか。 立正大淞南にとって聖地での勝利は2012年以来。前回2023年は初戦で姿を消している。
一方の長崎日大は今春の選抜大会で山梨学院に敗れており、同じ夏に戻ってきた意味を勝利で示したい。両校のエースはいずれも地方大会決勝で完投しており、そこから中11日、中12日を置いてのマウンドとなる。
大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は18時30分プレーボールの予定だ。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
3年ぶり4度目の出場となる立正大淞南と、16年ぶり10度目の長崎日大。今春の選抜大会を経験した長崎日大に対し、立正大淞南は接戦を拾い続けて島根を勝ち上がった。地方大会の総得点は24と38で差があるが、失点はほぼ並ぶ。
試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。
◆立正大淞南(島根)― 5試合24得点、終盤に強い「粘りのチーム」
島根大会 全戦績
2回戦(7月13日) 立正大淞南 7-0 益田※7回コールド
3回戦(7月18日) 立正大淞南 4-3 大社
準々決勝(7月22日) 立正大淞南 6-2 松江南
準決勝(7月24日) 立正大淞南 2-0 石見智翠館
決勝(7月26日) 立正大淞南 5-3 島根中央
【通算】5戦全勝 24得点・8失点(1試合平均4.8得点・1.6失点)
第4シードから、実力校を次々に
島根大会は7月11日開幕、26日決勝の16日間。第4シードの立正大淞南は2回戦から登場し、益田を7回コールドで下すと、3回戦で大社、準々決勝で松江南、準決勝で石見智翠館と、上位進出の常連を続けて破って決勝にたどり着いた。
大黒柱はエース左腕の川口元(3年)。5試合すべてに先発し、防御率0.90をマークした。3回戦の大社戦は3-4の接戦を完投で守り抜き、準決勝の石見智翠館戦では2-0の完封。石見智翠館には今春、島根大会準決勝と中国大会準決勝で連敗しており、3度目の対戦でようやく借りを返した形になった。
川口は3番を打つ野手でもある。太田充監督が攻守の柱と位置づける存在で、この選手をどう起用するかがチームの形そのものを決めている。
決勝は九回、2死満塁からの連打で逆転
決勝の相手は、前年秋の島根大会を制した島根中央。エース塩崎孔耀を擁し、初の夏の甲子園出場を狙う川本町の学校だった。
立正大淞南は六回まで無得点に抑えられ、0-2で終盤に入る。七回、沢岻銀士(2年)の中前打と犠打で1死二塁とすると、7番・西里颯馬の中前適時打で1点を返し、2死二塁から9番・上原凰李生の内野安打で追いついた。八回に1点を勝ち越されたが、九回1死一、三塁で西里のスクイズで再び同点。なおも2死満塁から1番・金城旬太朗の左前適時打で勝ち越し、続く2番で主将の太田嵐(3年)の適時打で5点目を挙げた。最終回だけで5安打を集中させた逆転劇だった。
川口は8安打を浴びながら3失点で完投。三回と四回のピンチをいずれも併殺で切り抜けた。
立正大淞南の夏の甲子園出場は2023年以来。
最高成績は2009年のベスト8で、通算3勝を挙げている。ただし2023年は初戦(2回戦)で敗退しており、聖地での白星は2012年に盛岡大付を破って以来、14年遠ざかっている。
◆長崎日大(長崎)― 春夏連続出場、決勝は延長11回の死闘を制して
長崎大会 全戦績
2回戦(7月11日) 長崎日大 10-0 壱岐商業※5回コールド
3回戦(7月18日) 長崎日大 3-0 島原中央
準々決勝(7月20日) 長崎日大 4-3 長崎工業
準決勝(7月23日) 長崎日大 14-4 波佐見※5回コールド
決勝(7月25日) 長崎日大 7-2 大崎※延長11回タイブレーク
【通算】5戦全勝 38得点・9失点(1試合平均7.6得点・1.8失点)
春の経験を積んだ第1シード
長崎大会は7月6日開幕、25日決勝。今春の選抜大会に出場した長崎日大は第1シードとして2回戦から登場し、壱岐商業を5回コールドで一蹴した。3回戦の島原中央戦は3-0の完封、準々決勝の長崎工業戦は4-3の1点差と、中盤の2試合はいずれもロースコアの競り合いだった。
準決勝の波佐見戦で打線が一気に目を覚ます。初回に打者一巡の攻撃で6点を先制し、三回に3点、四回にも3点。波佐見も四回に1点、五回表に3点を返して食い下がったが、その裏に2点を加えてサヨナラコールドが成立した。
5イニングで14得点である。
チームを率いるのは平山清一郎監督。梶山風岳主将(3年)を中心とした部員83人の大所帯で、守りからリズムをつくる野球を掲げている。
決勝、八回まで無安打の右腕と、延長の一発
決勝の相手は第2シードの大崎。夏は初の出場がかかる県立校で、2年生左腕・山本翔大が七回まで長崎日大打線を1安打に抑え込み、試合は緊迫した投手戦になった。
均衡を破ったのは八回2死、1番の太田涼介(3年)の左越えソロ本塁打。九回にも1点を加え、2-0とした。しかしエースの古賀友樹(3年)が八回まで続けていた無安打無得点は九回に途切れる。
先頭打者の左前打から二、三塁とされ、内野ゴロの間に1点、さらに2死から4番の適時打で追いつかれ、延長タイブレークに入った。
十回は両校無得点。11回、長崎日大は4番・川鍋伶恩(3年)の3点本塁打を含む一挙5点で試合を決めた。182センチ88キロ、高校通算11本塁打の右打者が、最も重い場面で結果を出した。古賀は延長11回を3安打2失点で投げ抜き、自己最速の142キロもマークしている。
長崎日大の夏の甲子園出場は2010年以来16年ぶりで10度目。春夏連続出場は1993年、1999年に続く27年ぶり3度目となる。今春の選抜大会は1回戦で山梨学院に3-5で敗れており、その悔しさを晴らす夏でもある。
1回戦の見どころ
似たタイプ同士のロースコア勝負になるか。 両監督は試合前の対談で、互いに守備からリズムをつくるチームだと認め合っている。立正大淞南の太田監督は長崎日大を「タイプ的に似ているチーム」と評したうえで、長打力ではあちらが上だと警戒を口にした。長崎日大の平山監督も、点差を離されない接戦に持ち込みたいと語っている。両校が最も得意とする形が重なるだけに、序盤の1点の価値は高くなりそうだ。
投手が打線に組み込まれている両校と、初導入のDH制。 今大会から夏の選手権では初めてDH制(指名打者制)が採用される。立正大淞南の川口は3番、長崎日大の古賀も打席に立つ選手で、どちらのエースも投げるだけの存在ではない。
DHを使えば投手の負担は減るが、その打順が消える。両校がどちらを選ぶかは、そのまま試合展開の設計につながる。
14年ぶりの1勝か、春のリベンジか。 立正大淞南にとって聖地での勝利は2012年以来。前回2023年は初戦で姿を消している。
一方の長崎日大は今春の選抜大会で山梨学院に敗れており、同じ夏に戻ってきた意味を勝利で示したい。両校のエースはいずれも地方大会決勝で完投しており、そこから中11日、中12日を置いてのマウンドとなる。
大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は18時30分プレーボールの予定だ。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。