【夏の甲子園】1回戦・日本文理 - 大分商 両校の地方大会戦績を紹介

第108回全国高校野球選手権大会は8月8日、阪神甲子園球場で第4日を迎える。16時から1回戦第3試合として日本文理(新潟) - 大分商(大分)が行われる。

春夏連続で4年ぶり13回目の出場となる日本文理と、13年ぶり16回目の大分商。ともに地元で最多出場を誇る看板校だが、この夏の勝ち上がり方は対照的だった。
試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。

◆日本文理(新潟)― 6試合で63得点、全試合7点以上の「つなぐ打線」

新潟大会 全戦績
2回戦(7月10日) 日本文理 14-2 柏崎常盤・柏崎総合※5回コールド
3回戦(7月15日) 日本文理 18-5 新発田農※7回コールド
4回戦(7月18日) 日本文理 8-0 六日町※7回コールド
準々決勝(7月20日) 日本文理 7-2 北越
準決勝(7月22日) 日本文理 8-2 新潟明訓
決勝(7月24日) 日本文理 8-2 帝京長岡

【通算】6戦全勝 63得点・13失点(1試合平均10.5得点・2.2失点)

序盤3試合はすべてコールド

昨秋の新潟大会を制し、今春のセンバツにも出場した鈴木崇監督のチームは、初戦から3試合連続でコールド勝ちを収めた。
3回戦の新発田農戦では23安打を集中させ、4番・吉田流太(3年)が三塁打と二塁打2本を含む5打数5安打、大地永純(3年)が4打数4安打6打点と打ち崩している。

準決勝は春の新潟大会を制した第1シード・新潟明訓との対戦だった。
初回、吉田の適時打を口火に押し出し四球や内野ゴロなどで一挙5点。先発の染谷崇史(3年)が6回2失点でゲームを作ると、7回からは主将の渡部倖成(3年)が3回を無失点に抑えた。渡部は今夏の初戦で左手を痛めながら、リリーフの要を務め続けている。

決勝は雨中の逆転劇、1年生が9回118球

決勝の相手はセンバツにともに出場した帝京長岡。雨の中で行われた一戦は、初回に1点を先制されながら、その裏に押し出しの死球と四球で2-1と逆転した。2回には土屋太偉哉(3年)の三塁打を起点に安達煌栄千(3年)の犠飛、臼木彪牙(2年)の適時三塁打などで4点、3回にも2点を加えて8-1と突き放している。

マウンドを託されたのは1年生右腕の浅井隼。9回を7安打4四死球2失点、118球で投げ切った。
準々決勝の北越戦でも7回2失点と好投しており、3年生の染谷との2枚看板が、この夏の投手陣の形になっている。

新潟大会の6試合で失策はわずか3。前回の夏の出場となった2022年は初戦で海星(長崎)に0-11で敗れており、その悔しさを知る学年が中心にいる。

◆大分商(大分)― 全5試合を継投、明豊の6連覇を止めた公立の名門

大分大会 全戦績
2回戦(7月11日) 大分商 9-1 国東※8回コールド
3回戦(7月17日) 大分商 8-4 中津東
準々決勝(7月20日) 大分商 5-3 佐伯鶴城
準決勝(7月23日) 大分商 4-3 明豊※9回サヨナラ
決勝(7月25日) 大分商 6-2 津久見

【通算】5戦全勝 32得点・13失点(1試合平均6.4得点・2.6失点)

米田 → 葛城 → 平田の「勝利の方程式」

那賀誠監督が5試合すべてで貫いたのが継投だ。背番号10の米田泰志(3年)が全試合で先発して3〜4回を投げ、中盤を左腕の葛城晴紀(1年)がつなぎ、最後にエースで主将の平田玲翔(3年)が締める。平田は大分大会の5試合で17回2/3を投げ、被安打はわずか4本だった。

最大の山場は準決勝の明豊戦だった。大会5連覇中で、史上初の6連覇を狙う相手に1点を追う展開が続き、8回に勝ち越したものの9回表に土壇場で追いつかれる。
それでもその裏、先頭の菅原翔空(3年)が三塁打で出塁し、1死二、三塁から木村颯汰(3年)が適時内野安打。サヨナラで王者を退けた。

決勝は5回無安打リリーフで13年ぶりの頂点

決勝の津久見戦も初回に先制を許したが、その裏に木村と杉山巧真(2年)の適時打で逆転。4回に中野斗真(3年)のスクイズで加点し、7回には木村の適時二塁打と杉山の犠飛で3点を追加した。
木村は4打数3安打3打点と、準決勝に続いて決勝でも試合を決めている。

平田は「2番・DH」で先発出場し、3-1の5回からマウンドへ。準決勝でできた右手中指のマメの影響で6四死球を与えながら、5回を無安打1失点に抑えた。
6回にはこの日最速の150キロを計測している。
1メートル88の長身から最速152キロを投げ、高校通算20本塁打を放つ二刀流には、大分大会中からプロのスカウトが視察に訪れていた。

西武・源田壮亮や広島・森下暢仁を輩出した公立の名門は、これで大分県内最多を更新する16回目の夏の出場となる。春夏を通じた過去最高成績はベスト8。平田主将は組み合わせ抽選後、その先を狙うと語っている。

【夏の甲子園】1回戦・日本文理 - 大分商 両校の地方大会戦績を紹介

平均得点では日本文理が4点以上上回るが、この数字は割り引いて見る必要がある。序盤3試合が40得点で、しかもすべてコールドゲームだからだ。
準々決勝以降の3試合に絞ると日本文理は23得点6失点(平均7.7得点・2.0失点)。
一方の大分商は準々決勝以降の3試合が15得点8失点(平均5.0得点・2.7失点)で、差は縮まる。
総失点と総失策がともに13と3で並んでいるのも興味深い。

投手起用は明確に分かれる。日本文理は決勝で1年生の浅井が118球を投げ切ったのに対し、大分商は5試合すべてで3人以上をつないだ。
1試合平均の犠打は大分商が2.8個で日本文理の2.3個を上回っており、1点を刻む姿勢もうかがえる。

1回戦の見どころ

DH制元年の二刀流をどう使うか。 今大会から夏の選手権でも指名打者制が導入された。
大分商は大分大会の決勝で、平田を「2番・DH」に置いたうえで5回から救援させている。打者としても打率.476を残す主将を、打線に残したまま何回からマウンドに送るのか。
継投のタイミングが、そのまま試合の分岐点になりそうだ。

63得点の打線と、被安打4のリリーフエース。 日本文理は6試合すべてで7得点以上を奪い、チーム打率.409は出場49校で6位。対する平田は大分大会でほとんど安打を許していない。
序盤に米田・葛城から日本文理が主導権を握れるのか、それとも試合が競ったまま平田の登板を迎えるのか。この試合の性格を決めるのは序盤の4〜5回だろう。

春の甲子園を経験した側と、13年ぶりの側。 日本文理は今春のセンバツで1回戦の高知農戦に8-1で勝ち、2回戦は雨の中、花咲徳栄に0-17で敗れた。
あの大敗を経験した選手が主力に残る。
一方の大分商は、この学年にとって初めての阪神甲子園球場となる。聖地での経験値の差が、立ち上がりにどう出るか。

大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は16時プレーボールの予定だ。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

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