【夏の甲子園】1回戦・鳴門渦潮 - 八王子実践 両校の地方大会戦績を紹介
第108回全国高校野球選手権大会は8月9日、阪神甲子園球場で第5日を迎える。
16時から1回戦第3試合として鳴門渦潮(徳島) - 八王子実践(西東京)が行われる。
2年ぶり9回目の出場となる鳴門渦潮と、春夏通じて初出場の八王子実践。片や1人のエースが徳島大会を投げ抜いた県立校、片や2人の投手を並べて激戦区・西東京を突破した創立100周年の私学と、勝ち上がり方は対照的だ。
試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。
◆鳴門渦潮(徳島)― 5試合すべて3点差以内、エースが746球を投げ抜いた
徳島大会 全戦績
1回戦(7月12日) 鳴門渦潮 4-1 徳島市立
2回戦(7月19日) 鳴門渦潮 5-3 阿波
準々決勝(7月22日) 鳴門渦潮 2-1 鳴門
準決勝(7月25日) 鳴門渦潮 5-4 生光学園
決勝(7月27日) 鳴門渦潮 7-4 阿南光
【通算】5戦全勝 23得点・13失点(1試合平均4.6得点・2.6失点)
ノーシードから、4試合が逆転勝ち
29チームが参加した徳島大会を、鳴門渦潮はノーシードから勝ち上がった。5試合すべてが3点差以内で、コールド勝ちも完封勝ちもない。
1回戦の徳島市立戦は0-1と追う7回裏、暴投と1番・濱彩人、2番・山本飛佑雅の連続適時打などで一挙4点。
準決勝の生光学園戦も2-4と2点を追う4回裏に追いつき、5回裏に西内の適時打で勝ち越した。4番・西丸皇槻が5打数4安打1打点。エース右腕・西村大輝(3年)は9回を被安打12・11奪三振・4失点、187球を投げ切っている。
決勝は、2年前と同じ相手を再び退けた
決勝の相手は2年前の決勝と同じ阿南光。今春の選抜大会に出場した相手に、鳴門渦潮は1-1の3回裏、西丸の適時二塁打で勝ち越すと、4回裏にも相手失策と濱の犠飛で2点を追加して4-1とした。12安打を放ち、2番・山本が5打数3安打1打点、8番・西内が三塁打を含む4打数2安打。西村は6回2失点で一度マウンドを降りたが、有馬凜人(2年)を挟んで再登板し、残る2回を無失点に抑えた。
森恭仁監督が率いるチームは、2025年秋の徳島大会で4強に入った一方、今春の県大会は8強にも届かなかった。夏に入って一戦ごとに競り勝ち、最後は最速141キロの西村が全5試合に先発、準決勝まで4試合連続完投を含め計44回・746球を投げてマウンドを守り切った。
前回出場の2024年は大会第5日の1回戦で早稲田実(西東京)に4-8で敗れており、今回もまた第5日、相手はまた西東京代表となる。
◆八王子実践(西東京)― 創立100周年、2枚看板で激戦区の頂点に
西東京大会 全戦績
2回戦(7月13日) 八王子実践 8-1 桐朋※7回コールド
3回戦(7月15日) 八王子実践 12-0 多摩大聖ヶ丘※5回コールド
4回戦(7月18日) 八王子実践 9-8 日大鶴ヶ丘
準々決勝(7月20日) 八王子実践 5-2 佼成学園
準決勝(7月24日) 八王子実践 4-2 明大八王子
決勝(7月26日) 八王子実践 1-0 創価
【通算】6戦全勝 39得点・13失点(1試合平均6.5得点・2.2失点)
4回戦、9回表の一挙6点
第4シードで臨んだ八王子実践は、序盤2試合をいずれもコールドで通過した。
流れが変わったのが4回戦の日大鶴ヶ丘戦だ。3-7と4点を追う9回表、3番・亀山翔汰(2年)の適時打で反撃を始めると、7番・荒木孝介の適時二塁打、8番・山本悠陽(2年)の適時打、9番・倉持友羽の適時三塁打などで一挙6点。9-7とひっくり返した。先発の塚原翔太(3年)は8失点しながら9回を投げ抜き、この逆転劇を呼び込んでいる。
準々決勝の佼成学園戦は2-2の5回表に2番・櫻泰成の内野安打と失策で勝ち越し、7回表に亀山の適時打などで突き放した。1番・近藤秀人(3年)が4打数3安打1盗塁。準決勝の明大八王子戦では初回に4番・山本悠生(3年)と5番・大塚逸輝(3年)の連続適時二塁打で先制し、2-2に追いつかれた7回表に亀山の2点適時打で勝ち越した。
決勝は1-0、背番号10が8回1/3を無失点
決勝の相手は19年ぶりの出場を狙う創価だった。0-0で迎えた7回表、山本悠生と6番・座間愛斗の安打で好機をつくり、7番・荒木の中犠飛で1点。これが決勝点となった。先発の奥山慎太郎(3年)が8回1/3を被安打5・6奪三振で無失点。9回2死満塁のピンチで背番号1の塚原がマウンドに上がり、後続を断って完封リレーを締めた。
チームを率いるのは同校OBの河本ロバート監督(40)。亜細亜大を経て米ドジャースとマイナー契約を結んだ経歴を持ち、2014年には四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスでプレーし、チーム初の独立リーグ日本一に貢献している。
学校は今年が創立100周年、野球部は創部41年目。抽選会で希望通りの「41」を引き当て、開会式では矢沢陵磨主将が選手宣誓を務めた。初出場校からの宣誓は春夏を通じて初めてだった。
平均得点は八王子実践が2点近く上回るが、序盤の2試合(8-1、12-0)がいずれもコールド勝ちで、この2試合だけで20得点を挙げている点は割り引いて見たい。準々決勝以降の3試合に絞ると八王子実践は10得点・4失点、つまり1試合平均3.3得点・1.3失点で、勝ち方はむしろロースコア型に寄っている。
一方の鳴門渦潮は準々決勝以降の3試合が14得点・9失点。
投手起用は好対照になる。鳴門渦潮は西村が全5試合に先発して44回を1人で背負い、準決勝まで4試合連続完投。八王子実践は塚原が25回2/3、奥山が21回1/3とほぼ半分ずつを分け合う2枚看板で、決勝も先発・奥山、締め・塚原の継投だった。
1回戦の見どころ
今大会から導入されたDH制を、鳴門渦潮は使わない。徳島大会で指名打者を一度も使わなかったのは出場49校で鳴門渦潮だけだ。
エースの西村が3番に座り、投打両方でチームの軸になっているためで、打線から西村を外す選択肢がそもそもない。
西村の負担をどこで軽くできるか。徳島大会で746球を投げた右腕は、決勝から中12日で聖地のマウンドに立つ。準々決勝の3安打1失点のような内容が続けば鳴門渦潮のペースだが、決勝で有馬が2失点したように2番手以降がまだ計算しにくい。
八王子実践の打線は4回戦で9回に6点を返した粘りが持ち味で、先発を引きずり出してからの終盤に強みがある。
「第5日・西東京代表」という巡り合わせ。鳴門渦潮の前回出場となった2024年も、大会第5日の1回戦で西東京代表・早稲田実に4-8で敗れている。
2年前と同じ日程、同じ地区の相手に、県立校がどんな入り方をするか。
大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は16時プレーボールの予定だ。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
16時から1回戦第3試合として鳴門渦潮(徳島) - 八王子実践(西東京)が行われる。
2年ぶり9回目の出場となる鳴門渦潮と、春夏通じて初出場の八王子実践。片や1人のエースが徳島大会を投げ抜いた県立校、片や2人の投手を並べて激戦区・西東京を突破した創立100周年の私学と、勝ち上がり方は対照的だ。
試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。
◆鳴門渦潮(徳島)― 5試合すべて3点差以内、エースが746球を投げ抜いた
徳島大会 全戦績
1回戦(7月12日) 鳴門渦潮 4-1 徳島市立
2回戦(7月19日) 鳴門渦潮 5-3 阿波
準々決勝(7月22日) 鳴門渦潮 2-1 鳴門
準決勝(7月25日) 鳴門渦潮 5-4 生光学園
決勝(7月27日) 鳴門渦潮 7-4 阿南光
【通算】5戦全勝 23得点・13失点(1試合平均4.6得点・2.6失点)
ノーシードから、4試合が逆転勝ち
29チームが参加した徳島大会を、鳴門渦潮はノーシードから勝ち上がった。5試合すべてが3点差以内で、コールド勝ちも完封勝ちもない。
1回戦の徳島市立戦は0-1と追う7回裏、暴投と1番・濱彩人、2番・山本飛佑雅の連続適時打などで一挙4点。
準々決勝の鳴門戦は1-1のまま9回裏に入り、3番・西村大輝の二塁打などで無死満塁とすると、1死満塁からフルカウントで7番・西内瑠唯がスクイズを決めて決着させた。
準決勝の生光学園戦も2-4と2点を追う4回裏に追いつき、5回裏に西内の適時打で勝ち越した。4番・西丸皇槻が5打数4安打1打点。エース右腕・西村大輝(3年)は9回を被安打12・11奪三振・4失点、187球を投げ切っている。
決勝は、2年前と同じ相手を再び退けた
決勝の相手は2年前の決勝と同じ阿南光。今春の選抜大会に出場した相手に、鳴門渦潮は1-1の3回裏、西丸の適時二塁打で勝ち越すと、4回裏にも相手失策と濱の犠飛で2点を追加して4-1とした。12安打を放ち、2番・山本が5打数3安打1打点、8番・西内が三塁打を含む4打数2安打。西村は6回2失点で一度マウンドを降りたが、有馬凜人(2年)を挟んで再登板し、残る2回を無失点に抑えた。
森恭仁監督が率いるチームは、2025年秋の徳島大会で4強に入った一方、今春の県大会は8強にも届かなかった。夏に入って一戦ごとに競り勝ち、最後は最速141キロの西村が全5試合に先発、準決勝まで4試合連続完投を含め計44回・746球を投げてマウンドを守り切った。
前回出場の2024年は大会第5日の1回戦で早稲田実(西東京)に4-8で敗れており、今回もまた第5日、相手はまた西東京代表となる。
◆八王子実践(西東京)― 創立100周年、2枚看板で激戦区の頂点に
西東京大会 全戦績
2回戦(7月13日) 八王子実践 8-1 桐朋※7回コールド
3回戦(7月15日) 八王子実践 12-0 多摩大聖ヶ丘※5回コールド
4回戦(7月18日) 八王子実践 9-8 日大鶴ヶ丘
準々決勝(7月20日) 八王子実践 5-2 佼成学園
準決勝(7月24日) 八王子実践 4-2 明大八王子
決勝(7月26日) 八王子実践 1-0 創価
【通算】6戦全勝 39得点・13失点(1試合平均6.5得点・2.2失点)
4回戦、9回表の一挙6点
第4シードで臨んだ八王子実践は、序盤2試合をいずれもコールドで通過した。
流れが変わったのが4回戦の日大鶴ヶ丘戦だ。3-7と4点を追う9回表、3番・亀山翔汰(2年)の適時打で反撃を始めると、7番・荒木孝介の適時二塁打、8番・山本悠陽(2年)の適時打、9番・倉持友羽の適時三塁打などで一挙6点。9-7とひっくり返した。先発の塚原翔太(3年)は8失点しながら9回を投げ抜き、この逆転劇を呼び込んでいる。
準々決勝の佼成学園戦は2-2の5回表に2番・櫻泰成の内野安打と失策で勝ち越し、7回表に亀山の適時打などで突き放した。1番・近藤秀人(3年)が4打数3安打1盗塁。準決勝の明大八王子戦では初回に4番・山本悠生(3年)と5番・大塚逸輝(3年)の連続適時二塁打で先制し、2-2に追いつかれた7回表に亀山の2点適時打で勝ち越した。
決勝は1-0、背番号10が8回1/3を無失点
決勝の相手は19年ぶりの出場を狙う創価だった。0-0で迎えた7回表、山本悠生と6番・座間愛斗の安打で好機をつくり、7番・荒木の中犠飛で1点。これが決勝点となった。先発の奥山慎太郎(3年)が8回1/3を被安打5・6奪三振で無失点。9回2死満塁のピンチで背番号1の塚原がマウンドに上がり、後続を断って完封リレーを締めた。
チームを率いるのは同校OBの河本ロバート監督(40)。亜細亜大を経て米ドジャースとマイナー契約を結んだ経歴を持ち、2014年には四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスでプレーし、チーム初の独立リーグ日本一に貢献している。
学校は今年が創立100周年、野球部は創部41年目。抽選会で希望通りの「41」を引き当て、開会式では矢沢陵磨主将が選手宣誓を務めた。初出場校からの宣誓は春夏を通じて初めてだった。
平均得点は八王子実践が2点近く上回るが、序盤の2試合(8-1、12-0)がいずれもコールド勝ちで、この2試合だけで20得点を挙げている点は割り引いて見たい。準々決勝以降の3試合に絞ると八王子実践は10得点・4失点、つまり1試合平均3.3得点・1.3失点で、勝ち方はむしろロースコア型に寄っている。
一方の鳴門渦潮は準々決勝以降の3試合が14得点・9失点。
5試合すべてが3点差以内という数字が示す通り、大味な試合をせずに競り勝ってきた。両校とも地方大会の本塁打は0本だ。
投手起用は好対照になる。鳴門渦潮は西村が全5試合に先発して44回を1人で背負い、準決勝まで4試合連続完投。八王子実践は塚原が25回2/3、奥山が21回1/3とほぼ半分ずつを分け合う2枚看板で、決勝も先発・奥山、締め・塚原の継投だった。
1回戦の見どころ
今大会から導入されたDH制を、鳴門渦潮は使わない。徳島大会で指名打者を一度も使わなかったのは出場49校で鳴門渦潮だけだ。
エースの西村が3番に座り、投打両方でチームの軸になっているためで、打線から西村を外す選択肢がそもそもない。
八王子実践がどう起用してくるかを含め、初戦から新制度の使い方が分かれるカードになった。
西村の負担をどこで軽くできるか。徳島大会で746球を投げた右腕は、決勝から中12日で聖地のマウンドに立つ。準々決勝の3安打1失点のような内容が続けば鳴門渦潮のペースだが、決勝で有馬が2失点したように2番手以降がまだ計算しにくい。
八王子実践の打線は4回戦で9回に6点を返した粘りが持ち味で、先発を引きずり出してからの終盤に強みがある。
「第5日・西東京代表」という巡り合わせ。鳴門渦潮の前回出場となった2024年も、大会第5日の1回戦で西東京代表・早稲田実に4-8で敗れている。
2年前と同じ日程、同じ地区の相手に、県立校がどんな入り方をするか。
八王子実践にとっては、河本監督がかつてプレーした徳島の代表校が最初の相手という縁もある。
大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は16時プレーボールの予定だ。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。