【夏の甲子園】2回戦・高岡商 - 高川学園 両校の地方大会戦績を紹介
第108回全国高校野球選手権大会は8月10日、阪神甲子園球場で第6日を迎える。
16時から2回戦第3試合として高岡商(富山) - 高川学園(山口)が行われる。
4年ぶり23回目の出場となる高岡商と、2年連続4回目の高川学園。ともに地方大会を無傷で駆け抜け、しかも総得点は42点で並んだ。ただ、その42点の中身と、失点の数字はまるで違う。試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。
高岡商(富山)― ノーシードから6連勝、決勝のスタメン野手は全員が下級生
全国高校野球選手権富山大会 全戦績
1回戦(7月10日) 高岡商 6-5 富山国際大付
2回戦(7月12日) 高岡商 8-1 AOIKE※7回コールド
3回戦(7月18日) 高岡商 9-2 不二越工※8回コールド
準々決勝(7月20日) 高岡商 4-3 高朋
準決勝(7月23日) 高岡商 5-2 高岡第一
決勝(7月25日) 高岡商 10-4 富山第一
【通算】6戦全勝 42得点・17失点(1試合平均7.0得点・2.8失点)
初戦の4点差を返し、9回に逆転し...
富山大会は7月7日開会式、25日決勝の日程で行われ、高岡商はノーシードで初日の1回戦から登場した。その初戦がいきなり崖っぷちだった。
続く2試合はコールド勝ちで整えたが、勝負どころで再び競った。準々決勝の高朋戦は2-3で9回表を迎え、2死一・三塁から相手失策と5番・能島寛太(2年)の適時打で2点を奪って逆転。土壇場の1点差ゲームをものにした。
準決勝の相手は、最速156キロ左腕・前田侑大を擁し、昨秋・今春と県大会準優勝だった高岡第一。高岡商は1回表、3番・上田順敬(1年)の適時二塁打、能島の適時打、6番・溝口琉生(3年)の適時三塁打で一挙4点を先制した。
決勝は3回表、2死満塁から走者一掃の三塁打
決勝の相手は今春8強の富山第一。2-2で迎えた3回表、2死満塁から7番・棚邉向日歩(2年)が走者一掃の三塁打を放って勝ち越し、その後も小刻みに加点した。1番・渡翔斗(1年)が6打数3安打1打点、溝口が3打数2安打と続き、チームで15安打10得点。この日のスタメン野手9人は全員が1、2年生で、先発した1年生4人はいずれも打点を記録している。投げては近藤が1回2失点で降板した後、小久保が残る8回を2失点でまとめた。
小久保は6試合すべてに登板して29回1/3を投げ、近藤は2回戦から決勝まで5試合連続で先発マウンドに上がった。
高岡商は昨夏の富山大会で準優勝、今春の県大会は初戦敗退からの再出発だった。夏の甲子園には1937年に初出場し、通算12勝。最高成績は1947年のベスト8で、前回出場の2022年は1回戦で敦賀気比に3-13と敗れている。吉田真監督、石崎遥希主将(3年)のチームが、4年ぶりの初戦突破を狙う。
高川学園(山口)― 5試合でわずか6失点、失策はチーム全体で「1」
全国高校野球選手権山口大会 全戦績
2回戦(7月18日) 高川学園 9-1 周防大島※7回コールド
3回戦(7月21日) 高川学園 15-0 下松工※5回コールド
準々決勝(7月23日) 高川学園 10-1 岩国※7回コールド
準決勝(7月26日) 高川学園 3-1 南陽工業
決勝(7月28日) 高川学園 5-3 下関国際
【通算】5戦全勝 42得点・6失点(1試合平均8.4得点・1.2失点)
3試合連続コールドから、一転してのロースコア
山口大会は7月11日開幕、28日決勝。シード校の高川学園は2回戦から登場し、そこから3試合続けてコールド勝ちを収めた。2回戦は2回表に7番・河内山潤(3年)の適時打、9番・田中良典(2年)のスクイズなどで一挙6点。
流れが変わったのが準決勝の南陽工戦だった。初回に先発の松笠が1失点して降板すると、2番手でエース・木下瑛二(3年)が登板。残る8回1/3を被安打3・11奪三振・無失点、137球のロングリリーフで踏ん張った。打線は0-1の3回表、3番・吉田唯人(2年)の同点適時二塁打と4番・衛藤諒大(3年)の内野ゴロで逆転し、6回に田中の犠飛で加点。3-1で決勝に進んだ。
決勝は5回、三塁打を起点に一挙4点
決勝は今春の県大会に続いて下関国際との顔合わせとなった。
反撃は5回だった。若藤芽空(3年)の三塁打を起点に、横山恵大(2年)と三澤弦汰(3年)の適時内野安打、相手失策も絡めて一挙4点。5-3と勝ち越すと、最後は木下が再びマウンドに戻り、残る1回2/3を被安打1・3奪三振で締めた。木下は5試合中4試合に登板し、20回1/3を投げている。
高川学園は今春、42年ぶりにセンバツへ出場(1回戦で英明に3-5)。
得点は42点で同じ、失点は11点差。ただし、この平均値はそのまま受け取らないほうがいい。高川学園の8.4得点・1.2失点は、コールド勝ちが並んだ序盤3試合(34得点2失点)に大きく引っ張られており、準決勝以降の2試合に絞れば8得点4失点になる。
守備の数字ははっきり差が出た。5試合で失策1の高川学園に対し、高岡商は6試合で4失策。もっとも高岡商は準々決勝と決勝で相手失策を得点に結びつけており、競り合いでミスにつけ込む嗅覚は見せている。
投手起用も対照的だ。高岡商は近藤が先発して小久保がリレーする分業が5試合連続で機能し、2人で計48回を分け合った。高川学園は木下1人に比重が寄り、準決勝の137球、決勝の先発降板後の再登板と、大黒柱を惜しみなく使ってきた。
2回戦の見どころ
富山県勢との2年連続対決
高川学園にとっては、昨夏の初戦に続いて富山代表との顔合わせとなる。高岡商の石崎主将は組み合わせ抽選後、「富山代表としてリベンジしたい」と話した。県をまたいだ因縁が、そのまま初戦のテーマになった格好だ。
木下の状態と、高岡商の継投
高川学園の決勝は7月28日、高岡商の決勝は7月25日。実戦から10日以上が空き、木下の負担は回復しているとみていい。高岡商が近藤 - 小久保のリレーで木下と投げ合う展開になれば、どちらの投手陣が先に崩れるかが分岐点になる。高岡商の打線は本塁打2本、高川学園は0本。長打より、走者をためてからの一本が試合を動かしそうだ。
DH制をどう使うか
今大会から夏の選手権にDH制(指名打者制)が導入された。高岡商は決勝のスタメン野手が全員1、2年生で、ベンチにも下級生の野手が多く、打順の組み方に幅がある。一方の高川学園は、木下を打席から外して投球に専念させる選択肢を持つ。制度初年度の使い方が、そのまま両校の戦い方の違いとして表れるかもしれない。
大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は16時プレーボールの予定だ。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
16時から2回戦第3試合として高岡商(富山) - 高川学園(山口)が行われる。
4年ぶり23回目の出場となる高岡商と、2年連続4回目の高川学園。ともに地方大会を無傷で駆け抜け、しかも総得点は42点で並んだ。ただ、その42点の中身と、失点の数字はまるで違う。試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。
高岡商(富山)― ノーシードから6連勝、決勝のスタメン野手は全員が下級生
全国高校野球選手権富山大会 全戦績
1回戦(7月10日) 高岡商 6-5 富山国際大付
2回戦(7月12日) 高岡商 8-1 AOIKE※7回コールド
3回戦(7月18日) 高岡商 9-2 不二越工※8回コールド
準々決勝(7月20日) 高岡商 4-3 高朋
準決勝(7月23日) 高岡商 5-2 高岡第一
決勝(7月25日) 高岡商 10-4 富山第一
【通算】6戦全勝 42得点・17失点(1試合平均7.0得点・2.8失点)
初戦の4点差を返し、9回に逆転し...
富山大会は7月7日開会式、25日決勝の日程で行われ、高岡商はノーシードで初日の1回戦から登場した。その初戦がいきなり崖っぷちだった。
富山国際大付に3回まで5点を奪われ、先発の柳田俊之介(2年)は3回5失点で降板。ここから2人目の小久保大輔(3年)が残る6回を被安打1・無四死球・5奪三振で無失点に封じ、6回に押し出し死球と内野ゴロで同点、7回に相手失策も絡めて勝ち越した。最大4点差からの6-5だった。
続く2試合はコールド勝ちで整えたが、勝負どころで再び競った。準々決勝の高朋戦は2-3で9回表を迎え、2死一・三塁から相手失策と5番・能島寛太(2年)の適時打で2点を奪って逆転。土壇場の1点差ゲームをものにした。
準決勝の相手は、最速156キロ左腕・前田侑大を擁し、昨秋・今春と県大会準優勝だった高岡第一。高岡商は1回表、3番・上田順敬(1年)の適時二塁打、能島の適時打、6番・溝口琉生(3年)の適時三塁打で一挙4点を先制した。
近藤心星(3年)が4回2失点でつなぎ、小久保が残る5回を被安打2・5奪三振で無失点。5-2で決勝へ進んだ。
決勝は3回表、2死満塁から走者一掃の三塁打
決勝の相手は今春8強の富山第一。2-2で迎えた3回表、2死満塁から7番・棚邉向日歩(2年)が走者一掃の三塁打を放って勝ち越し、その後も小刻みに加点した。1番・渡翔斗(1年)が6打数3安打1打点、溝口が3打数2安打と続き、チームで15安打10得点。この日のスタメン野手9人は全員が1、2年生で、先発した1年生4人はいずれも打点を記録している。投げては近藤が1回2失点で降板した後、小久保が残る8回を2失点でまとめた。
小久保は6試合すべてに登板して29回1/3を投げ、近藤は2回戦から決勝まで5試合連続で先発マウンドに上がった。
地方大会での背番号は近藤が18、小久保が11だったが、夏の甲子園では小久保がエースナンバーを背負う。
高岡商は昨夏の富山大会で準優勝、今春の県大会は初戦敗退からの再出発だった。夏の甲子園には1937年に初出場し、通算12勝。最高成績は1947年のベスト8で、前回出場の2022年は1回戦で敦賀気比に3-13と敗れている。吉田真監督、石崎遥希主将(3年)のチームが、4年ぶりの初戦突破を狙う。
高川学園(山口)― 5試合でわずか6失点、失策はチーム全体で「1」
全国高校野球選手権山口大会 全戦績
2回戦(7月18日) 高川学園 9-1 周防大島※7回コールド
3回戦(7月21日) 高川学園 15-0 下松工※5回コールド
準々決勝(7月23日) 高川学園 10-1 岩国※7回コールド
準決勝(7月26日) 高川学園 3-1 南陽工業
決勝(7月28日) 高川学園 5-3 下関国際
【通算】5戦全勝 42得点・6失点(1試合平均8.4得点・1.2失点)
3試合連続コールドから、一転してのロースコア
山口大会は7月11日開幕、28日決勝。シード校の高川学園は2回戦から登場し、そこから3試合続けてコールド勝ちを収めた。2回戦は2回表に7番・河内山潤(3年)の適時打、9番・田中良典(2年)のスクイズなどで一挙6点。
3回戦は松笠陽平(3年)が先発3回を無安打に抑え、リレーで5回ノーヒットの零封。準々決勝も2回表に5点を先制して主導権を渡さなかった。
流れが変わったのが準決勝の南陽工戦だった。初回に先発の松笠が1失点して降板すると、2番手でエース・木下瑛二(3年)が登板。残る8回1/3を被安打3・11奪三振・無失点、137球のロングリリーフで踏ん張った。打線は0-1の3回表、3番・吉田唯人(2年)の同点適時二塁打と4番・衛藤諒大(3年)の内野ゴロで逆転し、6回に田中の犠飛で加点。3-1で決勝に進んだ。
決勝は5回、三塁打を起点に一挙4点
決勝は今春の県大会に続いて下関国際との顔合わせとなった。
初回、1番・開原荘太(2年)の中前打と犠打で作った好機に衛藤が適時打を放って先制。しかし下関国際が2回、3回と加点して1-3と逆転される。木下は2回1/3を3失点で降板し、2番手・宮﨑隆成(3年)が中盤の5回を無失点でしのいだ。
反撃は5回だった。若藤芽空(3年)の三塁打を起点に、横山恵大(2年)と三澤弦汰(3年)の適時内野安打、相手失策も絡めて一挙4点。5-3と勝ち越すと、最後は木下が再びマウンドに戻り、残る1回2/3を被安打1・3奪三振で締めた。木下は5試合中4試合に登板し、20回1/3を投げている。
高川学園は今春、42年ぶりにセンバツへ出場(1回戦で英明に3-5)。
春の山口大会も制しており、これで3季連続の全国大会となる。夏の山口大会は2連覇。昨夏は2回戦で富山代表の未来富山を8-5で破り、3回戦で日大三に4-9で敗れて全国8強にあと一歩だった。若藤はその未来富山戦で適時二塁打を放っており、木下も昨夏の甲子園のマウンドを経験している。松本祐一郎監督のもと、衛藤主将は壮行式で日本一を目標に掲げた。
得点は42点で同じ、失点は11点差。ただし、この平均値はそのまま受け取らないほうがいい。高川学園の8.4得点・1.2失点は、コールド勝ちが並んだ序盤3試合(34得点2失点)に大きく引っ張られており、準決勝以降の2試合に絞れば8得点4失点になる。
高岡商も序盤3試合は23得点8失点だが、準々決勝以降の3試合は19得点9失点。3点差以内の試合を3つ勝ち抜いてきたのが高岡商、最後の2試合でロースコアの戦い方に切り替えたのが高川学園、という色分けができる。
守備の数字ははっきり差が出た。5試合で失策1の高川学園に対し、高岡商は6試合で4失策。もっとも高岡商は準々決勝と決勝で相手失策を得点に結びつけており、競り合いでミスにつけ込む嗅覚は見せている。
投手起用も対照的だ。高岡商は近藤が先発して小久保がリレーする分業が5試合連続で機能し、2人で計48回を分け合った。高川学園は木下1人に比重が寄り、準決勝の137球、決勝の先発降板後の再登板と、大黒柱を惜しみなく使ってきた。
2回戦の見どころ
富山県勢との2年連続対決
高川学園にとっては、昨夏の初戦に続いて富山代表との顔合わせとなる。高岡商の石崎主将は組み合わせ抽選後、「富山代表としてリベンジしたい」と話した。県をまたいだ因縁が、そのまま初戦のテーマになった格好だ。
木下の状態と、高岡商の継投
高川学園の決勝は7月28日、高岡商の決勝は7月25日。実戦から10日以上が空き、木下の負担は回復しているとみていい。高岡商が近藤 - 小久保のリレーで木下と投げ合う展開になれば、どちらの投手陣が先に崩れるかが分岐点になる。高岡商の打線は本塁打2本、高川学園は0本。長打より、走者をためてからの一本が試合を動かしそうだ。
DH制をどう使うか
今大会から夏の選手権にDH制(指名打者制)が導入された。高岡商は決勝のスタメン野手が全員1、2年生で、ベンチにも下級生の野手が多く、打順の組み方に幅がある。一方の高川学園は、木下を打席から外して投球に専念させる選択肢を持つ。制度初年度の使い方が、そのまま両校の戦い方の違いとして表れるかもしれない。
大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は16時プレーボールの予定だ。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。