【夏の甲子園】2回戦・横手 - 敦賀気比 両校の地方大会戦績を紹介

第108回全国高校野球選手権大会は8月11日、阪神甲子園球場で第7日を迎える。
午前8時から2回戦第1試合として横手(秋田) - 敦賀気比(福井)が行われる。

49代表校のうち15校は1回戦がなく、2回戦が大会初戦となる。横手と敦賀気比はともにその15校に入っており、この試合は両校にとって今大会初めての実戦だ。
57年ぶり2度目の出場となる公立校と、2年連続13度目を数える北信越の強豪。経歴は対照的だが、地方大会を終えてから2週間以上のブランクを挟んで初戦を迎える条件は同じである。
試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。

秋田県勢と福井県勢の対戦は、2012年に秋田商が2回戦で福井工大福井を8-3で下して以来、14年ぶりとなる。


◆横手(秋田)― 5試合中4試合を完投、エースが39回で5失点

秋田大会 全戦績
2回戦(7月10日) 横手 3-1 金足農
3回戦(7月14日) 横手 2-1 秋田南※延長10回タイブレーク
準々決勝(7月17日) 横手 3-2 秋田修英
準決勝(7月19日) 横手 10-4 横手城南
決勝(7月21日) 横手 7-1 大曲工

【通算】5戦全勝 25得点・9失点(1試合平均5.0得点・1.8失点)

初戦で3連覇のかかる金足農を撃破

第6シードの横手が初戦で当てられたのは、夏2連覇中の金足農だった。この試合を3-1で競り勝ったことが、大会の流れを決めた。
エース右腕・佐藤宙斗(3年)は9回を4安打1失点(自責0)、6奪三振で完投。中盤に足がつるアクシデントに見舞われながら、102球でマウンドを守り切った。今春の秋田大会3回戦でも金足農と対戦して11三振を奪っており、名門を2度続けて封じたことになる。

秋田大会は全8シード校のうち4校が初戦で姿を消す波乱の展開となった。その中を横手は序盤3試合すべてを2点差以内で勝ち上がっている。
3回戦の秋田南戦は延長10回タイブレークにもつれ、佐藤宙斗が3安打1失点で投げ切った。
金足農戦と合わせた2試合19回で7安打2失点(自責1)、投球数は209球にとどまっている。
準々決勝の秋田修英は今春の準々決勝で9回に逆転負けを喫した相手で、これを3-2で振り切った。

決勝は初回から主導権、12奪三振で1失点完投

準決勝は横手城南との横手市勢対決を10-4で制した。この試合は佐藤周明(2年)が先発して3回を無失点、髙橋舜(3年)が4回、最後に佐藤宙斗が2回を投げる継投で、エースの負担を抑えている。
1県1校制となった1978年以降では、横手にとって初めての決勝進出だった。

決勝の大曲工戦は初回、武田修治(2年)の犠飛で先制。2回には三浦悠聖(2年)が中堅への適時打を放って2点を加え、5回にも高木蓮(3年)の二塁打などで突き放した。9安打で7得点。
佐藤宙斗は12三振を奪って1失点完投し、57年ぶり2度目の優勝を決めた。

秋田大会を通して佐藤宙斗は5試合39回を投げて5失点。先発した4試合はいずれも完投している。打線は1番・三浦悠聖、3番・鈴木大登(3年)を軸に、好機で着実に加点する形ができた。
監督は山信田善宣、主将は熊谷昌太(3年)。前回出場の1969年は1回戦で平安(京都)に1-3で敗れており、夏の甲子園での勝利はまだない。

◆敦賀気比(福井)― 左腕二枚看板、決勝は2年生が136球完投

福井大会 全戦績
2回戦(7月18日) 敦賀気比 4-3 北陸
準々決勝(7月20日) 敦賀気比 11-1 福井農林・奥越明成※5回コールド
準決勝(7月23日) 敦賀気比 10-2 敦賀※7回コールド
決勝(7月25日) 敦賀気比 4-1 福井工大福井

【通算】4戦全勝 29得点・7失点(1試合平均7.3得点・1.8失点)

初戦でリードを許し、7回に勝ち越した

前年優勝のシード校として臨んだ初戦の相手は、複数の好投手を擁する北陸だった。
敦賀気比は1回裏に2本の適時打で2点を先制したが、北陸に5回の犠飛で1点、6回に2点を返されて逆転を許す。
それでも6回裏に追いつき、7回裏に勝ち越して4-3。主将の長谷川陽竜(3年)が勝負どころで適時打を放った。

準々決勝は福井農林・奥越明成に11-1の5回コールド、準決勝は敦賀を10-2の7回コールドと、続く2試合は圧倒している。
準決勝は初回に適時打と犠飛で2点、3回に2本の適時打で4点と序盤で試合を決めた。エース左腕・鶴田啓人(3年)は準決勝までの3試合すべてに先発し、計11回を2失点。最速142キロの直球とチェンジアップを武器に、短いイニングを刻む起用が続いた。

決勝は2年生左腕が3安打1失点、12奪三振
2年連続で同じ顔合わせとなった決勝の福井工大福井戦は、今大会初先発となった辻琉成(2年)がマウンドに上がった。2回に押し出しとスクイズで2点を先制し、その裏に1点を返されてからは膠着。
9回2死から2本の適時打で2点を加えて突き放した。

辻は136球を投げて3安打1失点、12奪三振で完投。2-1の接戦だった8回からは5者連続三振を奪い、9回には自己最速の145キロを計測している。U-15日本代表経験を持つ捕手・村雲脩吾(3年)のリードに応えた形だ。辻は4番も務める二刀流で、打線は1番・鵜飼新馬(3年)、2番・伊藤綸一(3年)、3番・長谷川主将と続く。監督は東哲平。

2015年のセンバツ優勝校で、昨夏は1回戦で横浜に0-5と敗れている。福井県内では公式戦25連勝中と報じられており、県内では抜けた存在のまま夏を迎えた。


【夏の甲子園】2回戦・横手 - 敦賀気比 両校の地方大会戦績を紹介

平均失点はともに1.8だが、コールドの有無で試合の長さが違うため、イニング単位で見直す必要がある。
横手は5試合46イニングで9失点、敦賀気比は4試合30イニングで7失点。9イニング換算では横手が1.76、敦賀気比が2.10となり、守りの安定感では横手がわずかに上回る。
得点力は敦賀気比が明確に上で、コールドの2試合を除いた北陸戦・決勝でも上位2校から4点ずつを奪っている。

投手起用の形は対照的だ。横手は佐藤宙斗が先発した4試合すべてを完投し、準決勝だけ2年生左腕・佐藤周明を先発させて休ませた。敦賀気比は鶴田啓人が3試合で計11回と球数を抑え、決勝で辻琉成に初先発を任せる形で二枚看板を使い分けている。
1週間500球の投球数制限は、両校とも初戦であるため実質的に制約にならない。


2回戦の見どころ

第一に、両校とも大会初戦であることの意味が大きい。地方大会の決勝から横手は21日、敦賀気比は17日が空いており、エースの疲労はほぼ残っていない。
一方で、この日の第7日は他校がすでに1試合を消化して臨む日程でもある。両校に共通するのは実戦感覚の空白で、序盤の失点や走塁ミスがそのまま試合を決めかねない。午前8時開始という早い時間帯も、調整の巧拙が出やすい条件だ。

第二に、完投型1枚と左腕2枚という投手陣の設計の違いが、そのままゲームプランの違いになる。
横手は佐藤宙斗が長いイニングを投げる前提で、金足農戦の102球に象徴されるように球数を抑える省エネ型。
敦賀気比は鶴田啓人と辻琉成のどちらを先発に置くかで試合の入り方が変わり、継投に踏み切る余地も残る。横手打線が佐藤宙斗を援護できる回数は限られるだけに、少ない好機をものにしてきた形を再現できるかが焦点になる。

第三に、今大会から導入されたDH制の使い方だ。敦賀気比の辻琉成は投手であり4番でもある。福井大会では辻が中堅を守る試合で伊藤綸一をDHに置き、辻が登板する場面でDHを解除する運用を見せていた。降板後も指名打者として打席に立ち続けられるルールがあるため、辻を先発させるのか、野手として起用して後から継ぎ足すのかによって、打順と継投の両方が変わってくる。横手がDHを使うかどうかも含め、試合前のオーダー交換から駆け引きが始まる。

なお、この試合の勝者は3回戦第2試合に進み、同じ第7日の第2試合で対戦する智辯和歌山(和歌山) - 社(兵庫)の勝者と顔を合わせる。

「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

提供:

スポーツブル(スポブル)

この記事のキーワード