【夏の甲子園】2回戦・花咲徳栄 - 仙台育英 初戦を迎える花咲徳栄と、開幕試合を勝ち上がった仙台育英
第108回全国高校野球選手権大会は8月12日、阪神甲子園球場で第8日を迎える。
13時30分から2回戦第2試合として花咲徳栄(埼玉) - 仙台育英(宮城)が行われる。
2回戦から登場し、この試合が大会初戦となる花咲徳栄に対し、仙台育英は8月5日の開幕試合で札幌日大を3-1と振り切って勝ち上がってきた。
7月26日の埼玉大会決勝から17日ぶりに実戦へ入る花咲徳栄と、中6日でエースを立て直せる仙台育英。2017年夏の王者と2022年夏の王者による顔合わせは、投手の状態と試合勘の差が焦点になる。
試合を前に、両校のここまでを振り返る。
◆花咲徳栄(埼玉)― 大会初戦、決勝は3年生右腕が完投、8回9回に6得点
埼玉大会の戦績
2回戦(7月10日)花咲徳栄 25-0 連合A(幸手桜・吉川美南・松伏・三郷工業技術)※5回コールド
3回戦(7月14日)花咲徳栄 19-1 浦和商※5回コールド
4回戦(7月18日)花咲徳栄 12-1 富士見※5回コールド
5回戦(7月20日)花咲徳栄 5-2 武蔵越生
準々決勝(7月22日)花咲徳栄 9-2 川口市立
準決勝(7月24日)花咲徳栄 6-3 昌平
決勝(7月26日)花咲徳栄 7-3 浦和学院
【通算】7戦全勝 83得点・12失点(1試合平均11.9得点・1.7失点)
序盤の3試合はいずれも5回コールド。5回戦以降は接戦も含めて落とさず、準決勝で春4強の昌平、決勝で3季連続の対戦となった浦和学院を退け、2年ぶり9回目の夏の甲子園出場を決めた。
準決勝の昌平戦は、エース右腕・黒川凌大(3年)が4回に打球を左足首に受けながらマウンドに残り、143球で完投した。6回に4連打などで5-3と迫られたが、8回に3番・笹崎昌久(3年)が公式戦初本塁打となる右翼への一発で引き離している。決勝でも黒川が投げ切り、1点を追う6回に追いつくと、8回と9回に計6点を集めて振り切った。終盤に試合を動かす形が、この夏の勝ちパターンになっている。
エースは17日ぶりの実戦、センバツの記憶をどう使うか
黒川は準決勝までの4登板で20回を投げて21奪三振。準決勝・決勝と2試合続けて完投しており、この夏の投球回はチームで突出している。2年生左腕・古賀夏音樹が今春のセンバツでも重要な試合の先発を任されてきたため、先発を古賀に託して黒川を後ろに回す組み立ても十分にあり得る。
◆仙台育英(宮城)― 開幕試合を3投手の継投で3安打に封じた
大会成績
1回戦(8月5日・第1日第1試合) 仙台育英 3-1 札幌日大
田山の大会第1号で流れを引き寄せ、8回に決勝点
31年ぶりに開幕試合を担った一戦は、南北海道大会の準決勝・決勝をいずれも接戦で勝ち上がってきた札幌日大が相手だった。
仙台育英は3回、2死二塁から2番・齋藤駿多(2年)の中前適時打で先制。4回には4番・田山纏(3年)が右翼席中段へ運び、今大会第1号となるソロ本塁打で2点差とした。6回に押し出し死球で1点を返されたが、8回2死二塁から5番・髙岡龍一(2年)が左前へ適時打を放ち、これが決勝点になった。
先発した2年生右腕・古川諒弥は5回1/3を被安打2、7奪三振、1失点。6回に四球がらみで満塁のピンチを招いて降板し、福井勇翔(2年)を挟んで、7回からエース右腕・梶井湊斗(3年)がマウンドへ上がった。梶井は3回を1安打無失点、5奪三振。9回無死一、二塁から札幌日大の中軸を打ち取って締めた。3投手で3安打・14奪三振に抑えた一方、与えた四死球は9。制球には課題が残った。
エースは中6日、球数の余裕は十分
梶井の初戦の登板は3回のみで、次戦まで中6日が空く。1人1週間500球以内という制限に照らしても余裕があり、この試合は先発から長いイニングを任せられる状態にある。
実戦間隔の差がそのまま有利・不利になるとは限らない。仙台育英は7日前にナイターで1試合を消化し、阪神甲子園球場の空気を確認したうえでこの試合に入る。一方の花咲徳栄は17日間の調整期間を得た代わりに、実戦から離れた状態で強豪と当たることになる。ただし花咲徳栄は今春のセンバツで同じ球場を4試合戦っており、経験値そのものが不足しているわけではない。
勝ち方の質も対照的だ。
2回戦の見どころ
最大の焦点は、両校のエースの起用法だ。梶井は中6日・3回のみの登板で、球数にも間隔にも余裕がある。
対する黒川は埼玉大会で準決勝143球完投、決勝も完投と負担が大きく、そこから2週間以上が空いた。岩井監督は埼玉大会でも黒川を先発に置くか救援に回すかを慎重に見極めており、古賀の先発から黒川につなぐ形なら、試合の中盤以降が勝負どころになる。
打線の状態も見どころになる。花咲徳栄は7試合83得点と埼玉大会で圧倒したが、相手は初めての全国の投手陣。
仙台育英は宮城大会で5試合59得点を挙げながら、初戦は3得点にとどまった。仙台育英は初戦でDH制を使って小久保颯弥(2年)を1番・指名打者に据えており、花咲徳栄も埼玉大会で指名打者を採用している。今大会から夏の選手権に導入されたDHの使い方が、両校の打線の組み方に表れる。
終盤の勝負強さでも共通点がある。花咲徳栄は決勝の8回と9回に6点、仙台育英は8回に決勝点を挙げて9回のピンチをしのいだ。1点を争う展開になったとき、先に動けるのはどちらか。この試合の勝者は3回戦第4試合に進む。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
13時30分から2回戦第2試合として花咲徳栄(埼玉) - 仙台育英(宮城)が行われる。
2回戦から登場し、この試合が大会初戦となる花咲徳栄に対し、仙台育英は8月5日の開幕試合で札幌日大を3-1と振り切って勝ち上がってきた。
7月26日の埼玉大会決勝から17日ぶりに実戦へ入る花咲徳栄と、中6日でエースを立て直せる仙台育英。2017年夏の王者と2022年夏の王者による顔合わせは、投手の状態と試合勘の差が焦点になる。
試合を前に、両校のここまでを振り返る。
◆花咲徳栄(埼玉)― 大会初戦、決勝は3年生右腕が完投、8回9回に6得点
埼玉大会の戦績
2回戦(7月10日)花咲徳栄 25-0 連合A(幸手桜・吉川美南・松伏・三郷工業技術)※5回コールド
3回戦(7月14日)花咲徳栄 19-1 浦和商※5回コールド
4回戦(7月18日)花咲徳栄 12-1 富士見※5回コールド
5回戦(7月20日)花咲徳栄 5-2 武蔵越生
準々決勝(7月22日)花咲徳栄 9-2 川口市立
準決勝(7月24日)花咲徳栄 6-3 昌平
決勝(7月26日)花咲徳栄 7-3 浦和学院
【通算】7戦全勝 83得点・12失点(1試合平均11.9得点・1.7失点)
序盤の3試合はいずれも5回コールド。5回戦以降は接戦も含めて落とさず、準決勝で春4強の昌平、決勝で3季連続の対戦となった浦和学院を退け、2年ぶり9回目の夏の甲子園出場を決めた。
1試合平均11.9得点は全国でも屈指の数字だ。
準決勝の昌平戦は、エース右腕・黒川凌大(3年)が4回に打球を左足首に受けながらマウンドに残り、143球で完投した。6回に4連打などで5-3と迫られたが、8回に3番・笹崎昌久(3年)が公式戦初本塁打となる右翼への一発で引き離している。決勝でも黒川が投げ切り、1点を追う6回に追いつくと、8回と9回に計6点を集めて振り切った。終盤に試合を動かす形が、この夏の勝ちパターンになっている。
エースは17日ぶりの実戦、センバツの記憶をどう使うか
黒川は準決勝までの4登板で20回を投げて21奪三振。準決勝・決勝と2試合続けて完投しており、この夏の投球回はチームで突出している。2年生左腕・古賀夏音樹が今春のセンバツでも重要な試合の先発を任されてきたため、先発を古賀に託して黒川を後ろに回す組み立ても十分にあり得る。
その今春は、2回戦で日本文理を17-0と圧倒して23年ぶりの8強入り。しかし準々決勝の智弁学園戦では2回までに奪った8点のリードを守れず、8-12で逆転負けを喫した。センバツ史上最大の得点差からの逆転負けという苦い経験を、同じ阪神甲子園球場でどう反転させるか。岩井隆監督にとっては、主将で1番を打つ息子・岩井虹太郎(3年)とともに臨む夏でもある。
◆仙台育英(宮城)― 開幕試合を3投手の継投で3安打に封じた
大会成績
1回戦(8月5日・第1日第1試合) 仙台育英 3-1 札幌日大
田山の大会第1号で流れを引き寄せ、8回に決勝点
31年ぶりに開幕試合を担った一戦は、南北海道大会の準決勝・決勝をいずれも接戦で勝ち上がってきた札幌日大が相手だった。
仙台育英は3回、2死二塁から2番・齋藤駿多(2年)の中前適時打で先制。4回には4番・田山纏(3年)が右翼席中段へ運び、今大会第1号となるソロ本塁打で2点差とした。6回に押し出し死球で1点を返されたが、8回2死二塁から5番・髙岡龍一(2年)が左前へ適時打を放ち、これが決勝点になった。
先発した2年生右腕・古川諒弥は5回1/3を被安打2、7奪三振、1失点。6回に四球がらみで満塁のピンチを招いて降板し、福井勇翔(2年)を挟んで、7回からエース右腕・梶井湊斗(3年)がマウンドへ上がった。梶井は3回を1安打無失点、5奪三振。9回無死一、二塁から札幌日大の中軸を打ち取って締めた。3投手で3安打・14奪三振に抑えた一方、与えた四死球は9。制球には課題が残った。
エースは中6日、球数の余裕は十分
梶井の初戦の登板は3回のみで、次戦まで中6日が空く。1人1週間500球以内という制限に照らしても余裕があり、この試合は先発から長いイニングを任せられる状態にある。
須江航監督は宮城大会でも古川、福井、梶井の3人を軸に回してきており、継投の引き出しは多い。宮城大会は5試合で59得点・2失点。ただし阪神甲子園球場での初戦は8安打で3得点にとどまり、打線が本来の形に戻り切っていない点は気がかりだ。
実戦間隔の差がそのまま有利・不利になるとは限らない。仙台育英は7日前にナイターで1試合を消化し、阪神甲子園球場の空気を確認したうえでこの試合に入る。一方の花咲徳栄は17日間の調整期間を得た代わりに、実戦から離れた状態で強豪と当たることになる。ただし花咲徳栄は今春のセンバツで同じ球場を4試合戦っており、経験値そのものが不足しているわけではない。
勝ち方の質も対照的だ。
花咲徳栄は打線が相手を押し切る形、仙台育英は1点差から2点差の展開を継投でしのぐ形で勝ってきた。花咲徳栄が3点以上のリードを作れるか、仙台育英が中盤まで2点差以内に収められるかが、そのまま両校の得意な形になる。
2回戦の見どころ
最大の焦点は、両校のエースの起用法だ。梶井は中6日・3回のみの登板で、球数にも間隔にも余裕がある。
対する黒川は埼玉大会で準決勝143球完投、決勝も完投と負担が大きく、そこから2週間以上が空いた。岩井監督は埼玉大会でも黒川を先発に置くか救援に回すかを慎重に見極めており、古賀の先発から黒川につなぐ形なら、試合の中盤以降が勝負どころになる。
打線の状態も見どころになる。花咲徳栄は7試合83得点と埼玉大会で圧倒したが、相手は初めての全国の投手陣。
仙台育英は宮城大会で5試合59得点を挙げながら、初戦は3得点にとどまった。仙台育英は初戦でDH制を使って小久保颯弥(2年)を1番・指名打者に据えており、花咲徳栄も埼玉大会で指名打者を採用している。今大会から夏の選手権に導入されたDHの使い方が、両校の打線の組み方に表れる。
終盤の勝負強さでも共通点がある。花咲徳栄は決勝の8回と9回に6点、仙台育英は8回に決勝点を挙げて9回のピンチをしのいだ。1点を争う展開になったとき、先に動けるのはどちらか。この試合の勝者は3回戦第4試合に進む。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。