一度も追いつかせない花巻東、何度でもひっくり返す岡山学芸館 夏の甲子園 第10日の見どころ

第108回全国高校野球選手権大会は8月14日、阪神甲子園球場で第10日を迎える。
午後1時半から2回戦第1試合として、花巻東(岩手) - 岡山学芸館(岡山)が行われる。

両校とも8月9日の第5日に1回戦を戦い、そろって初戦を突破した。序盤から小刻みにリードを広げ、一度も同点を許さずに逃げ切った花巻東に対し、岡山学芸館は3回に逆転されながら中盤の集中打でひっくり返す粘り勝ち。勝ち方の質は対照的だが、初戦から次戦までの間隔はどちらも中4日で並び、両エースは万全の状態でマウンドに立てる。
試合を前に、両校の戦いぶりを振り返る。

◆花巻東(岩手)― 一度も同点を許さず、4度のリードで逃げ切った

大会成績
1回戦(8月9日・第1試合) 花巻東 4-2 新田

先制点は2死からの下位打線

相手の新田は春の四国大会を制した実力校。互いに無失策の締まった試合で、花巻東は大量得点のイニングを一度もつくらないまま、2回・4回・6回・8回に1点ずつを積み上げた。


口火を切ったのは下位打線だった。2回表、2死から8番・齋藤蒼梧(2年)が追い込まれてから左前へ先制適時打を放つ。4回表には相手の暴投で加点し、リードを2点に広げた。2-1で迎えた6回表には2死三塁から久保村冠太(2年)が左中間へ適時二塁打を運び、突き放しにかかった。

先発・萬谷堅心(3年)は7回を2失点(自責1)と試合をつくった。3回2死満塁のピンチでは相手の4番を二ゴロに仕留めて無失点で切り抜け、先制直後に流れを渡さなかった。8回には二塁打で出塁した赤間史弥(3年)が、萬谷の浅い右飛で右翼手が内野へ返球する一瞬の隙を突いて三塁から生還。バット以外でも試合を決定づける4点目をもぎ取った。


萬谷は7回で交代、継投に余力

萬谷は7回を投げて赤間、菅原駿(2年)へとつなぐ継投で反撃を断った。エースを7回で下げられたことは、中4日で臨む2回戦に向けて余力を残す意味を持つ。左腕・萬谷は打者としても岩手大会で上位を打った二刀流で、今大会から導入されたDH制を佐々木洋監督がどう使うかも起用のポイントになる。

なお主将の4番・古城大翔(3年)は、春は負傷で記録員に回った時期を経て夏に主将へ復帰した中心打者。新田戦では3度出塁して3得点と、チームの全得点に絡んだ。

◆岡山学芸館(岡山)― 逆転された直後の6回、集中打で試合をひっくり返した
大会成績
1回戦(8月9日・第2試合) 岡山学芸館 7-3 鳥取城北

3回に逆転されても崩れなかった

3回表、5番・竹本竜馬(3年)の2点適時二塁打で先制した岡山学芸館だったが、その裏に落とし穴が待っていた。先発・田路惣一朗(3年)が2死三塁から秦慎之介(2年)ら鳥取城北の3連打を浴びて一挙3失点。あっという間に2-3と逆転を許した。


流れを引き戻したのは6回だった。2死から2番・森下絢心(2年)が放った三塁への内野安打に相手の送球ミスも重なり、走者2人が生還して再逆転に成功。続く3番・藤原颯大(3年)が適時三塁打で1点を加え、5-3とリードを2点に広げた。7回には9番・小林暖(2年)のセーフティースクイズ、9回にも小林の適時打で加点し、7-3で振り切った。

田路は9回途中まで一人で投げ抜く

田路は8回2/3を6安打3失点。逆転された3回以外は危なげなく、最後の打者を残すのみとなったところで的場悠仁(3年)にマウンドを譲った。
岡山大会では準決勝・おかやま山陽戦(延長10回サヨナラ勝ち)で10回を148球で投げ抜き、準々決勝・岡山理大附戦でも9回を160球で完投した一人柱。1回戦も実質的に完投に近い内容で、中4日でも2回戦の先発は動かないとみられる。


岡山大会は3回戦から決勝までの4試合をすべて1点差で制して岡山大会3連覇を達成した。チーム打率は出場49校で最下位の.197ながら、少ない好機を確実にものにして勝ち上がる接戦巧者。1回戦の逆転劇も、その勝負強さがそのまま出た試合だった。

一度も追いつかせない花巻東、何度でもひっくり返す岡山学芸館 夏の甲子園 第10日の見どころ

投手の登板間隔と球数に、両校の差はほとんどない。どちらも8月9日に1回戦を戦ってからは中4日。萬谷を7回で下げて継投に切り替えた花巻東と、田路がほぼ一人で投げ切った岡山学芸館という起用の違いはあるが、2回戦の先発マウンドはいずれもエースが担う見込みで、条件は五分だ。

勝ち方の質は対照的だ。花巻東は主導権を握り続けたまま押し切る試合運び、岡山学芸館は競り合いで力を発揮する粘り。

リードを守り切る野球と、ビハインドから盛り返す野球のどちらが上回るかが、そのまま試合の色を決める。

2回戦の見どころ

まず注目は両エースの投げ合いだ。中4日で状態は互角。7回で降板した萬谷を軸に赤間・菅原へつなぐ厚い継投で戦う花巻東と、田路がどこまで一人で引っ張るかにかかる岡山学芸館。継投の花巻東に対し、田路が長いイニングを投げ切れるかどうかが、終盤の展開を左右する。

次に、接戦への強さの比較。岡山学芸館は岡山大会の4試合連続1点差勝ち、1回戦の逆転勝ちと、僅差の勝負を勝ち切ってきた。一方の花巻東は相手を突き放す前に決め切るスタイルで、序盤に主導権を渡さないことが生命線になる。

序盤にリードを奪えるかどうかが、岡山学芸館の粘りを引き出すか、花巻東が試合を支配するかの分かれ目だ。

そしてDH制の使い方。今大会から夏の選手権でも指名打者制が導入された。二刀流の萬谷を抱える花巻東が、萬谷を投手に専念させるのか打者としても使うのか、佐々木監督の選択が打線の厚みに直結する。

勝者は8月15日以降の3回戦へ進み、大分商業 - 英明戦の勝者と対戦する。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

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