【夏の甲子園】3回戦・履正社 - 三重 両校のこれまでの勝ち上がりを振り返る
第108回全国高校野球選手権大会は8月15日、阪神甲子園球場で第11日を迎える。
13時から3回戦第3試合として履正社(大阪) - 三重(三重)が行われる。
エースが1人で167球を投げ切った履正社と、3投手の継投で逃げ切った三重。ともに2回戦から登場して初戦を突破し、中3日で顔を合わせる。同じ1試合を、正反対の投手起用で勝ってきた両校だ。試合を前に、戦いぶりを振り返る。
◆履正社(大阪)― エースが167球、8回終了時点で145球
大会成績
2回戦(8月11日・第3試合) 履正社 6-2 享栄
逆転は4回、2死からの連続長打
相手の享栄は31年ぶりの出場。参加174チームと全国最多の愛知を勝ち抜いた代表で、全国3位の153チームを勝ち上がった大阪代表との「激戦区対決」として注目されたカードだった。
初回に先制を許した履正社は、直後の2回に先頭の4番・辻竜乃介(3年)が中前打で出塁し、2死二塁から三木大亮(3年)の適時二塁打で追いついた。
試合が動いたのは4回。2死から5番・北西華一(2年)が二塁打で出ると、続く6番・高津冬真(3年)が中越えへ適時三塁打を放って勝ち越した。2死からの連続長打で、以降は一度もリードを譲っていない。終盤は8回に北西の2点三塁打、9回にも2点を加えて突き放した。
7四死球でも、9回のマウンドを譲らなかった
先発の木村颯(3年)は9回8安打2失点(自責点1)で完投。7四死球と制球に苦しみ、5回まで毎回走者を背負う苦しい内容だったが、2-1の5回2死の得点圏を三振で断ち切るなど要所は締めた。球数は8回を終えた時点で145。
中3日、制度上の余裕と、体の余裕は別
1人の投手が投げられるのは7日間で500球以内。8月11日を起点に数えれば、木村には残り333球がある。仮にこの日も完投したところで制限には届かず、翌18日の準々決勝には11日の167球が窓から外れる。制度の面では、まだ縛りは効いてこない。
問題は制度ではなく体のほうだ。167球の3日後という登板間隔で、多田晃監督が木村を再び先発させるのか、控え投手を早い段階で使うのか。
大会成績
2回戦(8月11日・第4試合) 三重 5-3 松商学園
5回までに5点、1番から4番までがマルチ安打
相手の松商学園は今大会最多39度目の出場。三重は立ち上がりから主導権を握った。初回、4番・福田篤史(3年)の適時打と内野ゴロの間に2点を先制。3回にも1点を加え、5回は2番・前野元佑(2年)の適時打と5番・立松宗馬(3年)の犠飛で5-0とした。チーム12安打、1番から4番までが全員マルチ安打という厚みのある攻撃だった。
8回に1点を返され、9回にも2死から2点適時三塁打を浴びて3点差に詰め寄られたが、最後は二直に打ち取って逃げ切った。夏の勝利は5年ぶりになる。
上田3回、船橋5回、吉井1回
先発は大型左腕・上田晴優(3年・背番号10)で3回。4回から2年生右腕の船橋昊がマウンドに上がり、5回を投げ切った。9回だけをエース左腕・吉井海翔(3年・背番号1)が締めている。沖田展男監督は試合後、3回・2回・4回の分担が理想だったが、吉井の調子が上がらないとブルペン捕手から報告があったため船橋を引っ張ったと明かした。結果として3人に負担が分散し、この試合で球数を大きく使った投手はいない。
149キロ右腕・古川は「80%くらい」
三重の投手陣を引っ張ってきたのは、プロ注目の最速149キロ右腕・古川稟久(3年)だ。今春の選抜大会では大阪桐蔭を相手に3回1失点。三重大会決勝の近大高専戦でも5回からリリーフし9回2死までゼロに抑えていたが、優勝まであと1人という場面で肘に違和感を訴えて降板した。
2回戦は登板がなく、味方の首を冷やすなど裏方に回った。試合後は「状態は80%くらいですが、無理しない範囲で投げたい」と復帰に前向きな姿勢を見せている。沖田監督も「1イニングでも投げられたらありがたい」と語った。
同じ中3日でも、抱えている前提はまるで違う。履正社は木村1人に9回を託した分、この日までの回復がそのまま戦力に直結する。一方の三重は3人で9回を割り、次戦に向けて全員が余力を残した。
3回戦の見どころ
木村が先発するかどうか。 167球の3日後をどう扱うかは、履正社の大会そのものを左右する。
三重打線は初戦で12安打を集め、上位4人が全員マルチ安打を記録している。木村が初戦のように毎回走者を背負う立ち上がりを見せれば、三重は序盤で試合を動かせる。
古川がマウンドに立つか。 三重にとって、149キロ右腕を1イニングでも使えるかどうかは終盤の設計を変える。初戦は9回に2点を失って3点差まで詰め寄られており、沖田監督が「今日も最後に古川がいたら吉井も楽だった」と振り返った通り、締めの1枚が足りていない。逆に古川が投げられないままなら、船橋をどこまで引っ張るかが再び焦点になる。
大阪勢との3度目。 三重は今春の選抜大会2回戦で大阪桐蔭に延長10回タイブレークの末に5-6で敗れている。8回に主将・大西新史(3年)の犠飛で追いつきながら、あと一歩届かなかった。その相手が今度は大阪大会を7戦全勝で制した履正社になる。春に競り合った経験を、夏の8強入りに結びつけられるか。
この試合の勝者は、16日の3回戦終了後に行われる抽選を経て、18日の準々決勝に進む。間の17日は休養日となる。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
13時から3回戦第3試合として履正社(大阪) - 三重(三重)が行われる。
エースが1人で167球を投げ切った履正社と、3投手の継投で逃げ切った三重。ともに2回戦から登場して初戦を突破し、中3日で顔を合わせる。同じ1試合を、正反対の投手起用で勝ってきた両校だ。試合を前に、戦いぶりを振り返る。
◆履正社(大阪)― エースが167球、8回終了時点で145球
大会成績
2回戦(8月11日・第3試合) 履正社 6-2 享栄
逆転は4回、2死からの連続長打
相手の享栄は31年ぶりの出場。参加174チームと全国最多の愛知を勝ち抜いた代表で、全国3位の153チームを勝ち上がった大阪代表との「激戦区対決」として注目されたカードだった。
初回に先制を許した履正社は、直後の2回に先頭の4番・辻竜乃介(3年)が中前打で出塁し、2死二塁から三木大亮(3年)の適時二塁打で追いついた。
試合が動いたのは4回。2死から5番・北西華一(2年)が二塁打で出ると、続く6番・高津冬真(3年)が中越えへ適時三塁打を放って勝ち越した。2死からの連続長打で、以降は一度もリードを譲っていない。終盤は8回に北西の2点三塁打、9回にも2点を加えて突き放した。
7四死球でも、9回のマウンドを譲らなかった
先発の木村颯(3年)は9回8安打2失点(自責点1)で完投。7四死球と制球に苦しみ、5回まで毎回走者を背負う苦しい内容だったが、2-1の5回2死の得点圏を三振で断ち切るなど要所は締めた。球数は8回を終えた時点で145。
5点リードの9回もマウンドに立ち続け、最終的に167球と今大会最多を投げ切った。最速148キロの右腕は試合後、疲れは感じていないと言い切っている。
中3日、制度上の余裕と、体の余裕は別
1人の投手が投げられるのは7日間で500球以内。8月11日を起点に数えれば、木村には残り333球がある。仮にこの日も完投したところで制限には届かず、翌18日の準々決勝には11日の167球が窓から外れる。制度の面では、まだ縛りは効いてこない。
問題は制度ではなく体のほうだ。167球の3日後という登板間隔で、多田晃監督が木村を再び先発させるのか、控え投手を早い段階で使うのか。
ここが試合序盤の最大の焦点になる。◆三重(三重)― 3人で9回を分け合い、149キロ右腕はベンチ
大会成績
2回戦(8月11日・第4試合) 三重 5-3 松商学園
5回までに5点、1番から4番までがマルチ安打
相手の松商学園は今大会最多39度目の出場。三重は立ち上がりから主導権を握った。初回、4番・福田篤史(3年)の適時打と内野ゴロの間に2点を先制。3回にも1点を加え、5回は2番・前野元佑(2年)の適時打と5番・立松宗馬(3年)の犠飛で5-0とした。チーム12安打、1番から4番までが全員マルチ安打という厚みのある攻撃だった。
8回に1点を返され、9回にも2死から2点適時三塁打を浴びて3点差に詰め寄られたが、最後は二直に打ち取って逃げ切った。夏の勝利は5年ぶりになる。
上田3回、船橋5回、吉井1回
先発は大型左腕・上田晴優(3年・背番号10)で3回。4回から2年生右腕の船橋昊がマウンドに上がり、5回を投げ切った。9回だけをエース左腕・吉井海翔(3年・背番号1)が締めている。沖田展男監督は試合後、3回・2回・4回の分担が理想だったが、吉井の調子が上がらないとブルペン捕手から報告があったため船橋を引っ張ったと明かした。結果として3人に負担が分散し、この試合で球数を大きく使った投手はいない。
149キロ右腕・古川は「80%くらい」
三重の投手陣を引っ張ってきたのは、プロ注目の最速149キロ右腕・古川稟久(3年)だ。今春の選抜大会では大阪桐蔭を相手に3回1失点。三重大会決勝の近大高専戦でも5回からリリーフし9回2死までゼロに抑えていたが、優勝まであと1人という場面で肘に違和感を訴えて降板した。
診断は軽い肉離れで全治約2週間。今大会は背番号20でベンチ入りしている。
2回戦は登板がなく、味方の首を冷やすなど裏方に回った。試合後は「状態は80%くらいですが、無理しない範囲で投げたい」と復帰に前向きな姿勢を見せている。沖田監督も「1イニングでも投げられたらありがたい」と語った。
同じ中3日でも、抱えている前提はまるで違う。履正社は木村1人に9回を託した分、この日までの回復がそのまま戦力に直結する。一方の三重は3人で9回を割り、次戦に向けて全員が余力を残した。
ただし三重の分散は、本来の柱である古川を欠いたうえでの設計でもある。打力はどちらも地方大会で証明済みだ。履正社は大阪大会7試合で66得点、失点はわずか5。接戦は3回戦の関西創価戦(2-1、延長10回タイブレーク)だけで、決勝は箕面学園に16-2と大勝した。4番の辻は大会打率.462、15打点。三重も5試合51得点で、決勝の近大高専戦では先発全員安打を記録している。
3回戦の見どころ
木村が先発するかどうか。 167球の3日後をどう扱うかは、履正社の大会そのものを左右する。
完投すれば準々決勝までさらに中2日。制限球数には触れないが、3試合連続の長いイニングを1人で背負う形になる。継投に踏み切るなら、その判断がどの回で下されるかに注目したい。
三重打線は初戦で12安打を集め、上位4人が全員マルチ安打を記録している。木村が初戦のように毎回走者を背負う立ち上がりを見せれば、三重は序盤で試合を動かせる。
古川がマウンドに立つか。 三重にとって、149キロ右腕を1イニングでも使えるかどうかは終盤の設計を変える。初戦は9回に2点を失って3点差まで詰め寄られており、沖田監督が「今日も最後に古川がいたら吉井も楽だった」と振り返った通り、締めの1枚が足りていない。逆に古川が投げられないままなら、船橋をどこまで引っ張るかが再び焦点になる。
大阪勢との3度目。 三重は今春の選抜大会2回戦で大阪桐蔭に延長10回タイブレークの末に5-6で敗れている。8回に主将・大西新史(3年)の犠飛で追いつきながら、あと一歩届かなかった。その相手が今度は大阪大会を7戦全勝で制した履正社になる。春に競り合った経験を、夏の8強入りに結びつけられるか。
この試合の勝者は、16日の3回戦終了後に行われる抽選を経て、18日の準々決勝に進む。間の17日は休養日となる。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。