勝敗が示さない山本由伸の今シーズン

ドジャースの山本由伸が、日本時間8月15日午前11時10分開始の本拠地ブルワーズ戦に先発する。球団が12日に発表した。中5日での登板で、3試合ぶりの白星となる12勝目がかかる。

今季の成績は21試合に登板して11勝7敗、防御率2.65。この「11勝7敗」という並びだけを見ると、勝ったり負けたりを繰り返しているように読める。
だが直近の登板を並べると、勝敗という記録が投手の投球内容とどれだけずれるのかが見えてくる。

■ 8回3失点で敗れ、5回2/3無失点で白星がつかない

勝敗が示さない山本由伸の今シーズン

7月19日のヤンキース戦では107球で今季初の完投。9回を4安打2失点、四球を1つも与えずに10勝目を挙げた。

続く25日の登板は6回5安打1失点で11勝目とし、日米通算100勝に到達している。

流れが変わったのは8月に入ってからだ。1日のレッドソックス戦では8回を4安打3失点にまとめたが、味方の得点が伸びず7敗目を喫した。8回を投げて3失点は、先発投手の仕事としては水準を満たしている。それでも記録上は「負け」になる。

8日のダイヤモンドバックス戦はさらに極端だった。5回2/3を3安打無失点、6奪三振。0対0の6回2死一、二塁の場面で107球を投げ切って降板した。

防御率は2.65まで良化したが、降板時点で味方に得点がなく、勝敗はつかなかった。試合はドジャースが2対1で競り勝っている。

つまり直近2試合で山本は13回2/3を投げて3失点だが、そこから得たものは1敗と勝敗なしだった。

■ 勝敗は投手が単独で決められない


勝利投手の記録は、投球内容だけでなく、味方が何点取ったか、それがどのイニングだったか、救援陣がリードを守れたかに左右される。先発投手が制御できない要素が半分以上を占める指標だと言っていい。

その点、投球内容そのものを表す数字は別の姿を示している。今季の投球回は139回1/3で奪三振127。1イニングあたりに何人の走者を出したかを示すWHIPは0.89で、1を下回っている。
四球と安打を合わせても1イニングに1人未満しか出していない計算になる。防御率2.65と合わせて、内容は勝敗の並びより明らかに良い。

MLB公式サイトが7月29日に発表した先発投手のパワーランキングでは、山本は5位に入った。この順位に対して米国のファンからは、評価が低すぎるという声も上がっている。勝ち星の少なさが順位に影響しているとすれば、それもまた勝敗という指標の副作用にあたる。

■ ブルワーズ戦で問われるもの


次の相手となるブルワーズは、ナ・リーグで最も高い勝率を残しているチームだ。中5日での登板となる。

山本は昨季、12勝8敗で自身初の2桁勝利を記録し、ワールドシリーズでは3勝0敗、防御率1.02でMVPに選ばれた。
今季はここまで21試合で11勝。数字の並びは昨季と似ているが、防御率とWHIPは昨季を上回るペースで推移している。

15日の登板で12勝目に届くかどうかは、山本の投球だけでは決まらない。ただ、投げた内容が数字にどう残るかを見るうえで、今季の彼ほど分かりやすい例も少ない。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部

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