【夏の甲子園】3回戦・佐野日大 - 健大高崎 両校のこれまでの勝ち上がりを振り返る

第108回全国高校野球選手権大会は8月16日、阪神甲子園球場で第12日を迎える。
午前8時から3回戦第1試合として佐野日大(栃木) - 健大高崎(群馬)が行われる。

春夏を通じて栃木と群馬の代表校が阪神甲子園球場で顔を合わせるのは、これが初めて。両校はここまで2試合ずつを戦い、いずれも失点はわずかに1。エースを軸にロースコアで勝ち上がってきた者同士の対戦になる。焦点は、その2人のエースが16日にどう使われるかだ。3回戦を前に、両校の戦いぶりを振り返る。

◆佐野日大(栃木)― 2試合で1失点、エースは阪神甲子園球場で14イニング無失点

大会成績
1回戦(8月6日・第2日第2試合) 佐野日大 1-0 聖隷クリストファー
2回戦(8月12日・第8日第3試合) 佐野日大 3-1 神村学園

【大会通算】2戦2勝 4得点・1失点(1試合平均2.0得点・0.5失点)

エースが102球で完封、25年ぶりの夏1勝

初戦の相手・聖隷クリストファーは、世代屈指の左腕と評された高部陸(3年)を擁する静岡代表。
試合は互いに点の入らないまま終盤へ進んだ。

0-0で迎えた7回表、佐野日大は2死一、二塁から相手の失策の間に1点を奪う。結局これが決勝点となり、1-0で逃げ切った。

先発の鈴木有(3年)は9回を102球、6安打無四球7奪三振で完封。相手に三塁を踏ませなかった。最速は142キロで、突出した球速ではない。序盤はスライダーとカットボール、中盤からは110キロ台のカーブを交えて的を絞らせなかった。麦倉洋一監督は1989年に佐野日大のエースとして出場し、初戦で同じ1-0の完封勝利を挙げている。


2年生左腕が4回をつなぎ、優勝候補を落とす

2回戦の神村学園は4年連続9度目の出場で、優勝候補の一角に挙げられていた。佐野日大が先発に送ったのはエースではなく、2年生左腕の沖崎翼だった。

沖崎は2回に2死満塁のピンチを空振り三振で切り抜ける。3回には1死二塁から左前へ運ばれたが、左翼手・杉田侑也(2年)の好返球が本塁で走者を刺し、先制を許さなかった。4回に1点を返されたものの、4回4安打3四死球1失点で役割を果たした。

打線は3回2死一、三塁から櫻岡稜万(3年)が2点適時三塁打を放って先制。2-1で迎えた9回にも1死二塁から小島颯人(2年)が中前へ運び、貴重な3点目を加えた。5回からはエース鈴木がマウンドへ。
8回2死に一、二塁とされた場面を遊ゴロで断ち切り、5回を無失点でまとめた。1997年以来29年ぶりの夏3回戦進出となる。

鈴木は中3日、球数制限は実質ノーマーク

鈴木は初戦の9回完封と2回戦の5回無失点を合わせ、大会2試合で14イニング連続無失点。前戦の8月12日から中3日で16日を迎える。

1人1週間500球以内という制限との距離も確認しておきたい。16日から遡る7日間に入るのは12日の登板のみで、初戦の102球はすでに対象期間の外に出る。制限が起用を縛る局面ではない。左腕の沖崎、185センチの右腕・山田琉偉(2年)も控えており、継投の選択肢は残っている。


◆健大高崎(群馬)― 初戦は117球完投、2回戦は3投手の完封リレー

大会成績
1回戦(8月7日・第3日第2試合) 健大高崎 7-1 八幡商
2回戦(8月13日・第9日第1試合) 健大高崎 1-0 東海大甲府

【大会通算】2戦2勝 8得点・1失点(1試合平均4.0得点・0.5失点)

2年生エースが11奪三振、5回に打者一巡の6点

初戦は2年生エースの石垣聡志が9回を117球、4安打1失点11奪三振で投げ切った。最速148キロの直球と、高校1年時に習得したナックルカーブが軸。8回まで無失点に抑え、9回に2つの失策からピンチを招いて内野ゴロの間に1点を失い、完封は逃した。青柳博文監督は9回まで続投させた理由を「自信を持たせたかった」と説明している。

打線は2回、指名打者で起用された豊永飛輝の適時打で先制。5回には大岩翔斗、岩井由来、神崎翔斗の適時二塁打などで打者一巡の攻撃を見せ、一挙6点を奪った。豊永は2安打3打点。今大会から導入された指名打者制が、そのまま得点力に直結した試合だった。


順延を挟んだ1-0、4番の一打とリレー

2回戦は当初12日に予定されていたが、天候不良のため13日の第1試合に順延された。東海大甲府との一戦は、序盤から両先発が譲らない展開になる。

均衡が破れたのは5回。安打と四球で1死一、二塁とすると、4番の佐藤麻恩(3年)が右前へ適時打を運んで1点を先制した。その佐藤は先発マウンドでも6回74球を無失点。7回からは北田莉玖(2年)が2回34球を無安打無失点でつなぎ、9回は石垣が10球で締めて完封リレーを完成させた。群馬県勢の夏2勝は9年ぶり、健大高崎としては11年ぶりとなる。

エースは大会通算127球、中2日でも余力

健大高崎の投手起用は数字にはっきり表れている。
ここまでチーム全体で235球を投げ、うち石垣が127球(117球+10球)で54.0%を占める。次いで佐藤が74球、北田が34球。エースに寄せつつ、2回戦では負担を分散させた形だ。

前戦の13日から中2日での登板となるが、石垣の直近7日間の投球は9回に投げた10球のみ。8月7日の117球は16日時点で500球制限の対象期間から外れる。数字の上では、3投手のいずれも制限を意識せず起用できる。

【夏の甲子園】3回戦・佐野日大 - 健大高崎 両校のこれまでの勝ち上がりを振り返る

失点はどちらも2試合で1。違いが出るのは得点で、健大高崎が1回戦に7点を集めたのに対し、佐野日大は2試合とも1点差から2点差の接戦だった。
ただし健大高崎も2回戦は1-0。強打で押し切ったのは初戦の1試合だけで、直近の内容はむしろ似通っている。

登板間隔は佐野日大が中3日、健大高崎が中2日。ただ健大高崎は2回戦でエースを10球しか使っておらず、実質的な消耗は佐野日大の鈴木(5回)のほうが大きい。1週間500球制限は、16日時点では両校とも起用の制約にならない。

3回戦の見どころ

最大の焦点は、両校がエースをどこに置くかだ。
佐野日大は初戦で鈴木を完投させ、2回戦は沖崎で入って5回から鈴木につないだ。健大高崎も初戦は石垣の完投、2回戦は佐藤から北田、石垣とつないでいる。どちらも「先発を任せられる2番手」を持っており、直近の勝ちパターンを踏襲するのか、初戦のようにエースを頭から立てるのかで、試合の入り方が大きく変わる。

両校はこの春にも顔を合わせている。5月16日の春季関東地区大会で健大高崎が3-2で競り勝った試合だ。1点差の決着から3カ月、互いの手の内をある程度知ったうえでの再戦になる。

指名打者制の使い方も見どころのひとつ。健大高崎は初戦で豊永を指名打者に置き、2安打3打点の結果を出した。投手を打席に立たせずに済む制度が、投手を長く引っ張りたい両校にとってどう働くかは注目したい。

勝った側は8月17日の休養日を挟み、18日の準々決勝に進む。準々決勝の組み合わせは3回戦終了後の抽選で決まる。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

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