【夏の甲子園】3回戦・有明 - 東日大昌平 両校のこれまでの勝ち上がりを振り返る

第108回全国高校野球選手権大会は8月16日、阪神甲子園球場で第12日を迎える。
午前10時30分から3回戦第2試合として有明(熊本) - 東日大昌平(福島)が行われる。

ともに春夏通じて初出場。その2校が8強をかけて直接対決する。初出場校が2校そろって2勝以上を挙げたのは2013年以来13年ぶりで、この試合の勝者は初出場のまま準々決勝に進む。
左腕2枚の継投で18イニングを分け合ってきた有明と、エースが1人で18イニング253球を投げ抜いた東日大昌平。投手の使い方が正反対の両校が、中2日で顔を合わせる。
試合を前に、ここまでの戦いぶりを振り返る。


◆有明(熊本)― 9回2死満塁からの走者一掃、2試合とも逆転勝ち

大会成績
1回戦(8月7日・第3試合) 有明 6-3 立命館宇治
2回戦(8月13日・第2試合) 有明 3-2 長崎日大

【大会通算】2戦2勝 9得点・5失点(1試合平均4.5得点・2.5失点)

3点差を9回にひっくり返した初戦

初戦の相手は3年ぶり5回目の出場となる立命館宇治。6回まで0-3と一方的な展開だったが、7回に1番・永田晴輝(3年)の適時打などで2点を返して1点差に詰め寄った。

9回は1死から相手失策と四球2つで2死満塁。ここで永田が走者一掃の3点二塁打を放って逆転すると、三盗の際の悪送球でもう1点を加えて6-3とした。永田はこの試合5打数2安打5打点。チームの安打はわずか6本で、そのうちの1本が試合を決めた。

先発した左腕・工修哉(3年)が4回1失点でつなぎ、5回からエース左腕・斉藤遼汰郎(3年)が5回を2安打6奪三振2失点。熊本大会から続く「工→斉藤」の形をそのまま持ち込んだ。


4安打で3点をもぎ取った2回戦

長崎日大(16年ぶり10回目)との九州対決は、わずか4安打での勝利だった。2回に先制された直後、四球から相手失策を誘って2点を奪い逆転。3回には永田の二塁打と三盗、内野ゴロで1点を加えて3-1とした。

工が4回5安打2奪三振1失点、斉藤が残る5回を5安打5奪三振1失点。10安打を許しながら本塁生還を阻む守りでしのぎ、9回に1点差へ迫られても逃げ切った。犠打と盗塁で1点をつくり、継投で守り切るチームの形が全国の舞台でも機能している。

2試合とも5回以内の分業、中2日でも余力
工が計8イニング、斉藤が計10イニング。1試合で5イニングを超えて投げた投手はおらず、球数の負担は2人に分散されている。
前戦の8月13日から中2日での登板になるが、分業を崩さない限り、この日程は有明にとって不利には働きにくい。

◆東日大昌平(福島)― エースが2試合連続完投、県勢63年ぶりの初出場2勝

大会成績
1回戦(8月8日・第2試合) 東日大昌平 2-1 白樺学園
2回戦(8月13日・第3試合) 東日大昌平 6-2 青森山田

【大会通算】2戦2勝 8得点・3失点(1試合平均4.0得点・1.5失点)

2安打で振り切った初戦

白樺学園(2年ぶり5回目)との初戦は、チーム2安打で勝ち切った試合だった。1回に四死球3つで1死満塁とし、5番・入口侑大(2年)の内野ゴロが野選を誘って先制。6回に追いつかれて1-1で迎えた9回、四球と申告敬遠で走者をため、2番・入ケ町隼仁(3年)が勝ち越し打を放った。

エース右腕・照沼佑崇(3年)は9回を6安打1失点、141球で完投した。

5回に打者一巡、5得点で東北勢対決を制す

2回戦は青森山田(2年ぶり13回目)との東北勢対決。4回に6番・金澤匠良(3年)の中前打で先制すると、1-1で迎えた5回は無死一塁から9番・小内壱晟(3年)が左越えの適時二塁打で勝ち越し。1死満塁から4番・緑川楓麻(3年)の二ゴロの間に加点し、さらに2死二、三塁で再び金澤が中前へ運んだ。
打者一巡で一挙5点となった。

照沼は5回と6回に1点ずつ失ったものの、最速143キロの直球にスライダー、カーブを交え、7安打2失点で112球の完投。9回にも140キロを計測した。
初出場の福島県勢が全国の舞台で2勝を挙げたのは、1963年の磐城以来2校目となる。

253球はすべてエース、他の投手は未登板

照沼が2試合18イニング、計253球。ここまで登板したのは照沼1人だけで、投手起用の比重は極端に大きい。1回戦から2回戦までは中4日あったが、今回は中2日。1週間500球の制限は大会通算ではなく直近1週間の累積が対象になるため、数字上の余裕は残る。
むしろ焦点は疲労度と、福島大会で完封(マダックス)を記録した白田夢真(3年)ら控え投手をどこで使うかにある。

【夏の甲子園】3回戦・有明 - 東日大昌平 両校のこれまでの勝ち上がりを振り返る
得点力はほぼ互角で、失点の少なさでは東日大昌平がわずかに上回る。ただし東日大昌平の3失点はすべて照沼が背負った数字で、他の投手が阪神甲子園球場のマウンドをまだ経験していない。有明は2人が均等に経験を積んでおり、継投のタイミングを外しにくい。

勝ち方の質も似ている。有明は2試合とも先制を許してからの逆転、東日大昌平も初戦は9回勝ち越し。どちらも競り合いを勝ち切った経験を持っており、序盤のリードがそのまま試合を決める展開にはなりにくい。

3回戦の見どころ

最大の焦点は、照沼が3試合連続で完投を狙うのか、早めに継投へ動くのかという点だ。
2試合とも1人で投げ抜いてきたぶん、中2日での立ち上がりがどうなるかは読みにくい。
有明は工が4イニングでつなぐ形を2試合続けており、こちらは変える理由が乏しい。エース1枚とエース2枚の勝負が、そのまま試合の構図になる。

もう一つは、少ない安打をどう点に変えるか。有明は2試合合計10安打で9得点と、犠打・盗塁・相手の失策を確実に得点へ結びつけてきた。
東日大昌平も初戦は2安打で2得点。走者を置いた場面での1球、1つのバントが、そのまま得失点差に直結する試合になりそうだ。

そして、この試合の勝者は初出場のまま8強に入る。

8月17日は休養日で、準々決勝は18日。勝てば中1日を挟んで次戦を迎えることになり、この日の投手起用がそのまま準々決勝の戦い方を決める。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

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