【夏の甲子園】3回戦・英明 - 花巻東 両校のこれまでの勝ち上がりを振り返る
第108回全国高校野球選手権大会は8月16日、阪神甲子園球場で第12日を迎える。
午後1時から3回戦第3試合として英明(香川) - 花巻東(岩手)が行われる。
2試合ともエース左腕を軸に1失点で勝ち上がった英明と、2試合で8盗塁を決めて相手を揺さぶり続けた花巻東。試合間隔は英明が中2日、前日に2回戦を戦った花巻東は中1日で、どちらが先発マウンドに誰を送るかがそのまま試合の入り方を決める。
試合を前に、両校の戦いぶりを振り返る。
◆英明(香川)― 2試合とも終盤に突き放し、夏は初の2勝
大会成績
1回戦(8月8日・第4試合) 英明 4-1 関東第一
2回戦(8月13日・第4試合) 英明 6-1 大分商
【大会通算】2戦2勝 10得点・2失点(1試合平均5.0得点・1.0失点)
冨岡琥希が104球で無四球完投、7回に松原の走者一掃
初戦の相手・関東第一は東東京3連覇中で、2024年に準優勝、2025年に8強という実績を持つ。その相手に英明は初回、1死一、三塁から犠飛で先制を許す苦しい入り方をした。
追いついたのは3回。
均衡が動いたのは7回で、1死満塁から3番・松原蒼真(3年)が中堅へ走者一掃の適時二塁打を放ち、一気に4-1とした。松原はこの試合3安打3打点。
先発のエース左腕・冨岡琥希(3年)は9回を104球で投げ切り、3安打6奪三振、四球ゼロ。失点は初回の1点のみで自責点は0だった。
松本倫史朗が5回無失点、9回に4点でダメ押し
2回戦の大分商は、最速152キロの平田玲翔(3年)が主将でエースという投打の中心を擁するチーム。英明は先発に背番号10の右腕・松本倫史朗(3年)を立てた。
3回、1番・池田隼人(3年)が相手の失策で出塁し、松原の二塁打で1死二、三塁。
松本倫は5回を68球、3安打無失点。6回からは冨岡が4回を49球で投げ、9回に1点を返されたものの3奪三振で締めた。夏の全国大会での2勝は英明にとって初めてで、3回戦進出も初となる。エースは中2日、球数には余裕
冨岡はここまで2試合で13回・153球。前回登板の8月13日から中2日が空く。
香川大会決勝では冨岡が延長10回タイブレークを180球で完投しており、長いイニングを任せられる下地はある。一方で英明は大会2試合で3失策。ここまでは相手の失策に乗じて得点する場面が多く、守りのミスが出た試合を経験していない。
◆花巻東(岩手)― 7盗塁で揺さぶり、3年ぶりの16強
大会成績
1回戦(8月9日・第1試合) 花巻東 4-2 新田
2回戦(8月14日・第1試合) 花巻東 4-1 岡山学芸館
【大会通算】2戦2勝 8得点・3失点(1試合平均4.0得点・1.5失点)
萬谷堅心が7回104球、8回は赤間の走塁で4点目
初戦の新田戦は接戦だった。2回に捕手・斎藤蒼梧(3年)の適時打で先制し、4回にも1点。5回、6回と1点ずつ返されて2-2の展開になりかけたところで、6回に久保村冠太(2年)の適時二塁打が出た。
決定打は8回。先頭の赤間史弥(3年)が右中間を破る二塁打で出ると、1死三塁から萬谷堅心(3年)の右飛で三塁走者が生還した。浅い外野フライを突いた走塁だった。
先発の萬谷は7回を104球で6安打2失点(自責1)。8回から赤間、9回から菅原駿(2年)とつなぎ、逃げ切った。
初回2点、7回は本盗―機動力で押し切る
2回戦の岡山学芸館戦は、初回に試合を動かした。先頭の戸倉光揮(2年)が中前打で出て犠打で二塁へ進むと、3番・赤間が左翼手の頭を越える適時二塁打。赤間は続く打席の初球で三盗を決め、4番・古城大翔(3年)の中前適時打で2-0とした。
7回には二走・赤間と一走・古城の重盗が決まり、1死二、三塁からヒットエンドラン。打者が空振りし、捕手がはじく間に赤間が生還した。記録は本盗となり、4-0とした。
この試合の花巻東は14安打7盗塁で、赤間ひとりで4盗塁を記録している。中堅の菊池楽人(3年)は4安打を放った。
先発は背番号11の2年生右腕・菅原駿。6回1/3を94球、6安打5奪三振で無失点に抑えた。7回途中から3番・左翼だった赤間がマウンドへ上がり、2回2/3を43球で1失点。
エースは中6日、前日投げた2人は中1日
投手事情は英明と対照的だ。エースの萬谷は1回戦の104球以降マウンドに上がっておらず、16日は中6日。球数の余裕は十分にある。
一方、2回戦を投げた菅原(94球)と赤間(43球)は前日の登板で、中1日での再登板になる。500球制限との距離はどちらも大きく空いているため、制限そのものより回復と、赤間を投手で使えば打線・守備をどう組み替えるかという判断が焦点になる。
球数だけを見れば、両校とも500球制限に追い込まれてはいない。差が出るのは休養で、英明は主戦2人がそろって中2日、花巻東は前日投げた2人が中1日、代わりに萬谷が中6日という構図になる。
勝ち方の質も対照的だ。英明は2試合とも中盤まで1点差以内の展開を投手陣で耐え、終盤に突き放して勝っている。花巻東は初回から先手を取り、走塁で追加点をもぎ取る形。先に主導権を握りたい花巻東と、我慢して終盤勝負に持ち込みたい英明という読み方ができる。
— 3回戦の見どころ
走る花巻東と、走られていない英明
花巻東は2試合で8盗塁。2回戦では重盗と本盗まで絡めて4点のうち1点を走塁だけで奪った。対する英明は大会2試合で盗塁を1つも記録しておらず、走者を刺す場面を経験する機会も少なかった。捕手は4番を打つ高田で、投げるのはクイックに定評がある冨岡か松本倫。花巻東が一塁に走者を置いた瞬間の駆け引きが、この試合の見どころになる。
指名打者をどう使うか
今大会から夏の選手権でも導入されたDH制を、両校とも使っている。英明は浜野銀次郎(3年)を指名打者に置き、花巻東は2回戦で古城主将を「4番・DH」で起用した。
ただし花巻東は7回に左翼の赤間を投手に回したためDHが解除され、古城が一塁に入り、久保村が左翼から中堅へ移る組み替えが発生した。赤間の継投を前提にするなら、この日も同じ判断を迫られる。
終盤に強い英明と、初回に強い花巻東
英明の10得点のうち7点は6回以降。花巻東は2試合とも早い回に先制している。序盤に花巻東がリードを作れば英明は追う展開になるが、英明は初戦で先制を許してから逆転しており、ビハインドの経験もある。この試合の勝者は、8月17日の休養日を挟んで18日の準々決勝に進む。準々決勝の組み合わせは3回戦終了後に勝利校の主将による抽選で決まる。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
午後1時から3回戦第3試合として英明(香川) - 花巻東(岩手)が行われる。
2試合ともエース左腕を軸に1失点で勝ち上がった英明と、2試合で8盗塁を決めて相手を揺さぶり続けた花巻東。試合間隔は英明が中2日、前日に2回戦を戦った花巻東は中1日で、どちらが先発マウンドに誰を送るかがそのまま試合の入り方を決める。
試合を前に、両校の戦いぶりを振り返る。
◆英明(香川)― 2試合とも終盤に突き放し、夏は初の2勝
大会成績
1回戦(8月8日・第4試合) 英明 4-1 関東第一
2回戦(8月13日・第4試合) 英明 6-1 大分商
【大会通算】2戦2勝 10得点・2失点(1試合平均5.0得点・1.0失点)
冨岡琥希が104球で無四球完投、7回に松原の走者一掃
初戦の相手・関東第一は東東京3連覇中で、2024年に準優勝、2025年に8強という実績を持つ。その相手に英明は初回、1死一、三塁から犠飛で先制を許す苦しい入り方をした。
追いついたのは3回。
1死一、三塁から5番・松本一心(3年)の打球を三塁手が処理できず、その間に同点とした。
均衡が動いたのは7回で、1死満塁から3番・松原蒼真(3年)が中堅へ走者一掃の適時二塁打を放ち、一気に4-1とした。松原はこの試合3安打3打点。
先発のエース左腕・冨岡琥希(3年)は9回を104球で投げ切り、3安打6奪三振、四球ゼロ。失点は初回の1点のみで自責点は0だった。
松本倫史朗が5回無失点、9回に4点でダメ押し
2回戦の大分商は、最速152キロの平田玲翔(3年)が主将でエースという投打の中心を擁するチーム。英明は先発に背番号10の右腕・松本倫史朗(3年)を立てた。
3回、1番・池田隼人(3年)が相手の失策で出塁し、松原の二塁打で1死二、三塁。
4番・高田斗稀(3年)の二ゴロの間に1点を先制した。6回は5回から登板した平田から、7番・太田丈士(3年)の中犠飛で追加点。9回には池田の中前適時打、松原の右越え適時二塁打などで一挙4点を奪って突き放した。
松本倫は5回を68球、3安打無失点。6回からは冨岡が4回を49球で投げ、9回に1点を返されたものの3奪三振で締めた。夏の全国大会での2勝は英明にとって初めてで、3回戦進出も初となる。エースは中2日、球数には余裕
冨岡はここまで2試合で13回・153球。前回登板の8月13日から中2日が空く。
1人1週間500球以内という制限に照らすと、8月10日以降に投げたのは2回戦の49球だけで、16日に完投しても制限には届かない。松本倫も同じく中2日で、大会での投球は68球のみだ。
香川大会決勝では冨岡が延長10回タイブレークを180球で完投しており、長いイニングを任せられる下地はある。一方で英明は大会2試合で3失策。ここまでは相手の失策に乗じて得点する場面が多く、守りのミスが出た試合を経験していない。
◆花巻東(岩手)― 7盗塁で揺さぶり、3年ぶりの16強
大会成績
1回戦(8月9日・第1試合) 花巻東 4-2 新田
2回戦(8月14日・第1試合) 花巻東 4-1 岡山学芸館
【大会通算】2戦2勝 8得点・3失点(1試合平均4.0得点・1.5失点)
萬谷堅心が7回104球、8回は赤間の走塁で4点目
初戦の新田戦は接戦だった。2回に捕手・斎藤蒼梧(3年)の適時打で先制し、4回にも1点。5回、6回と1点ずつ返されて2-2の展開になりかけたところで、6回に久保村冠太(2年)の適時二塁打が出た。
決定打は8回。先頭の赤間史弥(3年)が右中間を破る二塁打で出ると、1死三塁から萬谷堅心(3年)の右飛で三塁走者が生還した。浅い外野フライを突いた走塁だった。
先発の萬谷は7回を104球で6安打2失点(自責1)。8回から赤間、9回から菅原駿(2年)とつなぎ、逃げ切った。
初回2点、7回は本盗―機動力で押し切る
2回戦の岡山学芸館戦は、初回に試合を動かした。先頭の戸倉光揮(2年)が中前打で出て犠打で二塁へ進むと、3番・赤間が左翼手の頭を越える適時二塁打。赤間は続く打席の初球で三盗を決め、4番・古城大翔(3年)の中前適時打で2-0とした。
7回には二走・赤間と一走・古城の重盗が決まり、1死二、三塁からヒットエンドラン。打者が空振りし、捕手がはじく間に赤間が生還した。記録は本盗となり、4-0とした。
この試合の花巻東は14安打7盗塁で、赤間ひとりで4盗塁を記録している。中堅の菊池楽人(3年)は4安打を放った。
先発は背番号11の2年生右腕・菅原駿。6回1/3を94球、6安打5奪三振で無失点に抑えた。7回途中から3番・左翼だった赤間がマウンドへ上がり、2回2/3を43球で1失点。
8強入りした2023年以来、3年ぶりのベスト16となった。
エースは中6日、前日投げた2人は中1日
投手事情は英明と対照的だ。エースの萬谷は1回戦の104球以降マウンドに上がっておらず、16日は中6日。球数の余裕は十分にある。
一方、2回戦を投げた菅原(94球)と赤間(43球)は前日の登板で、中1日での再登板になる。500球制限との距離はどちらも大きく空いているため、制限そのものより回復と、赤間を投手で使えば打線・守備をどう組み替えるかという判断が焦点になる。
球数だけを見れば、両校とも500球制限に追い込まれてはいない。差が出るのは休養で、英明は主戦2人がそろって中2日、花巻東は前日投げた2人が中1日、代わりに萬谷が中6日という構図になる。
花巻東が萬谷を立てるのか、2回戦で無失点だった菅原に再び託すのか。ここが最初の見どころになる。
勝ち方の質も対照的だ。英明は2試合とも中盤まで1点差以内の展開を投手陣で耐え、終盤に突き放して勝っている。花巻東は初回から先手を取り、走塁で追加点をもぎ取る形。先に主導権を握りたい花巻東と、我慢して終盤勝負に持ち込みたい英明という読み方ができる。
— 3回戦の見どころ
走る花巻東と、走られていない英明
花巻東は2試合で8盗塁。2回戦では重盗と本盗まで絡めて4点のうち1点を走塁だけで奪った。対する英明は大会2試合で盗塁を1つも記録しておらず、走者を刺す場面を経験する機会も少なかった。捕手は4番を打つ高田で、投げるのはクイックに定評がある冨岡か松本倫。花巻東が一塁に走者を置いた瞬間の駆け引きが、この試合の見どころになる。
指名打者をどう使うか
今大会から夏の選手権でも導入されたDH制を、両校とも使っている。英明は浜野銀次郎(3年)を指名打者に置き、花巻東は2回戦で古城主将を「4番・DH」で起用した。
ただし花巻東は7回に左翼の赤間を投手に回したためDHが解除され、古城が一塁に入り、久保村が左翼から中堅へ移る組み替えが発生した。赤間の継投を前提にするなら、この日も同じ判断を迫られる。
終盤に強い英明と、初回に強い花巻東
英明の10得点のうち7点は6回以降。花巻東は2試合とも早い回に先制している。序盤に花巻東がリードを作れば英明は追う展開になるが、英明は初戦で先制を許してから逆転しており、ビハインドの経験もある。この試合の勝者は、8月17日の休養日を挟んで18日の準々決勝に進む。準々決勝の組み合わせは3回戦終了後に勝利校の主将による抽選で決まる。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。