【夏の甲子園】決勝・智弁和歌山 - 健大高崎 両校のこれまでの勝ち上がりを振り返る

第108回全国高校野球選手権大会は8月22日、阪神甲子園球場で第15日を迎える。
午前10時から決勝として智弁和歌山(和歌山) - 健大高崎(群馬)が行われる。

4試合で27得点を挙げた智弁和歌山と、5試合でわずか2失点、うち3試合を1-0で拾った健大高崎。同じ舞台に、まったく違う勝ち方でたどり着いた。
両校とも準決勝から中1日での決戦となる。

智弁和歌山(和歌山)― 初戦は2-1、そこから3試合で25得点


大会成績
2回戦(8月11日・第7日第2試合) 智弁和歌山 2-1 社
3回戦(8月15日・第11日第2試合) 智弁和歌山 7-3 敦賀気比※延長11回タイブレーク
準々決勝(8月18日・第13日第2試合) 智弁和歌山 11-3 仙台育英
準決勝(8月20日・第14日第1試合) 智弁和歌山 7-1 横浜

【大会通算】4戦4勝 27得点・8失点(1試合平均6.8得点・2.0失点)

初戦は2-1、エースが73球で6回無失点

大会初戦の2回戦、相手は社(兵庫)。2回に先頭打者の三塁打から二ゴロの間に先制し、3回は中犠飛で1点。この2点を守り切った。


エース右腕・和気匠太(3年)は6回を2安打無失点、73球で6奪三振と省エネの内容。7回から長井心海(2年)が3回1失点で踏ん張った。無失策の守りで拾った1点差は、2021年の全国制覇以来5年ぶりの夏の白星となった。

3回戦は延長11回、8回2死からの同点打

3回戦の敦賀気比(福井)戦は今大会最長の延長11回までもつれた。先発は左腕・米原佑真(2年)。左肩のコンディション不良から復帰し、この夏が初登板だった。5回に2点を先行され、打線も7回まで単打4本に封じられる。

動いたのは8回。
2死二、三塁から川原一将(3年)が左中間を破る二塁打で追いつくと、延長11回には川原の勝ち越し打などで一挙5得点。7-3で振り切った。

準々決勝は18安打11得点、準決勝は3回に一挙4点

準々決勝の仙台育英(宮城)戦は初回から動いた。長友悠成(2年)の右翼フェンス直撃三塁打を足がかりに捕逸で先制し、犠飛、押し出し四球、2点適時打と続いて打者一巡の5得点。この日は満塁の好機を5度つくり、18安打11得点で押し切った。和気は初戦から中6日で5回1失点。6回以降は長井、朝来友翔(3年)、三嶋健太(3年)でつないだ。準決勝は、昨春の選抜大会の決勝で敗れた横浜(神奈川)との再戦。
初回に先制されたが、3回に連打で無死一、二塁とし、4番・山田凜虎(3年)の三塁線二塁打で同点。続く楠本龍生(3年)が右翼席へ勝ち越し3ランを叩き込み、剛腕・織田翔希(3年)をこの回で降板に追い込んだ。
7回にも楠本の適時打と代打・井戸本陽向(3年)の2点適時打で3点。和気は8回4安打1失点だった。

完投ゼロ、和気は中1日で決勝へ

和気の大会通算は3試合19イニング。社戦で6回(73球)、仙台育英戦で5回、横浜戦で8回。準々決勝と準決勝は中1日の連続登板で、決勝も中1日となる。

特徴的なのは、4試合で完投が一度もないことだ。

3回戦は米原に先発を託して和気を回避し、準々決勝も大量リードを背に5回で降ろした。大会を通じて少なくとも6投手が登板しており、和歌山大会5試合もすべて継投で勝ち上がっている。

健大高崎(群馬)― 5試合46イニングで自責点1、1-0が3度


大会成績
1回戦(8月7日・第3日) 健大高崎 7-1 八幡商
2回戦(8月13日・第9日第1試合) 健大高崎 1-0 東海大甲府
3回戦(8月16日・第12日第1試合) 健大高崎 4-1 佐野日大
準々決勝(8月18日・第13日第4試合) 健大高崎 1-0 有明※延長10回
準決勝(8月20日・第14日第2試合) 健大高崎 1-0 天理

【大会通算】5戦5勝 14得点・2失点(1試合平均2.8得点・0.4失点)

1回戦は5回に一挙6点、2年生エースが117球完投

1回戦の八幡商(滋賀)戦は、0-1の5回に打線がつながった。適時二塁打で追いつくと、岩井由来(2年)、豊永飛輝(3年)の連続適時打でリードを広げ、神崎翔斗(2年)の2点適時二塁打で締めて、この回6得点。

先発した2年生右腕・石垣聡志は9回117球、11奪三振1失点で完投。昨夏のエースでロッテからドラフト1位指名を受けた石垣元気投手の後を継いだ2年生が、エース番号で初戦を投げ切った。

2回戦は二刀流の1点、3回戦は1年生から始まる4人継投

2回戦の東海大甲府(山梨)戦は、5回に4番・佐藤麻恩(3年)が放った右前適時打の1点を守り切った。佐藤は先発で6回74球無失点。
7回から北田莉玖(2年)が2回34球を無安打に抑え、9回は石垣が10球で締めた。3回戦の佐野日大(栃木)戦は2回表に犠飛で先制されたが、その裏に岩井、豊永、神崎の適時打で3点を奪って逆転。6回には狩野蓮義(1年)の中前適時打で4点目を挙げた。この試合は石垣も佐藤も投げていない。今大会初登板の1年生左腕・大橋叡刀が2回、新倉大輝(3年)が2回、北田が4回を投げ、9回は三塁を守っていた石田翔大(3年)がマウンドへ。4投手で1失点に抑えた。

準々決勝も準決勝も1-0、9回2死満塁を三振で締めた

準々決勝の有明(熊本)戦は9回まで0-0の投手戦。石垣が延長10回を5安打110球で投げ切って完封し、夏では初の4強入りを決めた。


準決勝の天理(奈良)戦は、佐藤を「4番・DH兼先発投手」で起用。初回1死一、二塁から佐藤自身が右前適時打を放ち、二塁走者の石田雄星主将をかえして先制した。
投げては、3試合連続で2桁安打を放っていた天理打線を7回1/3、わずか2安打で無失点に封じる。8回途中から北田、石田翔大とつなぎ、9回は2死満塁までピンチが広がったが、4人目の石垣が最後の打者を空振り三振に仕留めた。

今大会3度目の1-0勝利で、今大会で1-0となった6試合のうち半分を健大高崎が占めている。

石垣は球数に余裕、佐藤は中1日

石垣の大会通算は4試合20回1/3。1回戦117球、2回戦10球、準々決勝110球に、準決勝の締めが加わる。
準々決勝の完投からは中3日だが、準決勝でも1アウトを取っており、最後の登板からは中1日にあたる。
直近1週間の累積は準々決勝の110球が大半を占める計算で、1週間500球の制限には余裕がある。

佐藤は準決勝で7回1/3を投げたばかりで、決勝は中1日。3回戦で3投手を並べて石垣と佐藤を完全に休ませた青柳博文監督の采配が、ここに効いている。

【夏の甲子園】決勝・智弁和歌山 - 健大高崎 両校のこれまでの勝ち上がりを振り返る

智弁和歌山は初戦こそ2-1だったが、3回戦以降は7点、11点、7点と重ねた。健大高崎は5試合で14得点、うち3試合が1-0。46イニングで自責点1という数字が、そのまま勝ち方を説明している。

投手起用も対照的だ。智弁和歌山は完投ゼロで少なくとも6人を使い、健大高崎は石垣が2試合を完投しつつ、3回戦では石垣と佐藤を完全に外して4投手でしのいだ。
エースを守る方法が、「毎試合の継投」と「1試合まるごと預ける」の違いになって表れている。

決勝の見どころ


最大の焦点は、健大高崎が誰を先発に立てるかだ。石垣は球数に余裕があり、佐藤は準決勝で7回1/3を投げて中1日。
準決勝で見せた「4番・DH兼投手」の形をもう一度取るのか、石垣を先発させて佐藤を打者に専念させるのか。今大会から夏の選手権にも導入された指名打者制の使い方が、そのまま決勝の設計図になる。

智弁和歌山は和気が中1日で決勝を迎える。
ただ、このチームは和気に完投を求めてこなかった。1点を争う展開になったとき、どこまで引っ張り、どこで長井や朝来に替えるのか。中谷仁監督の判断が試される。

打線の状態は智弁和歌山に分がある。楠本を軸に、準々決勝以降の2試合で32安打18得点。ただし健大高崎の投手陣は1試合平均0.4失点で、大量点を許した試合が一つもない。振れている打線と、失点しない投手陣。どちらの形が9回もったかで決着がつく。

智弁和歌山が勝てば2021年以来4度目、健大高崎が勝てば夏は初の全国制覇となる。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部

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