大阪で“ブラックホールと重力波”の謎を解き明かす企画展、時空のゆがみを体験できるフォトスポットも
企画展「極限時空・ブラックホールと重力波」が、2025年7月19日(土)から8月31日(日)まで、大阪市立科学館にて開催される。
ブラックホールと重力波の謎を解き明かす
ブラックホールは、物質だけでなく光さえも脱出できない極限的な時空構造を持つ天体。以前は謎に包まれた“見えない天体”とされていたが、2015年にはブラックホールが衝突する際に生じる重力波が初めて観測され、2017年にはM87銀河の中心に位置する超巨大ブラックホールの「影(シャドウ)」が史上初めて電波で撮影された。
企画展「極限時空・ブラックホールと重力波」では、科学の力によって少しずつその姿が明らかになっているブラックホールや重力波にフォーカス。台湾の國立自然科學博物館が制作した展示を、日本の研究者の協力を得て国内向けにアレンジし、本邦初公開する。
重力波の観測施設「KAGRA」試作品パーツなど貴重な品々
ブラックホールからの重力波を観測するには、「マイケルソン干渉計」が欠かせない。この装置は、レーザー光線と鏡を使って、重力波がもたらす“空間のゆがみ”を検出する仕組みになっている。
重力波は非常に微弱なため、精密に観測するにはわずかなノイズも影響する。
そのため、装置内の熱などによる雑音をできる限り抑える必要がある。マイケルソン干渉計の原理を応用した、日本の重力波望遠鏡「KAGRA」では、冷却しやすいサファイアミラーを採用している。
「極限時空・ブラックホールと重力波」では、「カグラ」の心臓部となるサファイアミラーの試作品を展示。また、「マイケルソン干渉計」が実際に作動する様子も観察できる。
“時空のゆがみ”を体感するフォトスポットも
このほか、ブラックホールの中にある、物理法則が成り立たないとされる不思議な場所“特異点”を映像で表現した「特異点シアター」や、ブラックホールによる時空のゆがみを体験できる撮影スポット「重力レンズ:変形写真撮影」など、ブラックホールを深く知る体験型展示も用意している。
詳細
企画展「極限時空・ブラックホールと重力波」
会期:2025年7月19日(土)~8月31日(日)
会場:大阪市立科学館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-1
時間:9:30~17:00(展示場の入場は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝休日の場合は翌平日)
※8月12日(火)は開館。
展示場観覧料:大人 400円、学生(高校・大学生) 300円、中学生以下無料
【問い合わせ先】
大阪市立科学館
TEL:06-6444-5656