《50年の歴史に終止符!》がんステージIVから生還、リフォーム番組の重鎮、サーフィン日本大会に挑戦……歴代くいしん坊たちの「今」
11代目・松岡は25年の最長出演(写真:本誌写真部)
11月22日、フジテレビ系列の人気長寿番組『くいしん坊!万才』が1975年の放送開始以来、50年の歴史に幕を下ろす。最終回は歴代レポーターが集結した『50年間ありがとう!くいしん坊!万才一生忘れられない味SP』が放送される。フジテレビ関係者は言う。
「番組放送回数は、レギュラー放送が終了した11月16日までで計6599回に及びます。確認できる範囲内では、最高視聴率は2016年1月18日放送回の17.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。ただ、この日はSMAPに解散報道が出て、メンバー5人が『SMAP×SMAP』の生放送中に謝罪した日です。通常午後9時54分から放送されていた『くいしん坊!万才』が、月9の初回放送が15分延長で22時9分に放送されたため、驚異的な高視聴率につながったといわれています。
『くいしん坊!万才』はフジを代表する看板番組でした。
中居正広氏の問題で今年1月から放送休止となり10月に再開されたばかりでしたが、時代の変化と50年の節目ということで終了が決まったようです。22日の最終回は関東ローカルでの放送ですが、翌日23日の昼からはBSフジで再放送されます。全国の“くいしん坊”ファンと番組でお世話になった方々に感謝の気持ちを届けられればと願っています」
同番組に欠かせないのが、食を通じて、日本各地の人々と触れ合いながらご当地グルメを伝えてきた“くいしん坊”たちだ。歴代レポーター11人のなかで、存命なのは“現役11代目”の松岡修造(58)含め5人だ。
松岡は2000年から『くいしん坊!万才』にレギュラー出演。1999年から週1回の放送となったこともあり、25年の最長出演だった。2004年からは『報道ステーション』(テレビ朝日系)の“スポーツの顔”としてレギュラー出演している。
かつて彼はインタビューで『くいしん坊!万才』の意外な舞台裏を語っていた。
「僕は台本を読みません。だって『くいしん坊! 万才』は、料理番組ではなくドキュメンタリー番組だと僕は捉えていますから。先に台本を読むとイメージが出来上がってしまうので、用意するのは“心の準備”だけ。どれだけ美味しく食べる準備ができているかということですね」(『FLASH』2015年11月24日号)
1988年~1990年に出演した7代目・村野武範(80)は70代から闘病の日々だった。
「村野さんは70歳のとき、左の首筋のしこりに気づき、検査の結果、それがステージIVの中咽頭がんの転移だったと診断されました。リンパ節への転移も複数認められ、抗がん剤治療で10キロ以上、体重が減ったそうです。その後、奥さまから陽子線治療を勧められ福島県の病院に転院。2カ月半の入院治療の結果、快方に向かったといいます。
さらに75歳で腎不全となり、長女から腎臓移植を受けました。予後は順調で、『家族には頭があがらない』とよく話されています。いまは自らの闘病をもとにした講演会で全国を回っています」(前出・フジテレビ関係者)
8代目・辰巳琢郎(67)は1991年~1993年に出演。俳優業に加え、京都大学文学部卒の経歴からクイズ番組の回答者としてもおなじみだ。またワイン通としても知られている。テレビ局関係者は言う。
「辰巳さんは高校生時代からモデルルームや住宅展示場の見学が趣味だった影響で、建築事情に詳しく、2000年から放送局を変えながらも、約20年間にわたって住宅リフォームの関連番組を担当しています。番組の影響力は大きく、不動産業界ではもはや重鎮的存在です」
11月19日には公式Xで、QRコードだけが表示されている駅の時刻表の画像を添付して“スマホ至上主義に危機感”と嘆く投稿をリツイートして《「スマホが無いと生きていけない社会」にしたいのでしょうね。
芝居のチラシからも、どんどん地図が消えています》と投稿。続けて来年1月から自らが監修・演出する舞台のパンフレットを掲出し、《今度の公演のチラシには、ちゃんと地図が載っています》と見事に告知していた。
1994年から1997年に出演した9代目・山下真司(73)は役者として活躍中だ。前出のテレビ局関係者は言う。
「11月9日に放送された『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)に山下さんが出演した際、代表作『スクールウォーズ』の終了直後におこなわれた超大物女優との熱いラブシーン舞台裏を話していました。
“性に奔放な役が多い女優さん”から、“イヤリングを取ってこっちからキス。終わったら熱い眼差しでファスナーを下げてベッドに倒れ込んで頂戴”と言われた山下さんがリハーサルをお願いしたところ、その女優さんは“信じられない。あなた、男優でしょ?”と憤慨。
山下さんは“複雑なラブシーンをやったことがない”と説明するも、“役者辞めなさい。恥ずかしいと思わないの?”と苦言を呈されたとか。開き直った山下さんが捨て身で本番に臨んだところ、その女優から一言“やればできるじゃん”と言われたと笑顔で告白。浜田雅功さんから『誰?』と尋ねられた山下が『桃井かおりさん!』と実名をあげて番組を盛り上げていました」
また私生活では都内の“3億円豪邸”を売却したと今夏報じられていた。
「7月に配信された『Smart FLASH』によれば、山下さんが住んでいた地下1階地上2階建ての白亜の豪邸が売りに出されていたといいます。所属事務所は同誌の取材に“売却は事実で、住むには広すぎてセキュリティの面でもマンションのほうがいい”と転居したことを認めていました。特に都内一等地の不動産価格は高騰していますから、投資の才もあるのでしょう」(スポーツ紙記者)
10代目・宍戸開(59)は1998年~1999年の2年間出演した。前出のフジテレビ関係者は言う。
「ご存じの通り、開さんの実父は4代目くいしん坊の宍戸錠さんで父子2代での出演となりました。開さんは役者業と並行して、五影開の名で写真家としても活動しています。今年5月に現在の芸能事務所とマネジメント契約を結んでおり、同じ事務所にはベッキーさんや、森カンナさん、ハリセンボンなど大手芸能事務所からの移籍組も在籍しています。
また、サーフィン歴は45年で、還暦を迎える来年はNSA全日本サーフィン選手権の『カフナ』クラス(59歳以上)に挑む予定だとか。予選通過を目標に毎日3時間、筋トレに励む日々だそうです」
くいしん坊たちは今も、それぞれの分野で“ファイター”だった。