猫好き画家の展覧会【女子的アートナビ】vol. 105『猪熊弦一郎展猫たち』では、たくさんの猫に囲まれて暮らしていた猫好きの画家、猪熊弦一郎の作品、約160点を紹介。画家の出身地、香川県にある丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が所蔵する猫モチーフの油彩、水彩、素描を中心とした作品群をまとめて見ることができます。猪熊弦一郎って?香川県高松市生まれの猪熊弦一郎は、東京美術学校(現・東京藝術大学)に進学し、洋画家の藤島武二に師事。卒業後は帝国美術院展覧会(帝展)などに作品を発表していきます。その後、1938年から1940年までフランスに滞在し、20世紀を代表する芸術家アンリ・マティスのもとで学びます。戦後は『小説新潮』の表紙絵や三越の包装紙をデザインするなど国内で活躍。さらに1955年からは再びパリでの勉学を目指しますが、渡仏の途中で滞在したニューヨークを気に入り、同地で約20年間も滞在しています。晩年はハワイと日本を行き来しながら活動し、90歳で亡くなりました。まずは犬…?それでは、展示室に入ってみます。まず目についたのが数匹の犬が描きこまれた1941年の大作《長江埠(ちょうこうふ)の子供達》。同作は、中国の前線に文化視察として派遣された猪熊が制作したもので、物売りの子どもたちと犬の姿が描かれています。猫作品が並んでいる展示室をイメージしていたのでちょっと意表を突かれましたが、見ごたえある油彩画です。猫登場!そして、いよいよ猫がテーマの作品が出てきます。猪熊夫妻には子どもがいなかったため動物をかわいがるようになったそうで、猫だけでなく犬も飼っていたとのこと。ただ、絵のモチーフとしては猫が好きだったそうで、特に戦後から渡米するまでの時期と晩年は、スケッチブックから紙の切れ端にまで次々と猫を描いていたそうです。こちらは、マティスの影響を受けたと思われる色彩豊かな油彩画。猫好きの妻・文子さんと猫を組み合わせた作品です。多頭飼いをしていた猪熊は、猫同士が威嚇し合う姿やにらみ合う様子などにも興味をもち、作品に描きました。また、『モニュメンタルな猫』と題された部屋では抽象的な猫の絵も展示されています。これらの作品について、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館学芸員の古野華奈子さんは次のように解説してくれました。古野さんなぜ猫の顔を抽象的に描くようになったのか。戦前・戦時中に具象画家として活動していた猪熊は、40歳を超えたあたりから「自分の具象絵画について納得がいった」という言い方をしています。ここからどんなふうに自分らしい表現をしていくかと考え、“絵というのは色と形のバランスであり、それによって美をつくりだしたい” という考え方をするようになります。そして、猫や人物を使って自分の考えたことを作品として実現していったのだと思われます。さらに会場では猪熊がニューヨークで過ごした時期に描いた抽象画作品も展示されています。猫の世界とはまるで違う空間ですが、抽象表現主義全盛期の本場アメリカで描かれた絵画はとってもクール!かなり見ごたえがありました。そして最後のミュージアムショップでは、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と本展のオリジナルグッズが勢揃い!ユニークな猫グッズが欲しい人はぜひチェックしてみてください。猫だらけのアート展は4月18日まで。開催期間が残り少なくなっていますので、ぜひお早めにお出かけください!Information会期:~4月18日(水)会期中無休時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般 1,300円/大学生・高校生900円/中学生・小学生 600円公式サイト:渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の『猪熊弦一郎展猫たち』に行ってきました。とにかく猫が大好きだったという画家、猪熊弦一郎(1902~1993)の作品が集まる同展では、数百匹もの猫たちが登場!カワイイだけじゃない、ユニークな猫アートは必見です!
2018年04月09日ストラディバリウス(Stradivarius)から、メキシコの画家「フリーダ・カーロ」のカプセルコレクションが登場。2018年3月23日(金)よりストラディバリウス全店で発売される。「フリーダ・カーロ」は、実在したメキシコの女性画家。時代を切り開いた革新的な女性の象徴として世界中から愛されてきた。生誕110周年を迎える今年、ストラディバリウスは彼女に着目。「フリーダ・カーロ」のアートの世界をファッションに落とし込み、3種類のTシャツを完成させた。真っ白なキャンバスに絵を描くように、ホワイトのTシャツには「フリーダ・カーロ」の女性の姿をプリントした。またイラストで表現したTシャツ、さらにブラックの下地にカラフルな刺繍を施したモデルも揃う。【アイテム詳細】ストラディバリウス「フリーダ・カーロ」カプセルコレクション 全3種 各2,950円+税発売日:2018年3月23日(金)取り扱い店舗:ストラディバリウス全店・アートプリントTシャツ・イラストTシャツ・刺繍Tシャツ【問い合わせ先】ストラディバリウス・ジャパン カスタマーサービスTEL:03-3464-1222
2018年03月26日NHK「みんなのうた」のイメージ画などで知られ、“風の画家”と呼ばれる中島潔の展覧会「“今”を生きる-そして伝えたいこと京都六道珍皇寺“心音図”奉納記念」が3月17日(土)より5月20日(日)まで、大阪文化館・天保山にて開催される。それに先立ち、3月16日(金)に開会式が行われ、中島潔が来場した。「中島潔展 “今”を生きる -そして伝えたいこと 京都六道珍皇寺“心音図”奉納記念」チケット情報開会式で挨拶に立った中島は、「大阪に来るのも久しぶりですし、大阪の皆さまに見てもらう機会をいただけて興奮しています。この展覧会のメインは「心音図」です。今まで、故郷や女性の絵を描いてまいりましたが、70歳になりまして、東日本大震災が起こって、色々なニュースを見聞きするうちにふと思ったんです。どうして悪いことをするんだろうか、と。そこで、私もそんなに残された人生が長くもないですから、最後に私が唯一描かなかった世界、地獄を描いてみようと思いました。地獄絵は決して怖いだけの絵ではなくて、実は、天国も地獄もどちらも大切なんです。両方の心を私たち人間は持っているんです。その証拠にどちらも作ったのは仏様なんです。だから地獄にも優しさや親しみを感じるんです。皆さん、地獄に行きたいとは思わないと思いますが、地獄の絵を見つめることで、今自分がどういう状況にあるのか理解できるんです。ですから、一緒にご覧になる方と絵を見た後で色々な話をして、楽しんでください」と語った。内覧会では3年の歳月をかけて完成させた、平成の地獄絵とも言うべき5点の「地獄心音図」の前でギャラリートークが行われた。中島は、「東日本大震災が起こった後、苦しんでいる人をさらに苦しめる人がいることに腹が立ったんです。そこで「悪いことをすればお天道様が見ていますよ」という母親の言葉がよみがえってきたんです。悪いことをすれば、ただじゃすまない、それが地獄絵を描くきっかけでした」と話していた。その後5点の絵に描かれている8つの地獄について「これは右の絵からどんどんひどくなって、最後は蟻地獄、無限地獄です。でもそこには菩薩が描かれているんです。悪いことをしても反省して心を入れ替えれば救われるんです。地獄の絵を見てぜひ自分自身を見つめ直していただきたいです」と語った。本展覧会では、「地獄心音図」を含む連作「心音図」以外にも、初期の作品や「新しい風」と題した四季折々の風景を描いた連作、そして大阪をテーマにした最新作「こいさん」なども展示されている。『中島潔展“今”を生きる-そして伝えたいこと京都六道珍皇寺“心音図”奉納記念』は5月20日(日)まで開催中。取材・文:華崎陽子
2018年03月22日ハザーが運営する「AZABU GOZEN-YA」はこのほど、「不思議の国のアリス」のさし絵などで知られる画家・金子國義氏とコラボレーションした生チョコレート「choco零糖」(16粒入り3,500円・税込)の新作を発売した。「choco零糖」は、特殊な寒天に食物繊維から作られた甘味料「イヌリン」を配合し、日本の伝統的な和菓子・ようかんの製法をヒントに製造したダイエット生チョコレート。寒天で作られているため、チョコレートの割合が少なく、カロリーは1粒あたり24kcal。チョコレートの豊かな風味、寒天によるトロけるような口溶けが楽しめるとのこと。今回発売した同商品は、金子國義氏の未完の作品と言われる「気分を出して」をあしらった特別パッケージに入っている。バレンタインデーのプレゼントなどにも推奨している。
2018年02月13日ゴッホと並び、日本で絶大な人気を誇る後期印象派の画家、ポール・ゴーギャン。南国タヒチでの名画誕生の秘密に迫る新作映画『ゴーギャンタヒチ、楽園への旅』では、フランスが誇る実力派ヴァンサン・カッセルがゴーギャンを演じている。このほど、ヴァンサンの撮り下ろし写真とともに本作の役作りについて語るインタビューが到着した。2016年には「ゴッホとゴーギャン展」(東京都美術館)が開催され、約40万人を動員するなど不動の人気を誇るゴーギャン。生誕170周年を記念して製作された本作は、南国タヒチで恋に落ちた現地の娘テフラをミューズに数々の傑作を生み出したゴーギャンが、芸術に華を開かせる一方で生活は困窮し、ある決断を余儀なくされる愛と苦悩の日々を描く。セクシーなイケオジから一変!髭面+入れ歯でゴーギャンに実在の偉人をモチーフにした映画にとって、一番肝心なのがキャスティング。ゴーギャンといえば、かつて『炎の人ゴッホ』(1956年/ヴィンセント・ミネリ監督)では、アンソニー・クインがゴーギャンを演じ、アカデミー賞助演男優賞に輝いたことでも知られている。今回ゴーギャンを演じるのは、インディペンデントの芸術映画からハリウッドメジャー作品まで、幅広いキャリアを誇るフランスの名優ヴァンサン・カッセル。かつてはイタリアの至宝モニカ・ベルッチの夫としても知られ、『ブラック・スワン』や『美女と野獣』(2014版)などの話題作に続き、近年は『たかが世界の終わり』や『モン・ロワ愛を巡るそれぞれの理由』などの深みのある演技も話題となった演技派。今回の役作りのために絵画と彫刻のレッスンを受け、見た目をゴーギャンに近づけるべく徹底した役作りを敢行。顔中を髭で覆い、生活が困窮したゴーギャンはパンと木の根っこを食べていたと聞けば体重を落とし、さらには義歯をつけて見た目を極限までゴーギャンに近づけていったという。到着したフランスでの撮り下ろし写真を見ても、ふだんのダンディーなイケオジぶりと劇中のゴーギャンが同じ人物かと目を疑うほどだ。「問題のある男だと感じ、それが自分に通じると思った」ゴーギャンについて「タヒチの作品を少し知っていた」程度だったというヴァンサンは、「彼は問題のある男だと感じ、それが自分に通じると思いました」と明かしている。「監督の助言で、映画のベースとなったゴーギャンの手記『ノア・ノア』を読みました。それから展覧会を見に行き、オルセー美術館の管理委員と会いました。画家の先生のところにも行きました」と語り、「すぐに絵の練習にのめり込みました。ずっと自分が絵を描くのが苦手だと思っていたので、できるとは信じられなかった。でも、自分の絵の何枚かはいい感じらしい(笑)」と笑顔を見せた。ゴーギャンや絵画についての見識だけでなく、今回は身体的にも役作りが求められたが、「わたしはよくブルース・リーが言った言葉『自分を水だと考える。やれと言われた形になる』を引用するのですが、映画制作においては溶けてなくなることが必要です」とヴァンサン。「わたしは髭を伸ばしっぱなしにし、栄養士と一緒になってダイエットをしました。ゴーギャンは常に空腹でしたから。それから偽の歯もつけました。でも、実際楽しかったですよ。セットで辛いと言いながら大変な時を過ごしましたけれどもね…。彼の顔はわたしのファンタジーと現実のミックスです。タヒチ語も習いました。わたしは彼の歩き方も作り上げました」。映画『アバター』の世界にいるような出会いだったその結果、近代文明を捨てた野蛮さを身に纏い、何かを見つけようとして寿命をすり減らす芸術家の狂気を、見事に体現することに成功したヴァンサン。「すべての役がいつも何かを残してくれる」というが、本作については「映画『アバター』の世界にいるようなポリネシアとの出会いに、わたしは有頂天になりました。自然は自らの掟を必要とします。また、この映画でわたしは絵画を鑑賞することも学びました」と語っている。妻子をパリに残してタヒチへ渡り、若く溌剌とした美しいタヒチの娘をモデルに、後に傑作となる数々の作品を生み出していったゴーギャン。しかし、彼女を隣家の青年に寝取られてしまったり、生活も困窮したりと、楽園のような生活は長くは続かなかった。そんな、どん底に陥りながらも絵を描き続けた不遇の画家の壮絶な執念を熱演するヴァンサンに、ぜひ注目してみてほしい。『ゴーギャンタヒチ、楽園への旅』はBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)
2018年02月05日独自の世界観で国内外から高く評価を受ける画家、桑久保徹による4年ぶりの個展「A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8」が、1月20日から2月17日まで東京・六本木の小山登美夫ギャラリーにて開催される。Vincent Willem van Gogh’s Studio2015oil on canvas181.8 × 227.3 cm©Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery桑久保徹は"絵を描く"という方法で、現代美術に立ち向かうためのやり方として、自分の中に架空の画家を見いだすという演劇的アプローチで制作活動をスタートした。あえて今や古典的ともいえるゴッホのような油絵具の厚塗り技法を用い、現代的心象風景を物語性豊かに描く世界観で、人を惹きつける作品を生み出し続けている。今回取り組んだのは、尊敬する画家の生涯をひとつのキャンバスに込めて描いた「カレンダーシリーズ」。美術史の中にいる多くの作家から、ピカソ、フェルメール、アンソール、セザンヌ、スーラ、ゴッホの6人を選び、彼らのスタジオを桑久保徹の解釈を交えた空想的、壮大な異次元空間として表現。描く作品を選びながら、何を画家が考えていたのかを追体験する、究極のオマージュだ。Johannes Vermeer’s Studio2016oil on canvas181.8 × 227.3 cm©Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery本シリーズは2014年から制作をスタート。1月はピカソ、桜の季節を連想させる4月をアンソール、空に風を感じさせる5月はセザンヌ、爽やかな初夏の7月はスーラ、夏の夜の海を感じさせる8月はゴッホと、自身が好きな描きたい作家と月を合わせていった。12作品で完成するこのシリーズ、ほぼ4年の歳月をかけても、本展ではまだ月もばらばらな6ヶ月分。このカレンダーシリーズ自体が「不規則な時間速度」となっている。本展では、「カレンダーシリーズ」作品ペインティング6点とドローイング6点を展示。ドローイング作品の上部にはレコードが共に額装されており、そのレコードには桑久保徹が友人の音楽家・日高理樹に制作を依頼し、その作家を題材とした音楽を録音した。「レコード」という旧来の記録媒体を使用する彼らしい方法で、美術史の作家をテーマに絵画と音楽で挑むという複合的なアプローチにも挑戦している。桑久保徹の新たな展開が花開いた意欲作を通して、アートの真髄を体験してみては。【展覧会情報】桑久保徹展「A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8」会期:1月20日〜2月17日会場:小山登美夫ギャラリー住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665ビル2F時間:11:00〜19:00休廊日:日曜、月曜、祝日入場無料
2018年01月14日謎のネーデルランドの画家ボス謎に包まれた生涯をすごしたネーデルランドの画家、ヒエロニムス・ボス。その傑作のひとつがマドリードのプラド美術館に収蔵されている『快楽の園』。見るものを驚かせ、夢中にさせるその作品と画家の真相に迫るドキュメンタリー映画が12月に公開されます。ネーデルランド(現在のオランダ、ベルギー、ルクセンブルク)の画家ヒエロニムス・ボス。没後500年を迎えた2016年、ヨーロッパでは彼の作品を集めた最大規模の展覧会が、ボスが生まれたオランダ南部の街、デンボスの北ブラバント博物館で開催され、世界中からボスのファンが42.5万人も集まりました。そしてこのドキュメンタリー映画も500年を記念して、スペインを代表するドキュメンタリー映画監督のホセ・ルイス・ロペス=リナレスにプラド美術館の依頼で制作されました。ヒエロニムス・ボスには60代とおぼしき自画像が1枚あるだけで、手紙も日記もなく、その生涯は謎に包まれています。分かっているのはヒエロニムス・ファン・アーケンという本名から、出自はドイツのアーケン、代々画家の家系だったことぐらいなのです。描いた作品は30点ほどしか残されていません。幻想的で怪異な作風が特徴で、ブリューゲルをはじめとする後世の画家に大きな影響を与えました。そしてボスの代表作で、もっとも謎めいた作品が、プラド美術館に収蔵されている『快楽の園』なのです。プラド美術館全面協力のもと撮影されたこの映画は、いまだ決定的な解釈のなされていないボスの最も有名で魅力的な作品『快楽の園』が世界中のクリエイターに与えた影響を検証し、謎に満ちたボスという作家のドキュメンタリー作品となっています。The Garden of Earthly Delights, El Bosco. Oil on panel, 220 x 389 cm, 1500 – 1505. Madrid, Museo Nacional del Prado.パネルを閉じた状態の外側には天地創造を模した絵が描かれ、パネルをひらくと、左側にエデンの園を、右側に最後の審判を、中央のパネルには、多数の裸の男女が描かれ、快楽を貪る楽園のように見えることから、教会の祭壇画ではなく、特定のパトロンに依頼された絵画という説が有力です。この映画では、20人ほどの美術史家、歌手、作曲家、作家、画家、指揮者、写真家、アーティスト、歴史家、哲学者、漫画家、音楽学者、プラド美術館学芸員、さらにはボスが所属していたとされる「聖母マリア兄弟会」のメンバーなどが、『快楽の園』の解読を試みて、魅了される姿を描きます。赤外線・X線などで、下絵に描かれていた全く別の絵柄の正体や、祈祷書や写本の欄外に描かれた装飾とボスの絵画との関連、「聖母マリア兄弟会」の入会で得られる免罪府など、ボスの時代と『快楽の園』のリンクが見え隠れしてきます。500年以上前に描かれた「百科事典のような絵画であり、とんでもなく詩的でもある」「美術史において唯一無二だと思う」「これは幻想的なオペラだ」と文化人を魅了するボスの世界に迫る90分です。『謎の天才画家ヒエロニムス・ボス』12月16日 シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー監督:ホセ・ルイス・ロペス=リナレス出演:ラインデルト・ファルケンブルグ、オルハン・パムク制作:2016年/スペイン・フランス/90分配給:アルバトロス・フィルム© Museo Nacional del Prado © López-Li Filmsホセ・ルイス・ロペス=リナレス監督プロフィール1955年4月11日スペイン、マドリード生まれ。ドキュメンタリー作家、撮影監督、プロデューサー。プラド美術館から6人の作家のドキュメンタリーを依頼されるなど、スペイン随一のドキュメンタリー作家。監督作品としては『ファイティング・シェフ美食オリンピックへの道』(2007)『シェリー&パロ・コルタドの謎』(2015)などがある。
2017年11月29日こんにちは、島本薫です。物思う秋、「夢」や「あこがれ」、はたまた「謎解き」や「真相に迫る」といった言葉を聞くと、なんだかどきどきしませんか?本日は、芸術の秋にふさわしい、ミステリアスな画家の話題をお届けしましょう。■謎多き画家、フィンセント・ファン・ゴッホ「ひまわり」や「夜のカフェテラス」など、鮮やかな色彩や情熱的なタッチで知られるゴッホですが、ひとりの人間としては、光よりも陰多き人物だといえるでしょう。19世紀のオランダで牧師の家に生まれ、一度は聖職者の道を志しながらも挫折の末に絵筆を取り、37年の人生を駆け抜けたゴッホ。“炎の画家”というイメージが定着してしまった背景は、大きく分けてこの3つにあるのではないでしょうか。1. 光を求め、南仏に芸術家の理想郷をつくろうとした2. 発作的に自分の耳を切った3. 銃で自らを撃ち、命を絶ったとはいえ、その行動の奥にあった画家の思いは謎に包まれたまま。とくに、その死は本当に自殺だったのか、今もさまざまなメディアに取り沙汰されています。映画で、本で、展示会で――この秋、ゴッホの3つの謎に新たな光が投げかけられました。■日本に恋い焦がれた画家の思いにふれる「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」画家を志してからのわずか8年あまりに、油絵だけでも800点以上の作品を残したゴッホ。その大きな転機になったのは、パリで日本の浮世絵に出会ったことでした。その鮮やかな色彩の対比や大胆な構図に魅せられたゴッホは、日本を理想郷として夢見るようになり、ついには「フランスにおける日本」を求めて南仏アルルへ旅立ったそうです。南仏の澄んだ光の下で、浮世絵のような「影」のない世界を描こう。絵師・彫師・摺師といった浮世絵の分業にならい、芸術家のユートピアをつくろう。ゴッホがアルルの光を求め、ゴーガンを招いて共同生活を始めた背景には、そんな日本への熱い思いがあったといわれています。「この土地は、日本のように美しく見える」「画家たちの天国以上、まさに日本そのものだ」画家ゴッホの日本への夢とあこがれをさまざまな角度から見つめ、さらにはゴッホにあこがれた日本の画家たちを紹介する美術展「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」は、東京都美術館で1月8日まで、京都国立近代美術館では1月20から3月4日まで開催されています。■「耳切り事件」の真相に迫るノンフィクション『ゴッホの耳―天才画家最大の謎―』一方、ゴッホの人生に取り返しのつかない影響を与えたのが、「耳切り事件」でした。これにより、破綻寸前だったゴーガンとの共同生活には終止符が打たれ、ゴッホはあれほど愛したアルルの地を離れざるを得なくなります。とはいえ、この事件とはいったい何だったのか?わかっているのは、「ゴッホが自分の耳を切り落とし、娼館を訪れて女性に贈った」ことだけ。なぜ耳を切ったのかはもちろん、なぜ自分の耳を贈ろうとしたのかもわからない。それどころか、「耳そのものを切り落とした」のか「耳たぶの一部を切った」のか、それすら曖昧であると知ったある女性が、事件の真相をつきとめようと立ち上がりました。果たして、ゴッホは「どう」耳を切ったのか?耳を「贈られた」女性とは誰なのか?事件後、アルルの人々はゴッホを危険人物として追い出したのか?当時の記録を丹念に調べた末に浮かび上がる“真相”に、誰もがほうっとため息をつくことでしょう。『ゴッホの耳―天才画家最大の謎―』著:バーナデット・マーフィー 訳:山田美明出版社:早川書房(2017年9月)並みの推理小説よりドキドキするノンフィクション。歴史ミステリー好きには特におすすめです。■ゴッホの死の謎を探るアートサスペンス映画『ゴッホ最後の手紙』「美術展」が作品から感じるゴッホ、「ノンフィクション」が資料から読み解くゴッホだとすれば、映画『ゴッホ最後の手紙』はゴッホへの敬愛が生んだアートです。なんと、全編がゴッホの「動く油絵」で構成されているのですから……!ゴッホの最後の手紙を託された青年が、真実を求めて彼を知る人々を尋ねてゆくというストーリーに合わせ、ゴッホの描いた肖像画の人物が話し出し「星月夜」や「麦畑」に描かれた風景が再現されていくのですが、これがすごい。あらかじめ肖像画の人物に似た役者を選んで撮影し、キャンバスに投影された映像をゴッホのタッチの油彩画に仕立てるという、膨大な手間をかけて作られた「ゴッホの絵によるアニメーション」。その迫力もさることながら、ゴッホの人生をゴッホ自身の絵で描き出そうという作り手の真摯な想いに胸を打たれます。ゴッホの死は「銃による自殺」とされていますが、自分で引き金を引いたにしては銃創が不自然なこと、銃の出所が不明な反面、携えていたはずの画材道具が消えていることなど謎が多く、自殺説は疑問視されてきました。人というものが一面的に語れないように、死もまた一言では語れない。自殺と他殺、自殺と事故の間にもさまざまな色合いがある――そんなことをしみじみ考えさせられる、美しい映画です。
2017年11月23日カナダで最も有名な画家モード・ルイスと夫の人生を描き、世界の映画祭で観客賞を受賞した感動作『MAUDIE』(原題)が、『しあわせの絵の具愛を描く人モード・ルイス』の邦題で来年3月3日(土)に日本公開が決定。あわせて、モード・ルイス本人のイラストが掲載されたポスタービジュアルと予告編も到着した。カナダ東部の小さな町で叔母と暮らすモード(サリー・ホーキンス)は、絵を描くことと自由を愛していた。ある日、町の商店で買い物中のモードは、家政婦募集の広告を貼り出した男に興味を持つ。男は町はずれで暮らし、魚の行商を営むエベレット(イーサン・ホーク)。モードは束縛の厳しい叔母から逃げるため、住み込みの家政婦になろうと決意。彼が1人で暮らす小屋のドアをノックした。子どもの頃から重いリウマチを患い、一族から厄介者扱いされてきたモード。孤児院で育ち、学もなく、生きるのに精一杯だったエベレット。そんなはみ出し者同士の同居生活はトラブル続きだった。しかし、モードがこしらえた熱々のチキンシチューを口にして、エベレットは孤独だった心が温まるのを感じる。やがて2人は互いを認めあい、結婚することに。そんなとき、顧客のサンドラがエベレットに会いに訪れる。ニューヨークから避暑に来ている彼女は、モードが壁に描いたニワトリの絵を見て一目で才能を見抜き、絵の制作を依頼する。サンドラの期待に応えようと、モードは夢中で筆を動かし始めた。壁に、板に、請求書の裏に。そんな彼女を不器用に応援するエベレット。やがてモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン大統領からも依頼が来るが…。本作は、画家のモード・ルイスと、不器用ながらもモードを献身的にサポートした夫のエベレット。始めは孤独だった2人が運命的な出会いを経て、夫婦の絆と慎ましくも確かな美しい色にあふれた幸せな日々を手に入れた感動の実話。カナダの風景と動物を描いたモードは、日本では知る人ぞ知る存在だが、アメリカ大統領ニクソンから絵の依頼を受け、いまなお小品でもオークションで500万円を超える人気を誇る、カナダで最も愛された画家だ。そんなモードを演じるのは、『ブルージャスミン』でアカデミー助演女優賞にノミネートされた実力派サリー・ホーキンス。そして、妻への愛と尊敬の念を無骨に隠すエベレットは、『トレーニング デイ』『6才のボクが、大人になるまで。』『マグニフィセント・セブン』のイーサン・ホークが演じている。また、美しいカナダの港町が目を引く予告編では、絵を描くこと以外できることが見当たらないモードと、無口で無骨なエベレットの“はみ出し者同士”が共同生活を送る様子が描かれている。『しあわせの絵の具愛を描く人モード・ルイス』は2018年3月3日(土)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、東劇ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年11月09日アールエムケー(RMK)のブランド設立20周年を記念したアニバーサリーコレクションから、画家・佐藤翠とのコラボレーションによる限定コレクション「RMK Color Closet Seductive love limited edition」が11月より順次発売となる。同コレクションには、宝石箱のように鮮やかで繊細な“カラークローゼット”を体感できる4つのキットがラインアップする。11月3日発売の「シルバーミラークローゼットキット」(1万2,000円)は、色気をまとったセダクティブなフルメイクを完成させるスペシャルキット。深みのある目元に仕上げる5色のアイシャドウ、プレストパウダー、コントロールカラーがセットになった2段式の「セダクティブラブパレット」、肌にフィットして上品な光を添える「グローペンシル」、2WAYで使える「アイ&チーククレヨン」の他、クリスマス限定色の「カラーリップグロス」やウォータープルーフの「セパレートカール マスカラ」のミニサイズなど、人気アイテムがたっぷり詰まった同コレクションの真髄を堪能できるアイテム。同じく、11月3日に発売される「セダクティブラブパレット・ガーデンスピリット」(9,500円)は、クリエイティブディレクターのKAORIが佐藤翠の世界観にインスピレーションを得てセレクトした絶妙なカラーがそろうメイクアップキット。花々が咲き乱れる庭園をイメージした4色のアイシャドウとイノセントな表情を生み出す3色のチークにユースフルなミニブラシをセットしたパレット、ミニサイズの「マットマスカラ」と「リップジェリーグロス」がセットになり、佐藤翠が描き下ろした“セダクティブピンク”をデザインしたオリジナルポーチが付く。透明感あふれるツヤ肌を叶えるベースメイクキット「カラークローゼット ウィンターリミテッドエディション ベースメイクキット A/B」(8,700円)は、11月17日発売。ミニサイズの「エアリーパウダーファンデーション」と「リクイドファンデーション」、「コントロールカラー(現品)」というブランドの中でも高い人気を誇るベースメイクアイテム3品に、ピンポイントで濡れたようなツヤをプラスする「インスタントハイライトカラー」をセット。スクエア型のオリジナルポーチは佐藤翠によるパンジーのイラストが大胆に配されている。12月1日に発売されるのは、ミニサイズのネイル&ハンドクリームとエメリーボードがセットになった「ネイル&ハンドクリームキット 2017」(3,000円)。クリスマス限定の香りとして、センシュアルで魅惑的なネロリ、爽やかさと芳醇な深みが溶け合ったスパークリングカクテル、甘酸っぱくてジューシーなカシスの3種をイン。佐藤翠のイラストをあしらった愛らしいパッケージと花びら型のエメリーボードは、ギフトにはもちろん、外出先への携帯や旅行にも便利なサイズ感。いずれのアイテムも数量限定発売。全国の店舗とオフィシャルサイトで10月20日より予約受付をスタートする。
2017年10月20日アルフレックス東京では10月19日から31日まで、画家・絵本作家 ミロコマチコの作品展「いきもののおまじない」を開催する。ミロコマチコは、2012年のデビュー作で日本絵本賞大賞を受賞。その後も複数の絵本作品を発表し、2017年8月にはブラティスラヴァ世界絵本原画展で金牌を受賞した。その瑞々しい動物の表現と色彩は多方面から注目され、2015年開催のアルフレックス東京「たいようのねっこ」展、2016年開催のアルフレックス大阪「けはいのねっこ」展は大変好評となった。今回のテーマは「いきもののおまじない」。動物や植物を生き生きと表現するミロコマチコが感じている世界への想いを膨らませて、アルフレックスのインテリア空間に立体作品も含めて様々ないきものを出現させる。店内では訪ね歩くごとに色々ないきものと出会え、子供も大人も心躍る世界を体感できる。また、同時開催イベントとして、アルフレックス玉川では絵本『ヒワとゾウガメ』の原画を展示する。来場者にはプレゼントを用意。この機会にアルフレックスのインテリアとミロコマチコの創り出す世界の融合空間を楽しんでみては。画家・絵本作家のミロコマチコ(mirocomachiko)は1981年、大阪府生まれ。いきものの姿を伸びやかに描き、国内外で個展を開催。絵本『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で第18回日本絵本賞大賞を受賞。『てつぞうはね』(ブロンズ新社)で第45回講談社出版文化賞絵本賞、『ぼくのふとんは うみでできている』(あかね書房)で第63回小学館児童出版文化賞をそれぞれ受賞。最新作は絵本『まっくらやみのまっくろ』(小学館)。その他の著書に画文集『ホロホロチョウのよる』(港の人)、画集『けだらけ』(筑摩書房)、『ねこまみれ帳』(ブロンズ新社)などがある。現在、展覧会「いきものたちの音がきこえる」(毎日新聞社主催)が全国を巡回中。【展覧会情報】ミロコマチコ 「いきもののおまじない」会期:10月19日~10月31 日会場:アルフレックス東京住所:東京都渋谷区広尾1-1-40 恵比寿プライムスクェア1F時間:11:00~19:00 定休日:水曜日【同時開催】絵本 『ヒワとゾウガメ』 原画展会期:10月12日~10月31日会場:アルフレックス玉川住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川S.C.テラスマーケット2F時間:11:00~19:00定休日:不定休※来場者プレゼント期間中、アルフレックス東京またはアルフレックス玉川への来場者全員に「いきもののおまじない」型しおりをもれなくプレゼント。また、来場時ニュースレターに登録すると抽選で 10名に『まっくらやみのまっくろ』ミロコマチコサイン本が当たる。
2017年10月14日東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは10月7日から12月17日まで、スイス、ドイツで活動した画家オットー・ネーベル(Otto Nebel)日本初の回顧展「オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代」が開催される。スイス、ドイツで画家、版画家、さらには詩人としても活動するなど、マルチな才能を持ったオットー・ネーベル(1892〜1973年)。本展では、ベルンのオットー・ネーベル財団の協力のもと建築、演劇、音楽、抽象、近東など、彼が手掛けた主要なテーマに沿って、活動初期から晩年までネーベルの創作の軌跡をたどる。また1924年、ワイマールに滞在した際にバウハウスで出会い、その後長年にわたり友情を育んだパウル・クレー(Paul Klee)やワシリー・カンディンスキー(Wassily Kandinsky)、そしてネーベルが影響を受けたマルク・シャガール(Marc Chagall)など同時代の画家たちの作品も併せて展示。ネーベルが様々な画風を実験的に取り入れながら独自の様式を確立する過程を目にすることができる機会となっている。さらに、11月5日にピアニストの林正樹による同展開催記念のサロン・コンサート「響き合う色と形」(定員60名/料金2,500円)、11月19日にミサワ バウハウス コレクション学芸員の杣田佳穂による関連講演会「ワイマールのバウハウスとその周辺―バウハウスで出逢った芸術家たち」(定員60名/要予約)などのイベントも開催される。なお、本展は、2018年4月28日から京都文化博物館へも巡回を予定している(期間は6月24日まで)。【展覧情報】「オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代」会期:10月7日~12月17日会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1時間:10:00~18:00(入館は17:30まで※金曜土曜は21:00まで、入館は20:30まで)休館日:10月17日、11月14日入館料:一般1,500円(1,300円)、高大生1,000円(800円)、小中生700円(500円)※()内は前売、20名以上の団体料金
2017年09月14日アールエムケー(RMK)のブランド設立20周年を記念したアニバーサリーコレクションから、画家・佐藤翠とのコラボレーションによる限定コレクション「RMK Color Closet Seductive love limited edition」が11月より順次発売となる。同コレクションには、宝石箱のように鮮やかで繊細な“カラークローゼット”を体感できる4つのキットがラインアップする。11月3日発売の「シルバーミラークローゼットキット」(1万2,000円)は、色気をまとったセダクティブなフルメイクを完成させるスペシャルキット。深みのある目元に仕上げる5色のアイシャドウ、プレストパウダー、コントロールカラーがセットになった2段式の「セダクティブラブパレット」、肌にフィットして上品な光を添える「グローペンシル」、2WAYで使える「アイ&チーククレヨン」の他、クリスマス限定色の「カラーリップグロス」やウォータープルーフの「セパレートカール マスカラ」のミニサイズなど、人気アイテムがたっぷり詰まった同コレクションの真髄を堪能できるアイテム。同じく、11月3日に発売される「セダクティブラブパレット・ガーデンスピリット」(9,500円)は、クリエイティブディレクターのKAORIが佐藤翠の世界観にインスピレーションを得てセレクトした絶妙なカラーがそろうメイクアップキット。花々が咲き乱れる庭園をイメージした4色のアイシャドウとイノセントな表情を生み出す3色のチークにユースフルなミニブラシをセットしたパレット、ミニサイズの「マットマスカラ」と「リップジェリーグロス」がセットになり、佐藤翠が描き下ろした“セダクティブピンク”をデザインしたオリジナルポーチが付く。透明感あふれるツヤ肌を叶えるベースメイクキット「カラークローゼット ウィンターリミテッドエディション ベースメイクキット A/B」(8,700円)は、11月17日発売。ミニサイズの「エアリーパウダーファンデーション」と「リクイドファンデーション」、「コントロールカラー(現品)」というブランドの中でも高い人気を誇るベースメイクアイテム3品に、ピンポイントで濡れたようなツヤをプラスする「インスタントハイライトカラー」をセット。スクエア型のオリジナルポーチは佐藤翠によるパンジーのイラストが大胆に配されている。12月1日に発売されるのは、ミニサイズのネイル&ハンドクリームとエメリーボードがセットになった「ネイル&ハンドクリームキット 2017」(3,000円)。クリスマス限定の香りとして、センシュアルで魅惑的なネロリ、爽やかさと芳醇な深みが溶け合ったスパークリングカクテル、甘酸っぱくてジューシーなカシスの3種をイン。佐藤翠のイラストをあしらった愛らしいパッケージと花びら型のエメリーボードは、ギフトにはもちろん、外出先への携帯や旅行にも便利なサイズ感。いずれのアイテムも数量限定発売。全国の店舗とオフィシャルサイトで10月20日より予約受付をスタートする。
2017年09月10日裸婦や風景、花や鳥、そして虫。97年の人生をひたすらに生き、そして描いた画家、熊谷 守一(くまがい もりかず)の全貌を紹介する待望の回顧展が、2017年12月1日(金)より開催されることになりました。没後40年、熊谷とはどんな人物だったのか、ご紹介します。熊谷守一について熊谷守一(1880(明治13)年-1977(昭和52)年)は、簡潔な線と鮮やかな色を用いて、花や虫や動物、庭の何気ない一隅を描いた作品で知られる画家です。質素な暮らしぶりや欲のない態度から、画壇では「仙人」とあだ名された熊谷。しかし、一見穏やかな作品の背後には、科学者のような鋭い観察眼と、考え抜かれた制作手法が隠されています。●没後40年、待望の回顧展今回の展覧会は、熊谷守一の作品200点以上を集めた大回顧展です。高感度カメラで水滴を捉えたかのような《雨滴》、体温まで感じられるような《猫》をはじめとした代表作が、一堂に会します。さらに、作品の制作過程がうかがえるスケッチ、日記なども多数紹介されることになっています。97年間を生き抜いて賢明に描くとは、どういうことなのか。熊谷守一を知る人も知らない人も、この展覧会を通してきっと感じ取れるものがあること間違いなしです。展覧会詳細展覧会名称:没後40年 熊谷守一展(仮称)会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)会場:東京国立近代美術館所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
2017年06月24日スイスやドイツで活動した画家、オットー・ネーベルの日本初の回顧展が、2017年10月Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されます。シャガールやカンディンスキー、クレーの影響を色濃く受け、音楽や建築にも造詣の深かった「知られざる画家」、オットー・ネーベルとはいかなる人物だったのか。バラエティ豊かな作品が集められた本回顧展で、彼の創作活動の軌跡を追います。オットー・ネーベルとはドイツのベルリンに生を受けたオットー・ネーベル(1892~1973)は、ドイツ、そしてスイスで活動した画家であり、版画家、詩人としての顔を併せ持つ多才な人物でした。元々は建築を学んでいたネーベルは、都市の建築物の輪郭を立方体や結晶体の形にあてはめ、色彩のコントラストによって捉える試みから、一連の都市の建築シリーズを制作。また、敬愛するカンディンスキーに倣って音楽を感じさせる絵画を描くなど、マルチな才能を発揮しました。彼の関心は、ほかにも演劇や詩作など、多岐にわたります。多くの出会いによって関心の幅を拡げ、作風をさまざまに変化させ、ジャンルを超えた創作活動をおこなったネーベル。今回の回顧展では、ベルンのオットー・ネーベル財団の全面的な協力を得て、活動初期から晩年までのバラエティ豊かな作品が集められています。●展覧会のみどころ油彩、水彩、版画、コラージュなど、技法も画風も多岐にわたる作品を制作したオットー・ネーベル。建築的な視点で画面を構築したり、音楽を感じさせる絵画を目指したりといった、実験的な試みにも挑戦しています。そんなバラエティ豊かな作品が一堂に会し、ネーベルの創作活動を俯瞰できるのが、この回顧展です。さまざまな作品を生みだしたネーベルの創作活動は、同時代の画家たちから多大な影響を受けています。そんな画家たちとの関係性を踏まえて作品を鑑賞できるのも、本回顧展の魅力のひとつでしょう。●きっかけの画家、フランツ・マルクフランツ・マルクは、大胆なタッチと非現実的な鮮やかな色彩で動物を描いて人気を博した画家でしたが、36歳の若さで戦死を遂げます。そのマルクに捧げられた展覧会を見たことがきっかけとなって、ネーベルは画家の道に進みました。●マルク・シャガールへのあこがれドイツ表現主義運動を代表する雑誌・画廊である「デア・シュトルム」の活動を通じ、シャガールの作品と親しんだネーベル。ネーベルの初期の作品には、シャガール作品に見られる幻想的なモチーフや鮮やかな色彩の影響が色濃く感じられます。●クレー、カンディンスキーとの出会い1924年、ネーベルはバウハウス・ワイマール校でパウル・クレーやワシリー・カンディンスキーと出会い、生涯の友情を得るとともに、彼らの作品から多大なインスピレーションを受けました。カンディンスキーの影響を受けたネーベルは、のちに音楽を感じさせる作品を制作。自らをオーケストラの指揮者になぞらえ、音楽用語をタイトルにもちいた作品を描きました。クレーとネーベルはともにスイスのベルンに移住し、ふたりの交流はクレーが亡くなるまで続いたといいます。また、ネーベルの友人であり、よき理解者でもあったカンディンスキーは、ニューヨークのグッケンハイム財団にネーベルの作品を購入するように働きかけて、彼の芸術活動を支援しました。●20世紀芸術の流れのなかでこの回顧展では、マルク・シャガールやワシリー・カンディンスキー、パウル・クレーなど、ネーベルに影響を与えた同時代の画家たちの作品も紹介されています。幻想的なシャガール、線、色、形を自由に変化させていくクレー、リズムや旋律を感じさせるカンディンスキーなど、20世紀を代表する色彩画家たちの作品と、新たに光を浴びはじめたオットー・ネーベルの多彩な作品の数々。20世紀美術の流れと併せてネーベルの創作活動の軌跡をたどることができる、またとない機会です。●記念講演会、サロン・コンサートでより深くオットー・ネーベルをより深く知るための講演会と、ネーベル作品を音で表現したサロン・コンサートも開催されますので、足を運んでみてはいかがでしょう。それぞれ事前の申し込みが必要です。●記念講演会「イタリアで試みた色彩の冒険」(通訳付き)日時:2017年10月8日(日)18:30~20:30(予定)講師:テレーズ・バッタチャルヤ=シュテットラー(本回顧展監修者/オットー・ネーベル財団理事長)場所:Bunkamura ザ・ミュージアム展示室内定員:60名(事前申込)参加費:無料(入場券を提示・半券可)申し込み方法:2017年8月頃に公式サイトにて案内予定●関連講演会「ワイマールのバウハウスとその周辺―バウハウスで出逢った芸術家たち」日時:2017年11月19日(日)18:30~20:30(予定)講師:杣田佳穂(ミサワ バウハウス コレクション学芸員)場所:Bunkamura ザ・ミュージアム展示室内定員:60名(事前申込)参加費:無料(入場券を提示・半券可)申し込み方法:2017年8月頃に公式サイトにて案内予定●サロン・コンサート「響き合う色と形」日時:2017年11月5日(日)19:00開演(18:45より開場)演奏者:林正樹(ピアニスト)場所:Bunkamura ザ・ミュージアム展示室内定員:60名料金:2,500円(税込)※全席自由、イベント時間のみ利用できます申し込み方法:オンラインチケット MY Bunkamuraにて9月上旬頃販売開始予定イベント詳細名称:オットー・ネーベル展シャガール、カンディンスキー、クレーの時代会場:Bunkamura ザ・ミュージアム所在地:東京都渋谷区道玄坂2-24-1TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)会期:2017年10月7日(土)~12月17日(日)※10月17日(火)、11月14日(火)のみ休館公式サイト:
2017年06月19日ピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERMÉ PARIS)が、画家・田中麻記子をアンバサダーに迎えたチャリティイベント「マカロンデー」を開催。会期は、2017年6月1日(木)から21日(水)までの予定だ。2017年の「マカロンデー」アンバサダーに就任したのは、2016年にリニューアルしたピエール・エルメ・パリ 青山の2階「Heaven」のアイコンキャラクター「マカロン ベイビー」。画家・田中麻記子が手がけるそのキャラクターは、外国の絵本に登場するような幻想的な空気感と、フランスらしいエスプリの効いた作品は、エルメの世界観とぴったり溶け合っている。期間中は、田中麻記子とコラボレーションした限定マカロンギフトや、限定アイテム、作品などを販売。また、21日のマカロンデー当日は、マカロンの無料サービスなども実施される。「マカロンデー」とは、難病とたたかう子どもたちの寄付金集めのためフランスで始まった試み。日本でも2012年から毎年行われ、日本の文化の代表する存在として愛される着せ替え人形「リカちゃん」や、ミナ ペルホネン(minä perhonen)のデザイナー・皆川 明などをアンバサダーに迎え、限定アイテムや各種イベントを通して収益金(諸経費を除く)を寄付している。【詳細】マカロンデー 2017会期:2017年6月1日(木)〜21日(水)イベント内容:・マカロン ベイビー×ピエール・エルメ・パリ「マカロンデー」限定マカロンギフトの販売・マカロン ベイビー×ピエール・エルメ・パリ「マカロンデー」限定アイテムを販売・田中麻記子による作品をブティック内で展示・販売 (青山店限定)・クロージング・パーティの開催・募金箱の設置・マカロンの無料サービス (21日のみ)※収益金募金等(諸経費を除く)を「認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク」に寄付
2017年05月15日木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、狩野博幸、河鍋楠美著の『反骨の画家河鍋暁斎』。東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)によるご紹介です。■『反骨の画家河鍋暁斎』 狩野博幸、河鍋楠美幕末から明治にかけて活躍した絵師、河鍋暁斎は、別名「狂斎」とも言われ、いわゆる世俗を逸脱した聖人に近い狂者のような人物であった。浮世絵師歌川国芳のもとで学んだ後、狩野派の前村洞和に師事し、洞和は、一心不乱に絵に打ち込む姿を見て「画鬼」とあだ名をつけたという。彼の画力の見事さは、実物を前に写生することで身につけた卓越したデッサン力にあり、特に動物の絵に現れている。国芳も猫好きであったが、暁斎も庭にさまざまな動物を飼い、熱心に写生していた。彼の描くネズミやコウモリなどが曲芸をする絵はどれもユーモラスでおもしろい。明治維新のさなかの1831年に生まれた暁斎の絵には、文明開化によって現れた電信柱や蒸気船、暁斎の門人であったジョサイヤ・コンドルをはじめとする外国人の姿も多く描かれており、文明開化に踊らされる愚かな人間たちを笑い飛ばすような、人間の内面をえぐりとった風俗も数多く戯画化しているのが、さらにおもしろいところである。現在、Bunkamuraザ・ミュージアムで暁斎の展覧会を開催している。本書とともに、世界が認めた暁斎=狂斎の画力の凄さをご覧頂きたい。【書籍情報】『反骨の画家河鍋暁斎』著者:狩野博幸、河鍋楠美版元:新潮社214×151mm/126ページ発刊:2010年7月価格:1,500円【展覧会情報】「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1地下1階会期:2月23日~4月16日※会期中無休時間:10:00~19:00(金・土曜日は21:00まで、入場は閉館の30分前まで)料金:一般1,400円(団体1,200円)、大学・高校生1,000円(団体800円)、中学・小学生 700円(団体500円)
2017年03月16日20世紀の幕開けとともに彗星のごとく現われ、スキャンダラスな逸話と挑発的な名画の数々を残して、28歳の若さで早世した異端の天才画家エゴン・シーレ。その愛の物語を描く『エゴン・シーレ死と乙女』から、複雑に入り組んだ彼の恋愛模様を象徴する本編映像がシネマカフェに到着した。第一次世界大戦末期のウィーン。表現主義を代表する天才画家エゴン・シーレはスペイン風邪の流行によって、妻エディットとともに瀕死の床にいた――。時を遡ること、1910年。美術アカデミーを退学したシーレは、同世代の画家仲間と“新芸術集団”を結成、16歳の妹ゲルティをモデルにした裸体画で頭角を現していた。そんなとき、ヌードモデルのモアと出逢う。褐色の肌を持つエキゾチックな彼女をモデルにした大胆な作品で一躍、脚光を浴びるシーレ。その後、敬愛するグスタフ・クリムトから赤毛のモデル、ヴァリを紹介されたシーレは、彼女を生涯のミューズとして数多くの名画を発表。幼児性愛者という誹謗中傷を浴びながらも、2人の信頼関係は、文字通りシーレを時代の寵児へとのし上げていく。しかし、第一次世界大戦が勃発。シーレとヴァリの関係も、時代の運命に翻弄されてしまう――。16歳でヌードモデルを務め、敬愛する兄を献身的に支え続けた妹ゲルティ、そしてクリムトのモデルを経て、シーレとは公私にわたるパートナーとなった赤毛のヴァリ。数多くのモデルと浮名を流したシーレにとって、とりわけ大きな存在となった2人の女性との濃密な愛の日々を通じて、芸術を追求し続けるシーレの姿を、本作では赤裸々に描き出す。シーレ役には、モデル出身で本作が長編映画デビューとなる新星ノア・サーベトラが大抜擢。プレイボーイで非情、野心的なシーレを、その儚げな美貌とともに説得力たっぷりに息づかせた。今回解禁となった本編映像は、シーレの最高傑作といわれる「死と乙女」が中央に飾られた展示会の様子を収めた1シーン。幼い子どもの手を引き、建物に足を踏み入れるのは、シーレの妹ゲルティ。彼女は兄シーレへの当てつけのように、兄の友人と結婚した。また、ゲルティが挨拶を交わしている女性は、シーレの妻エディット。その一方で、展示会の中心に飾られた「死と乙女」のモデルは、公私にわたるパートナーとして彼の美のミューズであり続けたヴァリだ。実は、超絶イケメンであり非情なプレイボーイでもあったシーレの複雑な愛の模様を描いている象徴的なこのシーン。撮影されたのは、実際にウィーンにある「セセッション館」というウィーン分離派の展示施設。「死と乙女」の上にあるクリムトのベートーベン・フリーズという絵画は、いまでもそこに飾られている。本シーンでは、壁一面にシーレの絵が展示されているので、目を凝らしてみてほしい。『エゴン・シーレ死と乙女』は1月28日(土)より Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月21日奇想の画家とも呼ばれるジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo)作品を集めた「アルチンボルド展」が、6月20日から9月24日まで東京・上野の国立西洋美術館で開催される。ジュゼッペ・アルチンボルドは、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した画家。果物や野菜、魚や書物といったモチーフを思いがけないかたちで組み合わせた、寓意的な肖像画を多く手掛け、自然科学に深い関心を示したマクシミリアン2世や、稀代の芸術愛好家として知られるルドルフ2世といった神聖ローマ皇帝たちにも寵愛されていた。今回開催される「アルチンボルド展」では、世界各地の主要美術館が所蔵するアルチンボルドの油彩約10点を中心に、アルチンボルドのイメージ世界の生成の秘密に迫る。
2017年01月17日クリムトと並び世紀末ウィーン美術史に燦然と輝く天才画家エゴン・シーレのわずか28年の生涯と、彼が遺した名画「死と乙女」に秘められた女性との愛の物語を描く『エゴン・シーレ死と乙女』。このほど、さまざまな性的指向を疑われたエゴン・シーレが愛した2人の女性との“未公開写真”が、シネマカフェにて解禁となった。20世紀の幕開けとともに彗星のごとく現われ、スキャンダラスな逸話と挑発的な名画の数々を残しながら、わずか28歳で早逝した異端の天才画家エゴン・シーレ。演じるのは、モデル出身の新人イケメン俳優ノア・サーベトラ。プレイボーイで非情、野心的なシーレを、眼を奪う白皙の美貌とともに説得力たっぷりに息づかせている。数多くのモデルと浮名を流したシーレにとって、とりわけ大きな存在となった2人の女性――16歳で兄の絵のヌードモデルを務め、敬愛する兄を献身的に支え続けた妹ゲルティ、そしてクリムトのモデルを経て、シーレとは公私にわたるパートナーとなって彼の美のミューズであり続けたヴァリ。今回到着したのは、シーレの実妹のゲルティが裸で横たわるカットをはじめ、2人が絵のモデルとしてエロティックなポージングをとっている未公開写真だ。本作の脚本家のヒルデ・ベルガーは、妹ゲルティについて「シーレとゲルティの関係は、互いに相手を所有しようとする関係でした」と明かす。「ゲルティはシーレの最初の裸体モデルで現在でも、たくさんの有名な絵に彼女の姿を見ることができます。シーレが描いた『腕を組んで立つ少女の裸像 』――この絵の彼女は、薄い、両性具有的な肉体をしていて、まだ胸の膨らみもありません。これはシーレが理想とする女性の姿でもあり、いつもこのようなやせた少女の体を探していました。子どもから大人へと変わっていく過程にある女性たちに、シーレはとりわけ強い関心を抱きました」と語っている。そして、ヴァリについては「シーレの生涯で、最も大切な女性の1人でした」とコメント。「ヴァリは全面的にシーレを支えて、彼のためにモデルも探したり、イレングバッハの小さな家に住んでいたころ、彼女はシーレの絵を客に売るために本屋も開きました。彼女は全てに耐えます。シーレに別のガールフレンドがいても、彼女は耐えました。大事なことは彼のそばにいることだったからです」と、彼女の愛を讃えている。エゴン・シーレ没後、約100年。ヴァリをモデルにした彼の最期の作品にして、最高傑作「死と乙女」に秘められた愛の伝説を映し出す本作。時代の寵児へとのし上がっていくシーレを支えた2人の女性を、これらの写真からも見つめてみて。『エゴン・シーレ死と乙女』は1月28日(土)より Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月07日イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)が、画家の山口歴とコラボレーション。全国に先駆けて1月6日、エルトブ テップ イッセイ ミヤケ / ギンザ(ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE / GINZA)にてアイテムを先行発売する。また同日から31日まで、同店のメイン・ウィンドウを山口が今回のために特別に描き下ろした新作が飾る。山口歴(やまぐちめぐる)は、“筆跡/ブラシストローク”を現代の表現に昇華した作品を発表し続けるニューヨーク・ブルックリン在住のアーティスト。今回の特別展示では、山口が筆跡をカットしてコラージュを制作する独自の手法「カット&ペースト」で生み出した、四角という枠組みを越えてキャンバスから浮き出した立体作品「OUT OF BOUNDS」と、イッセイ ミヤケ メンがコラボレーションしたアイテムが展開される。アイテムラインアップは、シルクスクリーンを幾版も使用して刷り重ね、染料と顔料を組み合わせて凹凸感と光沢を出したシャツ(半袖/5万円、長袖/5万2,000円)や、軽やかなレーヨン生地にインクジェットプリントで「OUT OF BOUNDS」の作品を落とし込んだ大判ストール(2万8,000円)、「OUT OF BOUNDS」の作品を全体に転写プリントしたデニム(4万8,000円)など。薄手のコットンジャージー素材に、花をモチーフにした「ALL SOUL」シリーズをプリントしたカットソー(3万円)も登場する。さらに、エルトブ テップ イッセイ ミヤケ / ギンザのメイン・ウィンドウには、山口が今回のために特別に描き下ろした新作を展示する他、店内にはシリーズ作品「OUT OF BOUNDS」も見ることが出来る。なお、同コレクションはエルトブ テップ イッセイ ミヤケ / ギンザで先行発売された後、2月1日より全国展開される。
2017年01月06日COS(コス)は、アメリカ人画家アグネス・マーティン(Agnes Martin)の作品からインスパイアされたカプセルコレクションを2016年10月7日(金)よりCOS青山店で発売する。20世紀を代表する画家の一人アグネス・マーティン。鉛筆による繊細なラインを活かした作品制作を得意とする彼の美学は、同時代のアーティストだけでなく、現代にも多大な影響を与えている。今回は、彼の作品から象徴的な幾何学的構成にヒントを受け、メンズとウィメンズそれぞれに12ピースのユニークなコレクションを作り上げた。メンズラインからは、スタンドカラーのシャツや胸ポケット付きのジャケット、ウィメンズラインからは、膝下丈のラップスカートやウエストリボンがポイントのブラウスなどが展開される。いずれも柄(パターン)やシルエットに、グラフィカルな遊びをプラス。アーティスティックな印象でありばがらも、シーンやシーズンを問わず着用できるミニマルなピースに仕上がっている。【アイテム詳細】COS×アグネス・マーティン カプセルコレクション発売日:2016年10月7日(金)取扱い店舗:COS青山店■メンズ・ジャケット 27,778円・ニット 21,296円■ウィメンズ・スカート 12,963円・ブラウス 12,037円
2016年09月08日画家であるゴッホと彼を支え続けた弟テオの半生を描く『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』の上演にあたり、韓国発のこのミュージカルを日本版として創作していく3人が顔を揃えた。上演台本・演出の河原雅彦、ヴィンセント役の橋本さとし、弟テオ役の岸祐二である。韓国では、キャストふたりだけで濃密な物語を紡いでいくこと、さらに、プロジェクション・マッピングを駆使し、ゴッホの絵画がそのまま美術の一部になったりする舞台美術が話題を集めたこの舞台。さて、日本版が目指すものは。ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』チケット情報韓国での公演を目にしてきた河原は、やはりプロジェクション・マッピングの使い方が印象に残ったそうだ。「今はマッピングと芝居が連動する舞台も珍しくないんですけども、より細かく複雑な使い方をしていて、面白いアイデアがいっぱい詰まっていた。ここでの映像は、すでに作品の一部として内包されていて、細部まで仕上がっているので、それは構造上外せない。その分じゃあ、演出として何ができるのかと思いヴィンセントとテオの関係を調べていくうちに気が付いたのは、ふたりはただ狂った兄とやさしい弟ではなく、もっと人間っぽかったということ。いびつで生々しいふたりを提示することで、韓国版とはまた違うエンターテインメントを作れるんじゃないかと思ってるんです」。橋本も言う。「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホといえば狂人的なイメージがあるけど、おそらく彼としてはただ普通に生きてるだけだったと思うんです。それが周りの常識からはみ出していただけで。だから、僕としてはどこかのほほーんと存在していたいなと思うんですね」。そのヴィンセント本人が無意識に放つものを信じ続けたテオを岸は、「兄を助けることが自分の救いになるという共依存の関係だったんじゃないか」と分析し、「そういう根底にあるいびつな感情とか、感情のぶつかり合いを、この作品では音楽に乗せることで見やすく変換しているんです」と付け加える。「あの爽やかな曲のなかにいびつさをどう出していくか。陽のメロディのなかに陰な部分を組み入れることで、ヴィンセントとテオのエキセントリックで複雑なものが出たらいいなと思いますね」と橋本も意欲的だ。「韓国版のように『こんな兄弟愛、素敵でしょ?』というシンプルな手触りにはならないと思います(笑)。でも、ふたりのこの過剰さは、ピュアだから生まれたものだし、過剰さは時にファンタジーにも似た感動を覚える。ゴッホって色々な切り口で語れる面白い題材だなと改めて思います」と河原が最後に語る。どこまでも突き抜けて生きた人間を観ることは、それが叶わない現状を少しでも打破する力になるかもしれない。公演は9月2日(金)東京・かめありリリオホール、9月7日(水)から24日(土)まで東京・紀伊國屋サザンシアターにて。チケットの一般発売は7月23日(土)午前10時より。取材・文:大内弓子
2016年07月04日画家・ロベール・クートラス(Robert Coutelas)の画業を集成した2冊組の大型作品集『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』の出版を記念した展示会「小部屋のクートラス」が、東京・恵比寿にあるナディッフ ギャラリー(NADiff Gallery)でスタートした。ロベール・クートラスは、1930年にパリに生まれ1985年に急逝したフランス人画家。厚めのボール紙にゼラチンで下地を作り、お尻を突き出した子供や炎の中の聖母子、ギロチン場で断罪される人、股間からのぞく顔など奇怪でユーモラスな図像を描いた、“カルト”とも呼ばれる小作品群「僕の夜 “Mes Nuits”」をはじめ、頭部や動物を象ったテラコッタの彫刻、グァッシュで描かれた多くの肖像画作品「僕のご先祖さま “Mes Ancetres”」などの作品を発表している。3月12日に発売された作品集『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』では、カルト、グァッシュの他、ロベールが生前売ることも散逸させることも望まなかった油彩の“リザーブ”と呼ばれる作品群をすべて収録。膨大に残されたデッサンやドローイングなども網羅した他、1999年にジャンヌ・マトション財団に寄贈された作品など主要な作品がほぼ全て詰め込まれた。今回開催される展示会では、同作品集の紹介をするとともに、パリのヴォージラールの小部屋から生まれ出たカルト作品や、グァッシュ、テラコッタ作品の一部などを展示。また、ロベール・クートラスの作品を長きにわたり撮影してきた写真家の平地勲氏による写真も併せて展示される。期間は5月8日まで。【展覧会情報】ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」―『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』刊行記念展―会場:NADiff Gallery 住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T B1F会期:4月1日~5月8日時間:12:00~20:00休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)※5月2日は営業入場無料【書籍情報】『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』寄稿:小川洋子発刊:ECRIT上製・函入・二冊組/600ページ/303×215mm発売日:2016年3月12日価格:3万円
2016年04月01日西洋美術史上もっとも偉大でワイルドな天才画家、カラヴァッジョ(1571~1610)。彼の作品などを紹介する展覧会『カラヴァッジョ展』が、2016年3月1日から上野の国立西洋美術館ではじまります。カラヴァッジョの人生は、まさに波乱万丈。ミラノ近郊生まれのカラヴァッジョは、故郷で修業したあとローマに移り、教会や礼拝堂の祭壇画を描いて名声を高めます。しかし、気性が荒く暴力沙汰を繰り返し、ついに殺人事件を起こしてローマから逃亡。ナポリやマルタ、シチリアへと逃げ続け、38歳で亡くなりました。若くして没したため現存する真筆作品が60点強といわれるなか、本展ではカラヴァッジョの傑作約10点が集結。日本では15年ぶりとなる本格的な回顧展です。カラヴァッジョ作品の特徴は、光と影のコントラストを生かした写実性とドラマチックな構図。臨場感にあふれ、見る者の心をつかむ強い力をもっています。たとえば、本展のチラシにも使われている作品《トカゲに噛まれる少年》は、ガラスの花瓶や植物の描写が驚くほどリアル。目を見開いた表情や手のポーズなどが劇的に描かれ、少年の心理状態まで伝わってきます。破滅的な人生を送った殺人犯であり、イタリアが誇る芸術家でもあるカラヴァッジョ。彼のドラマチックな作品を味わえる刺激的な展覧会、ぜひ足を運んでみて。イベントデータ:日伊国交樹立150周年記念『カラヴァッジョ展』会期:2016年3月1日(火)~ 6月12日(日)※休館日は月曜日(ただし、3月21日、3月28日、5月2日は開館)、3月22日(火)時間:9:30 ~ 17:30(金曜日 9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで会場:国立西洋美術館料金:当日一般 1,600円/大学生 1,200円/高校生 800円/中学生以下無料
2016年01月03日東京都・渋谷のBunkamura Galleryは、「ドン・キホーテ」の舞台として知られるスペインのラ・マンチャ地方に移住した画家の個展「阿部 幸洋 展」を開催する。会期は12月2日~12月9日。開館時間は10:00~19:30。入場無料。同展は、阿部幸洋の新作を中心に、油彩と版画作品を展示販売するもの。阿部氏は、1980年に日本を離れ、セルバンテスの名作「ドン・キホーテ」の舞台として有名なスペイン中心部に位置する歴史的な地域、ラ・マンチャ地方に移住。一日のほとんどの時間をアトリエで過ごしているという。1951年福島県に生まれ、美術研究所にて油絵を学び、スペインに移り住んでからは銅版画も手掛けている阿部氏の作品にあるのは、「光」とそのキャンバス内に浮遊する「空気感」だという。阿部氏は、モチーフとなっている家や丘や空を、光の変化によって浮かび上がる情景としてとらえ、観る側の想像を掻き立てる叙情的な世界観を描き続けている。単調な色彩から見て取れる光の変化には、画材や技法、筆致の徹底した追求と共に、高度な美質を目指す職人的な仕事ぶりを垣間見る事が出来るということだ。また、2014年10月に開催された、スペイン・トメジョーソのアントニオ・ロペス・トーレス美術館での展覧会では、阿部氏の作品は表現こそ異なるものの、地元で敬愛される歴代の作家たちの作品のように、その土地と光を感じさせ相通じるものがあるという評価を得たということだ。
2015年11月05日東京都・渋谷のBunkamura Galleryは、花と本を作品制作の礎とする画家の個展「笹尾光彦展花のある風景」を開催する。会期は11月18日~11月29日。開館時間は10:00~19:30。入場無料。同展は、笹尾氏が昨年発表した「The Book」シリーズを進化させた、花と本を存分に描いた新作の数々を発表するもの。笹尾氏にとって、花と本は愛すべき存在であり、部屋に飾る色とりどりの季節の花々、そして自身の書棚にある長年愛読しているアートブックから小説まで、常に身近にあったそれらが作品制作の礎となってきたという。同展では、AからZまでの頭文字からはじまる花を描いたブック型の立体作品や、人気シリーズ「The Shelf」の様々なアートブックが並ぶ本棚を描いた新作も登場する予定となっている。ポップな色使いと洗練された構図の中に描かれた花と本の数々は、力強い存在感の中にも笹尾の温かい眼差しが感じられ、来場者は、花屋と本屋に迷いこんだかの様な会場で、好きな花と心に残る一冊を見つけるように作品を見ることができるということだ。
2015年10月22日京都府・中京区の京都文化博物館は、縦横無尽に生きた画家・小川千甕の特別展「小川千甕展 縦横無尽に生きる~彼は、仏画師・洋画家・漫画家・日本画家だった。」を開催する。会期は12月8日~2016年1月31日(12月28日~1月4日・月曜休館、ただし祝日の場合は開館し翌日休館)。開館時間は10:00~18:00(金曜は19:30まで)。入場料は一般1,000円、高校・大学生700円、小・中学生400円。同展は、個人コレクションを中心に、初期から晩年に至る千甕の代表作約140点、仏画、スケッチ、書簡などの資料類を展示、その芸術を紹介する回顧展。小川千甕(1882-1971 本名・多三郎)は、京都の書店「柳枝軒」の家に生まれ、15歳で仏画師に師事するかたわら、浅井忠に洋画を学び、同じ浅井門下の千種掃雲、芝千秋らと丙午画会に参加、新傾向の日本画を描いた。同時期に京都市立陶磁器試験場の絵付け技手となったことをきっかけに「千甕」(せんよう・ちかめ)と号している。その後「ホトトギス」、「太陽」誌等に挿絵や漫画を発表し、大正4年には日本画家として平福百穂、小川芋銭、森田恒友らと珊瑚会に参加、大正10年からは院展日本画部にも続けて入選を果たした。昭和期には個展も多く開催し、昭和46年に90歳で没するまで、精力的な活動を続けたという。千甕は、浅井塾での平明な鉛筆画・水彩画にはじまり、大正期には各地を旅しながら、柔らかな色調で田園風俗を日本画にした画家で、昭和期には、墨を生かした独自の風景画へと展開、戦後には自讃を配したダイナミックな文人画で知られている。これらの作品は、近代における洋画と日本画、美術と文芸などの問題を考える上で重要な位置にあるという。力みのない朗らかな作風は、個性重視の近代にあって異色であり、画壇にとらわれずに自由な立場を貫いた、千甕の独自の哲学を示すものだということだ。そのほか、関連イベントとして、レクチャー「よくわかる小川千甕入門」(12月12日10:30~12:00)、特別講演会「小川千甕の魅力」(2016年1月9日10:30~12:00)が開催される。いずれも申し込み不要、先着順となる。また、学芸員によるギャラリー・トークが開催される。開催日は12月18日、12月19日、2016年1月16日、1月22日、1月23日。金曜日は18:00から、土曜日は14:00から30分程度行われる。
2015年10月21日デルヴォー(DELVAUX)が11月下旬より、15年ホリデーコレクションを発売する。ベルギー王国が誇る画家のルネ・マグリットへのオマージュとして製作された同コレクション。“雲”、“りんご”、“ボーラーハット”といったルネ・マグリットのアイコニックなモチーフに、デルヴォーならではの息が吹き込まれた。ブランドのシグネチャースタイル「タンペート GM」と「ブリヨン MM」には、インナーに雲プリントを採用。バックル部分のマグリットブルーで彩ったラッカー加工が、細部へのこだわりを感じさせる。「タンペート GM」のまるでリボンのようなハンドルにも、雲モチーフが採用された。その他、シルクスクリーンされたモチーフをキルト・ステッチで仕上げた小物も展開される。
2015年10月11日東京都・渋谷のBunkamura Galleryは、互いにリスペクトする画家と人形作家の展覧会「トレヴァー・ブラウン&三浦悦子 二つの聖餐 -闇から光へ-」を開催する。会期は11月6日~11月15日。開館時間は10:00~19:30。入場無料。同展は、互いにリスペクトする画家のトレヴァー・ブラウンと人形作家の三浦悦子の作品40余点を展覧販売するもの。ブラウン氏と三浦氏の作品で表現される少女たちは、皆傷を負ったもの、何かの理由で(あるいは自らの意志で)不完全な姿になったものが登場するが、痛々しい姿を淡々と誇らしくさらしている姿は不気味でもあり、愛おしくもある。彼女たちは、己の身体に傷や痣、縫い目など欠損があることを自ら美しいと確信しており、不完全故に完全な身体であることの優越性や、自己肯定の獲得により、屈折とは異なる自己愛が逆説的に他者への優しさに還元されてゆくことを伝えているという。世の中には、哀しく痛ましい過去や記憶から消去したい悲壮な思い出「心的外傷=トラウマ」をリセットをする為に自ら命を絶つものや、自傷に走るものが存在するが、それらは生きたいが故の生に対する逆説であると同展では分析されている。しかし、心の痛みや苦痛は臨界点に達すればその先にあるものは絶望や死ではなく、恐れから親しみへ、同展のタイトルにもあるように、「闇から光へ」コペルニクス的転回が起きると捉えているということだ。また、同展に合わせ、トレヴァー・ブラウンと三浦悦子の新刊画集をそれぞれ刊行。ふたりのサイン会が開催される。開催日時は11月14日16:00~。参加に際しては、作品・新刊画集の購入が必要となる。
2015年10月08日