毎日、十分な睡眠がとれていますか? 女性は、生涯を通じて睡眠のトラブルが非常に多いとされています。その大きな原因のひとつと言われているのが女性ホルモン。月経や妊娠、出産、加齢などのさまざまな要因で変化する女性ホルモンの分泌が、睡眠メカニズムに大きく関わっているのです。女性ホルモンは大きく分けてふたつ。月経周期をコントロールしているエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)。生理初日から排卵前まではエストロゲンが多く分泌される低温期、排卵後にはプロゲステロンが多く分泌される高温期になります。人は、体温が下がることで眠気が起こるため、体温が下がりづらい高温期は、寝つきが悪くなり、寝不足でイライラしたり、日中眠くなったりします。これが最近女性に多いPMS(月経前症候群)の症状のひとつです。睡眠不足は、重要な女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を抑制してしまうのです。睡眠不足の方は要注意です!質の良い睡眠を得るために費やす「眠活」のすすめ。その方法についてご紹介。【眠活のための生活改善1】食生活を見直す必須アミノ酸のひとつトリプトファンは、体内で精神の安定を促す脳内の神経伝達物質セロトニンや睡眠ホルモンであるメラニンに変わり自然な睡眠を促します。牛乳や大豆、チーズ、ごまなどに多く含まれ、朝食に摂るのが理想的です。【眠活のための生活改善2】快適な寝室環境を作る寝室は人生のほぼ3分の1を過ごす空間です。カーテンや寝具には落ち着いた色合いの物を選び、快適な環境を作りましょう。眠る1時間前からは、テレビや携帯電話のライトなど強い光を目に入れないようにします。また、人はひと晩に20~30回寝返りを打つので、できるだけ動きを妨げないゆったりとしたパジャマがおすすめです。【眠活のための生活改善3】入浴は38~40度のぬるめのお湯で快適な睡眠を得るためには、入浴は38~40度のぬるめのお湯にゆったりと20~30分つかるのが理想です。副交感神経が優位になり、気分も落ち着いて眠りやすくなります。入浴剤を入れて保湿効果を高めたり、半身浴でじんわりと汗をかくのもおすすめです。以上3つの事を実践し良質な睡眠をとり女性ホルモンの分泌を安定させて美しくなりましょう。
2013年03月25日かくれ老化と睡眠の関係性「脱かくれ老化™プロジェクト」実行委員会では、『かくれ老化™』と睡眠に関するインターネット調査の結果を報告した。2012年10月、40~50代の「かくれ老化™」該当者と健康な男女1,000名を対象に実施された。『かくれ老化™』該当者の定義は、『かくれ老化™』のチェック項目のうち、該当するものが2つ以上あった人で、健康の定義は、『かくれ老化™』のチェック項目のうち、該当するものが1つ以下の人。※画像は、「脱かくれ老化™プロジェクト」サイトよりかくれ老化が睡眠にも影響を与えている『かくれ老化™』とは、細胞や組織の劣化から体の内部で静かに老化が進行していくこと。自覚症状が少ない分、放っておかれがちだが、30代までは気にならなかったカラダのさまざまな部位に現れ、10年後20年後の身体に確実に変化を表す。今回の調査で、『かくれ老化™』が、良質な睡眠を阻害していることがわかった。眠れない日がある/睡眠が浅くなったと感じるかを調査したところ、健康な方は30%が「あてはまる」あるいは「ややあてはまる」と答えたのに対し、『かくれ老化™』該当者は52.2%が同様に回答していた。良質な睡眠が得られていない人が、健康な人に比べ、『かくれ老化™』該当者の方が1.7倍以上も多いという結果となった。睡眠は、身体の疲れをとるだけでなく、精神状態を安定させるのにも重要な要素をもっている。老化を受け入れながら、精神状態を安定させるためにも、健康であり続ける必要がある。元の記事を読む
2013年01月17日味の素は良質な睡眠が仕事や学習力を高め、スポーツの競技パフォーマンスも向上させる働きがあるとして、「仕事・学習・運動力を上げる睡眠術」を紹介している。同社によると、健康なヒトは一晩に、ノンレム睡眠、レム睡眠を3~5回繰り返すという。特に大切なのが深いノンレム睡眠(徐波睡眠)。この睡眠時には、成長促進作用と疲労回復に大きく関係する「成長ホルモン」が多く分泌される。さらに質のいい睡眠は、睡眠中の脳の中で行われる「記憶の整理や定着(固定化)」にも、いい影響を与えるとされている。そこで同社は、睡眠と競技パフォーマンスの変化についての調査結果を紹介。アメリカの大学のバスケットボール部選手に、5~7週間、1日10時間睡眠を推奨したところ、「282スタートダッシュ」「フリースロー」「スリーポイントシュート」いずれの成績も向上したという。早稲田大学スポーツ科学学術院の内田直教授は、「パフォーマンスを上げるためには、まずトレーニングを積み重ねることが重要」と定義。そして、「睡眠は学習したことを記憶として定着させる働きがある。パフォーマンス向上のためには、“質のいい睡眠”がポイント」と睡眠の重要さについて語った。睡眠による記憶の整理・定着は、スポーツだけでなく、仕事や勉強にも応用できるという。また同社は、良質な睡眠に導く働きがあるという「グリシン」摂取で、疲労軽減と作業効率(脳の作業処理能力)がアップすることも紹介している。仕事や勉強・競技パフォーマンスの向上のために、睡眠の質をよくさせる「グリシン」の摂取も有効な手段のようだ。内田教授は、「パフォーマンスを高める理想的な1日」を紹介。ビジネスパーソンは起床後2~3時間後の体温が上がる時間は記憶容量が増える時間とし、体温がさらに上がる午後は仕事が最もはかどる時間としている。就寝2~3時間前は記憶に適する時間で、資格などの勉強には最適とのこと。またアスリートも、体温が上がる午後が最もいいタイム・演技ができる時間としている。さらに昼寝もパフォーマンス向上に効果的。就寝2~3時間前は、ビジネスパーソン同様、記憶に適した時間のため、日誌などを書くのがおすすめとのこと。いずれも、就寝前はリラックスをし、グリシンを摂取することも睡眠の質を高めるのに大事なことだという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月26日現代人の5人に1人が睡眠に悩んでいるという不眠大国日本。実際に睡眠不足は身体にどのような影響を与えうるのか?パラマウントベッドが11月15日に開催したセミナーでは、最新の実態と薬に頼らない改善法について発表された。セミナーには、睡眠総合ケアクリニック代々木の井上雄一理事長が登壇。睡眠不足が身体に与えるうる影響として、井上先生はうつや高血圧症、心臓疾患などのリスクを指摘した。中でも、糖尿病発症率の上昇やメタボリック症候群へのリスクを強調。糖尿病に関しては、45歳から65歳の男性550人を対象にした、新規に糖尿病を発症する相対的危機率を求める調査結果を発表。調査では、飲酒によるリスクを1とした場合、睡眠障害はその5倍ものリスクとなることが分かったという。ちなみに、肥満によるリスクは6.5倍であった。また、18歳から27歳の健康男性11人を、睡眠不足の状態(4時間睡眠×6晩)にして行った調査結果も公表。調査では、糖の抑制をおさえるインスリンの分泌量に変化はなかったものの、朝食後に血糖値が上昇し、耐糖能が悪化したという。その後、睡眠障害のない状態(12時間睡眠×6晩)にすると、朝食後の血糖値は通常の数値に戻った。つまり、健常人でも睡眠不足の状態では、朝食後に血糖値が上昇することが確認されたという。睡眠不足が肥満につながる原因として、井上氏は空腹時の信号となるグレリンが増加し、満腹の信号であるレプチンが減少することを指摘。つまり、睡眠不足であると空腹感が増し、食欲が促され、結果肥満につながると言う。実際に30歳から54歳の成人1,240人を対象に、睡眠時間とメタボリック症候群との関係性について調査を実施した。すると、メタボリック症候群の基準合致率は、睡眠が1日6時間未満の場合が一番高く、標準の睡眠時間である1日7~8時間の場合が一番低い結果となった。ただ、メタボリック症候群においては、1日8時間以上の場合も合致率が高くなる傾向があるようだ。これに関しては現在、科学的な原因は証明されていない。井上先生は、「8時間以上の層の中には、寝つきが悪い(入眠障害)、目が覚めてしまい眠れなくなる(中途覚醒)などの症状を抱えた人が含まれている可能性もある」とコメントした。睡眠障害への対策として、睡眠薬を使用するという方法もある。しかし、睡眠薬に頼らない改善法として、井上先生は以下2つの行動療法をお勧めしている。刺激制御療法眠ろうとする意気込みがかえって頭をさえさせてしまい、睡眠を妨げてしまうことがある。こうした意気込みや刺激を制御することで、睡眠を促す療法。具体的には下記の通り。・眠い時しか寝床に行かない・眠れなければ寝室を出る・毎朝同じ時間に起きる・日中、昼寝をしない睡眠制限療法ベッドの中で過ごす時間(床上時間)を制限し、床上時間と本当に必要な睡眠時間のギャップを少なくする療法。浅い眠りの時間をなくすことで、中途覚醒を減らすこともできる。具体的には下記の通り。・床上時間を平均睡眠時間プラス15分にする・起床時間は毎日一定にし、就床時刻を遅くする・日中、昼寝をしない・目標時間の90%以上眠れたら、床上時間を15分増やす「こうした療法を取り入れるだけで、睡眠薬を用いた場合の約80%もの効果を発揮します。どうしても昼寝がしたい時は、15時前の20~30分を目安にするといいでしょう。また、標準的な睡眠時間は7時間ですが、季節によっても睡眠時間は変わってきますし、高齢の方の場合は6時間でも十分になってきます」(井上先生)。また、自分の睡眠状況・習慣を把握する方法として、パナマウントベッド研究所が開発した睡眠計「眠りSCAN」がある。同研究所では12月3日より、「眠りSCAN」を用いての睡眠改善アドバイスサービス「スマートスリープチェック」を実施する。同サービスは、全国のスマートスリープ直営5店舗で行う。料金は3,150円でサービスの詳細はホームページで案内している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月20日日本人の20%が睡眠について不調を抱えている、と言われます。そんな中、睡眠にまつわる言い伝えや都市伝説などをよく耳にしますが、本当のところはどうなのでしょうか。内科医で大阪府内科医会副会長・泉岡医院院長の泉岡利於(いずおか・としお)先生にそれらの真意についてお話を伺いました。■伝説1・眠り始めの3時間ぐらいが大切!?メカニズムとして、正しいのでしょうか。「健康な人の睡眠には、眠りが浅いレム睡眠と、深いノンレム睡眠という状態があります。この2つを合わせて約90分を1サイクルとし、起床まで繰り返すわけです。そこで、最初の2サイクル(約3時間)、いわゆる寝入りばなのノンレム睡眠からレム睡眠へのスムーズな移行がその後の周期、睡眠のリズムに影響すると言われています。また、体の成長や疲労回復に欠かせない成長ホルモンは、入眠後最初にくる深い睡眠時、つまりノンレム睡眠のときに最も多く分泌されます。このことからも、眠ってからの3時間までに深い睡眠に入ることが良質な睡眠と言えるのです」(泉岡先生)■伝説2・一晩で3時間程度の短眠でもぐっすり眠ればOK?いわゆるナポレオンの短眠伝説は本当でしょうか。「『平均寿命と睡眠時間には関連があり、睡眠時間が7~8時間の人が最も平均寿命が高い』という医学的な研究結果があります。これをふまえ、医学的に、人間は最低限4時間の睡眠が必要と言われています。最適な睡眠は生活環境とともに個人によって異なりますが、質とともに量、つまり時間も重要です。睡眠時の心身の働きを考えると、継続的に健康な状態を維持するためには、3時間では量が不足しています」(泉岡先生)■伝説3・食べたあとすぐに寝ると牛になる!?子どものころに散々言われたこの言い伝え。根拠はあるのでしょうか。「もちろん実際に牛になるわけではありませんが、食後すぐの睡眠は太りやすくなる、という意味でそう言われているのでしょう。これには、全身の機能を調節する自律神経が深くかかわっています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、切り替わりながら相互に働き合っています。そのうち、睡眠時や食事中など、心身共にリラックスしているときに働くのは副交感神経のほうですが、これが強く働くと胃腸の消化吸収力が高まります。ですから、食後すぐに寝ると消化吸収力が高まり、それだけ栄養分が蓄えられて太りやすくなると言われるのです」(泉岡先生)■伝説4・寝る直前の入浴は体に悪い!?風呂で温まったらすぐに眠りたいのですが、入浴直後の睡眠は熟睡できないと聞きます。「人の体温にはリズムがあり、夜には下がり始めて早朝には最も低くなり、その後、昼から夕方にかけて高くなります。夜は体が睡眠への準備をしはじめて、体温が下がるのです。睡眠の状態は、この体温のリズムに影響を受けます。風呂上りにバタンキューと寝ると、就寝中に体温が下がって風邪をひく、というのはよくあることです。睡眠直前に熱いお風呂に入ると交感神経が刺激されて体の準備と逆行します。ですから、就寝したい時間の約1~2時間前までに入浴し、ほてりが冷めたころ布団に入るのがぐっすり眠るコツです」(泉岡先生)■伝説5・日光を浴びるとよく眠れる!?日光というと紫外線対策として避けられがちですが、浴びたほうがよく眠れるというウワサはどうなのでしょうか。「日光にあたることによって、感情のコントロールにかかわる『セロトニン』という物質が体内で作られます。このセロトニンは、分解されて睡眠を促す『メラトニン』に変化します。ですから、日光を浴びる時間が長いほど、快眠を得やすくなります。寝つきが悪いという方は、朝の通勤時にひと駅多く歩く、ランチの時間に外に出て歩くなどして、日光浴をすることをお勧めします」(泉岡先生)■伝説6・トシとともに寝つきは悪くなる!?20代同士でも「眠りが浅い」、「年では?」という会話をよくします。「睡眠時に分泌される『メラトニン』は、抗酸化作用や免疫機能を高める働きもある物質で、いわゆる若返りホルモンと言われています。その分泌量は、10代後半から徐々に減少します。このことから、年齢を重ねるごとに、不眠の症状が現れやすい、眠りが浅くなる、夜中に何度も目が覚めるなどということと関係していると考えられています」(泉岡先生)数ある中から6つの伝説を検証しましたが、睡眠のリズムのことを始め、寝入りばなが大事、睡眠の約1~2時間前に風呂に入る、日光を浴びるなど、いずれも快眠へのヒントとなりそうです。監修:泉岡利於氏。医学博士。内科医。大阪府内科医会副会長。医療法人宏久会泉岡医院院長。泉岡医院大阪市都島区東野田町5-5-8JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分TEL:06-6922-0890岩田なつき/ユンブル)
2012年08月05日アットアロマは天然のエッセンシャルオイルが睡眠にどのような影響を及ぼすのかを調査するため、睡眠障害を有する成人男女を対象に「ブレンドエッセンシャルオイルの睡眠障害に対する効果についての臨床試験」を実施した。同調査は明治国際医療大学附属統合医療センターの協力のもと、2011年12月から2012年3月にかけて、軽度の睡眠障害を有する成人男女11人を対象に実施。就寝時に同社のエッセンシャルオイル「SLEEP plus(スリーププラス)」を枕元で香らせ、1種類のオイルを1週間継続して使用。その後1週間の未使用期間をはさみながら、計3種のオイルを試す臨床試験を行った。実験後、被験者のうち60.6%の人が「使用した香りの印象が良い」と回答しており、使用した香り自体への評価が非常に良いことが分かった。また、睡眠の印象の変化についても、72.7%の人がアロマが睡眠に良い印象をもたらすと回答しており、アロマが効果的に作用していることが分かった(数値は3種の香り平均値)。特に「ドリームローズ(90.9%)」、「ムーンラベンダー(54.6%)」、「サイレントウッド(72.7%)」が、睡眠への良い印象があったと回答をしている。全体を通して睡眠に悪影響が出たと回答した人はおらず、香りが睡眠にマイナスに働くことは認めらなかった。また、香りがあることによる睡眠以外の変化については、47.4%の人が「気持ちが落ち着く」と回答。「リフレッシュできる」と「部屋のにおいが気にならない」がそれぞれ21.1%という結果になり、睡眠以外でもアロマが効果的に働いたことが分かった。人それぞれの香りの好みや感じ方などの嗜好(しこう)性、香りの広げ方の違いなども考えられるため、同社は今後試験方法のさらなる検討に取り組んでいくという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月20日日本自動車連盟(以下JAF)とSASサポートセンターは、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査が自宅でできるサービスを開始した。睡眠中に無呼吸の状態が何度も生じる睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)の潜在的な患者は、国内で200万人以上といわれる。高血圧、糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの合併症を引き起こすリスクが高くなるため、早期発見・早期治療が重要になっている。また、症状のひとつに「日中激しい眠気におそわれる」ことがあり、運転中に重大な交通事故を引き起こしてしまう可能性も高いことから、JAFではSASサポートセンターの協力を得て自宅で簡単に検査できる「SASスクリーニング検査」を開始した。このほどサービスを開始する「SASスクリーニング検査」は、まず自宅に検査機器、問診票等を送付。機器を装着し、指先のセンサーで睡眠中の動脈血の酸素量をモニタリングすることにより、簡易的に判定ができる。その後、検査機器、問診票等を返送すると、約1カ月で自宅に検査データが郵送で届く。検査データは専門医(平田恭信医学博士・東京大学医学部附属病院)が分析・評価・総合判断したもので、要検査判定の場合は医師による紹介状が同封されるとのこと。検査費用(JAF会員優待価格)は4,800円(税込み)。検査機器送料、および代引き手数料は別途必要。※睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)とは、医学的には呼吸が10秒以上停止する無呼吸の状態が一晩の睡眠中に30回以上生じるか、1時間あたり5回以上生じ、かつ自覚症状(苦しくなって起きる)を伴うものをいう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月18日6月28日より3日間にわたり、パシフィコ横浜にて、「日本睡眠学会第37回定期学術集会」が開催され、睡眠にまつわるシンポジウムが多数開かれた。この学術集会は毎年開催されており、睡眠ならびに生体リズムのメカニズムと病態、社会的意義を解明し、実生活に生かすことを目的とし、全国の医学、心理学、看護学などの関係者および臨床家が参加している。今年は過去最多となる45のシンポジウムの開催に加え、5年ぶりの首都圏開催ということもあり、2千名を超える来場者が事前に見込まれた。今回の学術集会では、睡眠学の学際的な進歩を若手研究者はもちろん、睡眠を専門としない医療関係者などにも広く普及することを目的としている。参加者が自由に聴講できるシンポジウムをメインホールと7つの会場で随時開催。28日に開催された「レム睡眠中の情報処理過程と夢」というテーマでのシンポジウムには、立ち見が出るほど大勢の聴講者が集まった。このシンポジウムでは冒頭、進行を務める広島大学大学院総合科学研究科の小川景子氏より、レム睡眠の特徴として、急速眼球運動や呼吸および心拍の不規則な変動などの生理的特徴と、夢を見る体験という心理的特徴があることを基本事項として確認。情報処理という観点から、人の脳機能システムを探求したいという同会の趣旨が説明された。シンポジウムでは4人の学者が解説を行った。福島大学共生システム理工学類神経科学研究室の小山純正氏は「レム睡眠調節の神経機構から夢発現のメカニズムを考える」と題してスピーチした。扁桃体(=脳の側頭葉内側にある神経細胞)は、レム睡眠中の自律神経系の変動、すなわち夢の発現に関与しているという。福島大学共生システム理工学類の高原円氏は「事象関連電位によるレム睡眠中の情報処理過程」と題してスピーチした。睡眠中に光の刺激を与えた場合、猫はひとつずつすべてに反応するが、人は顕著な反応が見えづらいといった実験結果を報告。さらに、扁桃(へんとう)体の活動がレム睡眠中の眼球運動の発生と密接に関連していることを説明した。座長を務める宮内哲氏の講演テーマは、「fMRIと脳波の同時計測によるレム睡眠中の急速眼球運動に伴う脳活動」。頭部を固定した状態で睡眠時の眼球の動きを撮影したという珍しい動画を冒頭紹介するとともに、視覚障害者は視覚体験がないため、視覚の夢はないものの、睡眠中に急速眼球運動が起きていると説明した。そして広島大・小川景子氏は「レム睡眠中の急速眼球運動に伴う脳活動と夢の生成過程」と題してスピーチを行った。小川氏によれば、夢見体験(夢を見ること)は内因性情報処理のひとつとのこと。従来の研究でも急速眼球運動との相関が指摘されていたが、あくまで「観察したら両者が同時に見られた」という主観的な報告であった。これを神経生理学的視点から客観的に検討した結果を報告したいというのが今回のスピーチの趣旨だという。小川氏は覚醒中(=起きているとき)のサッケード、すなわち衝動性眼球運動と、睡眠中の急速眼球運動に伴う脳電位を比較調査した。その結果、直前の睡眠時に夢を見たと答えた人の急速眼球運動密度が57.5%であったのに対し、夢を見なかったと回答した人の急速眼球運動密度は35.3%にとどまった。つまり、急速眼球運動が多いほど、夢見体験が多いことが調査結果から明らかになった格好だ。さらに、急速眼球運動が生じることで、レム睡眠中の脳活動が活発化しているとみられ、急速眼球運動が多いほど夢が鮮明であるとする調査結果も報告された。このことから小川氏は、急速眼球運動がレム睡眠中の脳機能を解明する手がかりとなる可能性があると結んだ。会場では医療器具メーカーなどの製品展示コーナーや、睡眠学に関する書籍の販売コーナーも設けられた。また、学術関係者により制作されたポスター掲示のコーナーも設けられ、学術分野別に研究成果を報告するポスターが数多く壁に貼られた。ユニークな発表も多くあった。たとえば高知大学教育学部環境生理学教室の竹内日登美氏らによる「大学生アスリートの競技力の差異による睡眠習慣の違いと、生活改善の取り組みの効果」と題した報告では、高知県内の大学のサッカー部所属学生を競技力順にグループ分けした上で、睡眠や食事など、生活改善の取り組みを1カ月間にわたって実施してもらった。その結果、短いときでも睡眠時間を6時間確保するなど、競技力の高い学生は健康維持、生活改善に対する意識が高く、競技力の上昇には睡眠習慣や生活リズムの是正が必要であることが示唆されたという。また、福岡浦添クリニックによる「日本人とアメリカ人の睡眠呼吸障害病態の比較」と題した報告では、顎顔面形態の異常が睡眠呼吸障害の原因のひとつであることを踏まえて、佐世保基地や岩国基地の軍人および関係者の協力も経て日米の比較を実施。その結果、アメリカ人は日本人と比べて体格の割に無呼吸の病態が軽度であり、睡眠が深い人が多い傾向が認められたと報告している。そして、その結果から日本人は欧米人と比較して、上気道の解剖学的および機能的な相違が存在することが示唆されるという。さらに、広島国際大学心理科学部臨床心理学科の金子凌太郎氏らによる「羊を数えると本当に眠れるのか?」という報告では、大学生98人への聴き取り調査から、実際に羊を数えて眠れた経験があると回答した学生はわずか9.2%であったと明らかにした。その上で、「腹式呼吸の方が脳の興奮を抑えて心身ともにリラックスでき、早く眠気を催すため、羊を数えるよりは腹式呼吸の方が効果的」と結んでいる。日本睡眠学会では、今回の学術集会の開催に先立ち、学会としてはまだ事例が少ない、FacebookやTwitterを開設し、広く周知した。今後も広く医療関係者への参加を呼びかける方針だ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月03日製薬会社アステラスと、医薬品の開発・製造・販売を行うサノフィ・アベンティスは、22日「睡眠と日中パフォーマンスの関連性~睡眠の質を上げるには~」と題し、睡眠に関するメディアセミナーを開催した。セミナーでは、睡眠障害の治療を行うスリープ&ストレスクリニック院長の林田健一氏が、日米仏の成人に対して行った不眠に対する意識や行動の調査結果を報告した。調査対象は日本人3,282人、アメリカ人1,725人、フランス人1,966人の合計6,973人。2011年8月18日から24日の間にインターネットにて行われた。調査の結果、日本人に特徴的であったのは次の4点である。(1)米仏と比べて、日本では飲酒頻度が高く、運動頻度が低い。(2)日本人は「一人で」、「長時間屋内におり」、「パソコン作業を多くする」ことが多い。(3)日本人の睡眠時間は米仏人より短く、平均睡眠時間が6時間未満の人が全体の19.8%を占める。(4)3カ国中、睡眠に対する満足度は日本がもっとも低く32.1%。同氏は、特に4つ目の特徴である日本人の睡眠の満足度の低さが問題であるとし、睡眠時間を適切にとる必要があると述べた。「睡眠時間は6~8時間が適切で、6時間より短くても8時間より長くなっても体に良くありません。睡眠時間が短すぎたり長すぎたりした場合、糖尿病や高血圧、うつ病の発症リスクが高まり、体重が増加しやすく生活習慣病などのリスクを背負うことになります」(林田氏)また、同セミナーにはNPO睡眠文化研究会事務局長である鍛治恵氏も参加し、「良質な睡眠をとるための生活の工夫」について講演を行った。睡眠の質を上げるためには、次の4つのポイントがあるという。■その1体内時計のリズムを整えること第一に、体内時計のリズムを整えることが必要であるとされる。特に、起床時には太陽の光を浴び、体内時計をリセットすることが大切。また、週末に睡眠時間を極端に多くとる「寝だめ」もリズムをくずすため、控えることが望ましいという。■その2日中しっかりと動くこと第二に、日中しっかりと覚醒することが重要であると鍛治氏は述べる。昼間だらだらと動かずに過ごしてしまうと、快眠に必要な適度な疲れもなく、また、快眠するためには体温が下がっていることが条件であるが、日中活動し体温を上げておかないと入眠時に体温が下がらないため寝付きが悪くなるという。■その3就寝前に体が覚醒する行為を控え、しっかり入浴することまた、就寝前に体が覚醒するような行為を控えることが望ましいとされる。例えば明るいモニターがあるパソコンやスマートフォンの使用、アルコールやコーヒーなどのカフェイン飲料の摂取、喫煙などは、快眠を妨げるため避けるべきであると同氏は語る。また、就寝前に行うべきことで特に重要なのは入浴であり、就寝の90分ほど前に入浴を済ますと、就寝時に体温が下がり寝つきがよくなるという。■その4就寝時の服装や寝室環境を整えることそして、就寝時の衣服や寝室などの就寝環境を整えることが、何よりも大切であるとされる。就寝時の衣服は、通気性のよい綿素材のものがオススメだと同氏は述べる。人間は就寝時に体温を下げるため、寝ている間にコップ一杯分の汗をかくとされる。その際かいた汗が蒸発しやすいよう、就寝時の衣服の通気性を良くしておく必要があるという。また、就寝時の寝室の温度は28℃以下に設定することが望ましい。これは、28℃以上の室温であると体温が下がりにくく、快眠を阻害するためであるという。また、エアコンや扇風機などの風を直接体にあてず、室内に気流を作ると室温が下がりやすいとされる。講演の最後に、鍛治氏は「こうした工夫を通じて、多くの人により良い睡眠をとってほしい」と語った。セミナーの最後では、林田氏が不眠症のリスクと対処について講演を行った。現在日本には約2,500万人が不眠症状を持ち、そのほとんどが「自分の症状は不眠ではない」と軽視する傾向があるという。スリープ&ストレスクリニックの調べによると、不眠症状のある人の約半数が症状を相談せず、また、全体の約3割が相談したくとも不眠治療の診療科がどこなのかわからないと回答しているという。同氏は「少しでも不眠症状を感じたら睡眠専門医に相談してほしい」と述べ、「生活習慣病やうつ病を引き起こす不眠を予防し、早期発見し、そして治療することが国民の健康を守るためにも重要である」と語った。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月25日テンピュール・ジャパンが、20歳から59歳までの男女2,000人を対象に「睡眠に関する調査」を実施。平均睡眠時間は6時間24分ということがわかった。また4人に1人は自分は睡眠障害であると思うと回答したという。調査は4月10日~4月15日の6日間、ネットエイジアの協力のもと、モバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)で行われた。調査によると、日頃の睡眠時間は、「6時間」が32.2%、「7時間」は28.0%となり、睡眠時間の平均は6時間24分という結果となった。また、日ごろの睡眠状態については、全体では、「よく眠れている」20.5%、「どちらかといえばよく眠れている」48.0%で、よく眠れている合計は7割弱。反対に「眠れていない」の合計は3割強だった。さらに、自分が睡眠障害だと思うか聞いたところ、「睡眠障害だと思う」は7.2%、「どちらかといえば睡眠障害だと思う」は17.3%で、合わせて4人に1人が「睡眠障害だと思う」と感じていることがわかった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月18日私は質の良い睡眠を取れている!と自信がある方、どれくらいいらっしゃるでしょうか?寝る前まで、飲んだり食べたり…もしくは、寝る直前までPCと向き合ってネットサーフィンしたり…そんな心当りのある方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?一日の時間の中で、睡眠時間は多く占めています。この睡眠時間をより質の良いものとし、日常動いている時間をより素敵な時間にしたいとは思いませんか?質の良い睡眠をとるための簡単テクニックをご紹介しますね。早速、今夜から試してみてくださいね。■質の良い睡眠をとるための方法とは?1.寝る前の1時間には、500ルクス以上の強い光を目に入れないことです。1ルクスの目安はろうそく一本分です。照明を落とし、間接照明などを利用し暖色系の照明を使用しましょう。2.翌朝すっきり目覚めるためには太陽の光と共に目覚めるのが理想的です。カーテンを閉め切って暗い部屋で寝るのではなく、少し太陽光がお部屋に入ってくるように工夫をしましょう。3.自分がリラックスできる空間を作ることを意識しましょう。就寝1時間前に、好きな香りのアロマを焚いたり、好きな本を読んだり、好きな音楽を聞いたり。ただし推理小説やサスペンス系の本や、ロックや頭が逆に冴えてしまうようなジャンルは逆効果なので気をつけましょう!寝る時間も夜更かしし過ぎず、23時~0時くらいに寝るのが理想的です。6時間~8時間を目安にリズムのある規則正しい生活を心がけましょう。そうすることによって健康な体を作るのはもちろん、美しい肌を作ることにもつながりますよ。(平野宏枝)
2012年04月16日エスエス製薬は、iPhone専用の睡眠記録アプリ「ぐっすり~ニャ」を、3月23日「不眠の日」から無料配信する。「ぐっすり~ニャ」は、睡眠改善薬「ドリエル」のキャラクターである「レオニャルド・フミンチ」とともに楽しく睡眠を管理するアプリ。睡眠改善のサポートを目的として、杏林大学医学部精神神経科学教室教授、古賀良彦先生監修のもとに開発された。就寝前にアプリを起動して枕元にセットすると、睡眠時の寝がえりなどの動きをiPhone内臓の加速度センサーでキャッチ。データは波型のグラフで表示されるので、睡眠状態を視覚的に確認できる。睡眠記録を継続して行うと、ランダムなタイミングでレオニャルド・フミンチの着せ替えができる快眠アイテムをゲットできる。お気に入りのコーディネートをFacebookやTwitterと連動させ、友人とシェアする楽しみも。また、ドリエルCMソングをお休み前のBGMにしたり、オリジナルメロディーをアラーム機能を使って目覚ましに使ったりすることも可能。楽しみながら睡眠管理ができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月28日エリカ・アンギャルの「恵比寿 de 美活」9月25日にミスユニバース・ジャパンの公式栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルによる「恵比寿 de 美活」セミナーが東京都渋谷区の恵比寿ガーデンプレイスで行われる。セミナーは、「美しさは知ることから始まる」「何を食べるか?いかに食べるか?」「胡麻の魅力」「本物の美はライフスタイルから創られる」などの内容が語られる。エリカ・アンギャルはオーストラリアのシドニー出身でオーストラリア伝統的医薬学会(ATMS)の会員にもなっている。日本在住は合計15年になり、「世界一の美女になるダイエット」の著者でもある。2004年からはミスユニバース・ジャパンの公式栄養コンサルタントに抜擢され、ファイナリストたちの栄養指導をしてきている。「恵比寿 de 美活」は恵比寿ガーデンプレイスで9月25日13:30から15:00までの90分開催される。定員は300名で参加費は2000円になる。元の記事を読む
2011年09月11日肌に触れる寝具にはこだわりたい20代女子「睡眠不足で、お肌の調子も悪いし、なんだか調子が出ないな~」なんてことはありませんか。睡眠は、一日の疲れをリセットし、次の日のエネルギーをチャージしてくれる大切な時間。質の良いものにするために、寝具や環境にこだわりたいですよね。そこで、20代女性448名に快適な睡眠に欠かせないものを聞きました。>>男性編も見るQ.快適な睡眠には欠かせないものを教えてください(複数回答)1位寝心地の良い枕45.1%2位寝心地の良いベッド37.3%3位寝心地の良い布団35.7%4位肌触りの良い毛布28.8%5位着心地の良いパジャマ19.9%■寝心地の良い枕が欠かせない……・「枕が合わないと、起きたときに疲れていて熟睡した感じがしない」(26歳/印刷/営業)・「枕が悪いと首が疲れる」(29歳/化学/研究開発)・「枕が合わないと頭痛がするから」(28歳/IT/SE)・「枕が合わなくて眠りづらいときがあったから」(23歳/自動車関連)・「低反発の枕が良い」(25歳/IT/経営・コンサルタント)■寝心地の良いベッドが欠かせない……・「硬いベッドで寝ると、翌朝腰や首が痛くなっているから」(26歳/化粧品/営業)・「マットレス次第で安眠感は決まると思う」(22歳/医療)・「全身を心地良くしてくれるベッドは必須でしょう。ベッドが良ければ、枕はなくても寝られる」(24歳/医療/秘書・アシスタント)■寝心地の良い布団が欠かせない……・「ホテルとかで違う寝具だとなかなか寝付けない」(26歳/商社/財務)・「肌にあたるものだから、心地良さが重要」(27歳/建築/設計)・「干した後の太陽のにおいのする布団が好き」(24歳/商社/財務)■寝心地の良い毛布が欠かせない……・「毛布の手触りが大好きなので、それで心地良く眠れる」(27歳/鉄鋼/総務)・「毛布がポカポカしていると、すぐに眠りにつくことができるから」(28歳/通信/総務)・「やわらかい毛布をかぶって寝るのが幸せ」(25歳/アパレル/販売)■着心地の良いパジャマが欠かせない……・「モコモコの服を着ると気持ち良い」(29歳/医療/クリエイティブ)・「着心地の良いパジャマを着るとホッとして眠くなる」(23歳/官公庁/財務)・「パジャマの着心地が一番重要だと思う」(23歳/商社/サービス)総評1位は「寝心地の良い枕」がランクインしました。「枕が合わないと寝られない」というコメントが多く、枕が快適な睡眠の鍵を握っているようです。2位~4位も寝具がランクイン。自宅とは違う寝具で寝るとなかなか寝られないという経験から、寝具にはこだわりを持っているようです。ベスト5には入りませんでしたが、「ゆっくりお風呂に入る」を支持する女性も多かったです。「身体が温まると気持ち良く寝られる」というコメントが寄せられました。特に寒い冬は、身体を温めると寝付きが良くなりそうですね。少数派では「ぬいぐるみを抱いて寝る」「恋人の腕枕」と答えてくれた女性も。どちらも隣に居てくれる安心感が快適な睡眠へと導いてくれるようです。調査時期:2010年11月26日~12月5日調査対象:COBS ONLINE会員調査数:女性448名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【ランキング女性編】20代の平均睡眠時間【コラム】絶対起きられる!?目覚まし時計あれこれ【コラム】あなたは朝風呂派or夜風呂派?みんなの「お風呂」をアンケート!完全版(画像などあり)を見る
2011年01月11日