連載記事:ギフテッドを知ると見えてくる、子育てのヒント
子どもの「生きづらさ」を「らしさ」に変える【ギフテッドを知ると見えてくる、子育てのヒント Vol.2】
ギフテッドの子への配慮や声がけ、どう気をつけたらよい?
義務教育のカリキュラムは、平均的な知的能力の人向けなので、その環境に自分を合わせようと無理をしてがんばっているギフテッドがいるということを、まずは知って欲しいです。
ギフテッドの強みと弱みは表裏一体。子どもの個性を多角的な視点で捉えることが重要です。
『ギフテッド応援ブック −生きづらさを「らしさ」に変える本−(小学館刊)』楢戸ひかる著 より
「仮にわが子が不登校で、その子が久しぶりに学校に行って帰ってきました。何て声がけをしますか? 頑張ったね! すごいね! という声がけをする気持ちはわかります。でも、
その声がけを子ども視点でチェックしてみて欲しいのです。学校に行ったことを褒めることで
暗黙のプレッシャーを与えていないでしょうか?
久しぶりに学校に行ったときには『大変だったね』『お疲れさま』『ご苦労さま』と、
まずは気持ちを汲みとり、いたわることが大切です。
ギフテッドはとりわけ
環境に敏感な子どもです。がんばって合わせようとしていても、そもそも合わない環境に置かれているので、フィットするのは至難の業。それを怠けている、我慢が足りないで片付けられてしまうと、
本当にしんどいのです。
特性である
強い集中力は、強みでもありますが、
集中しすぎる(過集中)状態のときはまわりのことが見えていなかったり、ほかのことはおろそかになりがちです。
つまり、
強みと弱みは表裏一体。強みをうまく扱うことができれば強力な武器になりますが、一方で自分や周囲を傷つけてしまう可能性もあります。
現状、日本の教育現場では、どうしても弱みや困っていることに対する配慮や支援が優先され、
強みに対する配慮や支援の重要性はあまり議論されていません。
ギフテッドへの理解が学校現場に浸透することで、
強みに対する配慮や支援という発想が広がっていくことを期待しています」
ギフテッドについて理解し、多様性を受け入れよう!
今回の【きほん編】では、ギフテッドとはどんなものなのか、いくつか抜粋してご紹介しました。
まずは、ギフテッドは単に知能が高いだけでなく、学校や日常生活で困ることがたくさんあるということを理解しましょう。そして、社会全体で多様性を認め合って、誰しもが生きやすい環境を整えていけるよう、
関心を寄せていくことが大切です。
次回は、『ギフテッド応援ブック −生きづらさを「らしさ」に変える本−(小学館刊)』の著書であるライターの
楢戸ひかるさんに、日本のギフテッドの現状や課題について、さらにお話を伺います。