女優・戸田恵梨香や脚本家で俳優の宮藤官九郎らが、松田龍平主演の映画『ぼくのおじさん』(11月3日公開)に出演することが24日、明らかになった。原作は作家・北杜夫による、和田誠氏のイラストが添えられた同名児童書。貧乏で兄の家に居候し、へりくつばかりこねる"おじさん"(松田)が主役であるものの、物語は一貫して兄夫婦の妹=おじさんの甥・雪男(大西利空)の目線で描かれる。メガホンを取るのは、『天然コケッコー』(07年)の山下敦弘監督。一目ぼれした女性・エリー(真木よう子)を追いかけるために、ハワイ行きを画策しつつ、そのどれもが周囲をあてにするか運任せなのに、どこか憎めないおじさんの姿を映す。新たに発表されたキャストは、雪男の担任・みのり先生で教師の役に初挑戦する戸田と雪男の父・定男役の宮藤に加え、寺島しのぶ、戸次重幸、キムラ緑子、銀粉蝶の6人。寺島は、雪男の母・節子を、戸次は創業200年の老舗和菓子屋の御曹司・青木を、キムラはおせっかいな智子おばさんを、銀粉蝶はエリーの母・稲葉キャシーを、それぞれ演じる。戸田は、初の小学校教師役に「こういう雰囲気の衣装自体、今まで着ていなかったので、とても新鮮でした」とうれしげ。続けて、「逆に女の子ぽくて、こっぱずかしい感じでした」とも口にする。松田演じるおじさんは、「とてもかかわいらしい人」という印象で、「実際できあがったものを楽しみにしています」と期待を寄せる。一方、宮藤も付けひげをあしらっている。それを「つけた途端に、『少し変な人なのかなあ?』って思った」とも語るが、「『おじさん役の龍平君が変に見えればいいな』と、自分はなるべく自然に自然にしようと思いました」と裏側を明言。山下監督からは、威厳のある父役を強く求められたようで、「ひげつけると顔って変わるんですよね」と演技面の難しさを話す。そんな山下監督は、脇を固めるキャラクターたちについて、「共通して言えるのは、龍平くん演じるおじさんに対して"ちゃんとした大人"に見える、という所」と説明。しかし、宮藤が感づいたように、「皆さんどこか妙にズレて」いる。それを踏まえておのおのが、キャラの持ち味が出るように演じたことで、「"いそうでいない"映画独自の魅力的なキャラクターになりました」と自信を見せた。(C)1972北杜夫/新潮社 (C)2016「ぼくのおじさん」製作委員会
2016年05月25日2013年のカンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた『そして父になる』に続き、是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』に出演した真木よう子さん。その見どころを語っていただきました。「是枝組は、まだ2作品目ですけど、すごくあったかくて、やりやすいです。役者への押し付けも、プレッシャーもないし、役者が素のまま、すっと自然に役に入っていけるような世界を作ってくれるんです」『海よりもまだ深く』は、“夢見た未来とちがう今を生きる、元家族の物語”。真木さんの役どころは、阿部寛さん演じる主人公のダメ男・良多の元妻・響子。15年前に一度文学賞を取ったきりの自称作家でギャンブル好きの良多に愛想を尽かし、離婚後は11歳の息子と二人で暮らしている。サラリーマンの恋人もいる。「愛だけでは人は生きていけない、というセリフもあるように、響子は今を生きつつ、ちゃんと将来を考えた最善の決断ができる強い女性です。でも良多は確かにダメ男ですけど、共感できる部分は男女問わず、みんなきっとあると思うんですよね。私も良多に共感するところがたくさんありました。だからこそ、この作品は、誰の心にもすっと入りやすいんじゃないかと思います」良多の母、響子の義理の母にあたる淑子を演じたのは樹木希林さん。「樹木さんが何気なくおっしゃるセリフがすごく良くて。“普通の人は海よりも深く人を愛したことなんてないけど、それでも生きていくのよ”とか。そうだな、そうやって生きていくのかなと、グサッときて…」ある日、団地で気ままな一人暮らしをする淑子の家に、良多、響子、息子の真悟の3人が偶然集まり、その晩は台風のために帰れなくなる。元家族は一夜を過ごし、夜が明けて台風が去った後、再びそれぞれの生活へと戻っていく。台風の翌朝に、芝生がキレイになった団地を歩く風景は、団地の物語を撮りたいと思った是枝監督の中に最初に浮かんだものだという。ロケ地は是枝監督がかつて暮らした団地。その記憶は、真木さんにも懐かしく重なった。「是枝さんの実家があった団地と、私が子供の頃に暮らした団地がすごく似ていて、私も実家に帰ったような気持ちになりました。懐かしいな、この狭さって(笑)。響子という役は、複雑な状況におかれていて、元旦那、元旦那のお母さん、元旦那のことを否定する今の恋人など、人との距離の取り方が難しいところもありましたけど、団地という空間に助けられたような気がします」是枝監督が、脚本の最初に記した言葉は、「みんながなりたかった大人になれるわけじゃない」。優しいまなざしと言葉と登場人物に励まされ、観終えた後は、大人になった今を少し誇れるような気持ちになれる。完成した作品を観た真木さんは、「自分がどう映っているかなんてどうでもよくて…。こんなすごい作品に出演させてもらえて光栄だな、早くいろんな人に観てもらいたい、という気持ちがいちばんでした。心に響く名言も、笑えるシーンもたくさん。最高の映画を観ました」◇まき・ようこ1982年10月15日生まれ。千葉県出身。2013年の主演映画『さよなら渓谷』、同年『そして父になる』で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞の2冠達成。◇原案・監督・脚本・編集/是枝裕和音楽/ハナレグミ出演/阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、吉澤太陽、橋爪功、樹木希林5月21日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国ロードショー。(C)2016 フジテレビジョン バンダイビジュアル AOI Pro. ギャガ※『anan』2016年5月25日号より。写真・内田紘倫スタイリスト・三田真一(KiKi inc.)ヘア&メイク・AYA(ラ・ドンナ)インタビュー、文・今村 望
2016年05月24日2016年5月21日、22日の全国映画動員ランキングは公開5週目の『ズートピア』(全国349館)が首位を守ったほか、4位まで順位に変動はなく、『海よりもまだ深く』(全国244館)は初登場5位に入った。映画動員ランキング&その他の画像『海よりもまだ深く』は、『そして父になる』『海街diary』などの是枝裕和監督が阿部寛を主演に迎えて描くヒューマン・ドラマ。樹木希林、真木よう子、池松壮亮、リリー・フランキー、橋爪功らが出演し、小説家を目指すバツイチ中年男と、彼を取り巻く人間模様が描かれる。2位の『殿、利息でござる!』(全国308館)、3位の『世界から猫が消えたなら』(全国290館)、4位の『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』(全国350館)までは先週と変わらず。そのほか『ガールズ&パンツァー 劇場版』(全国152館)が28位から大きくジャンプアップして9位に。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起』(全国15館)が初登場10位に入っており、トップ10内にアニメ作品が5本ランクインしている。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ズートピア』2位『殿、利息でござる!』3位『世界から猫が消えたなら』4位『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』5位『海よりもまだ深く』6位『64-ロクヨン- 前編』7位『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』8位『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』9位『ガールズ&パンツァー 劇場版』10位『機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起』
2016年05月23日阿部寛と樹木希林が親子を演じる、是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』。先日は第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で正式上映され、喝采を受けた本作から、阿部さん演じる息子・良多と樹木さん演じる母・淑子が、実の親子のように息ぴったりの掛け合いを見せる本編抜粋映像がシネマカフェに到着した。『そして父になる』『海街diary』の是枝監督が新たに送りだすのは、“なりたかった大人”になれなかった大人たちが、いまを生きる物語。阿部さんにとって初めてとなったカンヌでは、上映中には笑い声が上がり、上映後は7分間におよぶスタンディングオベーションで迎えられるなど、絶賛を受けた。そんな本作から届いた今回の映像では、“元家族”だった良多、響子(真木よう子)、真悟(吉澤太陽)の3人が、久しぶりにひとつ屋根の下に集まったことを喜び、淑子が自慢のカレーうどんを振る舞っている。良多は久しぶりの母の味に舌鼓を打ち、おかわりをせがむも、食べたカレーが半年も前に冷凍していたものだと分かると、途端にニガ~い顔をみせる。さらに、良多のシャツにカレーが飛んでいることに気づいた淑子が、自分の唾をつけた布巾でその汚れを取ろうとすると、「いま舐めたろ。汚ぇなぁ」と思わずツッコみ。しかし、そんなふうに言われても母の愛は変わらず、「いくつになっても、誰かがついていてあげないと…」と息子を心配する様子をみせる淑子の姿が映し出されている。そんな母の愛あふれる言葉を、“元妻”の響子が複雑な表情を浮かべながら聞いているのも印象的だ。今回、『歩いても 歩いても』以来、2度目の親子共演となった阿部さんと樹木さんだが、“神レベル”とも呼べるほど息の合った掛け合いで見せる、母らしい気遣い(お節介?)とそれを煙たがる息子の姿は本当の親子のようで、自然と笑みがこぼれてしまうシーンとなっている。阿部さんは、樹木さんとの共演について「演技の合間に作品のことだけではなく、色々なお話をしてくださって、そういう時間を一緒に過ごすうちに、自然と親子の空気が生まれていきました。樹木さんは、もともとそれを考えて下さったのかな、とも思います」とふり返り、大ベテランに感謝の思いを含ませた。息子・阿部さんと母・樹木さんのリアルな掛け合いに象徴される本作の“家族”を、まずはこちらから確かめてみて。『海よりもまだ深く』は5月21日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月22日旬なゲストのここでしか見ることのできない素顔に迫るトーク番組「おしゃれイズム」(日本テレビ系)の5月22日(日)放送回に女優の真木よう子がゲスト出演、番組MCの上田晋也、藤木直人、森泉の3人と様々なトークを繰り広げる。小学生時代から芸能界を志望し中学卒業後には俳優養成所の「無名塾」に入塾。その後2001年に映画デビューした真木さん。2006年に「ベロニカは死ぬことにした」で映画初主演を果たすと、その後『UDON』や、ドラマから映画化もされた『SP』シリーズなどに出演。その演技力とクールな美貌で一躍脚光を浴びる存在に。その後も映画『モテキ』や『脳内ポイズンベリー』、ドラマ「問題のあるレストラン」「精霊の守り人」、そして『MOZU』シリーズなど話題作に続々出演。コメディからハード&シリアスまであらゆるタイプの役柄を演じこなす実力派として高い評価を受けた。そして2014年の第37回日本アカデミー賞では『さよなら渓谷』で最優秀主演女優賞を、『そして父になる』で最優秀助演女優賞をダブル受賞。35年ぶりの2冠という快挙を達成した。その評価は国内だけにとどまらず、『さよなら渓谷』は第35回モスクワ国際映画祭審査員特別賞を受賞したほか、『そして父になる』が第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞するなど世界が注目する女優へと成長を遂げた。番組では、謎多き真木さんのプライベートの姿を知るという3人の人気芸人たちが“素顔”を暴露。大の尾崎豊ファンだという真木さんが休日にカラオケで熱唱するという“名曲”を今回初披露するほか、いま、最も“お熱”だというフィギュアスケーターの羽生結弦選手についても語ってくれる。また酔っぱらうとしてしまうという意外な一面なども明かされる。そんな真木さんだが最新作『海よりもまだ深く』が5月21日から全国公開中。同作は今年3月の第39回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、監督賞ほか4冠を獲得した『海街diary』を手がけた是枝裕和監督作品。是枝監督がかつて実際に暮らしていた団地を舞台に、台風の夜、ダメ人生を送る中年男・良多と“元家族”が、偶然ひとつ屋根の下に集まり、夢見た未来と、少し違ういまを生きる大人たちに向けた、温かくもほろ苦い家族の物語を描く。阿部寛と樹木希林が2度目の親子役で共演するほか、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮らが出演。真木さんは阿部さん演じる元夫に愛想を尽かした元嫁を演じている。「おしゃれイズム」は22日(日)22時~放送。(笠緒)
2016年05月22日第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されている是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』が5月21日(土)に全国で封切られ、東京・新宿ピカデリーで阿部寛、真木よう子、樹木希林による初日舞台挨拶が行われた。是枝監督と阿部さんらキャスト陣は5月16日(現地時間)にカンヌ入りし、海外プレスの取材を受けるなど、多忙な時間を過ごしつつ18日の公式上映に立ちあった。是枝監督を残して、3人は帰国したばかりで、阿部さんは「たった3日間の滞在だったが、夢のような体験だった」「お客さんと一緒に映画を観るのも貴重な機会ですし、スタンディング・オベーションも本当にうれしかった。一生忘れない光景でした」と初のカンヌ参戦に感激しきりだった。是枝監督の『そして父になる』以来、2度目のカンヌとなった真木さんは、「前回が連日雨でしたが、今回は晴天続きで、歴史ある街並みを歩くことができた」と現地を満喫した様子。「予想をはるかに超える反応をいただき、うれしかったです」と現地のリアクションに手応えを示した。「ばあさんが行くところじゃないですね。もうヨレヨレ」と少々お疲れ気味の樹木さんは、「カンヌはお客さんが厳しいから、普通にブーイングとか起こるでしょ。もしそうなったらと、逃げる用意もしていた」。同行した阿部さんについて、「背が高くてカッコいいから、カンヌの街にぴったり!」とほれぼれしていた。売れない作家の良多(阿部さん)、愛想を尽かし離婚した妻の響子(真木さん)と息子、そして団地で気楽なひとり暮らしを送る良多の母・淑子(樹木さん)。ある日偶然、淑子の部屋に集まった“元家族”は台風が去るのを待つため、一夜をともに過ごすことに…。暖かくもほろ苦い家族の人間模様を描いた本作は、是枝監督が9歳から28歳までを暮らした東京都清瀬市の旭が丘団地で撮影された。『海よりもまだ深く』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年05月21日第69回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門に出品されている是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』の初日舞台あいさつが5月21日に、東京・新宿ピカデリーで行われ、阿部寛、真木よう子、樹木希林が登壇した。舞台あいさつ/その他の写真小説家を目指すも一向に開花しないバツイチ中年男と、そんな息子を深い愛で包み込む母の姿を感動的に描く本作。阿部ら登壇者3名に加えて、是枝監督がカンヌでの公式上映(現地時間18日)に立ちあったばかりだ。初カンヌから帰国した阿部は、「3日間の滞在でしたが、夢のような体験でした。一生忘れない」と感無量の面持ちで、上映後約7分間に及んだというスタンディング・オベーションを「本当にうれしかった。現地でもいい評判をいただいている」と振り返った。真木のカンヌ入りは、是枝監督の『そして父になる』以来2度目となり、「前回は連日の雨で、観光ができなかった。今回、晴天に恵まれて歴史ある街並みを見ることができて、うれしかった」とニッコリ。「予想をはるかに超える反応だった」とこちらも現地での高評価に喜びを示していた。一方、樹木は「ばあさんが行くところじゃない。もうヨレヨレ」と“希林節”で会場を沸かせ、「カンヌは評論家もお客さんも厳しいから、(ブーイングが起こったら)逃げる用意はしていた」。それだけに暖かな反応に安どした様子で、「やっぱり、カンヌでの是枝監督の評価がすごい」と尊敬の念。阿部も「向こうで一番人気があったのが是枝監督。改めてすごいなと思った」とうなずいていた。『海よりもまだ深く』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年05月21日『そして父になる』『海街diary』の是枝裕和監督が描き出す最新映画『海よりもまだ深く』。本作は監督が9歳から28歳まで暮らした東京都清瀬市の旭が丘団地で約1か月半に渡って撮影が行われた。主演の阿部寛は撮影前、監督から演技についてではなく、団地での思い出話を聞いていたそうだ。「撮影中も監督の地元というだけあって、撮影ができるのかなと心配になるくらい歓迎されていましたよ」と話す。『海よりもまだ深く』/その他の画像是枝監督4作目となる阿部は、叶わぬ夢ばかりを追い続ける情けない中年男、良多を演じる。良多の特徴はこうだ。小説家でありながら、小説を書く気配はない。その癖、執筆のためのリサーチだといって興信所に務める。妻・響子(真木よう子)に愛想をつかされ離婚させられるも、未練たらたらで、張り込みをするほど。息子(吉澤太陽)へプレゼントをするためにギャンブルへ行けば、あっさり全額負けてしまう。あげくの果てに、お金目当てに団地に暮らす母・淑子(樹木希林)に寄り付いたはずが、淑子にお小遣いを渡して帰ってくる始末。一筋縄のダメ男ではない、彼のちぐはぐな行動は、見ていて憎めない。それどころか愛嬌すら感じてしまう。そんな良多のちぐはぐさを、阿部は「人間味として捉えて演じた」という。「良多にとって、息子の真悟は、愛おしくて仕方がない存在。彼がいるから、響子と繋がっているという希望もあって、良多は懸命に父親になろうとする。子どもといるときには無駄にいろんなことを話している姿が温かくて、『可愛いな、この男』って思いました、すごく泣けました。でも、まさか是枝さんの作品の中で親のお金を盗もうとする男を演じるとは思いませんでしたけど(笑)」。一方で真木は、それを女性目線で語ってくれた。「良多のことは嫌いになって別れたわけではなくて、良多が家庭に向かなかっただけなんですよね。響子にとって息子の真悟は、当たり前にすごく大切だと思います。けれど、それだけでなくて、これから先一緒に生活をしていかなければいけない、という母親としての覚悟は強くあると思うし、そのために将来を選択するという行動は女性らしいなと思います」。また、良多と響子のかすがいである真悟(吉澤)の純朴な表情も映画の要だ。「子役に台本を渡さずに現場で指示をする」という是枝監督の演出方法は、今作でも用いられた。「監督の作品は、やっぱり子どもの表情が魅力。私自身も笑ったり泣いたり、深く共感できました。いろんな想いが詰まっている素晴らしい作品に自分が出演していることがすごく光栄です」(真木)「彼(吉澤)からしたら、すごい役者の大人たちが出ているんだけど、負けていない。それどころか、映像を見たら、真悟の心が大人たちを見守っているかのようでした」(阿部)“なりたかった大人”になれなかった大人たちの、深く温かい物語がいよいよ公開となる。『海よりもまだ深く』5月21日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー取材・文・写真:小杉由布子
2016年05月19日第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品された『海よりもまだ深く』の正式上映が、5月18日(現地時間)に行われ、阿部寛、樹木希林、真木よう子、そして是枝裕和監督がレッドカーペットに登場。世界の観客を前に舞台挨拶を行い、上映後は7分間におよぶスタンディングオベーションで迎えられた。是枝監督がかつて実際に暮らしていた団地を舞台に、台風の夜、ダメ人生を送る中年男・良多と“元家族”が、偶然ひとつ屋根の下に集まる本作。夢見た未来と、少し違ういまを生きる大人たちに向けた、温かくもほろ苦い家族の物語となっている。是枝監督と阿部さんらキャストたちは5月16日(現地時間)にカンヌ入り、海外プレスの取材を受けるなど、多忙な時間を過ごしつつ迎えた18日の公式上映。フォトコールでは、爽やかな風が吹き抜けるカンヌの青空の下、是枝監督はじめ、フランスの有名ブランド「Berluti(ベルルッティ)」に身を包んだ阿部さん、「GUCCI(グッチ)」のトラッドでキュートなワンピース(靴、バックもグッチ)を纏った真木さん、そして独自のスタイルがひかる樹木さんが登場し、世界から集まったスチールカメラマンたちの前で、笑顔で撮影に応じた。高まる緊張を抑えながら、レッドカーペットと公式上映にむけて、阿部さんは、「初めてカンヌに来ましたが、街全体が祭りのような状態で、すごく楽しんでいます。今晩の公式上映でどういう反応が返ってくるかは予想がつきませんが、楽しみたいと思います」とコメント。真木さんは「前回(『そして父になる』)のときはドシャ降りのカンヌだったので、街を全然歩けなかったのですが、昨日歩くことができて、歴史のある建物がたくさんある街で、とても美しいなという感想を持ちました。街全体がすごく盛り上がっていますし、こんな中で上映されるということにドキドキしていたりもしますが、楽しみにしています」と期待を寄せていた。その後、レッドカーペットには、大勢のマスコミや観客があふれる中、是枝監督とともに、先ほどと同じく「ベルルッティ」のタキシードに身を包んだ阿部さん、肩と背中を大胆に露出した透け感のある「ARMANI(アルマーニ)」のロングドレスにショパールのダイヤのイヤリングを着用した真木さんが登場。さらに海と鶴の柄をあしらった着物に真っ赤な鯉がデザインされた帯を締めた樹木さんは、さすがの貫録でひと際目を引いていた。今回、カンヌは初めてとなる阿部さんは観客やメディアの声に応え、笑顔で手を振りながら対応。初めてのレッドカーペットに、「あの広さはすごい。やっとここに立てたなと思いました。是枝組で立てて本当に嬉しかったです。初めてのカンヌですが、感動しました」と感想を語った。会場が満席となる中、是枝監督をはじめ、それぞれ晴れやかな笑顔でそろって舞台挨拶にも登壇。阿部さんの「是枝監督作品は2作目ですが、いつか是枝さんの作品でカンヌに来れることを夢見ていました。今日は楽しんでいってください」というコメントには熱い拍手が送られ、さらに樹木さんの「いまはゆとりのある顔をしていますが、上映が終わったらすぐに逃げられるように準備しております」という、カンヌでも変わらぬ“希林節”には場内から笑い声も。和気あいあいとした雰囲気の中で上映開始。上映中は、阿部さん演じるダメ息子の良多と、樹木さん演じる母・淑子の会話シーンなどでたびたび笑いが起こるなど、“日本の団地”を舞台にしたローカルな家族の物語は、しっかりと世界の観客の心に届いた様子で、上映後には約7分間にもわたるスタンディングオベーションが続き、阿部さんは時々手を振ってそれにこたえるなど、場内はとても温かい空気に包まれた。場内でも海外のファンに囲まれ、拍手や賞賛コメントを浴び、好評のうちに公式イベントを終えた。海外のプレスからは、「完全なハッピーエンドではないけど、家族の描き方が良かった!コメディ要素もあるし。家族ってそういうもの。とってもよかったわ」「是枝監督はストーリーテリングが自然だし、俳優たちの演技も素晴らしかった。ファニーな映画だけど、真理がある。主人公が成長しないのがいい!人生そのものね」と、普遍的な家族の物語を絶賛する声が聞かれ、「毎回期待して観るんだけど、毎回その期待を超えてくる。監督の作品はあたたかいところが好きなんだ。正直なところもね。ダメなキャラクターだけど、愛おしいんだよ」「是枝監督の作品は何本か見てるの。今回も感動したわ!是枝作品でこれまで失望させられたことはないわ!」と、世界のファンをも納得させた様子。翌19日に行われた日本メディア向け取材では、上映を終えて「お客さんたちの表情がとてもあたたかく優しくて感動しました」(是枝監督)、「これだけの多くの客さんが拍手をしてくださって、それが鳴り止まなくて、本当に感動しました」(阿部さん)、 「また温かい拍手に包まれて、反応が予想をはるかに超えて良かったので、とても嬉しかったです」(真木さん)とそれぞれコメント。「初号試写に続き、作品を観るのは2度目でしたが、監督が何か粉を撒いたんじゃないかと思うくらい、みんな上手に見えました!」と樹木さんも語った。ここカンヌ映画祭は、「一番厳しいと思います」と是枝監督。「作品に対しても、セレクションに対しても、審査に対しても、批評に対しても。みんな真剣に映画に向き合って2週間を過ごす場所です。これだけ拍手とブーイングが交錯する場はほかにはないので、貴重な経験ができます。この緊張に耐えられる作り手でありたいと改めて思える場です」と真摯に打ち明けると、阿部さんも「是枝監督が本当にすごく愛されているんだなと痛感する映画祭ですね」と語り、「これを機会に僕の顔も覚えていただけたら嬉しいなと思います!」と明かした。上映中、笑い声が数多くあがっていたことについては、「泣かれるより嬉しいです。より登場人物を身近に感じてくれた証拠だと思うので、言葉が悪いけれど、してやったり!と思ってしまいました(苦笑)」と監督。それには、樹木さんが「それは言葉がダメね。もっと監督は良い言葉を選ばなきゃ。でも伝わったなって思えたわね!」とすかさず反応、「この映画の笑いが伝わるかがずっと気がかりだったので、安心しました」という監督に、「台本からして台詞がすごく良かったですから、それが伝わったんじゃないかしらね」と労った。さらに、カンヌ初経験の阿部さんが「お客さんと一緒に映画を見れたというのが、本当に良い経験でした」と手応えを語ると、「じゃあ、この映画をターニングポイントにしてまた変わるわね。成長しちゃうわね。阿部さんは団地より、カンヌの風景のほうが似合うわ。ビシーっとハマってたわ」と、またもや“希林節”が炸裂していた。『海よりもまだ深く』は5月21日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月19日第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、阿部寛、樹木希林、真木よう子、そして是枝裕和監督が参加する予定の『海よりもまだ深く』。その正式上映を前に、本作の主題歌「ハナレグミ」による「深呼吸」のミュージック・ビデオが完成。こちらは、阿部さん演じる主人公の“相棒”を演じた池松壮亮が主演を務め、是枝監督自らメガホンをとった映画のサイドストーリーとなっていることが分かった。叶わぬ夢ばかり追い続け、息子としても、夫としても、そして父親としても情けない主人公・良多を、阿部さんが愛嬌たっぷりに、ときに哀愁たっぷりに演じる本作。元妻の響子(真木さん)にも愛想を尽かされ、息子・真悟(吉澤太陽)の養育費も満足に払えない日々。そんな彼らが、台風の日に団地でひとり暮らしをする母の淑子(樹木さん)の家に集まることに――。そんな本作で、良多が小説家になるための取材と称して勤めているのが探偵事務所。池松さんは、その事務所で良多の相棒となる町田健斗役を演じている。今回解禁となったハナレグミのニューシングル「深呼吸」のミュージックビデオは、映画の撮影を進めていくうちに是枝監督の中で町田のバックボーンが膨らんでいったこと、いち早く映画を観た人たちから「彼の背景を知りたい!」という声が多く上がったこと、さらに製作スタッフの間で「もっと池松さんを撮りたい!」という声が多かったことから誕生したという。劇中の穏やかな空気感はそのままに、映画のサイドストーリーとして、池松さん演じる町田を主軸にした、温かくも切ない“もうひとつの家族の物語”が描かれており、「ハナレグミ」の歌唱・演奏シーンも必見となっている。主題歌「深呼吸」をエンドロールで初めて聞き「鳥肌がたちました」という池松さん。「是枝監督の作品世界を代弁するような、とてもさりげなくて、作品と共にある感じがすごくいいなぁと感じました」と印象を語る。「僕自身大好きな曲なので、今回こうしてMVという形で、是枝監督と『ハナレグミ』さんというタッグにご一緒させていただけることは本当に嬉しいです。映画よりも町田というキャラクターにもう一歩踏み込んだ内容になっているので、映画とMVと両方を見ていただき、あわせて面白がっていただけたらと思います」とコメント。『海よりもまだ深く』については、「傑作だと思います」と太鼓判を押す。「ちょっとビックリしました!こんなにさりげなく、人の人生の真髄をついてくるような作品を僕は観たことないなと思いましたし、是枝節が炸裂でしたね」と、是枝監督の手腕に感嘆の声を寄せる。今回、そんな是枝組に初参加となったが、「映画学校にも通っていたような僕からすると、是枝監督はスターだし、最初はものすごく緊張しました。現場では、知らぬ間に料理されていたような感じで、決して何か沢山演出された覚えはないのですが、たまに投げかけてくださるひと言が全てを言い得ていて、監督の現場は面白いなぁと感じました」とその感想を明かしてくれた。また、是枝作品の阿部さんは特に大好き、という池松さん。本作での“相棒”役に「是枝監督に最初にお会いしたときに『今回、阿部さんを見守ってあげてください』とひと言言われて、『あぁ、それだけで全部いけるな』と思いました。阿部さんは想像していたよりもやわらかくて、すごくチャーミングな人で、今回の現場はそういう居方をされていたのかもしれないのですが、人としても、役の阿部さん(良多)もすごく好きになりました。阿部さん演じた良多のダメ男ぶりは、嫌いじゃないです!」そんな阿部さん演じる良多をはじめ、夢見た未来と少し違ういまを生きる人々の物語が、世界の観客にどう響くのか、カンヌでの上映にも期待が高まる。(text:cinemacafe.net)
2016年05月18日阿部寛と樹木希林が親子役を演じ、現在開催中の第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への正式出品が決定している是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』。このほど、叶わぬ夢ばかり追い続ける阿部さん演じる主人公・良多と、同じ探偵事務所に勤める池松壮亮演じる後輩・町田の“迷”探偵ぶりが微笑ましい(?)本編映像が解禁となった。是枝監督が新たに送り出すのは、“なりたかった大人”になれなかった大人たちの物語。阿部さんが演じる主人公の良多は、15年前に一度に文学賞をとったきりの“自称・作家”で、妻(真木よう子)に愛想を尽かされた身。月に一度、息子(吉澤太陽)に会うことを楽しみにしていた。そんな良多を穏やかな眼差しで見つめる母(樹木希林)が暮らす団地で、ある台風の夜、元家族が集まることに…。本作から今回到着した本編映像は、阿部さん演じる良多と池松さん演じる町田との掛け合いが絶妙な、とあるシーン。町田は、仕事も、家庭も、人生につまずきっぱなしの良多をさりげなくフォローする役割を担っており、この2人が見せる息ぴったりの名コンビっぷりも本作の見どころの1つだ。「俺は息子に会うためだったら、どんな危ない“綱”だって渡るぞ」と良多が言うと、すかさず「“綱”です」と、町田がツッコミを入れるところから始まる映像。すると、そこに待ち合わせをしていたと思われるひとりの高校生(葉山奨之)が現れる。どうやら職場には内緒で、高校生相手によからぬ金儲けをしようと企んでいた様子の2人。「あんまり火遊びするんじゃねーぞ」と忠告する良多に対し、「あんたみたいな大人にだけはなりたくないですよ!」と啖呵を切る高校生。その言葉にムッとした良多は、「そんなに簡単に、なりたい大人になれると思ったら大間違いだぞ!」と逆ギレするも、すぐにそっぽを向かれ、去られてしまうのだ。そんな良多の不甲斐ない姿をみて、思わず吹き出す町田。良多のダメさ加減と、本作が初共演とは思えないほど息のあった阿部さんと池松さんのやりとりに、思わずクスッとしてしまうシーンに仕上がっている。本作で一番印象に残ったシーンとして、この映像のシーンを上げていた阿部さん。池松さん演じる町田はなぜ、こんなにも“ダメダメ”な大人にそこまでつき合うのか?「オレ、良多さんには“借り”あるんで」という町田の真意も気になる映像を、まずはこちらから確かめてみて。『海よりもまだ深く』は5月21日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月16日阿部寛と樹木希林が親子となり、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への正式出品が決定した是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』。このほど、5月8日(日)の“母の日”を前に、叶わぬ夢ばかりを追い続ける本作の“ダメ息子”な主人公の母親を軽妙に演じた、樹木さんの場面写真が一挙に解禁。海のように深く、温かい愛にあふれた母親の姿が明らかになった。是枝監督が自らも育った団地を舞台に、“なりたかった大人”になれなかった大人たちを描く本作。“ダメ息子”にして、“ダメ夫”に“ダメパパ”の主人公・良多を、ときに可笑しく、ときに切なく、チャーミングに演じるのは、いまや国民的名優となった阿部さん。そんな良多に愛想を尽かした元妻に真木よう子。さらに、良多の姉を小林聡美が務めるほか、リリー・フランキー、池松壮亮、橋爪功ら豪華キャストが集結していることでも話題を呼んでいる。本作では、何かと苦労させられた夫を突然亡くしてからは、団地で気楽な独り暮らしを満喫し、阿部さん演じる息子・良多に「大器晩成って、時間かかり過ぎですよ」などとツッコミながらも、息子への愛は揺るがない母を演じている樹木さん。今回到着した場面写真では、良多の仕事を心配する姿や、良多から“お小遣い”として渡されたお金を嬉しそうに受け取る姿、子どものときに良多が書いた作文に目を細めながら、孫の真悟と一緒に楽しそうに読む姿、また、いまにも泣きだしそうな表情を浮かべる姿などが映し出されており、つい、自分の母親の姿を重ねてしまいそうになるものばかり。是枝監督は、脚本を書き始めたときから、母・淑子役には樹木さんしかいないと思っていたそうで、「樹木さんがOKしてくれなければ、この作品は撮らないつもりでした。」と明かす。また、阿部さんは、現場で樹木さんの存在感に助けられたと語り、「すねをかじるような息子でもかわいがる母親を演じていらっしゃいますが、撮影でも同じように助けていただきました」とふり返っている。淑子を演じて、母親として学ぶことがあったと明かす樹木さん。「今回の役を演じながら、子どものいいところもダメなところも、全部親からつながっているんだということを実感しました。思うようにはいかないですね。でも、思うようにいかなかったからペケかと言うとそうではなくて、それでも毎日を生きているのがいいんじゃないですか。思い通りにならないのが人生ですから」と、深いコメント。さらに、「観る人がここに母親の普遍性のようなものを感じてくださるとしたら、それは上手いこといったのかもしれないけど、まあ、誰がやってもセリフ通り読めばうまくいくのよ(笑)」と、樹木さん節も健在だ。台風の夜、思いがけなくひとつ屋根の下に集まった“元家族”は、母の部屋で何を語らい、何を思っていたのか…。樹木さん演じる母の表情を見比べながら、“母の日”に思いを馳せてみては?『海よりもまだ深く』は5月21日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月07日松田龍平を主演に迎え、『もらとりあむタマ子』『味園ユニバース』の山下敦弘監督が“21世紀版の寅さん”を描く『ぼくのおじさん』。このほど、松田さんに一目惚れされる“マドンナ役”に、真木よう子が決定。明るく、カラッとした性格のハワイ在住日系四世の女性を演じることになった。「自分のまわりにいる大人について」というテーマで、学校の作文コンクールの宿題を課せられた小学生のぼく=春山雪男(大西利空)。公務員の父と専業主婦の母では面白いものが書けそうにない。そこで、家に居候している、ぼくの“おじさん”(松田龍平)を題材にすることに。おじさんは、大人のくせに万年床に寝転がってマンガばかり読み、時には僕をダシにお母さんからお小遣いをもらうこともある人だった。そんなある日、おじさんにお見合い話が持ち上がる。最初は乗り気でないおじさんだったが、目の前に現れたお見合い相手はハワイの日系四世で絶世の美女・稲葉エリー(真木よう子)。ぼくの心配をよそにおじさんはエリーにひと目惚れ!だが、エリーは祖母が経営するコーヒー農園を継ぐためにハワイへ帰ってしまう。エリーに会いたい一心で、あの手、この手を駆使してハワイへ行く策を練るおじさんだが、ことごとく失敗。だが、奇跡が訪れ、ハワイに行けることになったおじさん。おじさんとぼくはエリーを追いかけ、ハワイへと向かうが、なぜか和菓子屋の御曹司、青木もやってきて…。原作は、「どくとるマンボウ」シリーズなどで知られる北杜夫の同名小説。北氏のユーモアセンスが遺憾なく発揮され、和田誠のイラストも併せて、いまなお幅広い世代に愛され続ける名作だ。おじさん役を務めるのは、先日、主演作『モヒカン故郷に帰る』がイタリア・ウディネ映画祭で2冠を達成した松田さん。また、おじさんを見守る甥っ子・雪男役には、度重なる選考を見事勝ち抜いた大西利空。監督を、『天然コケッコー』や『苦役列車』など、話題作を次々手掛け、独特な作風でファンを魅了してきた山下敦弘が務め、優しさや寛容さ、そして温かい心を伝える21世紀版『男はつらいよ』を目指していく。そんな本作では、松田さん演じる“おじさん”のロマンスも重要となるが、今回、明るく太陽のようなマドンナ・稲葉エリー役を、『海よりもまだ深く』の公開も控える真木さんが演じることになった。山下監督とは、ドラマ「週刊真木よう子」(’08)以来、8年ぶりのタッグとなる。エリーはハワイ在住の日系四世のため、真木さん自身、映画では初めてとなる英語での長セリフに挑戦。現地の俳優とも話せるように練習し、ハワイでの撮影に臨んだという。真木さんは、「ハワイに行く前はとても不安でしたが、最終日には帰りたくなくなってしまうほど満喫できました(笑)。ハワイの快晴続きの天気はもちろんですが、日本と違って空も広く、ただそこにいるだけで気持ちが朗らかになれました」と語っており、ハワイロケは充実したものとなった様子だ。また、「エリーは典型的な“ザ・マドンナ”」だそうで、「ハワイ育ちのカラッとした性格の彼女は演じていて楽しかったです」と言う。「山下監督は、こちらの集中力が切れていると直ぐに見破ってしまう怖い監督なんです(笑)。でもそれだけ熱心であり、その情熱が現場にも伝わるので、緊張感のある雰囲気のいい現場を作り上げてくださる方ですね。松田龍平さんの演じたおじさんは、すごく素直で、見ているだけで面白い人!おじさんの役にぴったりだなって思います(笑)」と、松田さんの“おじさん”ぶりに太鼓判を押した。また、山下監督も「ひと言で表すとエリーは、おじさんにとって“太陽”のような存在。そんなエリーを真木さんは全力で演じてくれました。芯があって明るい女性という“陽”の部分だけでなく、ハワイの日系四世であるという揺れ動くアイデンティティの“陰”の両方を真木さんは演じてくれて、僕も掴み取れていない複雑で繊細なエリーを見事に体現し、深みを増してくれました」と絶賛。エリーは原作には登場しないキャラクターではあるものの、脚本・企画の須藤泰司氏は、「彼女を通じて原作の大切な部分でもある、太平洋戦争が始まって苦労した日系人の人々、戦争の爪痕の描写を映画に入れようと思いました。原作同様、それが押しつけがましくならない範囲で、エリーから日系人がたどった歴史が見えるような、覚悟ある女性にしました」と、その役どころに込めた意味を明かしている。真木さん演じる“マドンナ”の登場で、“おじさんとぼく”の珍道中がどんなふうに変化していくのか、引き続き注目していて。『ぼくのおじさん』は11月3日(木・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月03日是枝裕和監督のもと阿部寛と樹木希林が親子となり、“なりたかった大人”に“なれなかった大人たち”を描く『海よりもまだ深く』。本日4月26日は、阿部さん主演の大ヒット作『テルマエ・ロマエII』製作委員会によって制定された“よい(4)風呂(26)の日”であることを記念して、昔ながらの団地の風呂での入浴シーンが解禁となった。ダメダメ人生を送る中年男、良多(阿部寛)は、15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、いまは探偵事務所に勤める身。元妻の響子(真木よう子)には愛想を尽かされ、息子・真悟(吉澤太陽)の養育費も満足に払えないくせに、彼女に恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、父亡き後、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木希林)だ。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真吾は、台風のため、翌朝までひとつの屋根の下で過ごすことに――。小説家として再起し、再び家族の絆を取り戻すことを夢見ているものの、競輪になけなしのお金を注ぎ込んだり、元妻の新しい恋人についてアレコレ探ったりと、ちょっぴり情けなくも愛情あふれる主人公・良多を、ときに可笑しく、ときに切なく、チャーミングに好演する阿部さん。『テルマエ・ロマエ』シリーズでは、古代ローマの浴場設計技師を演じ、大きな浴槽で堂々と入浴していた阿部さんだが、“よい風呂の日”に届いた今回の映像では、189cmの身体を小さく折りたたみ、居心地悪そうにせまい正方形の風呂で入浴する姿が!台風のため急遽、実家の団地に泊まることになった良多は、年季の入った小さな浴槽につかったものの、湯船に浮かぶ“黒いふわふわとした物体”を手桶で必死にすくいだそうと悪戦苦闘する姿が映し出されている。是枝監督が9歳から28歳までの間に実際に暮らしていた、清瀬市の旭が丘団地で撮影を行っている本作。監督は、その理由について「自分の記憶の中にある団地の表情をちゃんと残しておきたかったんです。その固有名詞を観た人と共有できるかどうかはともかく、人それぞれの中に類する場所の記憶があるはずだと思い、フィクションであるものの僕自身の記憶のディティールにこだわりました」と語っている。大人になっても、実家のお風呂はやはり特別な場所。思わずクスッと笑ってしまう、阿部さん演じる良多の姿から、子どものころの懐かしい記憶をたぐり寄せてみては?『海よりもまだ深く』は5月21日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月26日5月21日公開の映画『海よりもまだ深く』の完成披露試写会が24日、東京・有楽町のピカデリーで行われ、阿部寛、真木よう子、吉澤太陽、樹木希林、是枝裕和監督が出席した。本作は、第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品が正式に決定した是枝裕和監督の最新作。笑ってしまうほどダメな人生を送っている中年男の良多(阿部寛)を主人公に、台風の夜に母・淑子(樹木希林)の団地に集まった元家族が一夜限りの家族の時間を送る、というストーリーだ。是枝監督作品3度目となる主演の阿部は「ここまでダメダメな男を演じるのは初めてでしたが、憎めなくて可愛いキャラクターだと思いながら楽しんで演じました。自分が演じた良多という役は、自分に一番合っていて好きなキャラクターです」と演じたキャラクターに好印象の様子で「多かれ少なかれ共通点があると思いますよ。セコいところとか弱いところとか」と笑顔。良多の母・淑子役の樹木希林は「みんなダメな息子と言うけれど、私はそれほどダメだとは思いません。私の周りなんか、もっとすごい人がいるんだから(笑) 」と話して会場の笑いを誘った。台風の夜に元家族と過ごすことで良多が変わっていく本作にちなみ、人生のターニングポイントを聞かれた阿部は「この仕事に就くとは思いませんでしたが、大学時代にモデルをしてからこういう人生を送っています。まったく予想だにしなかったので明らかにそこで人生が変わりましたね」と告白。一方の真木よう子は「私は子どもの頃はすごく変わった子で、飛行機に自分が追いつけると思って空を見ながらずっと走っていました。そこからだと思います」と明かしながら、是枝監督がかつて住んでいたという団地での撮影を「私も小さい頃、全く同じようなアパートに住んでいました。だから懐かしい気持ちになりましたね」と振り返っていた。映画『海よりもまだ深く』は、5月21日より全国公開。
2016年04月25日是枝裕和監督最新作『海よりもまだ深く』の完成披露試写会が4月24日(日)に開催。是枝監督に主演の阿部寛、真木よう子、吉澤太陽、樹木希林が上映後の舞台挨拶に出席した。『海街diary』で日本アカデミー賞最優秀作品賞、監督賞に輝いた是枝監督が、同作の撮影の合間を縫って制作した本作。台風が通過する夜、興信所の探偵として働くダメ中年の良多とそのかつての妻、2人の息子、良多の母の4人が、良多の母が暮らす団地で夜を明かすことになるが…。阿部さんは映画>『歩いても 歩いても』、ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」に続き、是枝作品で主人公の“良多”を演じることになったが「ここまでダメダメな男は初めて(笑)」と語りつつ「でもどこか憎めず、かわいく思えた。多かれ少なかれ、僕もダメなところはたくさんある。せこいところや弱いところは共感を覚えました」と思い入れを口にする。真木さんは本作を「大好きな作品になりました」と語る。撮影は、是枝監督が実際に子ども時代を過ごした団地で行われたが、真木さんは「小さいころ、全く同じようなアパートに住んでました。(樹木さん演じる良多の母が作る)カルピスのアイスも懐かしかった」としみじみ。樹木さんは、舞台上でも劇中と同じく、息子を愛する母そのまま!映画の中で、阿部さんが大きな体を丸めて、団地の小さな風呂に浸かるシーンがあるが「あんな団地の小さな風呂じゃなく、ウチの息子はローマ風呂に入ったんだし、エヴェレストにだって登ったんだから!芽が出ないのは世間のせい!」とかばう。また良多が“ダメな男”と紹介されることについても「ダメじゃない!私の周りにはもっとすごい人たちがいっぱいいますよ」と語り、会場は笑いに包まれていた。このほかにも随所に“希林節”は健在。ここ数年の是枝作品への連続出演について尋ねられると「義理でね」と言い放ち、本作のカンヌ国際映画祭への出品に関し、現地に赴く阿部さんが「プライベートでは行ったことがあったんですが」と語ると「誰と行ったの?」と問いただすなど不規則発言を交え、たびたび客席をわかせていた。『海よりもまだ深く』は5月21日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月24日先日、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への出品が決定した是枝裕和監督最新作『海よりもまだ深く』。この度、本作の主演を務める阿部寛が写る、一見ホラーかと見間違えてしまうような恐怖写真が到着した。笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男、良多(阿部寛)。15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、いまは探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳している。元妻の響子(真木よう子)には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木希林)だ。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなる。こうして、偶然取り戻した、一夜かぎりの家族の時間が始まるが――。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への出品は、『空気人形』以来、7年ぶり2度目となる是枝監督。また、カンヌ国際映画祭自体への出品は、『そして父になる』『海街diary』などに続き、本作で6作品目。そんな是枝監督が新たに送りだすのは、“なりたかった大人”になれなかった大人たちの物語。いまや国民的名優となった阿部さんが、主演として叶わぬ夢ばかり追い続ける情けない良多役を演じ、そんな良多に愛想を尽かした元妻に真木よう子、良多の人生を穏やかな眼差しで見つめる母に樹木希林、さらに、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、橋爪功ら豪華キャストが顔を揃えた。今回到着したのは、阿部さん演じる主人公・良多の顔が不気味に発光する姿が映し出された画像。実は本画像、台風の夜、トイレに起きてきた息子の真悟を夜中の公園へ誘おうと、懐中電灯の光で自らの顔を照らして待ち伏せするというコミカルなシーンでの一コマ。一見ホラー映画!? と見間違えしてしまうような恐怖画像のようだ。大ヒットとなった「下町ロケット」では、ロケットエンジン開発に熱意と情熱を持つ町工場の社長役、『エヴェレスト 神々の山峰』では、人生全てをエヴェレスト登頂に賭ける勇敢な男を演じた阿部さん。しかし、本作では15年前に文学賞を一度獲ったきりの売れない作家で、妻には愛想を尽かされ離婚。息子の養育費も満足に払えないくせに彼女に未練たっぷりという、笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男役を演じている。そんな今回のキャンティングにおいて、『歩いても 歩いても』「ゴーイング マイホーム」などで阿部さんとタッグを組んできた是枝監督は「ほかの人にお願いする発想がまったくなかった」 と明かし、「脚本を書き始めたときから、阿部さんの声を思い浮かべて書いています。ダメ男と言える良多をあそこまでダメな感じでやってくださって(笑)、本当に素晴らしかったです」と阿部さんを絶賛。一方、これほどまでのダメ男を演じたのは初めてだったという阿部さんは、今回の役は“新鮮で楽しい経験”だったと語り、「虚勢を張ったり、強がったりするけど、本当は弱いんです。いつまでも夢を追いかけている良多の甘えを、いままでにない、面白い人間味として出せたのではないかと思います」とコメントを寄せた。『海よりもまだ深く』は5月21日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年04月21日新学期、新年度がスタートし、道行く人も電車の中もフレッシュ!フレッシュ!!フレッシュ!!!で溢れ、そのフレッシュさに少しでもあやかりたいと必死の古山エリーです。今宵もたわごとお付き合いくださいませ。個人的には新学期も新年度もまったく関係のない生活をしておりますが、最近、邪道な理由で習い事をひとつはじめました。邪道な理由とは…もちろん恋絡み。結婚にたどり着かないまま、ある程度の年齢を過ぎると、どんどんどんどん臆病になってしまうものなんです。好きな人ができても100%の力を注ぐのが恐くなってしまう…ものなんです。過去と比べても仕方のないことは分かっていても、どうにもこうにも経験が足枷になって。自分のなかで芽生えた「好き」な気持ちを素直に出していきたいのに、情けないかな、もの凄く恐くて仕方ない(壊れかけた吊り橋のド真ん中にいるくらい恐い)。というわけで、本来その恋愛に注ぐべきものを別に注いでバランスを取ろうと習い事をはじめたわけです(要は、逃げただけですが…)。だから相手には「あ、俺がいなくてもコイツは平気なんだ…」と勘違いをされ、悪循環極まりない。分かってます、よーく分かってます、自業自得です。ですが、ちょっぴり開き直ると、私が惚れる多くは自由に生きたがる(選んではならない)人なので、好きという気持ちにブレーキをかけるのはあながち間違いでもなくて。臆病になるのは「これ以上失敗しないでね」という自分自身からのサインなのかなーなんて。恋する楽しみを失いつつある我が身に潤いを与えてくれたのは、<a href="">『蜜のあわれ』</a>でした。近代文学史作家のひとり、室生犀星が晩年に残した小説の映画化です。ある日、老作家(大杉漣)の大切にしている金魚が人間の姿・赤子(二階堂ふみ)として現れ、おまけに彼の過去の女・幽霊のゆり子(真木よう子)も現れ、おかしな三角関係が展開する、なんとも不思議なお話です。二階堂ふみの演じる金魚の赤子(あかこ)がとにかく可愛くて。「人を好きになるということは愉しいものでございます」とか「おじさま、あたいを恋人にして頂戴」とか、自分じゃなかなか言えないけれど言われたらドキッとするセリフで老作家を振り回していく。無邪気で可愛い少女から嫉妬を知り徐々に女になって、さらに振り回していく。その小悪魔感といったらもう、同性も落ちちゃうほどです。ほんと、あのおねだり、振り回し方、夢中にさせる感じ、できるものなら真似したいです。恐るべし、赤子!そんなこんなで老作家が幻想で赤子を作り出したように、私も自分の幻想で素敵男子を作り出せるようにいざ妄想!?妄想が四十路を救う(はずがないけど…)、逃避という名の妄想にふけりながら今宵はここまで。また次回。(text:Elie Furuyama)(Elie Furuyama)
2016年04月12日4月8日(金)のAKB48劇場での公演をもって、「AKB48」を卒業した初代総監督の高橋みなみ。その高橋さんが、卒業後初のCM出演となる「キリン 氷結」に登場。これまでのさかなクンや松坂桃李、真木よう子などに続き、高橋さんもまた、世間からのイメージを覆すような“あたらしい姿”を披露していることが分かった。新CMでは、ソロ活動は「ちょっと怖いけど、これからは1人で生きていかないと!」と意気込む高橋さんが、小林幸子ばりの豪華な「火の鳥」の衣装に変身!その直後に、同じ衣装に身を包んだ小林さんが登場し、厳しい芸能界を生き抜き、すったもんだを乗り越えてきた先輩として、高橋さんに「めげんなよ!」と力強く激励。高橋さんも「はい!」と力強く応じる。すると、「めげんなよ~」と共に歌う2人のきらびやかな衣装が立ち上がり、巨大なコラボレーションが実現するのだ。高橋さんといえば、2005年に「AKB48」第1期メンバーとして活動開始して以降、4年後にチームAのキャプテンに就任、2012年には「AKB48グループ」の総監督に就任し、300人以上となるメンバーをまとめてきた。また、2013年に芸能生活50周年を迎えた小林さんは、シングル「おもいで酒」が200万枚越えの大ヒットとなり、日本レコード大賞「最優秀歌唱賞」をはじめ、数々の歌唱賞を受賞。NHK紅白歌合戦にも33回連続出場を達成、豪華絢爛な衣装と壮大な舞台演出が話題を呼んだが、最近では“ラスボス”として、ニコニコ動画をはじめネットユーザーや若い世代からも支持されている。今回、おなじみの巨大衣装がスタジオに登場すると、高橋さんはもちろん、スタッフ全員も大興奮。この高橋さんが小林さんと一緒に着ていた「火の鳥」衣装は、小林さんの事務所から借用したもので、実際に普段のツアーでも使用、かつて紅白歌合戦でも披露したものだという。また、高橋さんの頭の飾りも、実際に小林さんが普段使用しているスペアで撮影を行ったという。なお、今回の新CM就任を記念し、4月10日(日)には都内某所にて「高橋みなみ あたらしくいこう宣言式」を開催。宣言式では、アイドルを卒業したばかりの高橋さんが描く、“あたらしい”今後のビジョンについて熱く宣言することになるという。その模様は、ニコニコ生放送にて生中継され、リアルタイムで高橋さんのあたらしい出発を見守ることができる。「キリン 氷結」新CM「高橋みなみ&小林幸子」篇は4月9日(土)よりオンエア。(text:cinemacafe.net)
2016年04月09日“憑依系”女優の二階堂ふみが少女の姿に変貌した“金魚”に扮し、近代を代表する文豪・室生犀星の原作を映画化した<a href="">『蜜のあわれ』</a>。このほど、二階堂さんがまるで金魚のように口をパクパクとさせるメイキング映像が解禁となった。赤子(二階堂さん)は、あるときは女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか―」。奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく。そんなあるとき、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が奇妙な三角関係(?)の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて…。<a href="">『シャニダールの花』</a><a href="">『ソレダケ that’s it』</a>などで知られる鬼才・石井岳龍が、犀星自身を想起させる老作家と、彼の妄想から生まれた少女の姿に変貌する金魚との艶やかで濃密な恋を描く本作。二階堂さんは、金魚のような赤い衣装に身を包み、丸いお尻で自分のことを“あたい”と呼ぶ少女・赤子を無邪気かつ、ときにエロティックに好演する。今回解禁となったのは、突然目の前に現れた老作家の過去の女である幽霊・ゆり子(真木さん)について赤子が老作家に話すシーンのメイキング映像。大杉さん演じる老作家の隣で、口をパクパクする練習をする二階堂さんのキュートな姿が収められている。猫、タヌキに続いて、人間以外の役は本作が3度目だという二階堂さん。より金魚らしい演技の研究に余念がない。水面に顔を出す金魚のように、「口をパクパクさせてみては?」とアドバイスしたのは老作家役の大杉さん。何度も練習する二階堂さんの顔を見て、思わず顔をゆるませ「可愛いでしょう、金魚さんだから」とニコニコ。また、スタッフとも「鯉と金魚のパクパクの違いは!?」と盛り上がる場面も。そんな二階堂さんは、メイキングのラストにはカメラ目線で “金魚口”を披露!そのとびきりなキュートさを、ここから確かめてみて。『蜜のあわれ』は新宿バルト9ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月07日経済の長期低迷、デフレ脱却もままならぬ中、かつての高度経済成長期の象徴ともいえる”団地”が、いま映画界でちょっとしたブームになっている。当時、地方から都市部へ移り住む人の流れに合わせて各地に次々と建設されたが、時代の移り変わりとともに、その一帯がどこか取り残されたかのような印象を受ける不思議な建物、“団地”。奇しくも、この春からそんな“団地”を舞台に、名監督や新進クリエイターたちが三者三様のアプローチで描いた映画が続々と公開される。■藤山直美×阪本順治監督『団地』…「うわさのコインロッカーや!」阪本順治監督の書き下ろし完全オリジナル脚本に、稀代のコメディエンヌ・藤山直美を再び主演に迎えて贈る会話劇<a href="">『団地』</a>。映画ファンが待ち望んだ新作でありながら、多くの観客の予想を遥かに上回る物語の企画の発端は、藤山さんのスケジュールがぽっかり空いたことから。撮影スケジュールの兼ね合いもあり、ワンシチュエーションものが良いということで、ふと監督の脳裏に“団地”を舞台にした本作のクライマックスシーンが浮かんだことからスタートした。さまざまな人生が交差する団地という“小宇宙”を舞台に、ごく平凡な夫婦の全然普通じゃない日常を、独特のオフビートな感覚で描きだす。藤山さんの新境地ともいえる、未知なる魅力を引き出した“妄想としゃべくりのハーモニー”には、岸部一徳、石橋蓮司、大楠道代、宅間孝行、さらに斎藤工など、クセとアクの強いキャスト陣も集結する。■単身高齢者を追うドキュメンタリー『桜の樹の下』…「故郷を離れ、流れついた」神奈川県・川崎市にある市営団地に暮らす単身高齢者たちを追ったドキュメンタリー。戦前から工業都市として発展した川崎は、高度経済成長期に多くの労働者を抱え、当時の公営団地は地方などから来る若き働き手の、そして現在では単身高齢者の受け皿となっている。孤独を感じつつも毎日を生き、そして自らの死とも向き合う高齢者たち。団地で暮らす4人の高齢者たちにカメラを向け、彼らの日常、思いを切りとった本作は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015の日本プログラムに正式出品され、大きな話題を呼んだ。監督を務めるのは、20代の女性監督・田中圭。■阿部寛×是枝裕和監督『海よりもまだ深く』…「パパはなりたいものになれた?」<a href="">『海街diary』</a><a href="">『そして父になる』</a>の是枝裕和監督が、<a href="">『歩いても 歩いても』</a><a href="">『奇跡』</a>に続いて阿部寛と3度目のタッグを組んだ『海よりもまだ深く』。阿部さん演じる主人公の良多はある台風の日、別れた妻(真木よう子)や1人息子と、母(樹木希林)の暮らす団地で一夜を過ごすことになる。本作の主な舞台としなったのは、是枝監督が9歳から28歳まで実際に暮らしていた東京都清瀬市の旭が丘団地。本作について是枝監督は、「登場人物は皆、“こんなはずじゃなかった”という思いを抱きながら、夢見た未来とは違ういまを生きている大人たち。映画の舞台である団地も建設された当時は思いもしなかったであろう、老人ばかりの現在を生きている。本作はそんな等身大の人々のいまに寄り添ったお話」とコメントを寄せている。コメディ、ドキュメンタリー、人間ドラマと異なったスタイルだが、それぞれの“団地”描写の中に込められた、その限られた空間にしか醸し出すことのできない日々の暮らし。まさに昭和の象徴であり、失われた家族や地域のカタチが色濃く残る“団地”。その個々の思い出や人間関係、時間と空間の“濃密さ”が、クリエイターたちを刺激し、惹きつけるのかもしれない。『団地』は6月4日(土)より有楽町スバル座・新宿シネマカリテほか全国にて公開。『桜の樹の下』はポレポレ東中野ほか全国にて順次公開。『海よりもまだ深く』は5月21日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月05日公開初日を迎えた映画『蜜のあわれ』の舞台あいさつが2日、東京・新宿バルト9で行われ、二階堂ふみ、大杉漣、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏、韓英恵、渋川清彦、石井岳龍監督が出席した。金魚の赤子を演じた二階堂は「17歳の頃に原作を読んで、ずっと『密のあわれ』を映画にしたいという気持ちでいたので、まさかこうやってお披露目する日が来るとは思いませんでした。実際に今日という日を迎えて不思議な気持ちというか、思い続けてきたものが作品になることはすごくうれしいです」と笑顔を見せた。相手役の大杉は「二階堂さんは17歳の時と仰っていましたが、私は63歳でこの本を読ませてもらいました」と笑いを誘う場面も。続けて「実は4月2日がこの映画のクランクインでした。二階堂さんと初めて初日を迎えましたが、その時に二階堂さんが赤いドレスを着ながら『おじさま』というセリフで、『赤子がいる!金魚がいる!』と思いましたよ。その一言を聞いた時に何かを味わえる感じがしましたね」と褒め称えれば、永瀬も「金魚が主役の映画は世界初だと思います。金魚をどうビジュアル化するのかと思いましたが、二階堂さんは本当に金魚なんですよ。ずっと金魚に見えてきてすごいと思いましたね」と難役に挑んだ二階堂を絶賛した。この日も金魚をイメージした赤いドレス姿を着用するなど、プロモーション活動は赤い衣装だった二階堂。「今日で赤納めというか、映画が公開されて色んな方が赤い気分で劇場を出られるんじゃないかという思いです」と語ると、「石井監督から「赤いドレス今日じゃ終わりじゃなくて、もう1年ぐらい着続けて欲しいです」とラブコール。それを受けた二階堂は「赤をもう少し着続けようと思います(笑)」と応じていた。室生犀星の小説を実写化した本作は、老人と金魚の交流を描くファンタジー。少女の姿に変ぼうする"金魚"の赤子は、一緒に暮らす老作家との恋愛を楽しんでいたが、ある時、幽霊のゆり子が現る…。
2016年04月03日女優の二階堂ふみが4月2日(土)、都内で行われた主演作<a href="">『蜜のあわれ』</a>の公開記念舞台挨拶に登壇。本作で金魚を演じた二階堂さんは、赤いドレスに身を包み「今日で私にとっては“赤納め”。赤い気分で劇場を出ていただければ」とアピールした。室生犀星が、晩年に発表した同名小説を映画化。少女の姿をした金魚・赤子(あかこ)、老作家、老作家を慕う幽霊が織りなす奇妙な三角関係を、作家の芥川龍之介と金魚売りがひそかに見つめる。舞台挨拶には二階堂さんをはじめ、大杉漣、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏、韓英恵、渋川清彦、石井岳龍監督が登壇した。17歳の頃に原作を読み、映画化を熱望していた二階堂さんは「公開を迎えて、不思議な気持ち」。赤いドレスを着てのプロモーション活動もこの日が最後になったが、石井監督から「先ほど、今日で赤納めと言っていたが、あと1年くらいは着続けてほしい」と懇願されると、二階堂さんは「じゃあ、もう少し着続けます」と赤いドレス卒業を撤回した。また、「クランクインはちょうど1年前の今日だった。現場で初めて二階堂さんとお会いして、『あっ、赤子がいる』と実感した」(大杉さん)、「赤子はプリティ」(真木さん)、「恐らく金魚が主人公の映画は世界初。二階堂さんが金魚に見えるのがすごい」(永瀬さん)、「踊りがすごくなめらか」(韓さん)と共演陣も二階堂さんの“金魚ぶり”を絶賛していた。芥川龍之介の幽霊を演じる高良さんは、「あえて幽霊は意識せず、生きている感覚を大切にした」と役作りを語り、石井監督とのタッグを重ねる渋川さんは「敬愛しています」とリスペクト。日本映画界の鬼才・石井監督は「いろんなバックボーンをもった、日本映画界を代表する俳優さんのすごみと存在感に圧倒された」と豪華なキャスト陣に感謝を示した。『蜜のあわれ』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月02日金沢三文豪の一人である室生犀星が、晩年に発表した小説「蜜のあわれ」を原作に、<a href="">『シャニダールの花』</a>などを手掛ける石井岳龍が監督を務めた<a href="">『蜜のあわれ』</a>。この度主演の二階堂ふみが演じる金魚・赤子と幽霊役の真木よう子が“金魚ダンス”を初披露するメイキング映像が到着した。赤子(二階堂ふみ)は、ある時は女、ある時は尾鰭をひらひらさせる、真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか」と奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく。そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて――。映像化は難しいと言われてきた本作に挑むのは、『狂い咲サンダーロード』『逆噴射家族』 『シャニダールの花』などの映画だけにとどまらず、PVなど様々なメディアで活躍する石井監督。キャストには、自分のことを“あたい”と呼ぶ赤子役の二階堂さんをはじめ、赤子とともに暮らす老作家役に大杉漣、怪しげな幽霊役に真木さん、金魚売り・辰夫役に永瀬正敏、そのほか高良健吾、渋川清彦らが脇を固めている。そして今回解禁されたのは、映画の中で少女の姿に変貌する金魚の赤子が、尾びれをヒラヒラさせながら、幽霊役の真木さんと共に、キュートなダンスを披露するシーン。真木さんに、二階堂さんがダンスを教えるところから始まる本メイキング映像は、二階堂さんの意見も交え、和気あいあいの雰囲気で行われている様子も映されるなど秘蔵映像となっている。時には妖艶に、そして子どもにように無邪気に飛び跳ねる赤子。ヒョンヒョンと水の中でジャンプしているような真木さんとも息のあったフリフリの“金魚ダンス”をこちらから覗いてみて。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月30日女優に対して、誰かに「似ている」などと言うのが失礼なのは承知しているが、やはりこの2人、似ている気がする。顔や演技がではない。本能的に女優であること、そして、演じるということへの魂を焦がすような激しさが…。真木よう子は「遠くはないと思いますね。“熱”という部分はどちらも持ってると思いますし、あふれるパワーみたいなものはすごく似てるし、きっと他人からはそう見えるのかなって」とうなずき、さらに付け加える。「そういえばウチの娘がね、写真を見て『ママ。このコ、ママとそっくりだね』って言ってたの(笑)」。二階堂ふみはその言葉に「それはとっても嬉しいです」と柔らかい笑みを浮かべた――。二階堂ふみと真木よう子が、それぞれ金魚と幽霊という“人間ならざるもの”を演じた映画<a href="">『蜜のあわれ』</a>がまもなく公開となる。老作家(大杉漣)をめぐり、互いを牽制し、さや当てを繰り広げ、やがてなぜか友情をはぐくむ。なんとも幻想的で美しく、儚い世界の中で、彼女たちは何を感じたのか?原作は大正から昭和にかけて活躍した作家・室生犀星(むろうさいせい)の晩年の小説。犀星自身を投影したと思しき老作家の“おじさま”と、無邪気な金魚の少女・赤子のコミカルでエロティックな恋が展開する。そこに老作家の過去の女で幽霊のゆり子も加わり、石井岳龍監督の作り出す映像世界の中で、奇妙な三角関係が展開する。実は、二階堂さんにとってこの原作小説は、17歳の時に出合って以来、映像化を望み続けてきた作品。2012年当時、発表したフォトブック「進級できるかな。」の中でも「おかっぱで赤いワンピース」で金魚を演じたいと綴っていた。「小説を読んだとき、ワケの分からない面白さを感じました。こういう“分からないから面白い”作品があってもいいんじゃないかって。石井岳龍監督の現場にも行ってみたいと思っていたので、思い続けたことが叶いました!」。二階堂さんは金魚を演じる上で、その“分からない”ことを無理に説明、解釈しようとはしなかった。「実像のない役ですし、なるべく言葉に意味を持たせたくなかったんです。意味を意識することなく、おじさまと言葉遊びをするような感覚で、好きな漫画の動きを参考にしたりしながら作っていくのが楽しかったですね」。「ワケわかんない」と感じたのは、真木さんも全く同じ。「いや、もうホントに、5~6回、読んでも分からなくて、真っ白なまま現場に行きました。ゆり子について、石井監督に言われたのは、『生きてない。でも感情を持っている』ということ。『生きている人間が出すのとは違った複雑な感情でやってくれ…』と。正直、難しかったですね」。映画の完成に二階堂さんは「感無量」と感慨を口にし、老作家と金魚の関係性に触れつつ、名だたる文豪たちの時代を生きた犀星の人生に思いを馳せる。「犀星は長く生きた人ですが、太宰に芥川しかり、すごい作品を若いうちから生み出た文士たちは、自ら命を絶っている。映画の中でも、おじさまは芥川の死について『純粋に文学的な死だったと思う』と言ってるけど、それはあの時代の犀星の気持ちがそのまま出ていると思うし、いろんな死を見送りつつ、書き続けてきた犀星だからこそ、晩年にこういう作品を書くことができたんじゃないかって思います」。真木さんも、完成した作品の中で、高良健吾が演じた若かりし芥川龍之介が登場するわずかな回想シーンが強烈に印象に残ったという。「文学小説を1ページずつめくりながら読んでるような気持ちで見てましたね。言ってみれば、全ては作家の幻想のようなところでもあって…。一番好きなのは老作家と金魚がケンカするシーンで『僕が書くことをやめたら、きみは存在しなくなるんだがね』と言うところ(笑)。作家が作家であるが故の狂気や危うさ――作家の物語を見せつけられた気がします」。作家が紡ぐことで生まれ、動き出すドラマ。それは、ある意味で男の勝手な欲望や女性に対する願望の産物とも捉えられる。それでも、二階堂さんは犀星をこんな言葉で弁護する。「犀星は、決してエゴだけで女性を理想化してない気がするんですよね…理想化してるところもあるんですけど(笑)。やはり、晩年の作品ということもあってか、理想だけでなく、そこに同じだけ“経験”があって、リアルに描かれている。そういうところが細やかで、昔の文士は違うなって思います」。「同じく」と二階堂さんの言葉にうなずく真木さん。図らずも、カウンターパンチとなり、現代の男たちの前に強烈な拳が繰り出されているのかもしれない…。逆に、時代を颯爽と駆け抜ける2人にとって、理想の女性像とは?「真っすぐに生きたい」と二階堂さんは語る。「高峰秀子さんが好きで、彼女が書かれたエッセイを読むと、芯がしっかりと通っていて憧れますね」。真木さんが続ける。「独立して強い女性を、これからきちんと日本の男が認めていくべきだなって思います。それこそ“草食系”なんて呼ばれる、つまんない男たちが多いですが、きちんと自分の足で立っている女性が本当にいい女なんだって認められる社会になってほしいです」。そう語る2人の顔は、やはり同じように熱を発し、そしてまぶしく光り輝いている。(photo / text:Naoki Kurozu)
2016年03月28日二階堂ふみが主演を務め、金魚から人間の姿に変貌する不思議な少女・赤子を熱演する映画『蜜のあわれ』。このほど、本作で文豪・芥川龍之介の“幽霊”役を眼力鋭く演じた高良健吾を、実の孫でクリエイティブ・ディレクターとしても活躍するアクタガワタカトシが大絶賛!初解禁写真とともに高良さん、石井岳龍監督からもコメントが到着した。原作者・室生犀星自身を想起させる老作家と、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚との無邪気かつエロティックな触れ合いを、妖艶な“赤”の世界の中で描き出す本作。二階堂さんが自分のことを“あたい”と呼ぶ赤子を、彼女と共に暮らす老作家を大杉漣、また老作家の過去の女の幽霊を真木よう子、そして金魚売りの辰夫を永瀬正敏が演じるなど、個性豊かな実力派が集結する。そして、室生犀星と同時代に活躍した作家・芥川龍之介もまた、幽霊役として登場する。独特の陰のある色気を漂わす芥川を演じるのは、二階堂さん共演の『ふきげんな過去』が控え、月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」での繊細で誠実な演技が高い評価を得ている高良さんだ。芥川といえば、萩原朔太郎や中原中也と並び、当代きってのイケメン文豪の一人でもある。元祖“塩顔王子”とでも呼べそうな、面長で端正な顔立ちの芥川だが、繊細なだけでなく、全てのことを見抜いていそうな鋭い眼差しも印象的だ。顎に手を当てている肖像写真はあまりにも有名だが、今回の高良さんも、芥川の繊細さの中に秘める力強さや、眼力ある涼しげな佇まい、全体から醸し出す独特なオーラまで、完璧なまでに“芥川龍之介”を熱演。SNSでは、予告編のワンカットだけでも「高良健吾の芥川はかっこよすぎる!美しい!」などと、早くも大きな話題を呼んでいる。また、芥川龍之介の実孫・アクタガワタカトシさんも、いち早く本作を観た後、祖父の役を演じた高良さんに絶賛の声を贈っている。■アクタガワタカトシ祖父である芥川龍之介は、僕の父が小さいころに既に他界しているので、あまり具体的な話を聞いたことはないのですが、この『蜜のあわれ』という作品を通して、おじいさんに会えた感じがしました。ただ、高良健吾さんの芥川龍之介は、少しカッコよ過ぎるかもしれませんね(笑)。映画は、老作家の妄想で作られた金魚の少女というファンタジックな設定ですが、次第に現実味を帯びていき、現実と夢の世界にはざまのようないるような感覚がありました。■石井岳龍監督芥川役の高良健吾さんは、控えめな優しい役もお上手ですが、彼の尖ったキャラクターがすごく好きなので、今回の役は絶対にハマると思いましたし、実際にすごくかっこよかった。■高良健吾10代のころ、監督の作品に頭を撃ち抜かれた記憶があります。監督は現場でも、とてもかっこよかった。紳士だった。ロックだった。僕は芥川龍之介の幽霊の役です。幽霊役も来るようになったかと不思議な喜びも感じました。石井岳龍監督の世界に参加できた喜びを感じています。是非。蜜のあわれ。お楽しみに。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月17日『海街diary』で第39回日本アカデミー賞「最優秀作品賞」「最優秀監督賞」を受賞した是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』。このほど、阿部寛、樹木希林、真木よう子ら豪華俳優陣が顔をそろえた本作から、“元”家族の“海よりもまだ深~い”想いが交錯するかのようなポスタービジュアル解禁となった。笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男、良多。15年前に文学賞を1度とったきりの自称・作家で、現在は探偵事務所に勤めている。元妻の響子には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木希林)だ。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなる。こうして、一夜かぎりの“元”家族の時間が始まるが…。本作は、『海街diary』で鎌倉を舞台に、面倒くさいけれどいつまでもそばにある家族の愛を描き出した是枝監督が、自身も育った団地を舞台に、“なりたかった大人”に“なれなかった”大人たちについて描く物語。今回解禁となったポスタービジュアルには、叶わぬ夢ばかり追う情けない主人公・良多を軽妙に、チャーミングに演じている阿部さんと、そんな息子を穏やかな眼差しで見つめる母・淑子の樹木さん、そして、そんな男に愛想を尽かした元妻・響子の真木さんと息子・真悟の吉澤太陽という、かつて“元”家族だった4人の姿が映し出されており、良多の実家である団地を背景に、それぞれがどこか遠くを見つめ、思いにふける表情が印象的。さらに、それぞれ微妙に異なる表情を見せる4人には、「みんながなりたかった大人になれるわけじゃないんだよ」(良多)、「月に1度の父親ごっごでよく言うわねそんなこと」(響子)、「宝くじが当たったら、みんなでまた一緒に暮らせるかなぁ…」(真悟)、「なんで男は今を愛せいないのかねぇ…」(淑子)と、“海よりもまだ深~い”想いがつまった台詞が共に添えられ、見る者をハッとさせている。台風の夜に、偶然ひとつ屋根の下に集まった “元”家族。このポスタービジュアルから、「夢見た未来と違う今を生きる」彼らが、“海よりもまだ深い”人生の愛し方をそっと教えてくれる物語に思いを馳せてみて。『海よりもまだ深く』は5月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月15日昨年BSプレミアムにて放送された「アナザーストーリーズ運命の分岐点」が、4月より再スタートすることが決定。そしてこのレギュラー放送を前に、番組ナビゲーターの真木よう子がマリリン・モンローの“知られざる戦いを”追う拡大スペシャル「マリリン・モンロー たった一人の反逆」も放送されることが明らかになった。本番組は、2015年4月よりNHKBSプレミアムにて放送されていた、誰もが知る出来事の“知られざる真相”にマルチアングルで迫る歴史教養ドキュメンタリー番組。4月のレギュラー放送を前に今回放送されるスペシャル番組は、ロサンゼルスで20世紀最大の“セックスシンボル”マリリン・モンローの知られざる真実を、実際に真木さんがロサンゼルスに行き追うというもの。1962年8月5日、36歳の若さで、ベットの上で全裸で死んでいるところを発見されたマリリン、その絢爛豪華な人生遍歴の裏側で、彼女は何と闘っていたのか。マリリンの恋人役として映画で共演した俳優ドン・マレー、マリリンの最晩年を撮った写真家など、ゆかりの人々を訪ね歩き、いまもなお世界を魅了し続けるマリリンの知られざる「光」と「闇」のアナザーストーリーを浮き彫りにしていく。また本番組では、大胆なヌードで大衆を挑発し、女優生命をかけた映画会社との闘いなど、マリリンの激動の半生に触れた真木さんが、“売れない時代の思い”や“演ずることの怖さ”、“女優としての葛藤”など、普段語ることのない想いを明かしながら進んでいくところも見所のひとつだ。今回ロサンゼルスにてロケを行った真木さんは「本当に楽しかったです。訪れたところは全部魅力的でしたが、特に印象的だったのは、実際にマリリンが眠っているお墓。それから、本場ハリウッドの映画セットの中に入ったときは感動しました」と語り、また今回のロケでマリリンについて魅力が深まったと話す真木さんは「マリリンの弱さや強さ、彼女の言葉や書いた詩、そして行動…。女優として、そして1人の女性として共感できるところがたくさんありましたし、彼女のことがより一層好きになりました。彼女にもっと寄り添いたいという気持ちが湧いてきて、ロサンゼルスを離れるときには悲しくなるほど、彼女に寄り添ったような感覚があります」と知れば知るほど魅力を深く感じるとコメントした。マリリンのゆかりの地や人々を訪ね、その光と闇を浮き彫りにしていくスペシャル番組。新たなマリリンの真実と共に、真木さんの想いも知ることができそうだ。アナザーストーリーズスペシャル 「マリリン・モンロー たった一人の反逆」は3月26日(土)21時30分~NHKBSプレミアムにて放送。「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」は4月6日(水)21時~NHKBSプレミアムにて放送開始。(cinemacafe.net)
2016年03月05日俳優の松坂桃李をはじめ、女優の真木よう子、「氣志團」の綾小路翔がいままでにない新しい姿を見せ話題となっている「キリン氷結」のTVCMだが、WEB上ではスペシャル企画として「東京スカパラダイスオーケストラ」と謎の人物「GYO」がコラボレーションしたムービーが公開。この度、その正体がさかなクンであったことが明かされ、“あたらしい”さかなクンの姿にネット上では驚きの声が上がっている。今回「GYO」として東京スカパラダイスオーケストラに期間限定コラボレーションしたさかなクンは、トレードマークであるハコフグ帽子(!?)と白衣から、「GYO」仕様のスタイリッシュな「クロハコフグ帽子」と、シックなスーツに身を包み、“あたらしい”姿を披露!普段の明るく弾けた印象から一転、「東京スカパラダイスオーケストラ」のセンターで担当楽器であるバスサックスを華麗に演奏し、いつもと違ったクールな表情を見せている。さかなクンは「中学生の頃、水槽がある部活と勘違いして吹奏楽部に入部して以来、音楽と楽器に夢中になりました。その頃から超憧れのスカパラの皆様と、お魚の名前のようなバス・サックスでギョラボさせていただけるなんて、夢のようでギョざいます。貴重なギョ機会を、ありがとうギョざいます。宝物です。これからは、氷結で新しくなったさかなクンをギョギョッと表現していきますよ。レッツ・ギョー」と“さかなクン節”全開で喜びを表した。2月20日(土)より公開されたWEBムービー「さかなクン」篇は、Youtubeで公開されるやいなや、たちまち話題となり、公開日から約4日間で180万回再生超えを記録。SNS上では「さかなクンさんの氷結のCMソングはフルバージョン、作ってくれることを望んでますw普通にかっこいいし」「どおしよさかなクンさんがかっこよすぎてもうメロメロなんですけど」「ミーハーと思われようが、カッコいいもんはカッコいい!」「さかなクンとスカパラのコラボ見てたら、また楽器やりたくなってきた~!」と、その本格的なコラボに絶賛の声が続出している。クールでスタイリッシュな“あたらしい”さかなクンを、ぜひチェックしてみて。(text:cinemacafe.net)
2016年02月23日二階堂ふみ、大杉漣、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏と個性豊かな実力派キャストで文豪・室生犀星の小説を映画化した『蜜のあわれ』。ある老作家と少女の姿に変貌する金魚との無邪気でエロティックな触れ合いを、耽美な世界観で描いた本作の衣装展の開催が決定。au「三太郎シリーズ」や『ライチ☆光クラブ』など話題作を次々手がける本作の衣装デザイナー、澤田石和寛から貴重なデザイン画とともにコメントが到着した。本作は、作者・室生犀星自身を想起させる老作家の妄想から生まれた金魚の少女・赤子が、自分のことを”あたい”と呼び、老作家のことを”おじさま”と呼んで甘えてみせる可愛らしい恋の物語。金魚から人間の姿に変貌する少女・赤子をコケティッシュかつ自由自在に演じるのは、文芸作品から少女コミック原作の『オオカミ少女と黒王子』などまで幅広い役柄をこなす、天性の演技派・二階堂さん。この赤子は、高校生のときに原作小説を読んだ二階堂さんが、映画化の際にはぜひ自身で演じたいと熱望していた役だという。また、赤子と共に暮らす老作家役を演じた大杉さんは、“作家と金魚の秘めた恋”という妄想を見事に体現。さらに老作家の過去の女である怪しげな幽霊役には真木さん、同時代に活躍した作家・芥川龍之介役には高良さん、金魚売りの辰夫役に永瀬さんと豪華な顔ぶれが、鬼才・石井岳龍監督のもとに集結した。そんな本作の衣装を担当した澤田石氏といえば、「三太郎シリーズ」CMや『ライチ☆光クラブ』『信長協奏曲』『新宿スワン』など、ヒット作に引っ張りだこの気鋭の衣装デザイナー。今回は、劇中で二階堂さんが着た衣装や写真ほか、ソファに寝そべる二階堂さんのポスタービジュアルと同じシチュエーションで写真が撮れるフォトスポット展示などが実現。二階堂さんの“赤子”衣装は13種類の赤い生地を使い、金魚の艶めかしさと純情を二階堂さんのアイディアも取り入れながら表現したという。その衣装について、澤田石氏は「金魚の赤子が産み落とされて死んでしまうまで、その時間を追う衣裳です。つまり赤子の成長が衣裳で表現されているのです。袖が伸び、スカートの丈が長くなり、次第に“赤”の面積が増え、朱赤色のシルクオーガンジーから赤黒い二色糸のシフォンへ素材の変化に合わせて“赤”がどんどんと深くなっていくのです。赤子の尾びれはスカートになっていて、3種類のスカートがありました」と明かす。さらに「ドレスだけで13種類の生地で制作しています。靴下も手袋も帽子も鞄も赤です。時代設定を追ってヴィンテージの鞄をフランスから送ってもらいました。金魚を表現するためにもうひとつ重要だったのがフォルムです。金魚のフォルムをデザインするために衣裳制作の岩崎晶子に金魚の形をおこしてもらいました。裾を軽くするなど金魚の尾鰭の動きをイメージした、柔らかいドレスにしてもらっています。素材に透ける素材のドレスを重ねることで、衣裳の輪郭に金魚の尾ひれのような印象を加えることもデザインの1つです」と語り、“赤子”を象徴するドレスへのこだわりを熱弁する。この“赤”の衣装には「男性の思考から産まれた女性の“艶めかしさと純情”を赤い色をつかって表現することができたと思います」と自信を覗かせる一方、大杉さんが演じた作家については「作家の着物は灰白色の着物で始まり、最後は漆黒まで色を深めていきます。死に向けた色として。死の色については“黒”と石井さんが口ずさんだことを覚えています。大体12色の着物があったと思います。時間を追ってどんどん作家の着物は色が濃くなっていきます」と語っている。また、二階堂さんについては、「彼女はこちらの思い描いたイメージに乗り、その上でもっと個性を強くするアイディアを出してくれる素敵な役者です。顔合わせで初めて会ったときにデザイン画をみて、『楽しみにしています』と言っていました」とコメント。「衣裳的には、『ポックリがいいと思う』とアイディアが出てきました。まだ白い生地で作成された衣裳の仮縫いを着て、「ポックリ…」と彼女が口ずさんだことを覚えています。衣裳合わせでは、1着づつ着ながら、こちらの意図を確認するようにゆっくり時間をかけて赤子のキャラクターを完成させてくれました。『蜜のあわれ』の世界観の中心に立って、赤子を体現してくれたと思います」とそのやりとりを明かし、二階堂さんの表現する姿勢に称賛を贈っている。「映画『蜜のあわれ』公開記念展示~人を好きになるということは愉しいものでございます~」は3月1日(火)~3月13日(日)まで渋谷ヒカリエ(8階)aiiimaにて開催。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月23日右手に指輪をする夫
兄の連れてきた婚約者は…
いきすぎた自然派ママがこわい