2023年3月1日 18:30
【インタビュー】『エゴイスト』鈴木亮平が見せる弱さや葛藤――「8割は自分」だからこそ伝わる生々しさと熱<ネタバレあり>
だから、先ほど言った龍太とのシーンで浩輔の顔がほとんど映っていないことも昨日の公開初日に劇場で観て、初めて気づきました。あそこで映っていたのは、まさに現場で僕が見ていた龍太の顔なので、それまではただ「そうそうそう!」って思って観ていました(笑)。
正直いうと、昨日まで、みなさんがこの映画のどこにそこまで感動してくださっているのか、いまいちピンときてなかったんですよ。僕はただ自分が生きた時間の記録を見ているような感覚で。たぶん、運動会で頑張ってる子供って自分ではただ精一杯走ってるだけで。でも、それを客観的に見る親は感動してくれていて。演技も、それに近いところがあるのかもしれませんね。
<以下、映画中盤以降のネタバレを含んだ内容となります。
未見の方はご注意ください>
役のほとんどは“自分”という感覚「それは本当に怖いこと」
――今回は公開後のインタビューということで、特に後半部分のやりとりを中心にお話を伺えればと思います。龍太の母親・妙子を演じられた阿川さんと共演されて、いかがでしたか?
素晴らしかったです。本当に自然体で、2人のシーンに関して、僕はセリフはほとんど決まっていなかったので、阿川さんが龍太の母親として投げかけてくれる言葉に自然に反応するだけでいいという状況でした。