2014年10月22日 10:00
日本と海外のドキュメンタリー番組の違いとは? "ガチの鬼ごっこ"から透けて見える課題
わずかな痕跡も見逃さない特殊部隊と、それを分かった上でトラップを仕掛けるジョエルとの緊迫した神経戦にハラハラドキドキさせられてしまった。
ところで、「鬼ごっこ」と聞いて、日本のある番組を思い浮かべた人は多いのではないか。そう、『逃走中』である。タレントたちが賞金獲得を目指して逃げ回る同番組は、あくまでバラエティ番組であり、ある程度の演出が想定され『ザ・マンハント』と比べるのはアンフェアだ。しかし、『逃走中』の制作スタッフが、『ザ・マンハント』のようなドキュメンタリーにレベルアップさせられないというのは確かだ。
両者の間にある大きな差は、察しの通りスタッフと予算。日本は撮影を手がける技術クルーの絶対数が足りない上に、何より生活がかかっているため、長期にわたる密着が難しい。「他の仕事もある中、どこまで追いかけるのか? どこでよしとするのか?」、決して「労力を惜しんでいる」というのではなく、労力に対する報酬が足りないから、結局できないのだ。
例えば、日本でもパパラッチ系カメラマンは、スクープ写真さえ撮れれば引く手あまたであり、それなりの報酬を手にできるが、ドキュメンタリー映像はいいものが撮れても、発表の場も報酬も少ない。