おうちごはん研究家の金丸利恵です。実りの秋。過ごしやすい気候で食欲がアップするのに比例して、食材も脂や甘みが増して、美味しくなります。素材の味を楽しむなら、味付けや調理方法をシンプルに。余計なカロリーや塩分をONしなくてすむのもうれしいですね。秋口になると天然物の秋鮭が店頭にならびます。産卵のために戻ってくるので、脂は多くありませんが、あっさりとして旨みがあるのが特徴です。鮭や、サバ、イワシなど魚の脂肪に含まれる「EPA」、「DHA」は、エネルギー源として優先的に使われ、体脂肪になりにくく、血液中の中性脂肪を下げるという、まさにダイエット向けの食材です。さっぱりした秋鮭はバターたっぷりのムニエルや、フライにしてタルタルソースをかけたくなりますが、ダイエットの観点だと、バター、サラダ油やマヨネーズなど、過剰になりがちな飽和脂肪酸、ω6系オイルは避けたいもの。仕上げに油をかけるなら、香りの良いオリーブ油が定番ですが、ここでオメガ3系オイルである、「アマニ油」を使ってみませんか。「アマニ油」の主成分はα-リノレン酸。体内に取り込まれると一部は「EPA」「DHA」に代わります。オメガ3系は魚離れが進み、食事からの摂取量が減少傾向にありますが、「アマニ油」「えごま油」なら、料理の仕上げにかけるだけ。「オメガ3系オイル」を、日常的に取り入れられます。注意点は、「アマニ油」は酸化に弱いので、炒める、揚げるなどはせず、料理に「直接かけて食べる」こと。そして、体に良いといっても油は1g9kcalと高カロリーなので、「1日大さじ1杯程度」を目安に使いましょう。鮭の生臭みを消すために、少量の「タイム」や「オレガノ」といったスパイスを使い、「白ワイン」をかけて蒸します。「タイム」は香りが強いので、量は少しにし、「オレガノ」や「バジル」など、同じく香草とブレンドするとマスキングされて香りが柔らかくなります。もし、香草がない、という場合は、黒コショウでもOKです。仕上げに、「アマニ油」とともに、「レモン」や「カボス」などの果汁をかけると、胃酸の分泌が行進し、消化を助け美味しく召し上がることができます。また、柑橘に含まれる「クエン酸」はエネルギー産生を助け、代謝UPにも繋がります。■秋鮭と野菜の包み蒸し 柑橘添え調理時間 20分レシピ制作:金丸 利恵<材料 2人分>生鮭 2枚 塩 小さじ1/3 コショウ 適量キャベツ 2~3枚エリンギ 1本サツマイモ 1/4本 塩 小さじ1/3 白ワイン 大さじ2 タイム(ドライ) 少々 オレガノ(ドライ) 少々カボス 適量アマニオイル 小さじ2<下準備>・キャベツは洗い、芯だけ切り取る。芯は薄切り、葉は1cm幅の短冊切りにする。・エリンギは横半分に切り、5mm幅の薄切りにする。・サツマイモは皮を洗い、5mm幅の輪切りにする。水にさらし、アクをぬく。・カボスは輪切りにする。<作り方>1、生鮭はペーパータオルで表面の水分を拭きとる。<A>を両面にふり、下味をつける。2、オーブン用シートを30×40cmくらいに切り広げる。中央にキャベツ、エリンギ、サツマイモを並べ、<B>の半量を上からふる。同様にもう一枚、同じように作る。3、上に(1)をのせ、<C>の白ワインを大さじ1ずつかける。タイムとオレガノを混ぜ合わせ、少々ふる。4、オーブン用シートの手前と向こうを合わせ、2~3回折る。両端をひねって閉じ、包む。フライパンに並べたら、分量外の水70~100mlを鍋肌から注ぐ。5、蓋をして強火にかける。フライパンの中の湯が沸騰してきたら、中火にして、10分そのまま蒸す。途中で水がなくなったら、少しずつ足してください。6、蒸し上がったら、皿にうつし、オーブン用シートを開く。カボスをのせ、アマニオイルをかける。秋はユズやカボスなど、いろんな柑橘類が出回るので、調味料として使ってみてはいかがでしょうか。▶︎ 【コロナ太り解消 ダイエットレッスン】一覧はこちら>>
2020年10月22日大分といえば湯布院や別府といった湯どころで有名。でも実はそれだけじゃない。同県は全国でも有数のかんきつ類の産地なのだ。今回は、カボスや柚子(ユズ)といったかんきつ類をふんだんにつかった絶品スイーツをご紹介しよう!湯布院の温泉街にひっそりと佇(たたず)む、山荘無量塔(むらた)。古民家を再生し、和モダンを基調とした全室離れの宿として、全国から注目を集めている。周辺には関連する美術館やカフェなどが集まり、その独特な世界観を楽しめるエリアだが、そのなかのひとつ、チョコレートショップtheomurata(テオムラタ)が販売しているのが、この「柚子トリュフ」。「湯布院には『柚子煉り』という郷土菓子があるんですが、それを使って大分らしいお土産ができないか、と思って作り始めたんですよ」とtheomurataのスタッフ、星隈武将さん。ほろ苦いショコラに包まれた柚子煉りは、まるで柚子のコンフィチュールのよう。ふんわりと柚子の香りが広がり、スッと口の中で溶ける。甘さ控えめな大人の味わいだ。併設のカフェでも出されているとのことなので、湯布院を訪れた方、ぜひムード満点のカフェでも味わってほしい。大分で大人気の水族館「うみたまご」などの、テーマパークで販売するお土産も手がける「イマジン」が、満を持して開発したオリジナル商品が「みかんの花咲くころ」。大分産の米粉を使用したスポンジ生地の中には、同じく大分産温州みかんを使ったジャムがたっぷり。酸味の利いたジャムとほろ苦いオレンジピールが甘いスポンジと相まって、絶妙なバランスだ。商品開発部の友領太さんによると、「冷蔵庫で冷やしていただくのもいいですし、トースターで軽く温めて食べるのもおいしいです。異なるふたつの食感を楽しんでください」とのこと。アドバイス通り、早速試してみると……冷やした方は、なめらかさともっちりとした食感が強まり、米粉ならではの特徴が引き出された感じ。温めた方はバターの香りが引きたって、スポンジのふわふわ感がぐっと増している。ひとつで2度楽しめる「みかんの花咲くころ」に、筆者もすっかりハマってしまった。2010年4月の発売以来、じわじわとファンを増やし続けているのが「豊後橘本舗」の「香慕寿(かぼす)凛」。そのルーツは昭和52年(1977)にまでさかのぼる。皇太子殿下、現在の天皇陛下が大分を訪れた際に、割烹料理の一品として献上されたというカボスの甘露煮。その後も割烹で出されてきたその甘露煮を、お店以外でも楽しんでもらえるように、と開発されたのが「香慕寿 凛」だ。「これはカボスが皮も含めて丸ごと入っているので、皆さん驚かれますね」とは総務企画課の合澤敦志さん。しかもこのカボス、蜜と一緒に炊いて火を通してあるにも関わらず、まるで生のように鮮やかな緑色だ。それを実現させている技術については、残念ながら「企業秘密」とのこと。合澤さんいわく、「冷凍庫で凍らせて半解凍状態で食べると、食感が変わってまたおいしいですよ」。これからの季節はこたつで暖まりながら、この「香慕寿 凛」を味わいたい。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月10日