米ドキュメンタリー視聴率NO.1を獲得した、ドキュメンタリー番組「ジャネット・ジャクソン私の全て」がCSヒストリーチャンネルにて6月12日(日)放送。この度、本日5月16日(月)ジャネット・ジャクソン本人の誕生日を記念し、本作の第1話から自身の生家を兄ランディと訪れる本編の貴重映像の一部と、新画像2点が初解禁された。アメリカのポップカルチャーを変えた伝説のシンガー“ジャネット・ジャクソン”が全てを語る本作。5年の歳月をかけて制作され、これまで語られることのなかったジャネットの50年余りの人生を、本人と著名な友人たちが語る完全保存版ドキュメンタリー。ジャネットが初めて語る複雑な幼少期、兄弟や親との関係、兄マイケルとの想い出。全盛期の未公開映像や、最も世間で話題になった瞬間映像をふり返りながら語るシンガーとしてのキャリア、そして、母となってからの人生観の変化など。これまでメディアに多くを語らなかったジャネットが、これほどまでに自身を解放したことはなく、彼女の口から語られるその半生は彼女自身の歴史のみならず50年間のアメリカのポップカルチャーを映し出す。今回解禁されたシーンはジャネット本人と、兄ランディ・ジャクソンがいまも残されている生家を訪れる貴重映像。生家はジャクソン通りという道路の近くに建っており、ジャネットは「私たちが由来だと思われているけど、もとからこの名前よ」と説明。兄ランディは生家の前で、「よくこの道で遊んだ。とても懐かしい。ジャネットとは特別に仲がよかった」と当時の様子を笑いながら懐かしむ。ジャネットも「ケンカしたし、からかわれたけど仲よしだった。ランディにマイケルと私。3人トリオだったのよ」と、彼女の印象も兄とまったく同じく仲が良かった様子。その後、家の前でジャネットは兄ランディと合流し、当時まだ小さく記憶が曖昧なジャネットのためにランディが家の詳細を説明する。「62平米くらいかな。9人兄弟でね。それに加えて両親。子供の頃は広く感じたな。ここで育ち遊び音楽を奏でた。この家が出発点だ」という説明に、ジャネットは感慨深い表情を浮かべ「かわいい家よね」とつぶやく。そして家の中へと入っていく2人。ジャネットは早速「びっくりするくらい狭いわ」と驚いた様子。ランディはこの狭い家でみんながどのようにして寝ていたか説明してくれる。「ここにソファがあって、女の子3人はここで寝てた」と語り、そこにジャネットの姉リビー・ジャクソンのインタビューコメントが入り「わたしが16歳の時、彼女が生まれた。妹ができて本当に嬉しかった。男の子たちは偉ぶるからもう一人妹が欲しかったの」と笑いながら当時の気持ちを語る。ジャネットとランディは部屋の中を進み、残り6人の男の子の子ども部屋を訪れる。「こっちが僕らの部屋。3段ベッドがあったんだ。ジャッキーが下で、マーロンと僕とマイケルが真ん中、残り2人が上だ」それを聞いてジャネットは「3人が1段に寝てたの?」と驚く様子も。自身のルーツに触れた貴重な映像となっている。「ジャネット・ジャクソン私の全て」は6月12日(日)~毎週日曜20時よりCSチャンネル「ヒストリーチャンネル」にて放送(全4話)。(text:cinemacafe.net)
2022年05月16日東出昌大「殺生するだけの価値が自分にあるんだろうかって……」山で虚空を見つめながら呟く東出昌大。3月21日にスペースシャワーTVで放送された『24hour MOROHA“単独”武道館』という番組で、東出と2人組の音楽ユニット・MOROHAによるドキュメンタリー作品が制作中だと発表された。「東出さんは、昔からMOROHAの大ファンで、メンバーとの親交もあるようです。かつてバラエティー番組で彼らを紹介したり、MVに出演したこともあります」(芸能プロ関係者)今年2月、東出は所属事務所との契約を解除されている。「’20年の唐田えりかさんとの不倫騒動後も所属事務所は彼をフォローしてきましたが、その後も女性関係の報道が続いたことで《これ以上共に歩くことはできない》と事務所が異例のコメントを出して、契約解除に至りました」(スポーツ紙記者)事実上の“クビ”となった東出が再起を図るドキュメンタリー作品のテーマは“狩猟”。制作途中の動画では、猟銃で撃ち、仕留めた鹿を東出が背負って歩く姿もあった。命が消える瞬間を目にして「東出さんが狩猟を始めたきっかけは、’17年に出版した『西から雪はやって来る』という写真集の中で、狩猟シーンの撮影をしたことだったそうです。今ではひとりで山に向かうほどです。東出さんのように、わな猟ではなく猟銃を扱う場合は、狩猟免許とは別の許可も取得しなければならず、費用は概算で10万円以上かかります。ちなみに杏さんも’15年に狩猟免許を取得しています」(広告代理店関係者)“狩猟ドキュメンタリー”の内容について、監督を務めたエリザベス宮地氏が週刊女性に話してくれた。「東出さんの生きる姿勢と、MOROHAの音楽が共鳴するような作品を目指しています。“なぜ東出さんは狩猟をするのだろう”ということが制作のきっかけで、ドキュメンタリーのベースはその問いとなっています」東出の起用を前提とした企画だったと明かす。撮影に参加した猟師兼料理人の阿部達也さんも、こう語る。「東出さんとは、’17年の写真集の撮影で知り合って、今回も本人から連絡をもらって、同行しました。彼はとてもまじめな青年で、“獲った動物を自分で料理したいので、教えてほしい”と言われました。“釣り”の延長で狩猟を始める人も多いのですが、彼は“ゲームとして楽しむのではなく、命に向き合いたい”と話していました」ひと呼吸置いて、阿部さんは続ける。「写真集の撮影で、東出さんは“命が消える瞬間”を初めて目にしたイノシシを、自らさばいて食べました。思うところがあったようで、そのときに私が“猟師になるか?”と聞いたら“なりたいです”と答えていました」’20年に杏と離婚し、今や事務所からも離れて四面楚歌になった彼にも、手を差し伸べる人はいるようだ。こうした“恩人”たちに、東出は自分の価値を見せることができるのか。
2022年03月31日LiSAの10周年プロジェクトに密着したドキュメンタリー『LiSA Another Great Day』が、2022年秋にNetflixで独占配信されることが決定した。本ドキュメンタリーは、日本人ソロアーティスト初のNetflixオリジナル作品として配信され、昨年4月より続くLiSAのソロデビュー10周年企画“LiiiiiiiiiiSA”(10周年を記念して、LiSAが贈る10個のi=愛)を締めくくる企画。ソロデビュー10周年の日々に密着し、ここでしか見れないLiSAの素顔に迫るドキュメンタリー映像になっている。LiSAは、3月30日に自身のインタビューと連載を一冊にまとめた『10th Anniversary Complete Book LiS"A"ni!』を、4月13日にライブBlu-ray / DVD『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』をリリース。また、4月にはライブ『LiVE is Smile Always~Eve&Birth~』の開催を控えている。■佐渡岳利監督 コメントLiSAさんはトップスターですが、日常は不安で仕方ないごく普通の人間です。仕事をする時なぜかご本人にトラブルが起るのですが、それを克服し日々成長を続ける姿にはいつも共感させられます。そんな彼女の素顔を世界のNetflixメンバーにシェア出来るのは私の大きな喜びです。<番組情報>Netflixドキュメンタリー『LiSA Another Great Day』2022年秋 Netflixにて全世界独占配信出演:LiSA監督:佐渡岳利詳しくはこちら:<リリース情報>『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』2022年4月13日(水) リリース●完全数量生産限定盤 ※スペシャルBOX仕様(Blu-ray+ライブCD+オリジナル卓上カレンダー+ライブフォトブックレット)価格:11,000円(税込)『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』完全数量生産限定盤ジャケット●初回仕様限定盤(Blu-ray)価格:8,800円(税込)●初回仕様限定盤(DVD)価格:8,800円(税込)※在庫が無くなり次第「通常盤」に切り替わります。『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』初回仕様限定盤ジャケット『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』通常盤ジャケット【映像収録内容】※全形態共通■2021年2月22日(月) Zepp Haneda(TOKYO)M01. ASHM02. 紅蓮華M03. BRAND NEW YOUM04. 変わらない青M05. 蜜M06. シルシM07. 炎M08. unlastingM09. dawnM10. unlasting shadow medley ※M11. Rally Go RoundM12. やくそくのうたM13. ハウルEn1. サプライズEn2. best day, best way※unlasting shadow medley1. KiSS me PARADOX2. sweet friendship3. オレンジサイダー4. 妄想コントローラー5. say my nameの片想い6. 1/f7. リングアベル8. LOVER“S”MiLE【ライブCD収録内容】※完全数量生産限定盤のみM01. ASHM02. 紅蓮華M03. BRAND NEW YOUM04. 変わらない青M05. 蜜M06. シルシM07. 炎M08. unlastingM09. dawnM10. unlasting shadow medley ※M11. Rally Go RoundM12. やくそくのうたM13. ハウルEn1. サプライズEn2. best day, best way※unlasting shadow medley1. KiSS me PARADOX2. sweet friendship3. オレンジサイダー4. 妄想コントローラー5. say my nameの片想い6. 1/f7. リングアベル8. LOVER“S”MiLE【応募封入特典】完全数量生産生産盤と初回仕様限定盤のパッケージに同封されている応募はがきからご応募いただいた方の中から、抽選で下記賞品を差し上げます。A賞:LiSA直筆サイン入り『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』ポスター(100名様)B賞:LiSA直筆サイン入り『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』オフィシャルライブグッズ(10名様)応募締切:4月24日(日)まで【店舗別先着購入者特典】■オリジナルA5クリアファイル・Sony Music Shop・ANIPLEX+・タワーレコード全店(オンライン含む / 一部店舗除く)・HMV(一部店舗除く)/ HMVオンライン・TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)およびTSUTAYAオンラインショッピング・WonderGOO / 新星堂全店(一部店舖除く)および新星堂WonderGOOオンライン・全国アニメイト(通販含む)・ゲーマーズ全店(オンラインショップ含む)・とらのあな全店(一部店舗除く)・通信販売・ソフマップ・アニメガ(一部店舗除く)・楽天ブックス・セブンネットショッピング・Joshinディスクピア(Joshin webショップ含む)■Amazon.co.jp購入特典『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』ロゴトートバッグ(A4サイズ)※特典は無くなり次第終了となります。※一部の店舗では取り扱っていない場合がございますので、詳細は各CDショップにお問い合わせ下さい。『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~ at Zepp Haneda (TOKYO) 』店舗別特典一覧予約リンク:『明け星 / 白銀』アナログ盤発売中価格:2,500円(税込)※完全生産限定盤LiSA『明け星 / 白銀』アナログ盤ジャケット(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable【収録内容】■A面M1. 明け星(作詞・作曲・編曲:梶浦由記)M2. 白銀(作詞・作曲・編曲:梶浦由記)■B面M1. 明け星 -Instrumental-M2. 白銀 -Instrumental-M3. 明け星 -TV ver.-M4. 白銀 -TV ver.-購入リンク:『LADYBUG』アナログ盤発売中価格:3,300円(税込)※完全生産限定盤LiSA『LADYBUG』アナログ盤ジャケット【収録内容】■A面M1. RUNAWAY(作詞:LiSA 作曲:LiSA 編曲:PABLO a.k.a. WTF!?)M2. Another Great Day!!(作詞:LiSA 作曲:TAK MATSUMOTO 編曲:TAK MATSUMOTO、YUKIHIDE "YT" TAKIYAMA)M3. サプライズ(作詞:LiSA 作曲・編曲:高橋浩一郎(onetrap))4. GL(作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ 編曲:女王蜂、塚田耕司)■B面M1. ViVA LA MiDALA(作詞:LiSA、MAH 作曲:MAH 編曲:MAH)M2. ノンノン(作詞:北川悠仁、LiSA 作曲:北川悠仁 編曲:野間康介(agehasprings))M3. Letters to ME(作詞:LiSA 作曲:LiSA 編曲:下村亮介(the chef cooks me))購入リンク:<ライブ情報>LiSA『LiVE is Smile Always~Eve&Birth~』■「the Eve」4月12日(火) 福岡サンパレスホテル&ホール開場 17:30 / 開演 18:304月28日(金) 仙台サンプラザホール開場 17:30 / 開演 18:30■「the Birth」4月19日(火)・20日(水) 日本武道館開場 17:30 / 開演 18:30特設サイト:<商品情報>『10th Anniversary Complete Book LiS“A”ni!』2022年3月30日(水) 発売初回生産限定版:4,950円(税込)通常版:4,070円(税込)判型:書籍 / 縦297ミリ×横235ミリ発行・発売:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ『10th Anniversary Complete Book LiS"A"ni!』初回生産限定版スリーブケース【店舗別特典】アニメイト:クリアファイル(撮りおろしフォトA使用)ゲーマーズ:ブロマイド(撮りおろしフォトB使用)タワーレコード:ポストカード(撮りおろしフォトC使用)Amazon.co.jp:メガジャケ(表紙フォト使用)※MUSICストア内【Amazon.co.jp 限定】商品にのみ同封されています楽天ブックス:ブロマイド(撮りおろしフォトD使用)※特典は数に限りがございます。なくなり次第終了となります。関連リンクLiSA Official Website: Official YouTube: 10周年特設サイト:
2022年03月25日歌手のLiSAに密着したドキュメンタリー『LiSA Another Great Day』が、今秋にNetflixで全世界独占配信されることが25日、わかった。アニメ『鬼滅の刃』の主題歌「紅蓮華」や「炎」をはじめ多くのヒット曲で、日本のみならず世界にもファンを持つLiSA。日本人ソロアーティストとして初のNetflixオリジナルドキュメンタリーとなる同作は、LiSAの10周年の日々に密着し、昨年4月から始動したプロジェクト「LiiiiiiiiiiSA」の締めくくりとなる企画。様々な現実をつきつけられ失敗を重ねながら歩んできたLiSAの山あり谷ありの軌跡を踏まえながら、LiSAの根幹をなす「楽曲」と「ライブ」が生み出される創作の現場で素顔に迫っていく。
2022年03月25日アニメーションドキュメンタリー映画『FLEE フリー』が、2022年6月10日(金)に公開される。第94回アカデミー賞国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞ノミネート作品。ある青年が祖国からの脱出を語るドキュメンタリーアニメ映画『FLEE フリー』は、アフガニスタンで生まれ育ち、デンマークへと亡命した研究者アミンが、20年以上も抱え続けていた秘密を、親友である映画監督に初めて打ち明け、語るドキュメンタリー。主人公アミンをはじめ、周辺の人々の安全を守るため、ドキュメンタリーでありながらアニメーション作品として制作された。タリバンとアフガニスタンの恐ろしい現実や、祖国から逃れて生き延びるために奮闘する人々の過酷な日々、そして、ゲイであるひとりの青年が自分の未来を救うために過去のトラウマと向き合う物語を、アニメーションだからこそ再現できたアミンの過去の実景と繊細な心情描写とともに紡いでいく。<映画『FLEE フリー』あらすじ>アフガニスタンで生まれ育ったアミンは幼いある日、父がタリバンに連行されたまま戻らず、残った家族とともに命がけで祖国を脱出した。やがて家族とも離れ離れになり、数年後たった一人でデンマークへと亡命した彼は、30代半ばとなり研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていた。だが、彼には恋人にも話していない、20年以上も抱え続けていた秘密があった。あまりに壮絶で心を揺さぶられずにはいられない過酷な半生を、親友である映画監督の前で、彼は静かに語り始める…。第94回アカデミー賞3部門にノミネート映画『FLEE フリー』は、ドキュメンタリー、アニメーションというジャンルの垣根を越えて、各国の賞レースを席巻。2021年のサンダンス映画祭にてワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の最高賞であるグランプリを獲得、アヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞。第94回アカデミー賞では、史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートを果たしており、受賞にも期待がかかっている。個人的でありながら世界の人々に響く物語映画『FLEE フリー』が伝えるアミンの物語は、非常に個人的なものでありながらも、紛争、難民、人種差別、LGBTQ+など現代社会を覆う数々のテーマが内包されている。自身も迫害から逃れるため、ロシアを離れたユダヤ系移民であるヨナス・ポヘール・ラスムセン監督は、「難民であることはアイデンティティではありません。それは誰にでも起こりうる状況です。アミンは難民ですが、彼はそれだけではありません。彼は学者であり、家の所有者であり、夫なのです」とコメント。痛ましい争いや権力による武力行使が起こる今の世界において、アミンの苦しみは対岸の火事ではなく、いつか我々の身にも起こるかもしれない物語として世界中の人々の胸に響く。なお、製作総指揮は、『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』でムスリムとして初めてオスカー候補となったリズ・アーメッドと、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のニコライ・コスター=ワルドーの2人。アミンの物語に心を打たれた2人が、エグゼクティブプロデューサーとして『FLEE フリー』をサポートしている。【詳細】映画『FLEE フリー』公開時期:2022年6月10日(金) 新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国公開監督:ヨナス・ポヘール・ラスムセン脚本:ヨナス・ポヘール・ラスムセン、アミン・ナワビ製作プロダクション:Final Cut for Real製作総指揮:リズ・アーメッド、ニコライ・コスター=ワルドー英題:FLEE製作国:デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フランス合作言語:デンマーク語、英語、ダリー語、ロシア語、スウェーデン語日本語字幕:松浦美奈後援:デンマーク大使館配給:トランスフォーマー■ムビチケ発売日:4月22日(金)・通常版 1,500円 ※数量限定、取扱有無は各劇場まで問い合わせ。・チャリティ付特製大きめエコバッグセット 2,000円 ※メイジャー通販サイト限定、売上から1枚につき500円が国連UNHCR協会に寄付。
2022年03月06日娘をお風呂に入れる山奥ももこさんとアツシさん(『ザ・ノンフィクション』より抜粋)2月20日に放送された『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)の「山奥ニートの結婚~一緒に赤ちゃん育てませんか~」がネット上で“炎上”している。同番組の舞台は、最寄駅から車で2時間の場所にある和歌山県・田辺市の集落にあるシェアハウス『共生舎』。社会や家族から距離を置いた20~30代の“山奥ニート”たちが、互いの人生に干渉せずに共同生活を送る姿を描いたドキュメンタリーで、今回は30代のももこさんと20代のアツシさんという住人同士の結婚・出産がメインで取り上げられた。“育児を他人任せにしている”との批判「もともと法律事務所で事務の仕事をしていたももこさんは、かつて愛し合っていた夫婦が、離婚問題でいがみ合う姿を目の当たりにして、人間を信じられなくなり、『ひっそりとどこか遠くで静かに暮らしていけたら』と、山奥ニート生活を始めたそうです。普段、『散歩して、散歩に疲れたらマンガを描く』という自由気ままな暮らしをしている彼女にとって、妊娠と出産は、“現実に向き合わなければいけない出来事”という描かれ方をしていました」(テレビライター)その中で、ももこさんは、共生舎での子どもを育てたい理由について「子育てが大変だから面倒を見きれない分は他の住人にも見てもらえるかなって」「10人いれば誰かしらヒマな人がいるから」と説明。こうした態度が一部の視聴者の目に、「母親としての責任感に欠けると映り、物議を醸した」(同・前)というが、隣の山の限界集落に住む86歳の女性・中岡さんへの言動が、炎上をさらに加速させたようだ。直売所でももこさんと知り合ったという中岡さんは、彼女の婚姻届の証人にもなった人物。ももこさんはこれまで何度も中岡さん宅に宿泊するなど、「お世話になっている」と語っていた。「ももこさんは産後の肥立ちが悪く、代わりにアツシさんが家事と育児に奮闘していました。そんな中、赤ちゃんを見に共生舎にやって来た中岡さんの目の前で『(赤ちゃんの)お風呂誰か手伝ってくれる人いないかな?』と頼るシーンが、一部視聴者の間で“育児を他人任せにしている”と受け取られてしまったのです。それに拍車をかけたのは、ももこさんが赤ちゃんの名づけに、中岡さんの名前『カヨ』を拝借したこと。中岡さんの困惑しきりというリアクションも相まって、『子育ての責任を中岡さんに押し付けようとしている』と感じた視聴者もいたようです」(同・前)中岡さんは、共生舎を後にする際、「放っといてくるのが(胸が痛い)」「誰のせいでもないでしょうけどね あの子らの選んだ道やろうけど やっぱり見てたら」「新米(ママ)でも ももちゃんがもうちょっとね 動ける状態やったらいいんやけど」と涙を流しており、「山奥ニートのシェアハウスという特殊な環境での子育てを心配している様子だった」(同・前)という。また、後日ももこさん一家を7日間自宅に泊まらせた際には、アツシさんからの「山奥にある共生舎を出て、町の近くで暮らす」という提案に、「子育てが大変になる」と難色を示したももこさんに対し、「しんどいのも含めて子育てと思ってるから」「ももちゃんは自分を中心に動いているから だから『しんどい』って言えるの」と指摘。山奥ニート側の反論続けて「一番苦しい時に見てくれるのは(住人ではなく)旦那さん」「それを考えたらもうちょっと、自分が楽したいって考えるんじゃなくて 大事な赤ちゃんと支えてくれる旦那さんを見守る、愛してるのを精一杯出したらどうかな」と助言したのだ。「中岡さんからの激励を受けたこともあり、ももこさんがゆっくり育児に向き合い始めたとして、番組は大団円を迎えました。しかし、番組では終始、ももこさんが他人頼りの自己中心的な“甘ちゃん”に描かれていたため、放送後もSNSでは痛烈な批判の声も見受けられます」(テレビ局関係者)SNSで今回の放送内容についてのコメントを確認してみると、≪他力本願過ぎて見てて怖いんだよね≫≪育児放棄しかねんだろ≫≪子供はペットではない≫≪善意の搾取っていうのはこうゆうことを言うんだよね≫といった、ももこさんの行動や言動を非難するコメントが多く見受けられた。また、ももこさんが自身のTwitterに投稿していたエッセイ漫画も、放送後やり玉に挙げられたという。「中岡さん宅に宿泊した際のエピソードがまとめられた漫画には、『(ネットが通じていないため)2泊が限界でした』『(夕食に続いて翌日の朝食にカニが出されたので)ちょっと飽きました』など、素直な感想がつづられているのですが、SNS上ではももこさんに『ひどい』『中岡さんがかわいそう』などとブーイングが集中。さらに、クラウドファンディングで赤ちゃんの養育費を募っていることも物議を醸しています」(同・前)そんな中、共生舎の理事を務め、同番組にも出演していた石井あらた氏が、「葉梨はじめ」名義のTwitterで、番組の演出について反論を展開したのだ。≪ももこさんが産後動けなくなってたのは事実なんだけど、身体に大きなダメージ受けている瞬間をピックアップして、それをなにかのメッセージや結論に結びつけるのは間違ってる≫また、一部視聴者からの「ももこさんが他人に育児を押し付けている」といった批判に対しても、≪ももこさん、ずっと子供と一緒にいて世話してるよ。疲れてるだろうと思って「2時間くらい見てましょうか」と声かけても、「この子見てるのが映画見るより面白くて」って言ってた≫と、番組では取り上げられなかった育児事情を明らかにしている。「編集がおもくそ嘘でした」「石井氏は、≪1年くらい取材に協力してきた結果がこれなので、正直ショック大きい。精神衛生に悪いと思っても、なんでかエゴサしちゃうのよ…。この一週間ずっと》ともツイートしていますし、今回の放送内容は、極めて不本意なものだったのでしょう。制作側が、ももこさんを未熟な存在として強調していたのは明らかで、例えば妊娠中の彼女が、共生舎での子育ての展望を語るシーンでは『そんなふうにうまくいくのでしょうか。ちょっと人頼みにも見えるももこさんが心配です』とナレーションが入っていましたし、産後のももこさんが中岡さん宅に宿泊したシーンでは、『料理もすべて中岡さんの手作りです』と説明が入ったほか、アツシさんに皿洗いを任せる様子も映されていました。こうした演出によって、SNS上でももこさん批判が巻き起こり、さらに共生舎のイメージダウンにもつながりかねないとあって、関係者は悔しい思いをしているのでは」(同・前)『ザ・ノンフィクション』をめぐっては、過去に何度もやらせや過剰演出問題が物議を醸してきた。「マキさんの老後」シリーズの主人公・女装のゲイ「マキさん」と男装のレズビアン「ジョンさん」夫婦は、2020年7月に『週刊女性』で同番組のやらせについて告発している。「スタッフから、とにかく“ケンカしてください”と言われ、ケンカするまで帰ってくれないから早く帰ってほしくてケンカをしていた……という明らかなやらせのほか、マキさんがジョンさんと言い合いになった際、ワイングラスを割ったような演出をされたと、過剰演出の実態まで暴露したのです。『マキさんの老後』は人気シリーズだけに、衝撃を受けた視聴者も多かったのではないでしょうか」(同・前)2020年1月放送の「私って嫁ですか 妻ですか ~農家に嫁いだ友紀子の結婚~」の主人公・友紀子さんも、放送後に「ザ・ノンフィクションに出演してみてわかったこと」というYouTubeにアップした動画内で、「編集がおもくそ嘘でした」と放送内容に反発した。「農家に嫁いだ友紀子さんは、農家の仕事そっちのけで婚活事業に邁進している女性なのですが、婚活応援バーの経営に失敗したため、妊活を始めた……という描かれ方をしていました。しかし実際には、以前から妊活をしていたといい、『100倍ダメな奴に描かれた』と恨み節。こうした編集のせいで『こんな奴に子どもは育てられない』と批判されてしまったそうです」(ウェブライター)過去にこうした問題が浮上している『ザ・ノンフィクション』だけに、今回も過剰演出疑惑が拭いきれないところだ。「『マキさんの老後』シリーズも担当した『ザ・ノンフィクション』の元チーフプロデューサーである張江泰之氏は、ウェブメディア『#SHIFT』のインタビューで、同番組を『市井の人々がもがき苦しみながら今を生きる姿を追いかける番組』と表現していました。視聴者に、出演者の“もがき苦しむ姿”を見せたいがために、演出がどんどん過剰に……なんてことにならなければよいのですが」(前出・テレビ局関係者)反響の大きい作品はシリーズ化されることも多い『ザ・ノンフィクション』だが、「山奥ニート」はこれっきりとなってしまうのだろうか……。
2022年02月23日乃木坂46の5期生が出演するドキュメンタリー映像の第1弾が公開された。2月2日から新メンバーの情報が公開された途端、連日Twitterでトレンド入りするなど大きな反響を呼んでいる5期生メンバー。公開された映像は、3月23日にリリースされる乃木坂46のニューシングルに収録される特典映像「5期生ドキュメンタリー」の一部で、井上和、一ノ瀬美空、菅原咲月、小川彩が出演。地元の思い出の地を巡るメンバーやオーディションに応募した理由を語るメンバーなど、5期生個人個人のバックグラウンドに迫った内容となっている。なお本日2月18日には、冨里奈央、奥田いろは、中西アルノ、五百城茉央が登場するドキュメンタリー映像の第2弾が公開される。乃木坂46 5期生ドキュメンタリーダイジェスト映像 第1弾<リリース情報>乃木坂46 29thシングル『タイトル未定』2022年3月23日(水) リリース特典映像:5期生ドキュメンタリー※学業の都合で、一部収録されないメンバーがいます<イベント情報>お披露目イベント『5期生お見立て会』2月23日(水・祝) 11:00~ YouTubeチャンネル「乃木坂配信中」で配信される「乃木坂46時間TV」内にて開催関連リンク乃木坂46 公式サイト乃木坂46 Twitter乃木坂46 Instagramチャンネル「乃木坂配信中」
2022年02月18日いつの時代も、大きな関心を集めるものといえば、グルメに関する話題。そこで、破格の値段で取引されることもある“世界最高級食材”として注目を集めている白トリュフの知られざる真実に迫ったドキュメンタリーをご紹介します。『白いトリュフの宿る森』【映画、ときどき私】 vol. 456北イタリアのピエモンテ州でささやかれていたのは、夜になると白トリュフを探しに出かける妖精のような老人がいるという“言い伝え”。人の手によって栽培が行われたことがないアルバ産の白トリュフは、なぜそこに育つのか解明されていなかった。危険が多い森の奥深くで、訓練された犬たちとともに伝統的な方法で白トリュフを探す老人たち。まるで宝探しをするように楽しんでいたが、近年は気候変動や森林伐採によって収穫量が減少していた。トリュフが実る場所を決して誰にも明かさない彼らの“秘密”とは……。サンダンス映画祭を皮切りに、世界有数の映画祭で“異彩を放つドキュメンタリー”として大きな話題となった本作。今回は、舞台裏を知り尽くすこちらの方々にお話をうかがってきました。マイケル・ドウェック監督 & グレゴリー・カーショウ監督2018年の『THE LAST RACE(原題)』以来、2度目の共同監督を務めたドウェック監督(写真手前・右)とカーショウ監督(同・左)。謎に包まれていたトリュフハンターたちの日常に迫るため、3年もの歳月をかけたおふたりに、撮影秘話や現在取り組んでいる新たなプロジェクトについて語っていただきました。―家族にさえトリュフの場所を教えないほどの秘密主義であるトリュフハンターたち。そのコミュニティに部外者が入り込むのはかなり大変だったと思いますが、どのようにして彼らの信頼を勝ち取ることに成功したのですか?ドウェック監督まず言えるのは、ワインとエスプレッソはかなり飲んだということですね(笑)。というのも、ここではすべてのことが秘密なので、街に2軒ほどしかないレストランに通うところから始めたからです。メニューに載っているトリュフをどのハンターから仕入れているのかを尋ねても、最初は「父親の代から40年以上の付き合いだが、トリュフハンターには会ったことがない」と言われてしまうほどでした。―なかなか厳しい対応ですね。実際、彼らはどうやって取引しているのでしょうか。ドウェック監督夜中にお金を入れた木箱を外に出しておくと、朝には魔法のようにトリュフが入っているそうです。その後、店主が司祭をしているいとこなら何か知っているかもしれないからと紹介してくれました。そこで、「カルロという人が教会に来るときはいつもトリュフの匂いがするから彼がハンターじゃないかな」という情報を得て、今度はカルロを紹介してもらったのですが、彼からは「僕は違うけど、あの人が怪しいかも」と言われてしまったんです。そんな状況が3~4か月ほど続きましたが、それでも諦めずにいろいろな方に話を聞き続けました。その間はカメラを出さずに、ただ彼らから家族にまつわる思い出話を聞いたり、農場を見せてもらったりするだけ。かなり時間はかかりましたが、そんなふうに接していくなかで家族のような関係性を築くことができました。減少する白トリュフを保護する一助になりたい―その結果、実はトリュフハンターだったカルロさんはじめ、みなさんが出演してくださったのですね。ドウェック監督あとは、僕たちが滞在していたアパートの近くにお肉屋さんとチーズ屋さんがあったので、朝イチで大量のお肉とチーズを仕入れることも大事な日課。それを持って、行く先々の人たちとおみやげ交換をしていましたから。そうやって心地よい関係になってからカメラを入れたので、撮影を始めたときには彼らもカメラを意識することなく自然と進めることができたのだと思います。―ただ、そのいっぽうでトリュフハンターたちの背後に渦巻く深刻な問題の数々が映し出されており、衝撃を受ける場面もありました。カーショウ監督毎年トリュフの獲れる数が減っているにもかかわらず、世界的な需要がどんどん上がっているので、いまや白トリュフは金塊と同じくらいの値段で取引されることもるほどですからね。そういったことが大きなプレッシャーとなり、それまで起きなかった争いやライバルの犬を毒殺してしまうといったダークな部分を生み出しているのだと感じました。―それらの現実を目の当たりにして、監督たちの考え方に影響を及ぼすこともあったのでは?カーショウ監督僕たちも、白トリュフがこれほど稀有な食材となっていることを今回の撮影を通して知ったので、それがきっかけとなって始めたのが保護プログラム。集めた資金をトリュフハンターたちに渡し、彼らがトリュフハンティングしている土地を買えるようなシステムを作りました。そうすることで、危険にさらされているこの場所を永久的に保護できると考えているので、それが減少しているトリュフの問題を解決する一助になることを願っています。トリュフハンターたちから大きな影響を受けている―この伝統を守るために、消費者である私たちでもできることがあれば教えてください。ドウェック監督先ほどお話した保護プログラムとともに行っていることのひとつが、この地域で作られたトリュフハンターワインを生産すること。そこで得たすべての収益が彼らに還元されるようなシステムになっており、それによって現在までに52エーカーもの森林を守ることができました。なかなか難しいところですが、まずは森を守ることが一番だと考えています。―支援の第一歩として、トリュフハンターワインを買うことから始めるというのであればできそうですね。ドウェック監督今後は、これをお手本にしてほかの街や国がそれぞれの文化を保護する動きが活発になることを願っているところです。というのも、これらのプログラムは森林だけでなく、コミュニティなどの“文化的生態”を守るためのものでもありますからね。あとは、この映画にインスピレーションを受けて、新しい世代のトリュフハンターが生まれてくれることも願っています。―いろいろな形で広がっていくといいですね。また、個性豊かなトリュフハンターたちの“名言”も見どころですが、彼らと接するなかで感銘を受けたことといえば?ドウェック監督彼らが自然や犬と密接な関係を保ちながら過ごしているのを見て、「自分はこれからどういうふうに生きていけばいいのか」と考えるきっかけになったので、僕たち自身も大きな影響を受けました。すでにこの映画を観た方々からも、「生き方を変えようと思った」とか「自給自足の生活をしてみたい」といった意見がたくさん届いたほどです。カーショウ監督トリュフハンターのなかには、すでに90歳を過ぎている人もいますが、みんなエネルギーや喜びを持って生活している人ばかり。一緒にいると、若者と接している感じがしてとても驚きました。なかでも、カルロの奥さんが「年も取ったんだし、仕事はもう終わりにしてほしい」と言ったときに、カルロが「もしこれが人生の始まりだったらどうする?」と返した場面はすごかったですね。いくつになっても、人生のどのタイミングでも、「ここが始まりかもしれない」というのはとても美しい考え方だと思います。この作品が生活を見直すきっかけになってほしい―確かに、非常にステキな言葉だと思いました。では、まもなく公開を迎える日本に対しては、どのような印象をお持ちかを教えてください。ドウェック監督僕が初めて東京で写真展を開催したのは20年前ですが、それからだいたい年に1回は日本を訪れているくらい本当に日本が大好きです。特に、ものづくりや伝統では高いレベルを極めようとする姿勢がすばらしいなと。それは食文化においても言えることですが、食材や生産地にこだわり、自然をリスペクトしているところには感銘を受けています。今回は、映画の写真も含めた写真展を2月16日~4月24日まで東京のブリッツ・ギャラリーで行うので、そちらにもぜひお越しいただけたらと。コロナ禍が終わったら、なるべく早く戻りたいと思っているほど、僕にとって日本は大切な場所です。実は、いま検討している企画のひとつに日本が候補地に挙がっているものがあるので、ぜひ日本で撮影できたらいいなと考えています。―楽しみにしております。それでは最後に、本作を通して伝えたい思いをお聞かせください。ドウェック監督2年以上コロナ禍でみなさんも感じているかもしれませんが、デジタルメディアよりも、もっと自然と触れ合う時間を取るべきだと考えています。この作品が、デジタルメディアに支配されている自分の生活を見直すきっかけとなり、自然との関係性についても改めて考えてもらえたらうれしいです。カーショウ監督確かに、彼らはデジタルが介入する前の世界にそのまま残っている生活を送っていたので、僕たちも1960年代にいるような感覚を味わうことができました。映画を観ていただく方々にも、僕たちと同じようなタイムトラベルのマジックを体感してほしいですし、いまの時代ではなかなか見つけることができないような幸せや喜び、そして美しさを彼らから感じてもらえたらと思っています。“白トリュフの秘密”がいま明かされる!美しい森が生み出す神秘と、その裏に渦巻く欲望の世界を垣間見ることができる本作。人々を虜にする芳醇でミステリアスな白トリュフの香りに包まれながら、無垢なトリュフハンターたちの生き様に心が刺激される1本です。取材、文・志村昌美美しさに魅了される予告編はこちら!作品情報『白いトリュフの宿る森』2月18日(金)より、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント©2020 GO GIGI GO PRODUCTIONS, LLC
2022年02月17日韓国で大人気のリアリティ番組、その魅力は…?(Netflixシリーズ『脱出おひとり島』独占配信中)昨年12月からNetflixで順次配信がスタートし、回を重ねるごとに全世界で話題となった韓国のリアリティー番組『脱出おひとり島』。海に囲まれた孤島(通称・地獄島)に集まった美しく若い独身男女が、真実の愛を求めて8泊9日の共同生活を始める。スマホ禁止、食事は自炊。年齢や職業を聞くのはNGだが、カップルになると超豪華ホテルのスイートルーム(通称・天国島)に1泊でき、そこでは何を聞いてもOK、というルールだ。最初のメンバーは男性5人、女性4人。途中から女性2人、男性1人が追加メンバーとして加わる。個性豊かな出演者たちが、体当たりで恋にぶつかっていく姿が共感を呼び世界中で大人気に。そんな魅力あふれる12人のキャラと名言を一挙紹介!胸キュン気分をご一緒にどうぞ!キム・ヒョンジュン「よく口説かれます(笑)」と本人が語るのも納得のイケメン&脱いだらスゴいんです体形。バッキバキの腹筋とムキムキの胸筋は芸術の域。スポーツトレーナーでモデルとしても活動。好きな相手には超一途だが、メンバーからの相談には冷静&理知的に答える理論派。「いつも君に会いに行って、僕は犬みたいだ」イケメン代表のような無敵男子に見えたヒョンジュンだけど、恋に落ちたら余裕ゼロ。「主人を見るとしっぽを振って喜ぶ」なんて、超絶イケメンが、好きな相手の一挙手一投足に翻弄される様子にギャップ萌え。カン・ソヨン「正直でうそをつかない気さくな性格」との自己分析どおり、姉御肌で面倒見がいいヘルシー女子。ボクシングや水泳、柔道など、「だいたいの運動は得意」で、旗取りゲームなどでの活躍ぶりは異次元クラス。ボクシングジムを経営している。「一緒に寝たら眠れない?」終盤、天国島でのソヨン姉さんの大胆発言!天国島のホテルでは、寝室は別々なんだけど、「一緒のベッドで寝ない?」と誘ったソヨン。言われたほうは心臓バクバクだ!オ・ジンテクメンバー中、唯一のヒゲ男子。「セクシーな人が好み。自分がセクシーなので(笑)」と言うとおり、俳優のような独特の雰囲気が特長。最初のシーンでは白いスーツで登場。いかつく見えるが、実は本や詩が好きという一面も。テーラーを経営している。「天国島には君としか来ない」最初の天国島行きでカップルになった相手への言葉。これはメロメロになるって!また「今日は疲れたでしょ。ずっと僕の心の中で走り回っていたから」など詩人感あふれる表現も素敵。ムン・セフン「好きな気持ちはストレートに表現する」という直情一直線男子。脈なしでもあきらめず、後半までただ1人天国島に行けなかった(MC陣が「最後まで彼の年齢や職業がわからないかも」と心配したほど)が、最後の追い上げが奇跡を呼ぶ!?レストラン経営。「大変だったね……」1人で悩んでいたことを好きな人から聞いて発した言葉。自分の気持ちより相手の心に寄り添う優しさに全視聴者が感動したはず。名言次点は「ボールはあるのに相手がいない……」切なさマックス!チェ・シフン登場時、「アイドルみたい」とメンバーに評されたキュート系男子。「君の負担になることはしないよ」と一歩引き、意中の彼女とほかの男子の会話を聞きたくないからずっと外にいて日焼けしちゃうような、ちょっぴり控えめなところも。ファッションブランド代表。「僕は待つよ。待つのは得意なんだ」グイグイ系のセフンが動の切なさなら、シフンは静の切なさ。好きな人に負担をかけたくなくて話しかけるのを控えたり、ほかの男子全員が海で遊んでいるのを浜辺でポツンと見ていたり。ああシフン……。キム・スミン「自分の心に正直な人が好み」と語る、エクボがキュートな彼女。追加メンバーの中では1日早く合流。好きな相手の元へ行けず1人ポツン状態のシフンを気遣うが……?美容系や化粧品のモデルをしている。「誠実さを感じて、あなたのことが気になったの」気になる相手を誘ったとき、彼からなぜ自分のことが気になったのかと聞かれての返答。誠実さ大事。シン・ジヨンかわいいルックスだが、「好きなタイプがはっきりしていて、タイプじゃない人ははっきり断る」という男前な性格。怒濤のアタックをかけられても拒み続けるが……。トロントで脳神経科学を専攻している大学生。「彼に惹かれていないのに一緒に天国島に行くのは、彼に対する礼儀じゃない気がしたの」さすが、「タイプじゃない人ははっきり断る」というジヨン。嫌いとかイヤとかではなく礼儀としてどうなのか、ということなんです……って、強いなあ!アン・イェウォン「天然で好奇心旺盛なところが私の魅力」という彼女は、ジュンシクと並んで安定感抜群。悩んでいるほかのメンバーの話を聞いたりアドバイスしたりと、カウンセラーのような存在。パーソナルトレーナー、ピラティスのインストラクター。またモデル活動も。「運動している姿が空から舞い降りた光のようだったわ」好きな人と天国島へ行き、ゴージャスなホテル生活を満喫しながら相手に告げた言葉。男子はときめかずにはいられないでしょう!ソン・ミンジ「負けず嫌い。好みの男性を勝ち取ってみせます」と、こちらも強気の美肌女子。「好みや趣味が同じ人」がタイプだが、ことごとく趣味が違ったセフンとの会話は、爆笑連続で大盛り上がり。アパレルや美容関連のモデルをしている。「男の人の心は1回固まると変わらない」追加メンバーは最初からいたメンバーに比べて時間が短くて不利。しかも自分が入ったときに、気になる相手にもう意中の人がいたら……。そんな悲しい状況に直面したときの言葉。キム・ジュンシク「料理が好きで、友達をもてなしています」と自己紹介で語ったさわやか男子。明るく穏やかで、キャラも恋も安定感ありまくり。天国島に行けなかった日は朝から運動、ザ・好男子!大学3年のときに設立した健康食品の会社を運営している。「好きな人と一緒にいると、時間が短く感じる」さわやか好青年のジュンシクは、発する言葉もとってもさわやか。天国島での好きな相手との滞在時に、こんなことを話してました。ソン・ジア「どんな女子にも勝てる自信がある」「やりたいことをして全部手に入れる」と語るセクシー女子。ヒョンスンに第一印象を聞かれ「セクシー」と耳打ちするなど、テク最強の強者。美容系の動画を配信するインフルエンサーで、大学では韓国舞踊を専攻していた。「愛は奪うものよ」複数の男子からアプローチされ、終盤、その中の1人に「時間が足りなかった」と言われて返した言葉。男心を惑わす小悪魔女子、本領発揮の名言。チャ・ヒョンスン明るい笑顔と鍛え抜かれた肉体、そしてタトゥーがトレードマーク。ヒョンジュンは一緒にトレーニングをする友人で、ここで出会ってお互いびっくり。ウォータースポーツが好き。東方神起、EXO、少女時代、BTOBなどのステージを中心に活躍する有名ダンサー。「愛と友情なら、愛を選ぶ。それで離れていく友達は友達じゃない」意中の人に「愛と友情、どっちを選ぶ?」と聞かれたときの答え。女性が自分か友達のどちらを選んでも、友情に影響はないと確信しているんだろう。* * *番組効果でメンバーたちはSNSフォロワー数が軒並み爆上がり。中でもヒョンジュン、ソヨン、イェウォン、ヒョンスン、ジヨンらはインスタフォロワー数が100万人超え。セフンも2月4日時点で99.7万人だ。イェウォンは自身のYouTubeチャンネルで、カップルになった相手と「オッパ(兄)とトンセン(妹)に戻りました」と発表。また韓国の旧正月(2月1日)に、シフンとジュンシクが夜キャンプでの2ショットをインスタにアップ。素敵な笑顔にほっこり!■〜恋愛模様だけじゃない!ここも見どころ〜メガネ男子もよきですセフンとシフンは、ときどきメガネ姿で登場。シフンはさすがファッションブランドの代表、個性的なおしゃれメガネがいい感じ。セフンは上半分だけフレームがあるハーフリムタイプで、実直でマジメな雰囲気。メガネなしバージョンとギャップがあってキュン!メイクやファッションがかわいい!地獄島にはメイク部屋があって、女性陣がメイクしている様子も見られる。特にジアのメイクは人気が高く、「こうすればジアっぽくなれる」というメイク動画をYouTubeに投稿する人が多数出現。また、全員がカジュアル系からセクシーなワンピースまで、いろいろな服を着こなしていてファッションチェックも楽しい。全員ナイスバディすぎ!ヒョンジュンとヒョンスンのムキムキっぷりに目がクギづけになるけど、他のメンバーもみんな腹筋割れてて見応えあり。女性陣も負けてなくて、ソヨンは小麦色の肌に鍛え抜かれた身体がまぶしいし、ジヨンは脚の長さ&ヒップラインの美しさが超人級。イェウォンはセクシー健康美で、ダイエットや筋トレのモチベ上げたい人、必見!
2022年02月11日ドキュメンタリー映画『白いトリュフの宿る森』が、2022年2月18日(金)より公開。ルカ・グァダニーノ製作総指揮の“おとぎ話”ドキュメンタリー映画『白いトリュフの宿る森』は、2021年1月、第36回サンダンス映画祭で披露されたことをきっかけに、批評家たちの間で“異彩を放つドキュメンタリー”として話題となった作品。製作総指揮を『君の名前で僕を呼んで』『サスペリア』のルカ・グァダニーノが務めている。『白いトリュフの宿る森』は、第73回カンヌ国際映画祭、第45回トロント国際映画祭など様々な国際映画祭で公式選出・正式上映され、計20部門にノミネート。史上初の快挙となる第73回<全米監督協会賞>と第35回<全米撮影監督協会賞>の同年同時受賞を果たし、アカデミー賞前哨戦のひとつとされる第92回<ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞>TOP5ドキュメンタリーにも選ばれた。白トリュフを探す“妖精のようなおじいさんたち”モチーフとなったのは、アルバ産・白トリュフを探しに、夜になると森に出てくる“妖精のようなおじいさんたち”。北イタリア、ピエモンテ州の名産であるアルバ産・白トリュフとは、世界で最も希少で高価とされる食材だ。栽培は行われておらず、どのように、なぜそこに育つのか解明されていない。危険のつきまとう森の奥深く、老人たちは犬と共に、まるで宝探しを愉しむように、何世代にも伝わる伝統的な方法で白トリュフを探し出すという。自然に寄り添う“美しい暮らし”を約3年間撮影“妖精のようなおじいさんたち”がいるというささやかな言い伝えを耳にし、ドキュメンタリー映画の製作を思い立ったのは、写真家でもあるマイケル・ドウェック監督。ドウェックは約3年間にわたり老人たちの生活に入り込み、信頼関係を得たうえで貴重な撮影に成功。彼らが大地に寄り添う姿や、時の流れが止まったような純粋で、美しい暮らしを映し出した。また、ドウェックのデビュー作である長編ドキュメンタリー映画『THE LAST RACE』でもタッグを組んだグレゴリー・カーショウが共同監督を務めている。【詳細】映画『白いトリュフの宿る森』公開日:2022年2月18日(金)監督:マイケル・ドウェック、グレゴリー・カーショウ製作総指揮:ルカ・グァダニーノ原題:The Truffle Hunters<映画『白いトリュフの宿る森』あらすじ>世界で最も希少で高価な食材、アルバ産の<白トリュフ>。その<白トリュフ>に隠された、まるでおとぎ話のような、実在する世界。北イタリア、ピエモンテ州で、夜になると森に<白トリュフ>を探しに出てくる、まるで妖精のようなおじいさんたちがいる……というささやかな言い伝えがあった。栽培は行われず、どのように、なぜそこに育つのか解明されていない<白トリュフ>。危険のつきまとう森の奥深く、老人たちは犬と共に、まるで宝探しを愉しむように、何世代にも伝わる伝統的な方法で<白トリュフ>を探し出す。気候変動や森林伐採により供給量が減り、トリュフ探しの極意を誰もが求める中、彼らはトリュフが実る場所を決して明かさない。それは長年連れ添った妻や友人にさえも、絶対に――。写真家のマイケル・ドウェックは約3年間にわたり彼らの生活に入り込み、信頼関係を得たうえで貴重な撮影に成功。そこに映し出されるのは、彼らの大地に寄り添い、時の流れが止まったような、純粋で、美しい暮らし。
2022年01月10日エドガー・ライト監督、初のドキュメンタリー映画『スパークス・ブラザーズ』が、2022年4月8日(金)に公開される。エドガー・ライト初のドキュメンタリー映画映画『スパークス・ブラザーズ』は、『ベイビー・ドライバー』『ラストナイト・イン・ソーホー』で知られるエドガー・ライト監督の最新作にして、初のドキュメンタリー映画。題材となるのは、兄ロンと弟ラッセルのメイル兄弟からなるポップバンド、スパークスだ。謎多きバンド・スパークスの真実に迫るスパークスと言えば、日本でも根強い支持を得る人気ポップバンド。直近では、2022年4月1日(金)公開のレオス・カラックス監督最新作『アネット』で原案・音楽を務めたことも話題となったが、いまだ謎の多いバンドでもある。そんなスパークスが、デビューから半世紀に渡って歩んできた道筋を明らかにするのが、映画『スパークス・ブラザーズ』。メンバーのロン&メイルや豪華アーティストたちのインタビュー、貴重なアーカイブ映像と共に、スパークスの真実に迫る。豪華アーティスト80組がスパークスを語るスパークスの魅力を語るのは、グラミー賞アーティストのベックや、スパークスとコラボレーションも果たしたフランツ・フェルディナンドのフロントマン アレックス・カプラノス、2021年にロックの殿堂入りを果たしたトッド・ラングレン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト・フリーなど80組ものアーティスト。2021年12月に日本最後の劇場ロードショーでも話題となった『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で主演を務めるアイスランド出身歌手ビョークも、声で出演する。“熱狂的ファン”エドガー・ライト監督本人も出演エドガー・ライト監督本人も、“FANBOY(熱狂的ファン)”としてインタビュー出演。「初めて彼らを知ったのは1979年の活動期間だ。トップ・オブ・ザ・ポップス(BBCでOAされていた生放送音楽番組)で見た。シンプルでダイナミックだった。ラッセルは歌、ロンはシンセで当時流行の髪形でプレーしていたのを覚えている」と当時テレビ越しにうけた衝撃を語っている。また、エドガー・ライトは、オフィシャルインタビューにて「危機が何度も訪れたけどスパークスは運に頼らず才能で乗り切ったんだ。もうダメだというギリギリの場面で、2 人の飽くなき熱意に心動かされた人に助けられもした。自分たちの手で、スパークスは自分たちを何度も生まれ変わらせてきたんだ。意志の力だけでソレをやり遂げ続ける2 人に引き付けられてやまないよ!」ともコメント。熱狂的ファンである彼が、スパークスが辿ってきた道のりをどのように切り取るのか、注目したい。各映画賞で高評価映画『スパークス・ブラザーズ』は、2021年サンダンス映画祭でワールドプレミアを飾り、海外の批評家から高い評価を得た。ハリウッド映画批評家協会賞ドキュメンタリー映画賞にノミネートされたほか、5つの映画賞のドキュメンタリー映画部門にノミネートされている。(シカゴ映画批評家協会賞/ラスヴェガス映画批評家協会賞/デトロイト映画批評家協会賞/ポトランド映画批評家協会賞/フェニックス・オンライン映画批評家協会賞)【詳細】映画『スパークス・ブラザーズ』公開日:2022年4月8日(金)監督:エドガー・ライト出演:スパークス(ロン・メイル、ラッセル・メイル)、ベック、アレックス・カプラノス、トッド・ラングレン、フリー、ビョーク、エドガー・ライト※ビョークは声の出演。原題:The Sparks Brothers配給:パルコ ユニバーサル映画宣伝:スキップ
2021年12月31日いつの時代も美への飽くなき憧れは誰の心にもあるものですが、それによって数奇な人生を送ることになってしまった人たちが存在しているのも事実。そこで、ある少年が実際に経験した波乱に満ちた人生に迫った衝撃のドキュメンタリーをご紹介します。『世界で一番美しい少年』【映画、ときどき私】 vol. 4361971年、“世界で一番美しい少年”として一大センセーションを巻き起こしたのは、巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出され、映画『ベニスに死す』に抜擢された15歳の少年ビョルン・アンドレセン。その美しさは日本のカルチャーにも多大なる影響を与え、マンガ「ベルサイユのばら」の主人公オスカルのモデルともなった。それから約50年が経ち、伝説のアイコンは『ミッドサマー』の老人役としてスクリーンに姿を見せ、強烈なインパクトと驚きで話題となる。そして、いま明かされる『ベニスに死す』の裏側と、世界一の美少年と言われたビョルン・アンドレセンの栄光と破滅とは……。2021年サンダンス映画祭で上映された際に、大きな注目を集めた本作。そこで、5年にわたってビョルンさんを追いかけてきたこちらの方々にお話をうかがってきました。クリスティーナ・リンドストロム監督 & クリスティアン・ペトリ監督映画監督としてだけでなく、ジャーナリストや作家など、幅広いジャンルで活躍しているリンドストロム監督(写真・左)とペトリ監督(右)。今回は、日本で行われた撮影の裏側やビョルンさんが本作を通じて伝えたい思いなどについて、語っていただきました。―本作では、かなり真に迫る内容が多かったと思いますが、撮影を続けるなかで、ビョルンさんが躊躇するようなことはなかったでしょうか?リンドストロム監督今回は、5年という長い時間をかけ、ゆっくりとしたプロセスのなかで作っていたので、そういうことは特にありませんでした。どの段階においても確認していたのは、彼の準備が整っているかどうか、彼自身が見せてもいいと思っているかどうか。彼が望まなければ、そもそも撮影もしないスタンスでいたので、彼が途中で止めることはありませんでした。ただ、お母さまの死に関する報告書を警察で読んでいる場面では、彼が受け止めきれていないように見えたので、こちらの判断で撮影を止めたことはありましたが、そのくらいですね。美を求める気持ちには、破壊的な側面がある―天から与えられた美貌と才能が彼の人生を奪っていく様子は、ある意味では悲劇のようにも思いましたが、ビョルンさん自身は完成した作品をどのようにご覧になっていましたか?リンドストロム監督彼は「若い人たちが自分の人生を振り返るうえで、この映画が役に立てばすごくうれしい」と話していました。あとは、子どもや若者たちにとって、美への執着がいかに危険かをとても心配していましたね。特に、10代のころは内にある自分自身がまだ形成されていないので、彼らの持つ美が原因で周りの人たちから人生を奪われてしまう場合もありますから。そういったことを語るのは、非常に重要なことだと思っています。彼自身、いままで娘さんや妹とそこまで深い話をせずに来ていましたが、この作品を通して自分の過去と向き合うことができたので、それは彼にとって大きなものとなりました。―美への強迫観念についても本作では描いていますが、日本も外見へのこだわりやルッキズムが根強いところがあるように感じています。そういった問題と、どのように向き合っていけばいいとお考えですか?ペトリ監督確かに、とても危険なことですよね。私たちは、美を求める普遍的な気持ちや憧れというのを当然持ってはいますが、そこには同時に破壊的な側面があることをつねに意識していなければなりません。世の中には、注目されたいと思う若い男女がたくさんいますが、ビョルンから言わせると、そこには死の危険すらあるのだと。特に、いまはSNSが登場したことで、彼の時代よりも悪化しているようにも感じています。もちろん、周りにしっかりとした大人やいい友人がいる場合は、破滅的な人生を歩まずに済んでるかもしれませんが、いずれにしても危険であることに変わりがないというのは、忘れずにいてほしいです。映画を通して、観客に愛を与えることができた―ビョルンさんと長い時間をともにするなかで、ご自身にも影響を与えたことはあったのではないでしょうか。ペトリ監督映画を作るうえで、自分がすごく謙虚な気持ちになりましたし、ビョルンさんが持つ勇気には本当に感銘を受け、感嘆することばかりでした。もし自分だったら、彼のような経験をしたうえに、ここまでたくさんの人にそれを分かち合い、撮影を許可することはできなかっただろうと思うので。そう考えると、彼の姿から学ぶことはたくさんありましたね。今回、観客を入れた試写を行った際、上映後に20分ほどのスタンディングオベーションが起きたことも。彼はたくさんの努力をしてこの映画と向き合いましたが、最終的には観客に愛を与えることができたので、その苦労も報われたんだなと感じたときに、思わず泣きそうになってしまいました。ビョルンは、日本の文化も人々も大好き―本作では日本とビョルンさんの関係にも触れていますが、若い世代はビョルンさんが日本でここまでブームになっていたという事実に驚く部分もあるかと思います。ただ、いっぽうで日本もある意味では彼の美を“消費”していたところがあったように感じたのですが……。リンドストロム監督まず言いたいのは、彼が日本で経験したことと、日本という国とを一緒にしてはいけないということです。そもそもこれは異なる2つのことなのですから。彼もそう考えていたからこそ、日本の文化も人々も大好きだし、「日本に撮影で来れてよかった」と言っていました。ペトリ監督彼としては、日本での仕事は『ベニスに死す』の続きのような感覚だったようですね。もちろん、仕事においてストレスを感じていた部分もあったみたいですし、次に自分がどうなるかもわからない状況ではありましたが、それでも日本はすごく楽しかったと。だから、彼はずっと日本に戻りたいと話していたんですよ。その理由としては、10代で日本にいたときを思い返そうとすると、本当に自分は日本にいたんだろうかと思うくらい、とてもシュールな気持ちになるからだとか。だからこそ、本物の経験を改めて日本でしたかったみたいです。リンドストロム監督実際、今回の撮影で日本に行こうと話したらすごく喜んでいて、撮影中は本当に楽しんでいましたよ。大人たちは、本当に子どものためかを問いかけてほしい―その言葉が聞けてよかったです。では、監督たちにとって、日本はどのような印象ですか?リンドストロム監督これまでも何度か日本には行ったことがあり、森山大道さんなど、いろんな方を取材させていただいていたので、私たちにとっては慣れ親しんだ国と言えます。今回は、2週間という限られた期間で集中して撮影を行いましたが、いい経験になりました。ペトリ監督僕が一番長く日本にいたのは、以前『Tokyo Noise』という長編ドキュメンタリーを撮影したときのこと。実は、日本には1年ほど滞在していたんです。村上春樹さんや荒木経惟さんをはじめ、文化的に有名な方にたくさんインタビューをさせていただきました。しかも、その作品がYouTubeに上がったときには、すぐに何百万ものアクセスがあったほど好評だったので、日本にはいい思い出がたくさんありますね。そんなふうに、日本にはとても愛情を持っているので、旅行者ではなく、住人として日本の生活を味わってみたいと考えています。できれば、東京の富ヶ谷に住みたいですね(笑)。そうすることで、より日本の文化に沈み込んでいけると思うので、実はそのためにいま助成金の応募をしている最中なんですよ。―ぜひ、お待ちしております!それでは最後に、ビョルンさんからの言葉で忘れられないものや作品を通して伝えたいことをメッセージとしていただけますか?ペトリ監督たくさんあるんですが、そのなかでも彼が本気で伝えたいと思っていたのは、「親や大人たちがもっと子どものことを守らなければいけない」ということ。世の中には、自分の子どもをサッカー選手にしたいとか、ミュージシャンにしたいと思っている人もたくさんいますが、「それは子どものためではなく、自分のためにしていませんか?」というのを自分に問いかけてほしいのです。子どものことを本当に思って行動する大切さを教えてくれた彼の言葉は、僕のなかでも強く残りました。リンドストロム監督この作品では、美への強迫観念、欲望と犠牲、そしてルキノ・ヴィスコンティ監督が「世界一美しい少年」と宣言したことで人生が一変してしまった少年についての物語を描きました。他人によって作られたイメージ、アイコン、ファンタジーとなったことで青年期の人生を奪われることとなった1人の少年の物語に耳を傾ける機会を観客のみなさんに届けられたらと願っています。映画史の傑作に隠された衝撃の真実を知る世界を陶酔させる崇高な美で、人々を魅了した少年ビョルン・アンドレセン。誰もがうらやむ美しさの裏に隠された悲しみ、そして葛藤と孤独に触れたとき、人生において大切なものとは何かに気づかせてくれるはず。ふたたび立ち上がろうとする姿から、本来人間が持っている美しさを感じ取ってみては?取材、文・志村昌美衝撃が走る予告編はこちら!作品情報『世界で一番美しい少年』12月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国順次公開配給:ギャガ© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021
2021年12月15日東日本大震災から10年という節目を迎えた今年、改めて命の重みや大切な人を亡くす悲しみと向き合った人も多いはずです。そんな思いに寄り添ってくれるのは、まもなく公開を迎える注目のドキュメンタリー『歩きはじめる言葉たち漂流ポスト3・11をたずねて』。そこで、本作についてこちらの方にお話をうかがってきました。升毅さん【映画、ときどき私】 vol. 420今回、2020年3月に急逝した映画監督で親友の佐々部清監督に縁のある場所を旅することになった俳優の升さん。本作では、東日本大震災の被災地で映画作りを考えていた監督の思いを胸に、岩手県陸前高田市の山奥へと向かい、亡くなった人へ宛てた手紙を受け取ってくれる「漂流ポスト3.11」と出会います。そのなかで知った悲しみとの付き合い方や佐々部監督への思い、そして自身のこれからについて語ってもらいました。―まずは、本作への出演を依頼されたときのお気持ちからお聞かせください。升さんもともとは劇映画の企画として関わっていたんですが、「漂流ポスト3.11」に手紙を書く人と管理する人を中心にしたドキュメンタリーに変わったと聞いていたので、一旦は僕の手から離れた作品でした。ところが、佐々部監督が突然亡くなってしまったことで、僕たち自身が手紙を書く側となり、すべて自分たちのこととして受け止めなければならなくなったのです。そこで、本作の野村(展代)監督が「自分たちの思いも乗せた映画として作りたい」ということで、僕を指名してくださいました。普通の映画のオファーをいただく喜びとは違う意味で、うれしかったですね。もし、僕以外の人がすると聞いたら、きっとすごく寂しい気持ちになったと思いますから(笑)。それくらいこの作品に声をかけてもらえたことは、ありがたいことでした。―とはいえ、カメラの前でご自身の悲しみと向き合うことに抵抗はありませんでしたか?升さんそれはなかったですね。というのも、佐々部監督が亡くなったことを受け入れられない日々がずっと続いていたので、この作品を通じて監督に関われる喜びのほうが大きかったからかもしれません。台本があるわけではないので、ただそこにいて感じることしかできませんでしたが、それでいいと言っていただいていたので、「カメラの前で何かをしなければいけない」という感覚は一切ありませんでした。悲しみには距離があることを知った―本作では、取材される立場でありながら、大切な人との別れを経験した方へ取材する立場も担っていらっしゃいました。そういった経験から得たものもあったのではないでしょうか。升さん今回、僕は“悲しみの距離”というものを知りました。それが時間によるものなのかは、いまでもわかりませんが、距離が取れるようになって初めて、ようやく思いを言葉にすることができるのではないかなと。そういった経験をされた方々の言葉は、本当に心に刺さるものがありました。ただ、僕はまだ悲しみとの距離が全然取れていないので、頭のなかでいろいろな言葉がめぐってはいるんですが、言葉として出てこないんですよね。そういったことを感じる瞬間は、撮影中もたくさんありました。―実際に「漂流ポスト3.11」に行かれてみて、印象に残っていることがあれば教えてください。升さんポストを管理されている赤川勇治さんから聞いて驚いたのは、そもそも手紙を書くことすらできない人が多くいるという話。だからこそ、その一歩を踏み出すことができた方々の手紙を見ることで人の強さに触れることができましたし、書いた方のことを考えるだけで僕のなかでもいろいろな感情が湧き上がりました。最初は「どうしていなくなってしまったの?」と書かれていた手紙が、だんだん「そっちはどう?」と変わっていく。そんなふうに、手紙を書いている方も、悲しみから生きていくほうへとシフトしていくんですよね。そういった手紙の数々を目にして、あのポストにはすごい力があるんだと改めて感じました。乗り越えようとしなくても、寄り添うだけでいい―コロナ禍では、大切な人と突然の別れを経験している人も増えていると思います。そういった悲しみを抱えている方に、升さんからどんな言葉をかけたいですか?升さん僕なんかが言えることなんてないですが、映画のなかで出会った住職から「悲しみを乗り越えようとしなくてもいい。寄り添っているだけでいいんですよ」という言葉をいただいたときに、僕自身は少し楽になりました。なので、いまつらい思いをしている方には、そのお話をしてくださった住職の力強くも優しい言葉をお借りして届けられたらいいなと。そういった考えに触れることで少しずつでも、変わっていってもらえたらと思っています。―家族との別れを経験している私も、升さんと同じくこの言葉には救われました。そのほかに、撮影中の忘れられない出来事などもありましたか?升さん本作で撮影と共同監督を務めたカメラマンの早坂(伸)ちゃんと野村監督と僕の3人は、2014年の『群青色の、とおり道』からの付き合いで、佐々部組では同期生なんです。そういったこともあって、すごくざっくばらんに撮影は進んだんですが、だからこそ時々2人が「このあと部屋に升さんだけ残してしゃべらせよう」とかきついことを要求してくるときもありましたね(笑)。ただ、そのなかで気がついたのは、言葉の重み。どうでもいい言葉はどんどん出てくるのに、本当に伝えたいことを言おうとすると、いろいろな映像や思いは浮かんできても「こんな言葉で言いたいんじゃない」と考え込んでしまい、なかなか口から出てこないんですよ。しかも、すごく時間をかけて出た言葉がものすごくシンプルな言葉だったりして……。そんな自分にがっかりしたこともありました。でも、「考え抜いて出た言葉は、何も考えずに出たものとは全然違う」と野村監督たちが言ってくれたので、これはこれでよかったのかなと。台本がないぶん、次に何が来るのか毎回ドキドキしていました。いい感じに歳を重ねられているのは、佐々部監督のおかげ―佐々部監督へ伝えたい思いについて触れるシーンでは、そういった時間をかけて出た言葉だからこそ、シンプルでも心に響くものがありました。では、この作品を経て、いま佐々部監督に伝えたいこととは?升さん映画を撮っていたときとあまり変われていない部分がまだあるので、いまでも「今度どこ行く?」みたいなことを言ってしまいそうですね。生前、これから一緒に撮ろうと話していた作品が2本ありましたが、野村監督がこの作品を形にしてくれたことで、佐々部監督と面と向かえるところはあるのかなと。とはいえ、できが悪かったら怒られるんでしょうけどね……。あとは、「升さんすぐ泣くから!」とからかわれそうです(笑)。でも、そういったことも酒の肴にしながら佐々部監督と一杯やりたいですね。―情景が目に浮かびます。改めて佐々部監督が遺してくれたものについて、どのように感じていますか?升さん作品を残してくださったことはもちろんですが、やっぱり佐々部組の仲間たちではないでしょうか。今回のことでより絆が強くなりましたし、どれだけみんなが監督のことを好きだったのかもよくわかりました。これからもそれはずっと続いていくものなので、僕たちにとっては財産でもありますね。もちろん監督にはまだまだいてもらいたかったですが、そういったことを強く感じました。―本作のなかで驚いたのは、初めて一緒にお仕事された際、これだけ長いキャリアのある升さんの演技に対して佐々部監督がかなりダメ出しをしたというエピソード。升さんにとっては転機のひとつになったと思いますが、そこで新たに見えたものもあったのでしょうか。升さん本当に、まったく違う世界が見えましたね。というのも、それまでやってきたことを間違っていると自分では思っていなかったですし、これからもそのスタンスで続けて行く予定でしたから。でも、佐々部監督と出会ったことで、60歳にしていままでやったことのない演技の仕方に挑戦することになりました。結果的にそれがいまにも、そしてこれから先にもつながっているので、そういったものをいただけてよかったなと。俳優としても、人としてもいい感じに歳を重ねられるようになったので、そのきっかけをくださったことには感謝しかないです。イケオジの先に、何かいいものを見つけていきたい―最近は、「イケオジ」としても注目を集めていますよね。ご自身ではこういう形で人気が出ることを想像されていましたか?升さんまず確認したいのは、「イケオジ」って「イケてるおじさん」ということですよね?パッと見はおじさんに見えているかもしれないですけど、僕はもう65歳のおじいさんですよ。だから、本当は「イケおじい」なんじゃないかなと思ったり(笑)。でも、そう言っていただけることはありがたいことですよね。あとは、役者として「この人が出てると安心する」とか「この人の表現がおもしろいな」と思っていただけて、それがイケてると感じていただけたら何よりもうれしいなと。もし、あのとき佐々部監督に出会わず、ダメ出しをもらっていなかったら、いまごろは「イケメンぶってる気持ち悪いおじさん」のほうのイケオジになってたかもしれないです(笑)。繰り返しにはなりますが、そういう意味でも監督には本当に感謝しています。―それによって、年齢を重ねることに対しての考えにも変化があったのではないかなと。升さんそうですね、年を取ることからくる豊かさみたいなものを感じることはありますね。1日1日がどんどん過去になっていきますが、昔のことも含めてすべてが財産。そういったものが自分のなかに残っていくというのは、すごくいいことだなと思います。―これから挑戦したいことなどもありますか?イケオジの先に目指してらっしゃることがあれば、教えてください。升さんイケオジの先……何があるんでしょうか(笑)。でも、何かいいものを見つけたいですね。もちろん、体力的に難しいこともあるかもしれませんが、いままでやってこなかったことは全部やってみたいという思いはつねにあります。毎年新しい自分に生まれ変わっているような感覚ですし、まだまだ全然やり切っていないという気持ちでいるので。具体的には決めていませんが、「その年齢でそれはできないでしょ!?」とみなさんが考えることに挑戦できたらいいなと思っています。インタビューを終えてみて……。愛情深くて、優しいオーラに包まれている升さん。放たれる言葉のすべてから佐々部監督への溢れる思いがひしひしと伝わってきて、こちらまで胸が熱くなりました。取材中、隣で微笑みながら話を聞いている佐々部監督の姿が見えるような感覚に陥ってしまったほどです。撮影では、お茶目な一面を見せるいっぽうで、ダンディな表情も決めており、さすがのイケオジっぷりを発揮。劇中でも、さまざまな表情を見せる升さんに注目です。言葉や手紙が持つ計り知れない力に救われる大切な人を失った悲しみを消すことはできなくとも、人はその思いとともに前へ進むことができるのだと教えてくれる本作。胸の奥に閉じ込めた言葉にできない気持ちを代弁し、寄り添ってくれる升さんとともに、自分なりの新たな一歩を踏み出す旅へと歩きはじめてみては?写真・北尾渉(升毅)取材、文・志村昌美ヘアメイク・白石義人、スタイリスト・三島和也コート¥39,600/BRU NA BOINNE(BRU NA BOINNE DAIKANYAMA 03-5728-3766)※その他スタイリスト私物心が動かされる予告編はこちら!作品情報『歩きはじめる言葉たち漂流ポスト3・11をたずねて』10月16日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開配給:アークエンタテインメント©2021 Team漂流ポスト写真・北尾渉(升毅)
2021年10月15日2019年、山形国際ドキュメンタリー映画祭にて優秀賞を受賞したブラジル発のドキュメンタリー『これは君の闘争だ』が11月より全国順次公開。この度、学校占拠、道路封鎖、学生たちが自ら学校を守るために奮闘するテン年代のリアルな学生運動を描いた予告編が完成した。初の極右政権成立にゆれるブラジル社会、高校生たちの言葉ラップで紡ぐ、青春群像ドキュメンタリーとなる本作。2013年6月、サンパウロで起きた公共交通料金賃上げに対する大規模な抗議デモは、初めはバス料金20セントに対する要求だったものが、次第に政治に対する深い嫌悪感のなかで、物価上昇や重税、LGBTQ+や女性の権利、人種差別など、様々な問題に対する抗議へと広がっていく。そして2015年10月、サンパウロの高校生たちが公立学校の予算削減案に抗して自らの学校を占拠、翌月には200以上の学校が占領されるまで発展、ブラジル社会で高校生たちによる大きな変革が起きようとしていたが…。本作で描かれる高校生たちによる社会への希望と不安、学生が自らの学校を守り、それぞれの想いをラップバトルのように衝突させていく様子をとらえた予告編。軽快なテンポと映画全体がヒップホップミュージックに包まれており、観る者にもその熱が伝わるものとなっている。『これは君の闘争だ』は11月、シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:これは君の闘争だ 2021年11月、シアター・イメージフォーラムほか全国にて公開
2021年09月24日社会問題を知って考えを深める、社会派ドキュメンタリー。ニュースだけでは浮かび上がらない社会問題をさまざまな角度から見つめる。ジャーナリストの佐々木俊尚さん、音楽エージェントの竹田ダニエルさん、ファッションの楽しさを発信するシトウレイさんが傑作をセレクト。複雑な世界を捉え、斬新な視点を与える。フリーのジャーナリストとして、現代社会に深く切り込む佐々木俊尚さんは社会派ドキュメンタリーの魅力をこう語る。「さまざまな犯罪や災害、歴史的な出来事など世界で起きている事象について、ステレオタイプではない斬新な視点を与え、世界の断面を見事に切り取ってくれる。世界はどんどん複雑になり、以前のように単純な視点ではもはや認識できなくなってきています。古い世界観から脱却し、新しい“目”で世界を展望できるようにするためには、秀逸なドキュメンタリーで自分の“目”を磨くことが大切なのではないでしょうか」そして、作品をより楽しむためのアドバイスも。「ロシアを描いたドキュメンタリーだったら、現代のロシアが抱えている諸問題や政治状況などを、1960年代の黒人公民権運動を描いた作品なら、当時の運動がどのようなものだったかを知っておく。事前に調べておけば、より深く作品を楽しめます。また、“客観中立報道”とは異なり、製作者や監督の視点で事象を切り取り、一人の個人の見解であることを忘れないように。そうしないと、映し出されたものすべてが事実であるかのように混同してしまう。独特すぎて決して事実とはいえない視点を持ち込んでいる作品もたくさんあります。とはいえ、そういう作品のほうが面白かったりもするんですけどね」新しい生活様式、これからの働き方を問う。『東京自転車節』緊急事態宣言下の2020年5月、人けのない街を疾走するのは自転車配達員たち。その様子を収めようとドキュメンタリー作家の青柳拓自身がスマートフォンとGoProで自転車配達員として送る日々を記録。友人の部屋やホテルを転々としながら、セルフドキュメンタリー形式で日常をスケッチする。コロナ禍で仕事をなくし、ウーバーイーツの配達員になった若い映画監督の一人称で描いた作品。疫病と格差とギグワークの21世紀の現在をただ声高に言うのではなく、乾いたユーモアを交えてここまでリアルかつ情感たっぷりに描いた作品は類を見ない。多くの人が共感できると思う」(佐々木さん)監督:青柳拓2021年/全国公開中©2021水口屋フィルム/ノンデライコ児童の性的搾取をテーマにしたチェコの衝撃作。『SNS-少女たちの10日間-』成人の女優が少女のふりをして、綿密に作り込まれた子ども部屋のセットを背景に知らない相手とチャットをする。少女(と思い込んだ相手)にコンタクトしてくるのは2458人もの成人男性。現代の子どもたちが直面する危険をありのままに映し出し、本国チェコでは異例の大ヒットを記録。「少女に扮した成人の女優がSNSを開設し、そこに寄ってくる男たちとやりとりする様子をカメラで観察するという設定から不快ではあるのだが、あまりの衝撃に瞬きもできないぐらいの集中力で最後まで見入ってしまう。見たら嫌な気持ちになるのは請け合いだが中毒性も」(佐々木さん)監督:バーラ・ハルポヴァー、ヴィート・クルサク2020年/各種デジタル配信中©2020 Hypermarket Film All Rights Reserved.強制労働施設の過酷な実態を収容者が暴露。『馬三家からの手紙』“助けて”。アメリカに暮らす女性はスーパーで買った中国製の商品にそう書かれた手紙が入っていることに気づく。実はその手紙は中国の馬三家の「労働教養所」と呼ばれる強制労働施設から送られていたものだった。手紙を忍び込ませた一人の男性に焦点を当て施設での過酷な日々が映像で綴られる。「ごく普通の中国人男性が国家と時代にもみくちゃにされ、運命に翻弄されていく。『過酷』という言葉以上にこの映画について語るものはありません。これを映画化できたことこそが奇跡」(佐々木さん)。看守たちによる拷問はアニメーションで再現されているがあまりの非道さに言葉を失う。監督:レオン・リー2018年/DVD発売中、各種レンタル配信中(詳細はHP)©2018 Flying Cloud Productions,Inc.正義感が権力に勝つ爽快さがたまらない!『レボリューション―米国議会に挑んだ女性たち―』巨額の富を持つ現職議員に対抗し、志高く2018年の下院議員選に出馬した女性新人候補者4人の戦いぶりを追う。史上最年少の女性下院議員となったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスをはじめ、マイノリティであり反体制であり、女性である政治家たちが一般市民たちと向き合い、権力に対抗していく。「巨大で強権的な既存勢力に立ち向かっていく姿には、勇気以上に敬意を強く感じられます。『普通の人』がどうしたら変化を起こせるのか。そのムーブメントを支援するために政治家が努力し、正義を勝ち取っていく。爽快であり感動的であり、何より政治の重要性を突きつけられる作品」(竹田さん)監督:レイチェル・リアース2019年/Netflix映画『レボリューション―米国議会に挑んだ女性たち―』独占配信中内閣総理大臣って本当はどんな人?『パンケーキを毒見する』“好物はパンケーキ”と話す現・内閣総理大臣、菅義偉とは一体どんな人物なのか。現役の政治家や元官僚、ジャーナリスト、各界の専門家が語り尽くし、これまで表に出てこなかった証言や過去の答弁を徹底検証。“庶民派”“苦労人”“無派閥のたたき上げ”と称される菅首相の知られざる素顔に迫る。「権力への批判を厭わない作品で知られるプロデューサー、河村光庸さんの頭の中が全開で表現されている。ジャーナリズムとしても、ドキュメンタリーとしても、攻めた描写や構成に男気を感じた。人生を賭けてクリエイションする人の作品は見る者の心に強い爪痕を残すものだと改めて実感」(シトウさん)企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸監督:内山雄人2021年/全国公開中©2021『パンケーキを毒見する』製作委員会ささき・としなお新聞記者、雑誌編集者を経てフリージャーナリストに。IT、政治、経済、食など幅広いジャンルで綿密な取材を踏まえた執筆を行う。映画.comでドキュメンタリー作品を紹介する連載を持つ。著書に『時間とテクノロジー』(光文社)ほか多数。たけだ・だにえるカリフォルニア州出身・在住のZ世代。フリーランスの音楽エージェントとして活動する傍ら、アメリカ事情、カルチャー、アイデンティティ、社会をテーマにライターとして雑誌やウェブで執筆活動も。シトウレイフォトグラファー、ジャーナリスト。ストリートスナップからコレクション取材まで独自の観点でファッションの現在を映し出す。写真集『STYLE on the Street:from TOKYO and Beyond』(Rizzoli)ほか、YouTubeチャンネルも人気。※『anan』2021年9月15日号より。取材、文・浦本真梨子(by anan編集部)
2021年09月11日アートの裏側を覗き見る、クリエイター密着ドキュメンタリー。多くの人を魅了するクリエイターやファッションをピュアに楽しむ人々。彼らを知ることで人生の喜びを捉え直す。きれい、だけじゃない。クリエイター魂の叫び。写真を通じて、ファッションの楽しさを発信するシトウレイさんもドキュメンタリーファンの一人。「ファッションはイメージが大事な世界だから、クリエイターの“白鳥の水かき”の部分はほとんど見せてくれません。ましてや当事者から語られることはほぼない。その点、ドキュメンタリーはクリエイター自身が驚くほどストレートに自分の考えやその時の状況を話してくれる。それによって違った視点で彼ら/彼女らの作品を捉え直すことができます」映し出されるのは、“きれいなもの”だけではない。「ため息が出るほど美しいものの裏側には作り手の壮絶な悲しみや苦しみがあり、コンセプチュアルで難解なクリエイションは“実はハプニングで生まれた”なんて驚きもあったりする。舞台裏にあるトラブル、苦労の裏にある信頼など、普段は見られない瞬間がほとばしるところを間近に見られることが、ドキュメンタリーの魅力」作り手の心に迫ることで、ファッションとの関わり方にも変化が。「クリエイションの背景を知ることは、小説でいう“行間を読む”ことだと思うんです。つまり、見た目のかわいさや世間の評判だけじゃなく、手に取ったアイテムに思いを馳せることができるようになる。ドキュメンタリーによって、デザイナーを身内のように感じられるというか、心理的距離が自ずと近づくような気がします」美しさを求めて街を歩く。ストリートスナップの元祖。『ビル・カニンガム&ニューヨーク』ニューヨーク・タイムズ紙の名物写真家ビル・カニンガム。彼はいつもブルーのユニフォームを身にまとい、有名無名問わず、琴線に触れた人々を街角で撮影していた。そんなファッションを心から愛し、そして、多くのファッショニスタから愛されたビルの生い立ち、私生活に迫る貴重な作品。「どんな信念を持ってストリートスナップを撮っていたのか、被写体の基準、そして、実際にどういうふうに撮っているのか。一匹狼でプライベートは謎に包まれていた、ビルの頭の中を垣間見ることができます。“おしゃれである、とはどういうことか”が、この作品を見るとわかる!」監督:リチャード・プレス2010年/各種レンタル配信中©2010 The New York Times and First Thought Filmsサクセスストーリーに秘められた光と影。『マックイーンモードの反逆児』23歳で失業保険を資金にファッションデザイナーとしてデビューし、瞬く間に成功を収めた、アレキサンダー・マックイーン。順風満帆な生活を送っているように見えた彼は突然、富と名声の絶頂で自ら命を絶ってしまう。彼は一体どんな人物で、どのようにして成功し、なぜ燃え尽きてしまったのか。「モードの反逆児であり、ファッションの寵児だったマックイーンが生み出す息を呑むほど美しい感動的なクリエイション。その陰で彼がどれほど苦悩していたかがヒリヒリするほど伝わってくる。クリエイションに本気で向き合うということは、“生”を削ることなのだと教えてくれます」監督:イアン・ボノート、ピーター・エテッドギー2018年/Blu-ray¥5,280DVD¥4,290発売元:キノフィルムズ/木下グループ販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング©2018 A SALON GALAHAD PRODUCTION. ALL RIGHTS RESERVED.ファッションの女王のロックな生き様を描く。『ヴィヴィアン・ウエストウッド最強のエレガンス』数々の伝説を生み出してきたデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドを3年にわたり密着。「過去の話は退屈よ」と前置きをしてから、自身の波瀾万丈な半生についてゆっくりと語り始める。ファッションウィーク前夜、「こんなクズ、ショーに出せないわ」と言い放ち、ヒヤヒヤする場面も。「ファッション好きならヴィヴィアンにかぶれなかった人はいないはず!とはいえ彼女がどんな人なのかを知ることはあまりない。この作品では彼女の自然体の姿を見ることができ、こんなに素直でまっすぐな人なんだという発見も。クリエイションの激しさとのギャップに驚き、改めて尊敬します」監督:ローナ・タッカー2018年/DVD¥5,170発売・販売元:KADOKAWA©VWI FILMS LTD 2018. All rights reserved.稀代のファッショニスタが教えてくれること。『アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー』1950年代からインテリアデザイナーとして活躍し、今も多くの有名デザイナーたちからリスペクトされ、NYのカルチャーシーンに影響を与え続けるファッショニスタ、アイリス・アプフェル。彼女は類稀なるセンスをどうやって身につけたのか。本人の格言やセレブらの証言から知られざる姿に迫る。「メゾンのコレクションピースから1ドルほどのチープなアイテム、美術館収蔵レベルの民族衣装から若手のアップカミングブランドのアイテムまで。ジャンルも年代もテイストも値段も、ましてや有名かどうかだなんて彼女には一切関係ない。フラットな視点でファッションを選ぶ方法が追体験できます」監督:アルバート・メイズルス2014年/DVD¥5,170発売・販売元:KADOKAWA©IRIS APFEL FILM, LLC.シトウレイフォトグラファー、ジャーナリスト。ストリートスナップからコレクション取材まで独自の観点でファッションの現在を映し出す。写真集『STYLE on the Street:from TOKYO and Beyond』(Rizzoli)ほか、YouTubeチャンネルも人気。※『anan』2021年9月15日号より。取材、文・浦本真梨子(by anan編集部)
2021年09月11日生き様をさらけ出す姿に共感する、音楽ドキュメンタリー。アーティストたちも煌びやかなだけではない、本音を語ってくれる時代に。彼ら/彼女らの姿から深刻な社会問題と向き合う。葛藤や悩みを隠さない。“素顔”に共感する。最近は時代を象徴するアイドルやシンガーに密着した作品も続々とリリース。なかには孤独やプレッシャーを切実に吐露するアーティストも。音楽エージェントの竹田ダニエルさんはこう説く。「今の時代、かっこいいところだけを切り取って神格化するような作品は、誠実さに欠けます。憧れや尊敬を抱く“スター”だって私たちと同じ人間。ゴシップやSNSでの断片的な切り取りではなく、自分自身の言葉で価値観やメッセージを伝えてくれるドキュメンタリーでなら、ファンとも信頼関係を築くことができると、今、一つの表現方法として見直されています。精神的な葛藤やリアルな悩みをさらけ出し、業界内でのジェンダー差別や性的暴行について声を上げることはむしろ、人々の共感を呼び、彼女たちの魅力の一つに。特に女性スターは、容姿や私生活に至るまで、社会から常に厳しい目を向けられてきました。フェミニズムや人権に関する理解が進み、彼女たちが不当な立場に置かれていること、彼女たちが受けている被害は許されるべきではないと認識されるようになり、ファンもその過酷な現実について、知る必要性を感じています。大人に操られるのではなく、問題に対して自分の意思を表明すること、そして“個人”として自由に活動することこそが、現代のアーティストにとって“表現”であり、“当たり前”のことになりつつあります」“いい子”をやめたテイラー・スウィフトの変化と成長。『ミス・アメリカーナ』シンガーソングライターとしてだけでなく、政治的発言にも注目が集まるポップアーティスト、テイラー・スウィフト。華々しいキャリアの裏ではルッキズムやセクハラ、SNSでのバッシングなどに苦しめられていた。スターの道を駆け抜けてきた彼女がありのままの姿をカメラの前にさらけ出す。「“パーフェクトなアメリカ人の模範例”として愛されてきたテイラー。しかし、マイノリティ差別や女性の権利剥奪など許しがたい現実に対し、彼女は自身の影響力をポジティブに活用することを選ぶことに。音楽業界の問題や社会的責任などを時にユーモラスに、時に真剣に語る姿に、リスペクトが湧きます」2020年/Netflix映画『ミス・アメリカーナ』独占配信中伝説のブラックミュージックフェスの映像から歴史を解く。『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』1969年、NY・ハーレムで、約30万人を動員した音楽フェス「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」。しかしこの歴史的な祭典は映像で記録されていたにもかかわらず、約50年間語られることはなかった。当時の映像をもとに、簡単に黒人の物語や文化を処分してきた歴史への疑問を投げかける。「音楽やファッション、アートや文化は、いかにして人々の心を動かし、社会や政治に影響を与えていけるのか。コンサートが開催された時代の社会問題が現在でも同じように続いているからこそ、フィルムに映る人々の『自由を求める』悲痛な叫びはきっと現代にも強く響くと信じたくなる!」監督:アミール・“クエストラブ”・トンプソン2021年/全国公開中©2021 20th Century Studios. All rights reserved.黒人の誇り、創作の喜びをパワフルなショーで伝える。『HOMECOMING ビヨンセ・ライブ作品』2018年、コーチェラ音楽祭で行われたライブの裏側を収めた作品。おなじみのヒット曲がビッグバンド仕様にアレンジされ、大きな高揚感に包まれる。偉人たちの言葉も引用し、黒人女性として、初めてヘッドライナーを務めたビヨンセがブラックカルチャーへの敬意とショーに込めた想いを語る。「言葉を失うほどのスケール感のパフォーマンスを楽しめるのはもちろん、出産後の育児の大変さやリハーサルの過酷さなど、華やかなだけではないビヨンセのストイックさにも胸を打たれます。また、裏方である舞台裏チームやパフォーマンスチームまで脚光を浴びせている点にも愛を感じる!」2019年/Netflix映画『HOMECOMING ビヨンセ・ライブ作品』独占配信中ごく普通の少女がいかにして世界を席巻する歌手になったか。『ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけている』メッセージ性の高い楽曲を次々と放ち、グラミー賞主要4部門を史上最年少の18歳で獲得したビリー・アイリッシュ。成功の裏で彼女の世界は激変し、精神的、肉体的なストレスに徐々に蝕まれる。その中で、家族の愛が彼女を支えていた。自身の考えや家族をさらけ出した自著的ドキュメンタリー。「SNSに宿る暴力性や若くして著名になったことによるメンタルヘルスへの影響、鬱病や自傷行為、そして音楽との向き合い方を驚くほど率直に語る。彼女は自分のストーリーを自分の言葉で取り戻すために、あえて多くのことをオープンにします。まさに現代の自由で人間的なポップスターの姿」監督:R・J・カトラー2021年/Apple TV+で配信中©2021 Apple Original Filmsドラッグ、アルコールと闘った夭折の天才シンガー。『AMY エイミー』2011年、27歳という若さで急逝したイギリスのシンガー、エイミー・ワインハウス。圧倒的な歌唱力でスターダムに駆け上がるも、ドラッグやアルコールに溺れていくエイミー。貴重なプライベート映像や著名人のインタビューとともに、そのドラマティックな人生模様と知られざる素顔をひもとく。「エイミーの死後に公開され、彼女の薬物依存やアルコール乱用、摂食障害、恋愛関係や家族関係の問題などを赤裸々に取り上げている。今後エイミーのように命を落とすアーティストを減らすために、音楽業界やメディアはもちろん、ファンもどう向き合っていったらいいのかを強く突きつけられます」監督:アシフ・カパディア2015年/Blu-ray¥5,217DVD¥4,180発売元:KADOKAWA販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント©2015 Universal Music Operations Limited.たけだ・だにえるカリフォルニア州出身・在住のZ世代。フリーランスの音楽エージェントとして活動する傍ら、アメリカ事情、カルチャー、アイデンティティ、社会をテーマにライターとして雑誌やウェブで執筆活動も。※『anan』2021年9月15日号より。取材、文・浦本真梨子(by anan編集部)
2021年09月10日配信プラットフォームなどで気軽に作品を見られるようになり、いま勢いを増すドキュメンタリー。その魅力と楽しみ方を知るため、『ヤクザと憲法』『さよならテレビ』など話題作を次々と発表するテレビディレクターの圡方宏史さんと、映画好き芸人のこがけんさんに、作る人、見る人、それぞれの視点から話を聞いた。むき出しのリアルが持つ、圧倒的な強さ。©2018 A SALON GALAHAD PRODUCTION. ALL RIGHTS RESERVED.圡方さんは、小劇場で公開された作品がロングランになるなど、ドキュメンタリーに注目が集まっているのを肌で感じているそう。「テレビも含めてNetflixなど配信も加わり、映像作品が豊富にある中で、今エンタメは二極化しているように思います。膨大な制作費をかけて世界観を作り込んだ没入感のある作品か、反対にむき出しのリアリティで作るものか。『事実は小説よりも奇なり』といいますが、台本があってお決まりの展開で進んでいくものに視聴者が満足できなくなってきていて、実際に起きていることをもとにしたドキュメンタリーに、多くの人が惹きつけられているのではないでしょうか」作り物ではないリアリティだからこそ心を動かされるのであり、それこそがドキュメンタリーの神髄と、こがけんさんも話す。「僕が度肝を抜かれた最初のドキュメンタリー作品は『モハメド・アリかけがえのない日々』。リングの中で闘い、外でも社会と闘っているアリがとにかくかっこよくて。こんな人間がリアルに生きていたんだと思うだけで“オーマイガー!”です。ドキュメンタリーが映す世界は、時間や場所は違えど、自分が生きている現実の延長線で起きていること。そこに強いパンチ力と説得力がある」だからこそ、「想像していないことばかり起きる現実を、どう編集していくかに監督の手腕が出るのが見どころ」と続けます。「フィクションの映画は監督という神様がいて、すべてコントロールしますが、ドキュメンタリーは作り手が想定すらできない無秩序な世界。『FAKE』という佐村河内守さんに密着した作品では、最後の12分、監督・森達也さんの手から離れて、すごい展開になるんですよ。コントロール不能に陥った感じがまた面白いんです」また圡方さんも、最近は表現方法が多様になっていると語る。「従来のドキュメンタリー作品は勉強的要素が強く、比較的それがイデオロギーとくっつきやすかった。しかし、机上の空論を超えてくる現実に対して、最近は作り手も肩の力を抜いて、自分の立場を明確にせず、“視聴者にも考えてほしい”と答えを決めないまま提示してみたり、エンタメ性の高い作品も増えています。話が想像もしないほうに曲がっていく『イカロス』のような作品も出てくる。良質なドキュメンタリーとは“長時間の記録の中にドラマが浮き出てきたもの”だと思います。そこには明確な答えがあるわけでもないため、見た後にスッキリしないこともあると思うのですが、それはそれで楽しめばいい。最近では、ある議員に17年にわたって密着した『なぜ君は総理大臣になれないのか』も、政治ジャンルに括れないドキュメンタリーとして話題になりました」また、そんなドキュメンタリーを見る意義は“他者を知ること”だと続ける。「撮り手として大切にしたいのは、普通に生活している中では見られない人・場所に焦点を当てること。そこには、例えばヤクザのような一般的には理解しがたい、“異端”も含まれます。今は何でもラベルを貼って分類したがるけど、絶対にわかり合えないと思う人にも自分と重なる部分はあると知るだけで、分断された世界が繋がっているものだと示せるのではないでしょうか」一方、こがけんさんも作品から多くを学んでいるという。「忘れてはならないのは“カメラが写していない現実もある”ということ。だから、すべてを鵜呑みにせず、その前後を調べたり、裏を取る作業はしたほうがいい。これは、情報が溢れる今の時代にとても大切なこと。ドキュメンタリーに触れることで、その力が養われるのではないでしょうか」白か黒か、二者択一では決められないことはたくさんある。ドキュメンタリーは私たちに、他者を理解する大切さや、真実が曖昧なものであるというメッセージをも伝えてくれているのである。二人がすすめる必見作品『モハメド・アリ かけがえのない日々』数多くの逸話を残すボクサー、モハメド・アリの生涯を、“キンシャサの奇跡”と呼ばれたタイトルマッチの映像を基軸に辿る。第69回アカデミー長編ドキュメンタリー賞。1996年/DVDは現在廃版。『FAKE』「現代のベートーベン」とまで称賛された佐村河内守氏。2014年に「ゴーストライター問題」で世間を騒がせて以降、約1年半にわたって自宅で彼を密着し続けた問題作。2016年/各種レンタル配信中。『イカロス』ドーピングについて探るべく、アマチュア自転車レーサーであるブライアン・フォーゲル監督が自身を実験台にカメラを回し始めると、話はまさかの方向へ…。2017年/Netflix 独占配信中。『なぜ君は総理大臣になれないのか』大島新監督による最新作。衆議院議員・小川淳也氏を17年にわたって追い、高い志を持って政界に入るも、民主党解党などに翻弄される姿を描く。2020年/Netflixほか各種レンタル配信中。ひじかた・こうじ1976年生まれ。東海テレビ勤務。情報番組やバラエティ番組のディレクターを経験後、報道部に異動。『ヤクザと憲法』『さよならテレビ』など監督作の劇場公開が続き、注目を集めている。こがけん1979年生まれ。お笑い芸人。おいでやす小田とユニットを組み、「おいでやすこが」としても活動。年間100本以上の映画を観る映画好き芸人としても有名で、トークライブ「こがけんシネマクラブ」を度々開催。※『anan』2021年9月15日号より。取材、文・浦本真梨子(by anan編集部)
2021年09月10日俳優・生田斗真が新作歌舞伎に挑戦する姿を追うNetflixドキュメンタリー映画『生田斗真ドキュメンタリー ~挑む~(仮)』が、2022年春にNetflixにて配信されることが決定した。1997年に連続テレビ小説『あぐり』で俳優デビュー以降、数々のドラマ、映画、舞台で唯一無二の役を演じ、2011年には初の主演映画『人間失格』と『ハナミズキ』でブルーリボン賞新人賞を受賞、その演技力が認められ、2019年には大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に出演、2020年には向田邦子賞受賞作『俺の話は長い』で東京ドラマアウォード2020 主演男優賞に輝くなど着実にキャリアを重ねてきた生田斗真。そして2021年、生田が新たに挑戦するのは「新作歌舞伎」。生田の高校の同級生であり、親友の歌舞伎俳優の尾上松也が、2009年より主宰する歌舞伎自主公演シリーズの最終公演『「挑む」Vol.10 ~完~』に特別出演する。11才からジャニーズJr.として芸能活動を開始、アイドルとしてのスタートを経た後、俳優の道を極めてきた生田。そして、歌舞伎役者として5才で初舞台、歌舞伎のみならずドラマやミュージカルなどで幅広く活躍する松也。高校時代「いつか二人で同じ舞台に立つ」と約束したふたりが、2021年8月ついに新作歌舞伎で初共演、20年来の約束を果たす。生田はなぜ今、新作歌舞伎に“挑む”のか。そして毎回新たなチャレンジが行われてきた歌舞伎自主公演「挑む」シリーズ最終公演で松也が抱く覚悟とは。生田と松也、エンタメの世界で全く違う道程を辿った二人が歌舞伎役者として “挑む”舞台に立つ時、果たしてどのような化学反応が生まれるのか。本公演の地は演劇の街・下北沢の中心的存在である本多劇場、演目は新作歌舞伎「赤胴鈴之助」(あかどうすずのすけ)。松也の父である故・六代目尾上松助が子役時代の昭和30年代、同名漫画を原作としたテレビドラマ版の主役を務めた、松也にとって所縁の作品だ。64年前、テレビが録画ではなく生放送時代のドラマであり、父が演じた赤胴鈴之助を見ることが出来ないものの、松也にとっては亡き父を偲ぶ、思い入れ深い作品だ。この新作歌舞伎「赤胴鈴之助」で生田は、松也演じる赤胴鈴之助の兄弟弟子でライバルの竜巻雷之進(たつまきらいのしん)を演じる。Netflixでの配信が決定した本作は、初のかつら合わせをした日から公演を終えるまでの生田斗真の約2カ月半に完全密着。生田が初めての世界に飛び込む戸惑いや、懸命に稽古に向かう真摯な姿を描き出す。また生田と松也のインタビューでは、悲願でもあった舞台での共演を実現するに至った二十年来の友情を掘り下げる。さらに、人生の大半をエンタメの世界で生きてきた二人の軌跡を辿る。また、Netflixでは本ドキュメンタリーの配信に合わせ、8月13日に初日を迎えた新作歌舞伎公演の映像化作品の全世界配信も決定。映像は「劇団☆新感線」の舞台映像などで、映像×演劇の新たなエンターテインメントの世界を築き上げた「ゲキ×シネ」チームが手掛ける。生田は、現在も絶賛撮影進行中の本ドキュメンタリーと新作歌舞伎公演の映像化作品について「高校時代、教室の隅で松也くんと交わした約束が、時を経てこんなにも大きなプロジェクトになるなんて、あの頃の僕達に教えてあげても信じてもらえないだろうな」と盟友松也と過ごした日々を振り返る。松也は「一筋縄ではいかなかった公演ですが、我々二人と共演者、そしてスタッフの熱い思いを裏から表まで堪能していただけましたら幸いです」と、大舞台への抱負を語る。■生田斗真 コメント私、生田斗真のドキュメンタリー映画が制作され、Netflixにて世界190以上の国で同時配信される事になりました。そして、さらに『挑む』の舞台本編映像もNetflixで配信が決定しました。なんでしょう。。Netflixアザッス!プレミアム会員になってて良かったっス!『いつか一緒に舞台やろう』高校時代、教室の隅で松也くんと交わした約束が、時を経てこんなにも大きなプロジェクトになるなんて、あの頃の僕達に教えてあげても信じてもらえないだろうな。■尾上松也 コメントこの度、私が主宰しております歌舞伎自主公演「挑むVol.10 ~完~」がNetflixにて配信していただける事になりました。また、客演していただきました生田斗真さんの公演までの道のりを追ったドキュメンタリーも配信される事となり、この様な嬉しい事はございません。斗真さんとは中学時代から現在に至るまで、全てを共有してきた数少ない友人です。その盟友と学生時代から共に語り合っていたのが、歌舞伎作品でいつか一緒に舞台に立ちたいと言う夢でした。それが何十年越しに叶い、皆様にご覧いただけることはこの上ない喜びです。一筋縄ではいかなかった公演ですが、我々二人と共演者、そしてスタッフの熱い思いを裏から表まで堪能していただけましたら幸いです
2021年08月14日Netflixドキュメンタリー映画『生田斗真ドキュメンタリー ~挑む~(仮)』の配信が決定した。連続テレビ小説「あぐり」で俳優デビューし、以降、『人間失格』、『ハナミズキ』、『土竜の唄』シリーズ、「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」、など様々な作品に出演してきた生田斗真。今年、生田さんが新たに挑戦するのは、新作歌舞伎。高校の同級生であり親友の歌舞伎俳優・尾上松也が2009年より主宰する歌舞伎自主公演シリーズの最終公演「『挑む』Vol.10 ~完~」に特別出演する。高校時代、「いつか二人で同じ舞台に立つ」と約束した彼らが、この夏ついに新作歌舞伎で初共演、20年来の約束を果たす。今回の演目は、新作歌舞伎「赤胴鈴之助」。松也さんの父である故・六代目尾上松助が子役時代の昭和30年代、同名漫画を原作としたテレビドラマ版の主役を務めた、松也さんにとって所縁の作品。この舞台で生田さんは、松也さん扮する赤胴鈴之助の兄弟弟子でライバルの竜巻雷之進を演じる。しかし、生田さんはなぜいま、新作歌舞伎に挑むのか。毎回新たなチャレンジが行われてきた歌舞伎自主公演「挑む」シリーズ最終公演で、松也さんが抱く覚悟とは…。ドキュメンタリーでは、初のかつら合わせをした日から公演を終えるまで、生田さんの約2か月半に完全密着。初めての世界に飛び込む戸惑いや、懸命に稽古に向かう真摯な姿を描き出す。また、生田さんと松也さんのインタビューでは、舞台での共演を実現するに至った友情を掘り下げ、さらに、人生の大半をエンタメの世界で生きてきた2人の軌跡を辿る。本作について生田さんは「高校時代、教室の隅で松也くんと交わした約束が、時を経てこんなにも大きなプロジェクトになるなんて、あの頃の僕達に教えてあげても信じてもらえないだろうな」としみじみ。松也さんも「何十年越しに叶い、皆様にご覧いただけることはこの上ない喜びです。一筋縄ではいかなかった公演ですが、我々二人と共演者、そしてスタッフの熱い思いを裏から表まで堪能していただけましたら幸いです」と喜びを語った。なお「Netflix」では、ドキュメンタリーの配信に合わせて、新作歌舞伎公演の映像化作品の全世界配信も決定。映像は「ゲキ×シネ」チームが手掛ける。Netflixドキュメンタリー映画『生田斗真ドキュメンタリー ~挑む~(仮)』は2022年春、全世界同時配信予定。舞台公演「『挑む』Vol.10 ~完~」は2022年春、Netflixにて全世界同時配信予定。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2021年08月14日不平や不満を抱えていても、「自分ひとりでは世の中を変えることはできない」と諦めてしまうことはありませんか?そこで今回は、インターネットもSNSもない時代に、国家権力にひとりで立ち向かった沖縄のおばぁが繰り広げた衝撃の実話を基にしたドキュメンタリーをご紹介します。『サンマデモクラシー』【映画、ときどき私】 vol. 4001963 年、米軍の占領下にあった沖縄では、祖国復帰を願う人々が日本の味としてサンマを食べていた。サンマには琉球列島米国民政府の高等弁務官布令によって輸入関税がかけられていたが、関税がかかると指定されていた魚の項目にサンマの文字がないことが発覚。そこで声を上げたのは、魚卸業の女将である玉城ウシ。なんと、琉球政府を相手に徴収された税金の還付訴訟を起こし、現代の貨幣換算で7000万円もの額を要求することに。そして、ウシおばぁが起こした“サンマ裁判”は、いつしか統治者アメリカを追い詰める、民主主義を巡る闘いへと発展するのだった……。沖縄史のなかでも、埋もれていた“伝説”に迫っているノンストップドキュメンタリー。そこで、本作誕生のきっかけについて、こちらの方にお話をうかがってきました。山里孫存監督沖縄テレビで、長年にわたってさまざまな番組の企画や制作を手がけてきた山里監督。これまでも沖縄の歴史と向き合い続けてきた監督ですが、今回は沖縄の人たちでも知らなかった驚きの実話を切り口に、新たなドキュメンタリーを完成させました。そこで、取材を通じて得た気づきや次の世代に伝えていきたいことについて語っていただきました。―高校時代の同級生がFacebookに上げた投稿を見たことが本作のきっかけだったということですが、そのときのことを教えていただけますか?監督沖縄テレビに入社して以来、ずっと報道や制作の現場にいたので、沖縄のことなら大抵のことは知っているつもりでいました。そんななか、友達が「うちの亡くなった父は、“復帰運動の起爆剤”と言われているサンマ裁判を裁いた裁判官でした」と書き込んでいたんです。そこで、「サンマ裁判ってなんじゃそれ?」となって調べ始め、一気に企画書を書きました。ただ、最初は裁判官を主人公にした法廷モノのような方向性で考えていたんです。―では、そこからどのようにして、ウシさんへと繋がっていったのでしょうか?監督改めて調べ直したときに、サンマ裁判には第一と第二があることがわかり、そこで玉城ウシという魚屋の女性が起こした裁判があることを知りました。そこでもまた、「なんじゃそれ?」と(笑)。しかも、サンマ裁判を“ウシ”が起こしたなんて、それだけでおもしろいですよね。それをきっかけに、もっと庶民の側からの抵抗を描くものにしたいと思うようになりました。当時のエネルギーを若い世代にも知ってほしい―企画書を出したとき、すでに手ごたえもありましたか?監督そうですね。ウシさんが起こしたサンマ裁判については、沖縄に詳しい人や大学の教授でさえも知らない人がほとんどだったので、コンペでも「これはいいネタを見つけたね」という反応がありました。“掘り出し物”を見つけたなと思いましたが、それよりも僕自身がものすごく知りたいという気持ちのほうが強かったです。5月に沖縄で試写会をしたときには、復帰前のことを知らない人が増えているので、初めて知ることがたくさんあったという意見が多かったですね。沖縄が1972年に日本に復帰したとき、僕は小学2年生なので覚えていますが、そんなふうに実感を持って当時のことを話せるのは、僕らが最後の世代なんじゃないかなと。そういう意味でも、あの当時の戦っていたエネルギーみたいなもの若い人たちに伝えたいというのは、この作品を作りながら感じていたことでもあります。―当時をリアルに体感した世代として、次の世代に引き継いでいきたいという気持ちがより強くなったんですね。監督それはすごくありました。来年の5月15日で復帰から50周年となるので、個人的には勝手にこの作品も「復帰50周年記念作品」としています。そこに対するこだわりがあるので、先ほどの試写会も49年目となる5月15日に開催したほどです。いまから来年の5月に向けて、この作品をしっかりと日本各地に届けられたらと。復帰前の沖縄の姿と、復帰へと向かっていった沖縄の人たちの思いや現実をみなさんにも知っていただきたいです。―『サンマデモクラシー』というタイトルは非常にインパクトがありますが、どのようにして決められたのでしょうか?監督僕は普段からタイトルを先に考えるタイプなので、今回もタイトルから決めましたが、『サンマデモクラシー』というのはいい響きだなと思ったので、かなり早い段階でひらめきました。このタイトルに引っ張られる形で内容もポップな感じになっていったところがあるので、作品自体にもかなり影響を与えています。沖縄で決定権と発言権を一番持っているのは、おばぁ―時間が経っているだけに、ウシさんについてリサーチには苦労されたのではないですか?監督ウシさんのことを直接知っている人をなかなか見つけ出すことができず、断片的な証言やまた聞きした話などが多かったですね。だからこそ、「じゃあ、ウシさんが過ごしていた時代はどういう時代だったのだろうか?」というところからいろいろなデータを集めて調べ始め、落語をベースにして表現することを考えつきました。ウシさんを調べているつもりが、そこで見えてきたのは、当時の歴史的な事実やいろいろな人たちの生きていた時代。結果的にこの作品ではウシさんというひとりの沖縄の女性を通して、時代背景を全体的に見ることができるようになっていると思います。―不満があっても、政府を相手に裁判を起こすにはかなりの原動力がないとできないことですが、ウシさんを支えていたものは何だったのでしょうか?監督映画化するにあたって、僕もそこは強化しないといけないと感じていました。調べて行くと、ウシさんは娘を5歳で亡くし、夫と妹も亡くなっていたので、ひとりで生きていた女性。おそらく、多くのものをなくしてしまったからこそ、強くならざるを得なかったのだろうなと。僕はウシさんのことをそう理解したので、彼女の「相手がアメリカだろうが何だろうが、納得のいかないものはいかない」「もう私は何もなくしたくないんだ」という部分を描こうと思いました。―沖縄といえば、おばぁのイメージが強いですが、監督にとっておばぁはどんな存在ですか?監督僕が山里家の長男というのもありますが、うちのおばぁはとにかく厳しかったですね。ちなみに、沖縄ではどの家庭でも、だいたいおばぁが決定権と発言権を一番持っています。なので、おばぁが納得しないと何も前に進まないことも……。それは、伝統的におばぁや女性を敬う文化が沖縄にはあるからだと思いますが、沖縄の男がだらしないからというのもあるかもしれないですね(笑)。この作品を観ていただいてもわかると思いますが、沖縄で一番強いのはおばぁです。ただ、おばぁがいてくれるからこそ、受け継がれてきた沖縄のしきたりが次に伝えられているのだと思います。作品には、唯一無二の“川平節”が必要だった―そういった部分は、これからも引き継いでいってもらいたいですね。監督そうですね。おばぁは、沖縄ではある意味“アイドル”でもありますから。僕が立ち上げたバラエティ番組に沖縄あるあるを視聴者の方に投稿してもらう名物コーナーがありますが、お題として一番盛り上がるのは、おばぁにまつわる笑い話。ものすごくたくさんの投稿がありますし、どれもみんなで大笑いできるようなものばっかりなんですよね。―おばぁの力はすごいですね。また、劇中では、川平慈英さんのナレーションも素晴らしかったです。オファーされたきっかけは?監督慈英さんとは10年ほど前にも別の番組でがっつりと向き合ったことがあったので、お願いしました。それと、今回の作品は歴史的背景や沖縄が置かれていた状況を情報として詰め込んでいることもあり、普通にナレーションしていたら絶対に退屈してしまうので、唯一無二の“川平節”が必要だったというのもあります。「ムムッ」はこっちにとっておきましょうとか、現場でいろいろと話し合いながら慈英さんの感覚を取り入れてナレーションしていただけたのは大きかったと思います。―監督は大学時代に、慈英さんの叔父さんで沖縄の放送業のパイオニアとして活躍された川平朝申さんに卒論のインタビューをされていたご縁もあったそうですね。監督朝申さんは沖縄のマスコミ界のレジェンド的な方で、僕の質問に3日がかりで答えてくださいました。将来テレビに関わる人間になると想像はしていなかったと思いますが、沖縄のことを聞きに来ている目の前の学生にしっかりと答えようとしてくださったのではないかなと。僕にとっては、一生忘れられないインパクトのある出来事になりました。そんなふうに、川平家とは関わりがあったので、こうして一緒にお仕事できたのはものすごく感慨深かったです。恩返しというほどではありませんが、あのとき朝申さんが僕に伝えたかったことの一部でもこの映画で表現できていたらいいなと思っています。―ナビゲーターであるうちな~噺家の志ぃさーも印象的でしたが、落語の要素を取り入れた意図についても教えてください。監督落語は日本が磨いてきた話芸の最たるものだと思いますが、落語のスタイルを借りれば、宇宙の果てだろうが、江戸時代にでも未来にでも、どんな垣根でも自由自在に飛び越えていけるのではないかと感じたほど。改めて、落語のすごさを実感しました。沖縄にあることを知って、一緒に考えてほしい―劇中で高等弁務官のキャラウェイによる「自治は神話」「日本政府は二枚舌だ」という発言がありました。取材をするなかで、現代が抱えている問題に改めて気づかされることもあったのでは?監督それはすごくありましたね。知っていたことでも、当時のことを知っている方のお話をうかがうことで、自分の解釈や物の見方が変わることもありましたから。なかでも、今回の取材を通して、沖縄を統治する“めんどくさい部分”は日本政府に返して、基地だけを自由に使えるための復帰だったのかなと改めて感じました。もちろん、アメリカの高等弁務官を務めた方にも彼らなりの正義があったとは思いますが……。だからこそ、みなさんもこの作品を通していまの沖縄のニュースへの見方が変わってくれたらいいなと思っています。―今後の沖縄に期待していることはありますか?監督この作品で描かれているようなことはいまでもありますが、沖縄は民主主義から取り残されているように感じている部分が強いからこそ、日本のどこよりもそういった戦いがいまでも続いているんだと思います。沖縄のことを大好きだと言ってくださる方は多いですが、そういうところにはあまり意識が向かない方が多いのかなと。沖縄がどう変わりたいかということよりも、沖縄に起きていることを知ってもらい、少しでもみなさんに自分のこととして考えていただけたらと思います。―最後に、観客へのメッセージをお願いします。監督いまは復帰についてあまり知らない方も多いと思いますが、来年は50周年という節目の年でもあるので、こんな時代があったんだということをみなさんにもおもしろおかしく体感していただきたいです。この作品は何かを突き付けたりする意図はないので、気軽に観ていただけたらと。ただ、観終わったあとに沖縄に対しての気持ちが変わるのであれば、その思いを大事にまた沖縄と向き合っていただけたらうれしいです。未来のために、戦わなければいけないときがある!学校の教科書やニュースでは、知ることのできない沖縄のさまざまな実情を垣間見ることができる本作。信念を貫き通したウシおばぁのように声を上げることの大切さ、そしていまでも続いている戦いに私たちひとりひとりがもっと目を向けるべきだと感じるはずです。取材、文・志村昌美目が丸くなる予告編はこちら!作品情報『サンマデモクラシー』7月17日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開配給:太秦©沖縄テレビ放送
2021年07月16日笑福亭鶴瓶のドキュメンタリー映画『バケモン』が、7月2日(金)より全国順次公開されることが明らかになった。本作は、様々なドキュメンタリー番組をディレクターとして手がけてきた山根真吾監督が、鶴瓶を17年間追い続けて撮影し続けた1600時間の映像を、一本の映画に編集したもの。すべての始まりは隠し撮りだったという。2004年、鶴瓶の落語『らくだ』初演を無許可で撮影したとき、その芸に衝撃を受けた監督は、「『らくだ』を追いかけたい」と正式に申し込み、「俺が死ぬまで世に出したらあかん」という条件付きで撮影を許された。その日から監督は、『らくだ』の他にも「鶴瓶噺」のステージから楽屋、打ち上げの席など、公私の境のない様々な人々との交流まで、ゴールを決めないまま追い続ける。そして2020年、様々なエンタテイメントが次々と中止になる中、4カ月ぶりの鶴瓶の舞台では、わずか19人の観客を前に『らくだ』が演じられた。山根監督は、その新たな境地に到達した芸を目の当たりにしたことで、17年間1600時間の映像を、一本の映画にすることを決断したのだという。本作の撮影・編集・構成・演出を山根真吾監督が務め、ナレーションを香川照之、音楽を服部隆之が担当した。また、本作品は映画館に無償で提供する目的で製作され、入場料はすべて映画館の収益となる。『バケモン』7月2日(金)より全国順次公開
2021年06月17日人生山あり谷あり。喜ぶこともあれば、落ち込むこともあるでしょう。落ち込んだところからの回復が速い「前向きな人」がうらやましいと思う人も多いのでは?今回は、あなたの前向き度を好きなテレビ番組から診断します。自分がどれくらい前向きなのか気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。Q.「好きなテレビ番組は?」と聞かれたあなた。思い浮かんだテレビ番組のジャンルは次のうちどれですか?A.ドラマB.バラエティ・お笑いC.アニメD.ドキュメンタリーA.ドラマAの「ドラマ」を選んだあなたの前向き度は60%です。他人のことを思いやる心をもっているあなた。身近な人が落ち込んだり悩んだりしていたときに、「大丈夫?」と声をかけて前向きになる元気を与えてくれます。あなたの明るさに助けられている人も多いでしょう。ただ、相手の悲しみや苦しみが深すぎると引きずり込まれてしまう可能性も。自分自身までが落ち込んでしまわないように、人との距離は上手にコントロールしましょう。B.バラエティ・お笑いBの「バラエティ・お笑い」を選んだあなたの前向き度は40%です。普段は明るく、一見楽天的に見えるあなた。しかしそれは表面的なもので、実はひとりでいるのが好きだったり静かな場所が好きだったり……落ち着いた場所や空間を求めています。誰かに見られているときは明るい自分でいなければ、と無理をしているところがあるかもしれません。自分がリラックスできるところでは、とことんリラックスすることがおすすめです。C.アニメCの「アニメ」を選んだあなたの前向き度は80%です。明るく前向きで努力家なあなた。ポジティブなあなたは、いつも笑顔が素敵です。自分の強みと、その強みを活かす方法を知っているため、充実した毎日を過ごすことができています。前向きに楽しく過ごしているあなたは、無意識のうちに周囲にも元気を分け与えることができているでしょう。D.ドキュメンタリーDの「ドキュメンタリー」を選んだあなたの前向き度は20%です。成し遂げたいこと、挑戦してみたいことはありますが、やる気が空回りしてしまいがちなあなた。「自分なんか」と思ってしまうことが多く、思うように進むことができないことも多いのでは?まずは肩の力を抜いて、自分の良さを自分で認めることから始めてみましょう。あなたの持つ力を最大限活かせる場がきっとあるはずです。いかがでしたか?今回は、あなたの前向き度を診断しました。診断結果を参考に、あなたが毎日を笑顔で過ごすことができますように。(恋愛jp編集部)
2021年06月04日ABEMAオリジナルドキュメンタリー番組「MILLENNIAL /ミレニアル」の6月3日(木)配信回は、ニューヨーク在住の若者に人気の動画クリエイター・kemioが登場する。本番組は、ミレニアル世代の視聴者に向けて、ミレニアル世代の多様な生き様や価値観を追いかけて届ける、ミレニアル世代特化型ドキュメンタリー番組。第1弾では俳優・岡田健史を特集し、その後もアーティスト・YOSHI、バレエダンサー・永久メイの回を配信してきた。そして今回は、動画クリエイター・kemioさんに密着。10代の頃にVineに投稿した「高校生あるある」が話題となり、インフルエンサーの先駆けに。YouTubeでは、独特なワードセンスとユーモア溢れる日常の投稿が若者の共感を呼び、“デジタル世代のカリスマ”と言われるように。そんなますますの活躍が期待される中、2016年末にアメリカへ拠点を移し、2019年からはニューヨークでの生活をスタート。では、一体なぜ、移住を決意したのか?どんな価値観や信念を持ち、どんな煌めきを放つのか?kemioさんの日々に密着し、素顔に迫りながら等身大の姿を映し出す。「今まで、これくらい長く自分がやっていることを密着していただく機会がなく、ドキュメンタリーをつくるのも初めての経験で、どんなふうに完成するのかワクワクしていました」と語るkemioさんは、「『MILLENNIAL /ミレニアル』で、活躍している同世代の中に自分を入れていただけるのがすごく光栄でアガりました(笑)」とコメントしている。「MILLENNIAL /ミレニアル」は6月3日(木)23時~ABEMA SPECIALチャンネルにて配信。(cinemacafe.net)
2021年05月30日Nulbarichのドキュメンタリー映像「Beat × Beat」がApple MusicとYouTubeにて公開された。「Beat × Beat」は、オーディオブランド・Beats by Dr. Dreが手がけるドキュメンタリー映像で、世界のトップアーティストの音楽制作の舞台裏とそのインスピレーションを紐解いていく人気シリーズ。これまでセレーナ・ゴメス、アリアナ・グランデ、ケンドリック・ラマー、コールドプレイといった名だたるアーティストが出演しており、今回Nulbarichが選出された。今回の映像では、Nulbarichのミュージックビデオを数多く手がける木村太一がディレクションを務め、コロナ禍に起きている様々なことに向き合い創った最新アルバム『NEW GRAVITY』に収録されている「CHAIN」の制作舞台裏を撮影。JQが信頼を置くエンジニア、土岐彩香と一曲を創り上げていく制作のプロセスや楽曲に込めた思い、さらにJQと気心が知れた監督だからこそ、捉えられた自然体の素顔や普段では見られないありのままのJQの姿が垣間見られる貴重な映像に仕上がった。ぜひこの映像を通して、彼らの魅力を確かめてほしい。■Nulbarich「Beat x Beat: Nulbarich “CHAIN”」Apple Music - Nulbarich アーティスト・ページ【リリース情報】ニューアルバム『NEW GRAVITY』2021年4月21日リリースApple Musicにて4月21日より配信スタート「IN THE NEW GRAVITY 」特設サイト収録内容などの詳細はコチラをご覧ください。単独ライブNulbarich ONE MAN LIVE『IN THE NEW GRAVITY』情報も特設サイトでチェック!
2021年05月14日5人の人気俳優が製作費・製作日数など同条件で25分以内のショートフィルムを製作したWOWOW「アクターズ・ショート・フィルム」。このほど、森山未來監督、永山瑛太主演の作品『in-side-out』が、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2021」(SSFF & ASIA 2021)のオフィシャルコンペティション supported by Sony ジャパン部門にノミネートされた。『星屑の子』を世界初公開今年のSSFF & ASIAは6月11日(金)~21日(月)をメイン日程に、本日27日(火)より先行してオンライン会場がスタート。2021の各部門ノミネート作品および特別上映作品は映画祭オフィシャルサイトにて発表されている。特別上映作品には、ウィル・フェレル主演のカンヌ国際映画祭ノミネート作『デイビッド』、ベン・ウィショー 出演『ミス・フォーチュネット』、キム・ボラ監督の『リコーダーのテスト』、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の1986年のドキュメンタリー『ポートレイト/ヴェルナー・ヘルツォーク』などが世界から到着。日本作品では、國村隼主演作『願いのカクテル』、筒井真理子主演の『The Supermission』を特別上映。また、ジャパン部門には人気俳優がショート・フィルムの監督に挑戦したWOWOWのプロジェクト「アクターズ・ショート・フィルム」から森山未來監督、永山瑛太主演による『in-side-out』のほか、照屋年之(ゴリ)監督、満島ひかり主演の『演じる女』もノミネート。また、オンライン会場では日本人監督による過去映画祭ノミネート38作品を一挙世界配信。また「いきものがかり」×内田英治監督による、全編スマートフォンで撮影されたショートフィルム『星屑の子』も世界初公開されている。『in-side-out』森山未來監督からコメント到着『in-side-out』は、森山さんと公私ともに関係が深い永山さんが主演を務め、コロナ禍でより身近になった“孤立”をある男の妄想と現実の狭間に生きる姿で描く、“閉鎖的ミュージカル”として大きな話題を集めた。森山さんは初監督作品が昨年のSSFF & ASIAで特別上映されるなど、本映画祭との縁も深い。昨年より監督としてパワーアップした森山“監督”の作品が、グランプリを獲得し、翌年の米国アカデミー賞短編部門へのノミネート候補とされる権利を獲得することができるのか、期待が高まる。なお、ジャパン部門優秀賞およびグランプリとなるジョージ・ルーカスアワードは6月21日(月)に行われる映画祭アワードセレモニーにて発表される。森山監督は、「去年にも『Delivery Health (the escort)」という作品をSSFF & ASIAさんに選んでいただいたという経緯があり、これらの作品をより多くの観客の皆さんに観てもらえることが素直に嬉しいです」と喜びをコメント。「典型的なミュージカルのイメージではなく、ある密室の中での最小人数によるモノローグやダイアローグから生まれる『言葉を飛躍した何かしらの衝動/表現』のようなものを切り取ってみたい」という意図から始まった本作について、「何かしらの理由で引き籠もらざるを得なくなった男が、ワンルームの、彼だけの世界の中で妄想を爆発させます。そんな中で生まれる、一人の存在による表現の自由とその限界を、一緒に見つめられればと思っています」とアピール。また、ショートフィルムについても「短いからこそ、作家の純度がより強く凝縮されるのだと改めて感じました」と言及し、「声をかけていただけるのであれば、また監督もやるかも」とコメントを寄せている。さらに、今回のノミネートを記念して『in-side-out』のWOWOWにてアンコール放送が決定。6月4日(金)には「特集:6/4はショートフィルムの日!」として、「アクターズ・ショート・フィルム」5作品はもちろん、『SKIN 短編』『そうして私たちはプールに金魚を、』といった話題作を特集。6月26日(土)よりアクターズ・ショート・フィルムのこれまでの歩みを記録した「アクターズ・ショート・フィルム・ドキュメンタリー」も放送する。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2021」は6月11日(金)~6月21日(月)、都内にて開催。オンライン会場は4月27日(火)スタート。「アクターズ・ショート・フィルム」はWOWOWオンデマンドにて配信中。森山未來監督作品「アクターズ・ショート・フィルム #5 in-side-out」は5月14日(金)22時~WOWOWプライムにて放送・WOWOWオンデマンドにて配信。(text:cinemacafe.net)
2021年04月27日映画は知らない世界への扉だと言われる。ドキュメンタリーは特にそうだ。新型コロナウィルスの影響が色濃くなったここ1年は、心がざわつく作品とは少し距離を置いている。気がつけば勇気づけられる作品を好んで観るようになった。最近のお気に入りドキュメンタリーはファッション映画だ。生きた芸術とも言われるファッションへの好奇心と、クリエイションへの好奇心、そのどちらも満たされるものだから、つい繰り返し観てしまう。『メットガラドレスをまとった美術館』は、US「VOGUE」編集長で、メット理事でもあるアナ・ウィンターが、年に一度、服飾部門の活動資金調達のために行う世界最大のファッションイベントの制作過程を追っている。メットガラの席料は一人25,000ドル(約275万円)。招待状を入手できるのは、マドンナ、ジョージ・クルーニー、アン・ハサウェイ、ジュリアン・ムーアらアナに影響力を認められた人のみだ。絢爛豪華な祭典の様子も見物だが、私が惹かれたのは前日譚。次々に降りかかる問題を、アナとキュレーターのアンドリュー・ボルトンが、あの手この手で乗り越えていく。アナが頭を抱える姿は、彼女の日常に密着した『ファッションが教えてくれること』からは想像できない。必然性のない提案にNOを出し、5万ドルかけた撮り下ろしも容赦なくボツにする。マリオ・テスティーノやオスカー・デ・ラ・レンタのような大物にすら忖度なし。即断即決の彼女が思い悩む姿を見ていると、「躓いたって立ち上がればいい」という気になるのだ。デザイナーを追った作品には、アナの作品同様にお仕事映画的側面が感じられるものも多く、そのプロフェッショナリズムに心が震える。『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』では、パンクと優雅さを融合させたファッションで、無一文から世界を手中にしたヴィヴィアンの人生が紹介されている。デザイナー、実業家、母親、妻、環境&人権保護活動家としてのボーダーレスな活躍、エネルギー溢れるプライベートライフには目を見張る。『ディオールと私』では、オートクチュール未経験のラフ・シモンズが、パリのメゾンでベテランのお針子たちと1枚の布に魂を注ぎ込もうと奮闘する姿に胸が熱くなった。もちろん、コレクション完成が終点ではない。発表後、デザイナーたちを待ち受けるのは賞賛か酷評か。『マックイーンモードの反逆児』では、ある人物がこの業界にいると心のバランスを崩すと言っていた。華やかなファッション業界の過酷さを象徴するひと言だ。創り手の思いを知るほどに、ファッションを短いシーズンで区切ることへの違和感が募る。だからこそ、私のお気に入りは『ドリス・ヴァン・ノッテンファブリックと花を愛する男』だ。彼は流行と戦い続けている。何着か我が家のクローゼットにあるドリスの服は、なるほど何年経ってもお気に入りだし、飽きることがない。確固とした自分軸を持つ彼は、世界的に成功した今もアントワープに邸宅を構えている。アンティークや花、自家菜園で採れた野菜を慈しむ姿に、トレンドとは別の価値観で生きるドリスの精神を感じ、彼の服にますます愛着を感じることとなった。ドリス同様「アントワープの6人」の一人であるマルタン・マルジェラの映画『We Margiela マルジェラと私たち』は、素顔を隠してセンセーショナルな作品を発表し続けたマルタンが、突然表舞台から姿を消した理由を探る。理想と現実、創作と資金のバランスに常に悩まされていた現実には驚かされた。彼がブランドについて語る際、常に“I”ではなく“We”と言い続けた理由も明かされる。それは、『ライフ・イズ・カラフル未来をデザインする男ピエール・カルダン』の冒頭でカルダン氏が明かした、「ブランドについて三人称で語る理由」と同じだ。カルダン氏は、「自分はブランドにおいてあくまでもひとつの要素にすぎない」と言う。そのスタンスを貫き、2020年に設立70周年を迎え、今も巨大コングロマリットと距離を置き、設立者本人が幸せそうに采配を振るう姿に励まされるデザイナーは多いはずだ。数あるファッション映画の中でも大好きなのが『アルマーニ』だ。一代で帝国を築き上げたジョルジオ・アルマーニの鬼気迫るこだわりと、それが具現化されたミニマルな服、そして美しい暮らしぶりには圧倒された。だが、その裏で彼が犠牲にしてきたものにも気づかされる。“道”を極める覚悟を垣間見ている気もするのだ。無から美を生み出そうとする人々のたゆまぬ努力は、覚悟のひとつのカタチなのだろう。だからこそ、彼らを見ると身が引き締まる。勇気をもらえるのだ。さあ今日も、お気に入りの一着を身に纏ってがんばろう。(text:June Makiguchi)
2021年04月09日佐古忠彦監督最新作となる映画『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』(3月20日公開)が18日、東京・渋谷のユーロライブにて同日開幕した「TBSドキュメンタリー映画祭」にて先行上映され、佐古監督が舞台挨拶に登壇した。本作は、『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』2部作で戦後沖縄史に切り込んだ佐古監督が、新たに発見された資料を交え、知られざる沖縄戦中史に挑んだ野心作。沖縄戦を生き延びた住民、軍や県の関係者、その遺族らへの取材を通じ、戦中最後の沖縄県知事となった島田叡(しまだ・あきら)氏の生涯と、語り継ぐべき沖縄戦の全貌に迫った長編ドキュメンタリー映画だ。沖縄で先行公開されており、佐古監督は「開館前から列を作っていただいていて。『いい映画だったよ』という言葉を残してくれる方が本当に多かった」と沖縄での反響を明かし、「沖縄戦は、今の状況につながる一つの原点。沖縄のみなさんにとっては、あの時代に何があったのか、改めて原点を見ることにつながったというところもあり、本当に作ってよかったと思うことができる沖縄の公開でした」としみじみと語った。また、3月に公開することについて、「沖縄戦は3月に始まっている。この季節の中で、あの出来事が起きたという季節感を感じながら作品を見ていただくことも意義があるのかなと」と述べ、「どういった中で人々が命に向き合っていたのか感じながら映画を見ていただけたらうれしい」とメッセージ。さらに、「命に向き合うことは、時代関係なく、一番の尊厳の部分。この映画には、昔話だけではなく、今日的なテーマがたくさん含まれている。リーダー論、官僚の在り方、そして、全体主義の中で個がどんな行動をとれるのか。時代を超えて今に投げかけてくるメッセージがある」と語った。本作では、佐々木蔵之介が島田叡氏の語りを担当。佐古監督は「蔵之介さんのお力をお借りし、その場面場面での島田さんの気持ちを考えに考え抜いて、素晴らしい表現をしていただいた。沖縄でも『佐々木蔵之介さんの語りが島田さんのイメージにぴったりだ』という声をたくさんいただいて、本当に蔵之介さんにお願いしてよかった」と感謝し、「実は蔵之介さん、直前に沖縄に行かれて、いろんな空気を感じとって収録に臨まれた。いろんなものをこの作品に乗せていただいた」と明かした。「TBSドキュメンタリー映画祭」は3月18日~21日に東京・渋谷のユードライブにて開催。テレビ放映版から新たに編集をした作品に加え、劇場公開作を含む全22作品を上映し、監督やゲストによるトークイベントも実施する。なお、この日の舞台挨拶ではTBSの出水麻衣アナウンサーが進行を務めた。
2021年03月18日いまや私たちの日常に欠かせないインターネットやSNS。便利であるいっぽうで、危険な側面があるのを誰もが感じているのでは?そこで、ある人気キャラクターがインターネット上でたどった衝撃の出来事を目の当たりにする話題作をご紹介します。『フィールズ・グッド・マン』【映画、ときどき私】 vol. 366ハッピーなキャラクターたちが繰り広げる若者のリアルな日常を描いているマット・フューリーの漫画「ボーイズ・クラブ」。カルト的な人気を博していたが、主人公であるカエルのペペが「feels good man(気持ちいいぜ)」というセリフを放ったことがすべての始まりとなる。いつからかインターネットの掲示板やSNSには、このセリフとともに“ネットミーム”として改変されたペペのイメージ画像が溢れだしてしまう。さらに、2016年のアメリカ大統領選時には、匿名掲示板「4chan」で人種差別的なイメージとともにペペが大拡散され、ADL(名誉毀損防止同盟)からヘイトシンボルとして正式認定される始末。マットの思いとは裏腹にペペの乱用は加速し続けることに……。アメリカの映画批評サイト「ロッテントマト」で96%を叩き出し、「いますぐ必見の痛烈なポリティカル・ドキュメンタリー」と絶賛されている本作。今回は、その裏側について、こちらの方々にお話をうかがってきました。アーサー・ジョーンズ監督&ジョルジオ・アンジェリーニさん本作で監督デビューを飾り、サンダンス映画祭新人賞を受賞するなど高く評価されているアニメーターで脚本家でもあるジョーンズ監督(写真・左)。今回は、マットと同じアーティストとして感じている思いや制作過程で発見したインターネットが抱える問題などについて、本作のプロデューサーであるジョルジオ・アンジェリーニさん(写真・右)と一緒に語っていただきました。―ペペの生みの親であるマット・フューリーさんが経験した一連の騒動を監督は、友人として間近でご覧になっていたそうですが、それを映画にしようと思ったのはなぜですか?監督ペペがニュースに出たり、掲示板でミームとして扱われるようになったりしてから、この騒動ついてはずっと驚かされていたんです。以前からマットとはペペについていろいろと話し合っていたので、この数年間でペペの身に起こったことについて非常に興味深く感じていました。そんななか、2016年にペペがヘイトシンボルに登録されてしまい、それによってマット自身がネオナチやオルタナ右翼なんじゃないかと勘違いしている人も増えていたので、ドキュメンタリーを作ることで「ペペを守って真実を伝えたい」「いまのアメリカの現状を世界に発信したい」と思うようになったのがこの作品を制作しようと考えた理由です。―制作の過程では、それまで知らなかった事実に直面することもありましたか?監督僕は普段あまりSNSを使わないですし、「4chan」を見たのも初めてだったので、新しい発見はたくさんありましたね。作品自体がリサーチプロジェクトでもあるので、SNSがいかに世界やコミュニケーションの方法を変えたのかという経緯や社会の変化をこの映画を通して伝えたかったというのもひとつです。そのために、SNSのコミュニティを理解するように努力したり、現代の哲学やメディア論に関する資料を読んだり、学者の方にお話を聞いたりと、多方面から調べていきました。インターネットには忍耐力を持って接することが大事―ペペが置かれている立場については、どう思われましたか?監督もうひとつ僕が驚いたのは、ペペがいかにファンたちと感情的なつながりがあるかということ。たとえば、「4ちゃんねらー」と呼ばれる4chanの投稿者であるミルズと話しているなかでも、彼らのような人たちにとって、ペペとの絆がどれほど強いのかを感じることもありました。それは、作品を作っていくなかでも、おもしろいと思った点です。―そういった一連の出来事を目撃して、インターネットやSNSとの向き合い方は変わりましたか?ジョルジオさん監督はあまりSNSをしないタイプの人なので、これに関してはこの映画の公式SNSなどを担当している僕が答えたいと思いますが、まずは忍耐力を持つことが大事だと気がつきました。今回のペペのようにインターネット上では、ネガティブな方向に用いられることもありますが、そんなときでも忍耐力を持って接していれば道は必ず開けていくということを学んだからです。―では、利用している人に向けてアドバイスがあればお願いします。監督まず頭に入れておくべきなのは、それぞれのプラットフォームはユーザーを操るためのツールであって、できるだけそこで時間を費やすように作られていたり、不安や恐怖をあおったりするようになっているということ。いま、SNSは空気のような存在とされていますが、もう少し批判的な目を向けていく必要があるのかなとは思っています。特に、この作品を通してみなさんにも考えてほしいのは、メディアリテラシーの大切さやSNSとどう接していくかということです。いかに協力して平和な社会を作れるかを考えてほしい―そのいっぽうで、いい面もあるとは思いますが、どうお感じですか?ジョルジオさんインターネットやSNSというのは、あくまでもみんなが繋がることのできる“偽りのユートピア”のような場所なんじゃないかなと思っているので、正直言って、今回の過程ではあまりポジティブな面を見つけることはできませんでした。というのも、ネットカルチャーにおいては、愛情や共感よりも悪意やヘイトの感情のほうが広がりやすいんだと感じたからです。なので、みなさんにもそういったことを忘れずに、インターネットに参加してほしいなと思っています。そして、SNSにコントロールされるのではなく、する側に立ち、いかに協力して平和な社会を作れるのかも考えてもらえたらいいなと。あとは、自分を偽ることなく、インターネット上でも自分らしさを見せることを恐れないでほしいので、そういったメッセージも受け取ってもらいたいです。―こういう作品なのでインターネット上に投稿される作品に対する感想も気になったのではないでしょうか?監督確かにネガティブなコメントを恐れていましたが、人々は驚くほどいい反応を見せてくれました。そのときに感じたのは、インターネットやSNSが与える影響について対話をする心の準備がみなさんできているんだなということ。そして、ネガティブなイメージがついてしまったものの、いかに人々がペペのことを愛しているのかを実感しました。それによって僕たちは勇気をもらえましたし、ペペが歩んできた長い旅路の一部になれたこともうれしく思えた瞬間だったと思います。ペペはアメリカ社会の鏡になっている―もしも、ペペというキャラクターが存在せず、インターネット・ミームとしてここまで利用されることがなければ、アメリカの歴史も変わっていたと思いますか?ジョルジオさんペペは社会に影響を与えるキャラクターというよりは、社会の鏡だと考えています。なので、愉快でハッピーなペペから悲しいペペになり、怒りを抱えているペペを経て、最後は暴力的になるという変化がありましたが、あれはまさにアメリカの文化を象徴していると言えるでしょう。アニメーションのなかで、ペペが見ている鏡が割れるシーンがありますが、そこでもアメリカの文化を比喩的に表現しているんですよ。ペペがいなければこの作品は生まれませんでしたが、ペペ自身が社会を変えたということはないと思います。監督だからペペがいなくても、トランプは当選していたでしょうね(笑)。―誰もがマットさんの立場になりうる可能性がありますが、同じアーティストとして活動するうえで監督も創作活動や表現の自由の難しさを感じることはありましたか?監督マットは僕よりも才能がある人なので、同じ立場になれるとは思っていませんよ(笑)。ただ、いまの世の中で漫画は消費文化だと思われているところがありますが、社会のなかで重要なアートだと僕は考えています。それまでは受け身なところもありましたが、自分自身が動くことで世の中を変えることができることを知れたので、不安や恐怖を感じるよりもワクワクした気持ちのほうが強かったですね。―これからも、ミームは影響力を増していくのでしょうか?ジョルジオさん「ミーム」というのは新しい言語だと思っているので、今後なくなることはないでしょうね。ただ、ちょっと影響力が大きすぎるという意味では問題だと思っているので、ミームに対して社会がどのように反応していくか、というのが課題なのかなと考えています。2020年の大統領選挙のときに民主党候補者を目指していたマイケル・ブルームバーグ氏もお金を払って自分のミームを作成し、影響力を得ようとしていたほど。彼のような人でもミームを意識しているんだと知り、改めてミームの力の大きさを知りました。普通に見ているだけならミームはいろんなユーモアのセンスが融合されていて面白いので、いい意味で発展してもらいたいなとは感じています。世の中にとって何がベストかを考えていくべき―今後、ミームとはどのように付き合っていけばいいと思いますか?監督これはアメリカだけではなく、世界中で起きていることですが、ミームを使って力の弱い人たちを操ろうと悪用しているケースも見られるので、それに対しては、何かしらの形で戦っていかなければいけないと感じています。―なかなか難しいことではありますが、みなが「フィールズ・グッド」と言えるようになるになる社会に必要なものは何だとお考えですか?監督まずは、オンラインに費やす時間を減らすこと。そして、プラットフォーム自体が社会的責任を負うということが大事だと感じています。そのために、プログラマーや経営者たちと多様な思考を持った人たちが集まって一緒に作り上げていくことが必要なのではないかなと。ユーザーも声を上げるべきですし、会社もグローバルな責任を持って運営をしていかなければいけないですが、とにかく世の中にとって何がベストなのかを議論しながら、プラットフォームを作り上げることが求められると思います。あとは、コミュニティのなかでお互いに力を与え合って、幸せを感じることですね。そんなふうに社会のなかで役に立てているという感情が人々をフィールズ・グッドにさせるのではないかと考えています。―最後に、おふたりが日常生活で「フィールズ・グッド」と感じる瞬間を教えてください。ジョルジオさん一番幸せを感じるのは、家族や友人、ペットと時間を過ごしているとき、それからアーサーのようなクリエイティブな人たちとの仕事をしているときですね。監督僕もジョルジオと同じで、大好きな仲間と一緒にコラボレーションして制作しているときがフィールズ・グッドな瞬間です。あとは、シャワーを浴びてさっぱりして、強いコーヒーを飲んで、好きな音楽を聴きながら犬を散歩させる時間に幸せを感じています。世界中で起きている問題にみんなで向き合う!現代社会が抱える問題や闇の実態について、人気キャラクターを通して見ることができる本作。インターネットという世界では、誰もがいつ被害者や加害者になるかもしれない危険性があるだけに、これからの付き合い方を考える意味でもいま観るべき1本です。取材、文・志村昌美痛烈な予告編はこちら!作品情報『フィールズ・グッド・マン』3月12日(金)ユーロスペース、新宿シネマカリテほかにて全国順次公開!配給:東風+ノーム©2020 Feels Good Man Film LLC
2021年03月11日世界最大のNYブックフェアの裏側から本を愛するブックセラーたちの世界を追ったドキュメンタリー『ブックセラーズ』が公開されることが決定。併せて、ポスタービジュアルが解禁となった。世界最大規模のNYブックフェアの裏側から「ブックセラーズ(直訳:本を売る人たち)」の世界を紐解いていく本作。監督はドキュメンタリーで活躍してきたD・W・ヤング、製作総指揮でナレーションを務めたのは「インディペンデント映画の女王」と呼ばれる女優のパーカー・ポージー。辛辣でありながらユーモアあふれる語りで、映画の要所要所に登場するのはNY派の作家、フラン・レボウィッツ。Netflixで配信が始まったばかりのマーティン・スコセッシ作の新作ドキュメンタリーシリーズ「都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点-」の主人公である彼が、ブックセラーの世界をガイドする。映画に登場するブックセラーは、ニューヨークの老舗書店の人々から、業界で名を知られたブックディーラー、希少本のコレクター、古書業界に新しい風をもたらす若手から伝説の人物まで。彼らは皆、本をビジネスとして扱うだけでなく、本への愛情に溢れており、中には「奇人」とも「物好き」とも言いたくなるユニークなキャラクターの持ち主も。また、ビル・ゲイツによって史上最高額の2,800万ドル(約28億円)で競り落とされた本「レオナルド・ダ・ヴィンチのレスター手稿」や、あの「若草物語」のオルコットが偽名で書いたパルプ小説、宝石が施された本、人間の皮膚で作られた本など、映画には、コレクターしか見ることのできないような希少本が多数紹介されるのも、たまらない魅力だ。今回解禁されたポスタービジュアルはニューヨークの小さな書店の扉がモチーフで、右角には映画に登場するブックセラーの飼い猫をフィーチャー。「本のない人生なんて。」というコピーが添えられ、本好きの好奇心をくすぐるビジュアルに仕上がっている。『ブックセラーズ』は4月23日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、UPLINK吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブックセラーズ 2021年4月23日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、UPLINK吉祥寺ほか全国にて公開
2021年02月16日