バジルはサラダ添えたり、ソースにしたり、ハーブの中でも生のまま使うことが多いハーブ。また、ベランダや室内でも手軽に育てられるので、栽培して生のバジルを楽しんでいる人も多いですよね。でも、間違った保存法で、バジルのおいしさを無駄にしているかもしれません。今回は、生のバジルが長持ちする保存法を、冷蔵・冷凍・常温の3つの場合に分けて徹底解説していきます。■バジルの保存方法【冷蔵】生のバジルが余ったら、とりあえず冷蔵庫。というのが一番多い保存方法だと思います。でも、バジルを冷蔵庫に入れておいたら、すぐに「しんなりしてしまった」また、「葉が黒ずんでしまった」という経験はありませんか?冷蔵庫にしまうときに、ちょっとひと手間かけるだけで、ずっときれいに長持ちさせることができますよ。・冷蔵庫に入れてもバジルが長持ちしないのはなぜ?収穫後のバジルが傷む原因は次の4つです。低温障害乾燥ぬれたままにする葉が傷つく冷たく、乾燥した環境の冷蔵庫内は、バジルにとってよい環境とは言えません。また、冷蔵庫にしまう前に、ゴシゴシ洗ったり、葉を雑に扱ってしまうと、さらに葉が傷ついてしまうのです。この4つの原因を避け、冷蔵庫でバジルを長持ちさせる方法をご紹介します。・保存容器に入れて保存1つめは、保存容器に入れて、冷蔵庫内の冷気と乾燥を防ぐ方法です。バジルの葉は洗うと傷みやすくなるので、使用する前にその都度洗うようにしましょう。1.ぬらしたキッチンペーパーを敷く保存容器に、ぬらしてぎゅっと絞ったキッチンペーパーを敷きます。その上に、洗う前のバジルの葉をそっと並べて入れます。重ねる場合も、ぎゅうぎゅうにせず、やさしく乗せるように重ねてください。2.バジルをキッチンペーパーで挟むさらに、バジルを並べた上に、湿らせたキッチンペーパーをそっとかぶせます。保存容器のふたをして冷蔵庫で保存してください。この方法なら、冷蔵庫で1~2週間保存可能です。・グラスに立てて保存バジルを茎のままで保存するならこの方法。水を変える手間はかかりますが、葉の色を一番きれいなままで保存できる方法です。1.水を入れたグラスにバジルを入れる野菜室へ入れるので、倒れないように安定感のあるグラスを用意してください。グラスにバジルの茎だけが浸かる程度の水を張ります。バジルの茎の先端部を少し切り落とし、グラスにさします。バジルの葉が水に浸ってしまうと、そこから傷んでしまうので、水は浅めで大丈夫です。2.ポリ袋をかぶせ野菜室へポリ袋を風船のようにかぶせ、グラス部分に輪ゴムで止めます。野菜室で1~2週間保存可能です。雑菌が付くと腐りやすくなるので、水を毎日変えると長持ちしますよ。・塩漬けで保存使い切れないくらいの生バジルが手に入ったら、塩漬けにして冷蔵庫保存がおすすめです。使うものは清潔な保存容器とバジルと同量の塩のみと、とってもシンプル。思いついたら、すぐに作ることができますよ。1.洗って水気をよく拭き取るバジルの葉を枝からそっと外し、やさしく洗います。ザルで乾かして、さらに残った水気は清潔な布やキッチンペーパーでしっかりふき取りましょう。水分が残っていると、葉が変色する原因になります。2.保存容器に塩と交互に入れる洗って乾かしたバジルの葉に同量の塩をまぶします。バジルの葉が50gあれば、食塩も50gです。保存容器の底にも少量の塩を敷き、塩をまぶしたバジルの葉を詰めていきます。最後に、蓋をするように塩を加えたら、保存容器の蓋を閉め冷蔵庫で保存します。保存容器は、ガラス製など耐熱性の物を使用し、熱湯消毒をした清潔なものを使うと、半年~1年間保存可能です。バジルの塩漬けの使い方でき上がったバジルの塩漬けはかなり塩辛いので、使うときは味付けに気を付けてください。使う前に、表面の塩を払い落として使いましょう。おすすめは、バジルソースにすること。バジルの香りが移った塩も、そのまま味付けとして使えます。この方法なら、生のバジルが手に入らない時期でも、フレッシュのバジルソースを楽しむことができますね。■バジルの保存方法【冷凍】バジルは、もちろん冷凍保存も可能ですが、きれいに保存するにはちょっとした工夫が必要です。生のバジルを冷凍保存する場合は、洗ってから保存します。洗ったあとは、しっかり水分をふき取ってから冷凍してください。・保存容器+ラップで保存使う分量ずつラップで包み、保存容器に入れて冷凍しておけば、バジルの葉同士がくっつかないので使いやすいですよ。1.重ならないようにラップで包む洗って水気をふき取ったバジルを、重ならないように並べ、数枚ずつラップで包みましょう。2.保存容器に入れるラップで包んだバジルは、さらに保存容器に入れてから、冷凍庫にしまいます。こうすると、デリケートなバジルの葉が、ほかの食材でつぶされてしまうのを防げます。・製氷機で保存刻んだバジルの葉を、コンソメスープやオリーブオイルと一緒に製氷機で冷凍しておくと、すぐに料理に使えて便利です。1.刻んだバジルの葉を製氷機に入れる洗ったバジルの葉を刻んで、製氷機に入れます。1つのブロックに、半分くらいの量。2.製氷機にスープなどを注ぐ製氷機の各ブロックにお好みでスープなどを注ぎ冷凍してください。コンソメスープ、水、オリーブオイルでもOKです。使いたいときに1ブロックずつ取り出して使います。・冷凍したバジルの利用法冷凍したバジルは、解凍すると食感や見た目が悪くなってしまいます。そのため、見た目重視のトッピングには向いていません。凍ったまま料理に使うと、香りを逃さずに使うことができます。スープやパスタソースなど、暖かい料理の仕上げに入れるのがおすすめです。冷凍したバジルの保存期間は1カ月ほど。ご紹介したどの方法を使っても、同じです。■バジルの保存方法【常温】バジルを常温で保存するには、乾燥バジルにしたり、オイル漬けにするなど、ひと仕事必要です。でも、自家製の乾燥バジルやオイル漬けを作っている間は、バジルのいい香りに包まれて幸せな気分になるでしょう。バジル好きにはたまらない時間ですね。バジルがたくさん余ったら、チャレンジしてみる価値ありですよ。さっそく、乾燥バジルとオイル漬けの作り方を見ていきましょう。・レンジで作る乾燥バジル市販されているようなドライバジルを、自宅でも作ることができます。もちろん天日干しでもできますが、気をつけていないと、乾燥の途中でカビが生えてしまします。電子レンジを使って乾燥させれば、短時間でできてしまいますよ。1.水気を拭き取り重ならないように並べるバジルは洗って水気を拭き取っておきます。平たい耐熱皿にキッチンペーパーを2枚重ねて敷き、その上にバジルの葉を重ならないように並べてください。2.電子レンジで1~1分半加熱600Wで1~1分半が目安の加熱時間ですが、1分ほど加熱したあとは10秒単位で調節しながら、カラカラになるまで加熱してください。葉が、縮んてカサカサするくらいでOKです。このとき、水分が残ってしまうと、あとからカビてしまいます。3.すりつぶして粉末状にする最後は、フードプロセッサーで細かくすれば、お店の調味料コーナーで見かけるような乾燥バジルの完成です。湿気が大敵なので、密閉容器にいれ保存してください。上手に水分が飛んでいれば、半年以上室温で保存することができますよ。・バジルのオイル漬け最後は、オリーブオイルにつけて保存しておく方法です。バジルオイルとして、料理の香り付けに使うこともできます。また、バジルにプラスして鷹の爪やにんにくを一緒に漬け込むなどのアレンジも可能です。透明なボトルに入れておけば、見た目もおしゃれなので、キッチンや食卓のアクセントにもなりますね。1.水気をよく拭き保存容器に入れる熱湯で消毒した清潔な保存容器を用意してください。容器に、洗って水気を拭き取ったバジルを入れます。2.オリーブオイルを注ぐオリーブオイルはバジルがしっかり浸かるまで注いでください。エキストラバージンオリーブオイルがおすすめ。生バジルのフレッシュな香りとよく合います。3.1週間経ったらバジルを取り出す1週間ほどしてオリーブオイルに香りが移ったら、バジルは取り出してください。この、取り出した葉も食べることができますよ。常温で日光の当たらない場所で保存しましょう。■おすすめバジルレシピ5選 ・バジルトーストドライバジルを使ったレシピです。自家製の乾燥バジルで作ってみたいですね。材料(2人分)バゲット(幅2cmのスライス)4枚分ニンニク(すりおろし)1片分オリーブ油大さじ1バジル(ドライ)小さじ1塩少々作り方手順1:バゲットの表面にニンニクを薄くぬり、オリーブ油、ドライバジル、塩をかける。手順2:オーブントースターでこんがりと焼く。・魚のムニエル・バジルソースバジルソースは覚えておくと応用可能。ぜひマスターしておきましょう。材料(4人分)タラ(ムニエル用)4切れ 塩コショウ適量 小麦粉大さじ1.5 バター10g オリーブ油大さじ2 バジル20g EVオリーブ油50~60ml カシューナッツ20g ニンニク1/2片 アンチョビ2~3枚 パルメザンチーズ大さじ3トマト1個下準備タラに塩コショウを振り、小麦粉を薄くからめる。<バジルソース>の生バジルは1枚ずつ水洗いして水気を拭き取り、カシューナッツはフライパンで焦がさないように炒る。フードプロセッサー、またはハンディプロセッサーでカシューナッツ、ニンニク、アンチョビ、EVオリーブ油を1/3量ずつ加えペースト状になるまで攪拌する。これを3回繰り返す間に、生バジルとEVオリーブ油を2回に分けて加えてペースト状になるまで攪拌し、最後に粉チーズを混ぜ合わせる。トマトはヘタを取り、8つのクシ切りにする。作り方手順1:フライパンにバター、オリーブ油を入れ中火にかけ、タラを入れ(盛り付けた時に上になる側を下にして並べ)、おいしそうな焼き色がついたらフライ返し等でひっくり返す。手順2:器に<バジルソース>を敷き、(1)のムニエルを盛ってトマトを添える。アンチョビとパルメザンチーズは塩辛いので、味を見ながら調整しましょう。特に、塩漬けのバジルを使う時は、減らしてくださいね。・バジルオムレツひき肉が入り、メインになる卵料理です。バジルの香りが、おしゃれ。材料(4人分)卵8個 生クリーム大さじ4バジル(生)16~20枚プロセスチーズ60gサラダ油大さじ4 合いびき肉200g トマト1個 玉ネギ1個 塩小さじ1 コショウ少々 ウスターソース大さじ1 サラダ油大さじ1下準備卵を2個ずつ割りほぐし、生クリーム大さじ1を混ぜ合わせる。バジルはザックリちぎっておく。プロセスチーズは1cm角に切る。<具>の玉ネギ、トマトは粗みじん切りにする。玉ネギをサラダ油で炒め、しんなりしたら合いびき肉を加えてさらに炒める。肉の色が変わったら、トマト、ウスターソースを加え、塩、コショウで味を調えておく。作り方手順1:生クリームと合わせた卵にバジル、プロセスチーズの1/4量を加えてよく混ぜ合わせる。手順2:フライパンにサラダ油大さじ1を入れ中火にかけ、フライパンが熱くなったら(1)の卵を一気に流し込み、菜ばしで手早く全体にかき混ぜる。手順3:半熟になったら火を弱め、<具>の1/4量を中央に縦長にのせる。フライパンを傾けて滑らせ、器に返しながら移し、キッチンペーパーなどで形を整える。同様に3回繰り返す。バジルが隠れるので、冷凍バジルで作っても色が気にならずOKです。・冷製バジルパスタ生のバジルがたっぷり手にいる、初夏~夏にピッタリなレシピです。材料(4人分)スパゲティー280~320g 塩28~32g粉チーズ大さじ4 バジル大1袋 EVオリーブ油100ml またはオリーブ油 ニンニク1片 松の実1/4カップ カシューナッツ1/4カップ レモン汁1/2個 塩コショウ少々バジル(飾り用)適量下準備スパゲティをゆでる熱湯を準備する。<ジェノベーゼソース>のバジルの葉は、飾り用バジルを残し、軸から葉をつみ取る。ミキサーに全ての材料を入れペースト状に撹拌する。作り方手順1:スパゲティをゆでる熱湯に塩を入れ、スパゲティを加え袋の指定時間より30秒長めにゆでる。ザルに上げて冷水で冷やし、水気を切る。手順2:ボウルに<ジェノベーゼソース>、粉チーズを入れ混ぜ合わせ、1のスパゲティを加え全体にからめる。手順3:器に2のスパゲティを盛り分け、飾り用のバジルを飾る。スパゲッティは冷やすので、表示通り茹でると仕上がりが硬くなってしまいます。パッケージの指定時間より、少し長めに茹でてください。・鶏肉のバジル炒めレシピでは、バジルオイルを作るところから始めていますが、作り置きしたバジルオイルの出番です。材料(2人分)鶏もも肉1/2枚 (1枚で約400g)塩コショウ少々シメジ1パック バジル3~4枚 オリーブ油大さじ1白ネギ1本オリーブ油大さじ1プチトマト2個作り方手順1:シメジは石づきをとって小房に分け、白ネギは白髪ネギにする。<バジルオイル>のバジルはみじん切りにしてオリーブ油につける。プチトマトは水洗いする。手順2:鶏モモ肉を細切りにして、塩、コショウで下味をつけ、<バジルオイル>に5~10分つける。手順3:フライパンにオリーブ油大1を温め、鶏モモ肉を漬け汁ごと加え、火が通ったらシメジを加え、最後に白髪ネギを加えて火を止め、皿に盛り、プチトマトを添える。■バジルはちょっとした工夫できれいに保存できる生のバジルは、保存の仕方を間違うと、すぐに傷んでしまいます。でも、ちょっと工夫をすれば2週間、塩漬けにするとさらに長期間の保存も可能。乾燥バジルに加工すれば、常温でも半年以上も保存できるんです。今回、冷蔵・冷凍・常温保存に分けて、いろいろな保存法をご紹介しました。あなたの使い方に合った保存法をみつけてくださいね。
2021年06月19日