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「“世論の支持”を大義名分に岸田首相は2024年の介護保険制度の“改悪”に突き進むのではと、介護現場は危機感を募らせています。財務省の諮問機関である財政制度等審議会が、介護保険サービスの利用者負担を“原則2割”にすることを提案しているからです」そう語るのは「認知症の人と家族の会」の花俣ふみ代副代表だ。現在、介護認定を受けている約9割の人が「1割負担」だ。原則2割負担になった場合、自己負担額は倍増することになるが、その影響は金銭的な影響にとどまらない。「認知症の介護家族への実態調査では、1日の介護時間が『昼夜を問わず24時間』と答えた人が24%ともっとも多かったのです。これまでサービスを利用してどうにかしのいでいた家族が、経済負担に耐えられず利用控えすることによって、過重な負担が生じる可能性が高い。その担い手は主婦がすることが多く、睡眠不足やうつ、持病の悪化の懸念も。さらに介護離職を選択する人も増えるだけでなく、虐待や介護殺人も起こり得ます」■ケアプラン作成の有料化も提案財政制度等審議会は、ほかにも「ケアプラン作成の有料化」や「要介護1・2の総合事業への移行」などの提案をしている。「サービスを受ける利用者の状態や要望を聞き取って、ケアマネジャー(介護支援専門員)が定期的に作成するケアプランは、現在、利用者や介護家族は一銭も払わなくてもいい仕組みです。ここで日常生活の悩みを相談する利用者も多いのです」(花俣さん)しかし、有料化すれば、相談する高齢者や家族が減ってしまい、サービスの利用そのものを避けてしまう懸念があるという。「さらに財政制度等審議会は、要介護1、2を『軽度者』として、デイサービスや訪問ヘルパーを使えないように介護保険本体の給付から切り離して、市区町村事業に移行するように求めています。事業費に制約のある市区町村事業では、家族の負担が重くなる。介護が必要と認定されても適切なサービスを受けられなくなれば、何のために介護保険料を払っているのかわかりません」(花俣さん)最後に社会福祉学が専門の淑徳大学の結城康博教授はこう語る。「2024年の介護保険制度の改定は、この年末には方針が固まります。今は、利用者の自己負担を強いるような議論が財務省を中心に行われているところ。『ノー』という声を上げて世論を突き動かすことも重要です」このままでは、高齢者と介護家族にとっては「黄金の3年」ではなく「地獄の一生」が始まってしまうかもしれない。
2022年07月19日高齢者や身体が不自由な人を支えるため、食事、入浴、排せつなど、さまざまなサポートをする介護職。もちろん物理的なサポートだけではなく、利用者とのコミュニケーションも大切です。デイサービスで介護の仕事をしている忍者ママ(mother_ninja_)さんのエピソードをご紹介します。『お風呂でお湯をかけてくるおばあちゃんの話』ある日、高齢女性の入浴介助をしていた、忍者ママさん。湯舟に入ってもらったところ、なぜか高齢女性が忍者ママさんの足に風呂のお湯をかけ始めました。高齢女性の介護レベルは5。日常生活のほぼすべてにサポートが必要です。認知症も進み、会話をすることも困難な状態でした。それでも高齢女性はパシャパシャとお湯をかけ続け、「寒いでしょう?あなたも肩まで浸かりなさい」と、忍者ママさんを気遣ってくれていたのでした。「優しい人は、認知症になっても優しい」と、高齢女性の優しい気遣いを嬉しく感じた忍者ママさん。Instagramに投稿されたエピソードには「泣ける」「感動した」などの声が多く寄せられています。・分かります!私の祖母も「会話もまともにできない」と聞いていたのに、私が行くと「お腹すいてない?ご飯食べた?」って必ず聞いてきました。・本当に優しい人なのでしょうね。みんなずっとそんな気持ちでいてほしいですね。・素敵なおばあちゃん…。ウルっとしました。仕事中のため、一緒に入浴するわけにはいきませんが、高齢女性の優しさに、心は十分すぎるほど温まったことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年06月01日多くの人が直面する親の介護問題。時間だけではなく、お金までかかったらたまったものではない。親の介護のコツは親のお金で行うこと。専門家が解説するーー。「“人生100年時代”といわれています。親の介護期間が長くなれば、そのぶん介護費用の負担も増加します。子どもが親の介護で苦しまないためにも、原則“親の介護は親のお金を使う”と決めておくことです。そうすれば、介護破綻を防ぐことにつながります」こう語るのは、『親の介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)の著者で、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さん。「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)によると、在宅介護にかかる自己負担額は、月平均で4万8,000円。施設介護の場合だと、月平均12万2,000円もかかるという。また、同調査における介護期間の平均は5年1カ月。全体の17.6%の人が「10年以上」介護をしているというから、長期化のリスクにも備えなければならない。「親の介護費用を過度に負担したことで、子どもの教育費などにも影響を及ぼし、夫婦関係がギクシャクしてしまうケースも少なくありません」(太田さん・以下同)そこで太田さんに、世話をする子どもが損をせずに、親のお金で介護費を確保するための5ステップを指南してもらった。【1】親の財産を把握する「介護費用というのは、“いくらかかるかではなく、いくらかけられるか”が大事。そのためには、親の懐ろ事情を事前に知っておくことがとても重要となってきます」(太田さん・以下同)そもそも、親がどれだけお金を持っているか。ほとんどの子どもは知らないという。「親の年金額、預貯金、株、不動産、どのような保険に加入しているか、さらに借金の有無などを知っておくことで、どんな介護ができるか見えてきます」別居している子どもの場合、親が住民税課税世帯か非課税世帯なのかさえ、把握していないケースが多いそうだ。「もし非課税世帯であれば、医療費や介護費などの負担が軽減されます。ぜひ、親が元気なうちに財産の状況を聞いておきたいですね」しかし、普段からコミュニケーションが取れている親子なら聞きやすいが、そうでない親子も多い。子どもから突然お金のことを聞かれたら、怒りだしたり、戸惑ったりする親もいるだろう。「保険の話をきっかけにするのが有効です。たとえば、“私、〇〇という保険に入ったんだけど、お父さん(お母さん)はどんな保険に入っているの?”と聞いてみる。自分の情報を開示しながら、話を切り出せば、会話がスムーズになります。話の流れで、徐々に年金や預貯金の話に広げていく」また、親の確定申告を代わりにやることで、通帳や保険内容などをチェックすることもできる。もちろん、親に介護のことが心配だからと伝えて、ダイレクトに聞いてみるのも手だ。月々の年金額も含めた親の懐ろ事情が把握できたら、月にどれだけ介護に対してお金を使えるか、見えてくる。【2】代理人カードを作る要介護状態になれば、親は気軽に銀行に行けなくなるだろう。買い物や公共料金の支払いなど、日々の細かい支払いを肩代わりしているうちに、大きな負担になってしまうことも。「年金が振り込まれる親の口座のキャッシュカードをもう1枚作りましょう。これは本人以外の親族でもお金を引き出せる『代理人カード』と呼ばれるもので、多くの金融機関が対応しています。ただし、口座名義人が申請して作るものなので、親と相談したうえで、親が元気なうちに金融機関に同行して作っておきましょう」親のために使うお金は、親の口座から引き出したもので払おう。【3】「預かり金」の活用を検討する親からまとまったお金を預けてもらう方法もある。「たとえば、親の定期預金500万円を解約して、将来介護費用として使用するための“預かり金”として、新たに子ども名義の口座を作ります。その際、親子間で“覚書”を交わす。預かり金であれば、贈与税はかかりません。介護が始まったら、その口座から費用を出金する。親が亡くなった時点で残金があれば、そのお金は相続財産となります」相続や税金のトラブルを防ぐためにも、介護にかかった費用の明細と領収書は必ず残しておこう。【4】任意後見人契約を検討する本人に代わって財産管理や介護契約などを行うことができる「成年後見制度」というものがある。「この制度は、裁判所が後見人を選任する『法定後見』と、本人(親)が成年後見人を指名して契約する『任意後見』に分類されます。後者の『任意後見』は本人の意思によって決めることができるので、親が子どもを指名できます」親が元気なうちに、任意後見契約を結んでおけば、将来的に認知症になってからの財産管理や契約などをスムーズに行える。一方、「法定後見」の場合は、親の判断能力が低下したときに、成年後見人が必要と感じた親族らが申し立てを行って、裁判所が後見人を選任する。「必ずしも配偶者や子どもが後見人になれるわけではなく、面識のない弁護士や司法書士といった第三者がなるケースが多いようです」親の口座から介護費用を引き出したい場合でも、第三者の後見人にいちいちお願いして判断を仰がないといけなくなるという……。【5】地域包括支援センターに事前に話を聞く最後は、親が要介護になっても慌てないための情報収集!「はじめて介護をすることになると、不安や疑問、わからないことだらけです。各自治体には高齢者とその家族が気軽に無料で相談できる『地域包括支援センター』を設置しています。事前に親の住む地域にあるセンターに連絡して、親が要介護になったら“どんな介護サービスを利用できるか”“費用の軽減制度は?”など、介護に関するさまざまな情報をリサーチしておく。そうするといざ介護となっても慌てずに準備できます」長期化する介護期間を乗り切るためにも、親の介護は親のお金で賄う時代なのである。
2022年05月20日大人気マンガシリーズ、今回はのじ(@noji09noji)さんの投稿をご紹介! 「高校生で親の介護を体験した話」第50話です。自分の進路のため、無我夢中でがんばるのじさんですが…?一番苦手だったのは…出典:instagramしもの世話…!出典:instagram毎回一苦労で…出典:instagram思わず臭いと言ってしまう…出典:instagram今思うと…出典:instagram謝りたい…出典:instagram次介護をするときがきたら…出典:instagram思わず過剰に反応してしまった当時ののじさん。介護は大変なことばかりですよね…。次回の配信もお楽しみに!(lamire編集部)(イラスト/@noji09noji)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年05月12日「うちの県は認定されやすい」「うちはされにくい」。介護関係者の間で、しばしばそのような会話があるという。要介護認定を受けやすいのはどの都道府県なのだろうかーー。「ある県の介護事業者は『これまでよりも要介護認定を受ける人が減っていると感じています』と言っていました。近年、全国的に要支援、要介護の認定が抑制されており、これまで受けられたサービスが、受けられなくなるケースが出ています」こう語るのは『図解ポケット 30分でわかる! 介護保険の上手な使い方』(秀和システム)などの著者で、介護施設のコンサルティング業務などを行う「スターパートナーズ」の齋藤直路さんだ。要介護認定には要支援1〜2、要介護1〜5の要介護度がある。要介護度が高くなるほど、受けられる介護サービスは多くなるので、要介護認定は介護を受ける人にとっても、介護する家族にとっても大事な問題だ。だが、高齢化による介護費用の増大を受け、全国的に要介護認定の“抑制”が行われているという。今までなら、認定を受けられたような人に「非該当」の判定が出たり、予想よりも低い要介護度の判定が出たりしているとの声が現場からあがっているのだ。「しかも、“抑制”の度合いは都道府県によって差があるのです」図の表を見てほしい(画像参照)。厚生労働省の最新データをもとに、各都道府県で65歳以上の人(第1号被保険者)のうち、要介護認定を受けている人の割合をランキング形式で示したものだ(要支援認定者を含む)。「1位の大阪府(23.04%)の『要介護認定率』は、最下位の茨城県(15.93%)のおよそ1.5倍です。大阪府は以前から“認定が取りやすい”自治体といわれています。しかし、医療保険と違って、介護保険サービスは要介護認定されなければ利用できないものです。社会保障ですから、本来は住む地域によって認定率が大きく変わることは、望ましくありません」こうしたばらつきが出る背景には、都道府県ごとの方針や財政の状況に違いがあるという。「介護保険は、私たちが納める介護保険料と、国や都道府県、市区町村の財源によって支えられています。当然、住んでいる地域が財政難であれば、認定が出づらくなる可能性があることは、否定できません」ただし、注意が必要だ。「行政が高齢者への食事指導をしたり、フィットネス企業と組んで健康体操を普及させたりと、要介護にならないように、自立支援に力を入れている地域もある。認定率が低いからといって、一概に介護に予算を割いていない自治体とも言い切れないのです」逆に、そうした事業を行っている気配がないのに認定率が低い自治体は、介護政策に力を入れていないと見てもいいかもしれない。介護困窮者の激増が予想される将来、自治体ごとの特色を知ることも必要なのだ。■【図解】都道府県別の要介護認定率9〜47位※表は厚生労働省の「介護保険事業状況報告(暫定)令和4年1月分」より都道府県の第1号被保険者数(65歳以上人口)に占める要介護認定者数・要支援認定者数の割合から算出。資料作成「スターパートナーズ」。
2022年05月05日要介護認定には要支援1〜2、要介護1〜5の要介護度がある。要介護度が高くなるほど、受けられる介護サービスは多くなるので、要介護認定は介護を受ける人にとっても、介護する家族にとっても大事な問題だ。だが、高齢化による介護費用の増大を受け、全国的に要介護認定の“抑制”が行われているという。今までなら、認定を受けられたような人に「非該当」の判定が出たり、予想よりも低い要介護度の判定が出たりしているとの声が現場からあがっているのだ。どのような手順で、要介護認定は行われるのだろうか。東京都内で認定業務に関わっていたAさんが解説する。「認定の申請をすると、調査員が自宅などを訪れ、74項目の調査をします。調査結果がコンピュータにかけられ、一次判定が出ます」ここで出された客観的なデータと医師の意見書をもとに、一次判定の結果が妥当なのか、市区町村の審査会で審査される(画像参照)。「私が所属していた審査会のメンバーは5人。月に換算すると2.5回ほど参加してきました。1回で40名分ほどの審査が行われますが、時間は全体で30分から1時間ほどしか要しませんでした」もちろん、事前に資料が送られてくるので、問題なさそうな人は30秒ほどで審査が終わる。「しかし、どこの審査会でも、医師が議長のような立場となります。利用者思いの人もいれば、適当な人もいる。医師の意見に反論をしづらい雰囲気の合議体もあって、同じ市区町村単位でも、合議体ごとにばらつきが出ているはずです」審査会では“認定を抑制しろ”と表立って言われることはないが、そうした空気はあるという。「認定後も利用されたケアプランの点検が義務付けられていて、『そのサービスはいらないんじゃないか』など、厳しく判断されます」実態にそぐわない厳しさを感じるケースもあるという。「ある透析の患者さんには苦労しました。要支援2だったのですが、週3回、半日に及ぶ透析を受けて、その日は体力が持たない。床で寝るよりもベッドの生活のほうが楽なのですが、要支援2では介護ベッドは借りられませんので、本来なら要介護2に上げたかったんです。でも、ガイドラインでは、認知症の症状がなければ要介護1すら受けられません。また、車いすは歩行できる人は借りられませんが、その歩行の基準は、5メートルをものにつかまらずに歩けること。しかし、5メートルをやっと歩ける人が、徒歩10分のスーパーに買い物に行けるでしょうか。『日常生活に支障をきたすので、車いすを貸してください』としっかり伝えられる経験豊かなケアマネであればいいのですが、経験が足りないケアマネなら、引き下がってしまうこともあります」こうした状況下で、納得のいくサービス、そして要介護認定を受けるには、どうすればいいのだろうか。『図解ポケット 30分でわかる! 介護保険の上手な使い方』(秀和システム)などの著者で、介護施設のコンサルティング業務などを行う「スターパートナーズ」の齋藤直路さんは次のように語る。「まずは調査員への対応です。74項目のチェックポイントは、ネット上でも公表されているので、事前に、どんなところが見られるのか、知っておきましょう。とくに高齢者は、調査員の前でがんばってしまうので、ふだんはどうなのかをしっかり伝え、特記事項に書き加えてもらうようにしてみましょう」■「訪問調査」あらかじめ答えを考えておきたいこと【歩行はできるか】(1−7)歩行するとき、何かの支えを必要とするか。【移動や外出の程度】(2−2、2−12)どの程度の介助があれば移動できるか。外出の頻度はどれくらいか。【トイレの状況】(2−5、2−6)排尿や排便時に介助を必要としているか。どの程度必要か。【衣服の着脱】(2−10、2−11)上衣やズボンの着脱時に介助を受けているか。どの程度必要か。【記憶や認知機能の状況】(3−4、3−7など)少し前のことを覚えているか、自分がいる場所を理解しているか。訪問調査のときだけ正しく答えられることもあるので、家族が日常の状況を把握しておく。【日常生活は送れているか】(4−4、5−6など)昼夜は逆転していないか、簡単な調理はできるか。【会話能力に問題はないか】(4−5、4−15など)しつこく同じ話をすることはないか、話は支離滅裂ではないか。※()内は調査票の質問番号。医師の意見書も、認定に大きく影響する。高齢者は内科や整形外科など複数の主治医がいることが多いが、生活実態をいちばん知っている医師に依頼しよう。「医師のなかには、意見書をしっかり書き上げてくれる人もいれば、ほとんど白紙のような人もいます。真摯に対応してくれる主治医を見つけておくことが重要です」
2022年05月05日日本では、介護や支援を必要としている人たちが、今や700万人近くもいるといわれています。老々介護、介護士の人手不足…介護をとりまくさまざまな問題がニュースで取り上げられることも多いですが、実際に経験してみないとその大変さは分からないものです。てるきちさんは、介護士として経験した、実際の介護現場での様子をInstagramで紹介し、話題となっています。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る てるきち(@kaigo.kango)がシェアした投稿 ある日、介護士1年目の『新人くん』に「手を握って」といってきたおばあちゃんがいました。新人くんは、おばあちゃんの手を握りつつも、ほかの介護士さんが仕事を進めていることに気付いて、そちらを手伝うためにと合流しようとします。すると、ベテランの介護士の『お局さん』から止められ、こう言葉をかけられました。「そばにいるだけでも介護よ」この投稿に、読者からはこんな反応がありました。・お局さんが優しくて涙。・忙しい環境の中での温かい言葉に涙が出ました。・家族との面会も制限されている中、不安しかない患者に寄り添うことは、とても大切なこと。また、実際に介護関係の仕事に携わっているであろう読者からは、こんな反応もありました。・前の職場じゃ「おむつ交換をサボっていた」とかボロクソにいわれるんだろうな…こんなお局さんなら多少キツいことをいわれても、ついていけると思いました。・こういう人が私の職場にも欲しいです。・そばにいるだけでも介護。その言葉、とても素敵です。大好きです。そのような場面にあった時、新人に限らず、教えたいと思います。厳しい環境の中でも、助けを必要としている人や家族を、毎日サポートしている看護・介護の現場の人たちを尊敬するばかりです。また、誰かがそばに居るだけで、癒され、元気が出るんだということに気付き、筆者も無性に祖母に会いに行きたくなってしまった、てるきちさんの投稿でした。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2022年04月01日皆さんは恋愛で苦い経験をした事はありますか…?今回は実際に募集した、浮気・不倫体験談「お金を催促する妻」をご紹介します!「お金を催促する妻」妻「来月から、お小遣いを減らして良い?」私「えー、ヤダよ」妻「お金が足りないの」私の親の介護をしてくれているので…妻は私の親の介護をしてくれているため、お小遣いを減らされるくらいは我慢しなくてはならないと思っていました。妻「ボーナスを使っても良い?」親の介護にお金が掛かることは知っているため、仕方がない。ボーナスが支給されると…ところがボーナスが支給された翌日、妻が居なくなった。妻が居なくなったのは“浮気相手のところ”へ行ってしまったから。この1年、妻は私の親の介護を全くしておらず、私の稼いだお金は浮気相手の借金返済に使われていたようです…。いかがでしたか?介護のためにお金がかかると思っていたらまさかの「浮気」…。その後どうなったのかとても気になります…。次回の「浮気体験談」もお楽しみに。※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年03月12日■概要わたしたちHApeeMolenZプロジェクトは、2021年9月1日に介護福祉士や歯科衛生士等で結成した医療介護多職種連携団体です。私たちのそれぞれ別々の培ってきたスキルを、高齢化社会のなかでコロナ禍におけるフレイル(虚弱)等心身機能の低下や一人で悩みを抱えている方々に、地域包括支援センターや社会福祉協議会等地域の協力を得て、このたび、下記の内容でワークショップイベントを行うはこびとなりましたので、ご案内いたします。参加者で、既製品について真剣に話し合うオーラルフレイルについて講座を行う歯科衛生士■主要メンバー歯科衛生士片桐美由紀介護福祉士館亜美介護福祉士中澤静香介護支援専門員(介護福祉士)松本裕子左上中澤氏、右上松本氏、左下片桐氏、右下館氏の4名コロナ禍だからこその結成■内容「人生の最期まで活き活きと暮らし続けるために、美味しく食べる~モラサナイ、をたのしく叶える医療介護多職種連携HApeeMolenZプロジェクト」①HA 人生の最期まで「美味しく」食べるためのオーラルフレイル予防ケア②pee 人生の最期までモラサずだせる人生を失禁予防セルフケア③Moleハからフレイル予防!ピから失禁予防!「HApeeMolenZ体操」④nZ 自分だけのオリジナル布パッド製作(ワークショップ)ミシンと手縫いで、みんなでつくるジブンだけのオリジナル布パッド作製中完成しました!これらの内容で、下記のとおりワークショップイベントを松島町と仙台市にて開催いたします。ご関心のある方、居住地域は問いませんので、下記問い合わせ先までご連絡ください。【日時/場所】2022年3月9日(水)13:30~14:45松島町文化観光交流館アトレ・る(②③のみの実施/松島町磯崎字浜1-2)2022年3月10日(木)13:30~15:30BRANCH仙台(まちスポせんだい)(①~④実施/仙台市泉区長命ヶ丘2-21-1)■団体概要団体名 :HApeeMolenZプロジェクト代表者 :代表 館亜美所在地:〒984-0011宮城県仙台市若林区六丁の目西町1-432F設立:2021 年9月活動内容:人生の最期まで美味しくたべる~モラサずだす、をたのしく叶えるHApeeMolenZURL: ■本取組み、本記事に関するお問い合わせ先HApeeMolenZプロジェクト事務局担当:館 (たち)TEL:022-353-6681Mail: teammolenz@gmail.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月02日調剤薬局を運営する株式会社メディーレ(名古屋市緑区徳重2-1620代表取締役:虫鹿伸哉)は、介護施設などで使用する栄養剤の管理を便利にする専用ストッカーの発売を開始した。*下記販売先URLより購入可能1台13,200円(税込)送料別介護現場における薬の中でもエンシュアリキッドなどの栄養剤の管理が最も困っているという声を聞き、開発に着手。薬局を運営しているメリットを生かし、管理する介護現場側と薬を配達する薬局側の意見を取り入れた製品を作りあげた。施設側にとっては入居者ごとに栄養剤が管理できるだけでなく、先入れ先出しが可能で誤薬の防止など業務改善に繋がる。薬を配達する薬局にとっても配薬や在庫管理の手間が減るメリットがあるという。「栄養剤ストッカー」疲弊する介護現場介護施設では、入居者数にたいして看護師やヘルパーなどの介助者数はギリギリである上に作業量が多く、薬の管理に関しては人員を割けないことも多いという。配薬は薬局薬剤師が行うことが多いが、実際の入居者への配膳は施設職員が行っており、少しでも作業を減らすことが誤薬等の防止に繋がるのではないだろうか。介護施設での実際の使用例介護現場のあったら良いなを形に株式会社メディーレでは介護施設への配薬業務を行っている中で、こういうものがあったら良いのにと思っても市場にはないものが多く、他の介護施設や薬局でも困っていることはまだまあると考えており、「栄養剤ストッカー」に続く新商品の開発にも取り組んでいるという。これからますます増えていく介護現場での薬剤管理をもっと便利にする今後の新製品の発売にも期待したい。問い合わせ先商号 :株式会社メディーレ所在地 :〒458-0815名古屋市緑区徳重2-1620設立 : 2009年2月代表者: 代表取締役虫鹿伸哉事業内容: 調剤薬局の運営URL : 販売URL : MAIL : info@medeale.co.jp TEL : 052-846-2129地図 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月01日「結婚、出産、育児と同じように、介護も“ライフステージの一つ”と考えるといいと思います。介護は自分1人で抱え込まずに、上手にプロの助けを借りることが大切。“おトク”な行政のサービスはフル活用したいですね」そう語るのは、お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさん。芸能界で活躍する彼女だが、ヘルパー2級の資格の持ち主でもある。じつに20年にわたり介護の現場に携わってきた。2月25日には、安藤さんと介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんの共著『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA)が発売予定だ。安藤さんと介護との出合いは、中学時代に遡る。「伯父が小規模の介護施設を運営していて、週末に手伝っていたんです。おむつ交換のほか、トイレ・入浴・食事の介助などをしていましたが、お手伝い感覚だったので『介護は大変』という先入観なく、介護業界に足を踏み入れました」(安藤さん・以下同)いまも介護に携わり続ける背景には、施設の利用者との心のふれあいがあった。「中学生のころ、日曜になると介護施設で認知症のおばあちゃんの着替えの手伝いをしていました。でも、なかなか着替えてもらえず、ようやく脱いだパジャマをまた着ていたり……。さすがに『もうムリ』と思い始めていました。ところがある日、私のことを認識してくれたのか、パッと着替えてくれて。心が通い合ったという感じがしてとてもうれしかった。介護は大変なことも多いですが、喜びもあると教わった瞬間でした。ヘルパーの資格を取った後に夜間の訪問介護でトイレのお手伝いをしていたおじいちゃんから、折り鶴をプレゼントしてもらったのも忘れられない思い出です」もちろん、厳しい現実を目の当たりにすることも。「介護を受ける人の洋服が何日も取り換えられていなかったり、ちゃんとお風呂に入れてもらってないのではないかと思うこともありました。介護する人の負担が家族の1人に集中していて、時間やお金、精神的な余裕がない、というケースも少なくないと思います」現場を見続けてきた安藤さんだからこそ、“頼れる専門家”の知恵と“使える制度”には十分に頼ってほしいと話す。「介護はチーム戦。共同作業、分担してやれるということを知ってほしいです。ケアマネジャーや介護福祉士など介護のプロとチームを組んでケアをしていきます。いつまで続くかわからない介護を1人でやれといわれたら、重たすぎますから。親も子もお互いの生活をきちんと確保することが何より大切です」■申請を怠らずに制度をフル活用したい介護が必要となる瞬間は突然訪れるもの。だからこそ“心の準備”が欠かせない。いまは介護に関わっていない人でも知っておくべきポイントを教えてもらった。「高齢の親の様子が『おかしい』と思ったら、親が住む地域にある自治体の『地域包括支援センター』に相談しましょう。親の状況をきちんと伝えることで、専門家の視点から対応策を幅広く提案してくれます」いざ介護が必要となったら、要介護認定の申請をすることになる。「市区町村の調査員が自宅を訪問し、介護の必要度がどれくらいかを調査します。このときは仕事を休んでも立ち会いたいです。介護休暇の制度を活用しましょう。条件を満たせば、パート勤めの人でも当日の申請で取得できます。親は他人の前だと張り切って元気な様子を見せようとしてしまいがちですが、そうすると正しい認定がもらえません。親のプライドも大切に、親の現状のメモを手渡すなどして、ありのままを伝えましょう」要介護度の認定を受けたら、ケアマネジャーに相談して介護のケアプランを作成してもらう。「要介護度と所得に応じて使えるサービスの上限額があるので、その中で必要なサービスを組み合わせてもらいましょう。介護は“オーダーメイド”です」多くの人にとって有用となりうる制度・サービスをまとめたものが図の表だ。「医療費が一定額を超えたときに戻ってくる、いわば“過払い金”のような高額療養費制度もあります。ただし、これらの制度には申請が必要。経済的な負担を軽くするためにも、申請についてもケアマネジャーなどプロに相談を。自治体から届く要介護者への通知も見落とさないよう注意しましょう」やはり大きな問題となるのがお金に関すること。いきなり切り出すのは気が引けるかもしれないが、親・家族が元気なうちに話し合っておくことが大切だ。「共倒れにならないよう、親が使える介護保険の上限を考慮して、ケアマネジャーに適切なプランを組み立ててもらいましょう」今後は介護福祉士の資格取得を目指すと語る安藤さん。目指す先にある景色とはーー。「マイナスイメージのある介護の先入観が取り払われ、複雑と思われがちな制度が広く活用されて、介護を取り巻く空気が『みんなでやっていこう!』というふうになってくれたらうれしいですね」けっして人ごとではない介護の問題。いざその場面を迎えたときに慌てることのないよう備えておくことが、介護される・する側双方にとってのメリットとなるのだ。
2022年02月07日コロナ禍となり、離れて暮らす親となかなか会えない、孫に会わせたくても会わせられない…といった切ない日々がしばらく続きました。今年の年末年始は、電話やオンラインで互いに元気な様子を確認する予定という方もいれば、様子をみつつも「久しぶりに実家の親と直接会う予定」といったご家族もいることでしょう。そんな子育て真っ最中のパパママたちに知って欲しい数字があります。離れて暮らす母親と話せる「人生の残り時間」は約26日間「老後の不安をゼロに」を提唱する株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)が今年9月に実施した調査によると、2020年4月以降「離れて暮らす親と会っていない」という方は67.8%という結果に。親と離れて暮らす約7割の人が対面で会えておらず、今年の年末年始が約2年ぶりの親と会うことのできる帰省シーズンになるのでは、と予想されています。もうひとつ気になる調査データがあります。「セイコー時間白書2019」によると、35~39歳の人が別居している自分の母親と生涯会って一緒に話せる時間は、626時間(26.1日)と、1か月を切る残りわずかな時間であるということが調査結果で判明しています。新たな変異ウイルス「オミクロン株」が世界的な拡大を見せ始めている現在、年末年始以降も親と会って話すことのできない日々がまだまだ続く可能性もあり、予断を許さない状況です。今後も親子で対面して話す貴重な時間が、さらに失なわれる可能性があるかも? しれません。今年の年末年始に帰省される方にとっては、約2年振りに親と直接会ってさまざまなことを話し合う「大切なタイミング」となるわけです。帰省時にこそ、介護や生前整理を話し合うキーワードは「親子でオープンな終活」!年々老いていく親のことは、頭の片隅で気になりつつも「元気だし、まだ大丈夫」と思っていませんか? 「親の介護」はいつ何時必要となるかわかりません。30代40代のうちから「知る」「備える」こと。そして、元気なうちに親としっかり話し合うことが何よりも大切です。今回の帰省タイミングだからこそ、思い切って親御さんと「介護や生前整理」について話し合いを始めてみてはいかがでしょうか。…とはいえ「かなりセンシティブなテーマだし、親もこの話は嫌がりそう…」となかなか踏み切れない方も多いはず。そこで、親子で終活をスタートするためのシンプルな【3つのポイント】をご紹介します。【親子で終活をスタートする 3つのポイント】・子から話を切り出す、肝心なスタートをポジティブなものにする・お金の話はプロにも相談・リサーチし、オープンに親子間で話し合う・介護保険サービスや介護施設を利用することに負い目を感じない親とのコミュニケーション問題はそもそも悩ましいテーマ。さまざまな専門サイトがあるので、まずはネット上で情報収集することから始めて、「わが家の場合」のイメージをしてみても。LIFULL介護の「tayorini~介護が不安な、あなたのたよりに~」()というサイトには、 #親とのコミュニケーション にまつわる記事も多いので、のぞいてみるのもおすすめです。介護費用は平均約500万円!親から発されるSOSはギリギリ株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)の調査によると、平均的な介護期間は4年7カ月、総介護費用は約500万円と、子のリタイア後に多額のお金が必要になることが予測されています。さらに、子の約6割が「親の状況を本人以外から把握する方法」が特になく、また「自分の体調についてすべてを伝えた」と思っている親が31%もいる一方で、「すべて伝えてくれた」と思っている子は9.3%と、親の伝達と子の理解に乖離が発生しています。こういったコミュニケーション問題に加えて、多くの親は「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから、ギリギリまでSOSを出さないのが現状のようです。久々に会って話すことができる今回の貴重な帰省タイミング。ぜひ、互いの体調を思いやり、楽しく語らう時間を過ごしつつ、現在の親御さん様子も把握した上で、「これからの親の暮らし方」についても話し合ってみましょう。久々の親子の対話の機会で確認すべき重要なテーマのひとつは、「介護」と「生前整理」の準備です。大切な家族だからこそ、明るく前向きに「親子で始めるポジティブな終活」をオープンに提案してみませんか?取材協力:LIFULL senior参考:LIFULL介護
2021年12月29日離れて住む親と会えない人が続出したコロナ禍。介護認定を受けながらも、一人富山の自宅で暮らす母を持つ柴田理恵さんに、“遠距離介護”を成功させる秘訣を聞いた--。「コロナ前は、お正月とお盆、それから富山の伝統行事で9月に行われる『おわら風の盆』の年3回、母が一人で暮らす富山に帰省していました。けれど、今年はお正月以降、会えませんでしたね」そう話すのは92歳の母・須美子さんの遠距離介護をする、柴田理恵さん(62)。10月20日には、須美子さんとの思い出をつづった絵本『おかあさんありがとう』(ニコモ)を出版した。小学校教員だった須美子さん。もともとは、勝ち気で厳しい人だ。「お箸の持ち方などしつけのことは、あまり言われなかったのですが、私が『あれ買って』って泣くと、お母さんは『めんどくさいから泣くな!』とぴしゃり」実家が旅館の須美子さんは料理が苦手。晩ご飯は柴田さんと祖父が作っていたという。「あるとき学校の宿題がたくさんあって『今日はお手伝いできん』と言ったんです。そしたら母は『お手伝いもできんような人間は宿題なんかせんでいい!』って。学校の先生なのに(笑)」怖い母親だったが、優しい一面も。柴田さんが高校生のころ、小学校時代に須美子さんが担任だった男の子と同じクラスになった。「彼は早くにお母さんを亡くしていて、おばあちゃんと暮らしていました。あるときその子に『ばあちゃんが倒れて遠足の弁当を作れなかったときに、担任だったお前の母ちゃんが代わりに作ってきてくれたんだ。本当にうれしかった』って言われて。この話を聞いたときは、ちょっと泣いた(笑)」照れ笑いする柴田さんだが、お母さんの話をする際、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。■母が洗濯物を出さない意外な理由そんな母・須美子さんの介護が始まったのは’17年10月のこと。柴田さんのもとに、須美子さんから「高熱が出た」と連絡が入った。「近くに住む従弟(いとこ)に母を病院に連れていってもらうと、腎盂炎(じんうえん)と診断され、入院することに。慌てて駆けつけ『お母さん、わかる?私だよ』と話しかけても、意識がもうろうとして『あ~あ~』と言うばかり。お医者さんから終末期医療に関する話もされ、そのときばかりはこのまま認知症になって亡くなるのかなと思いました」気丈な母の弱った姿は、さすがの柴田さんでもこたえたという。「しばらくして少し回復した母に、『お母さん!』って声をかけたら、私のことがわかったんです。それで『何か目標を持とう。何したい?お正月私に会いたいよね?』と聞いたら『会いたい』って。『正月一緒に酒飲みたいよね?』の質問には『飲みたい』と即答。だから『よし!酒飲めるように頑張ろう!』って励ましながら、リハビリをはじめました」入院した当初に受けた介護認定調査で要介護4と判定されていた須美子さん。しかし、必死の頑張りで、みるみるうちに回復。お正月には、一時帰宅してお酒を飲み、その後無事退院を果たした。当初、柴田さんは、須美子さんが再び一人暮らしをすることに不安を抱いていたという。「母に“東京に来て一緒に住む?”って聞きました。そしたら『友達もいるし、富山にいたい。それに、施設に入るとお茶や謡(うたい)の稽古ができなくなるから施設には入りたくない』って」確かに母の大切なものは、みんな富山にある。それを無理やり奪うのは、かわいそうだった。「雪が多くて危ないので、春までは施設に入所してもらって、その後から自宅での一人暮らしを再開しました。そんなうちに、要介護も1に下がったんです」須美子さんの一人暮らしを支えたのは、現地で生活を支援してくれるホームヘルパーやデイサービス、従弟などのサポートだ。だが、彼らにまかせっきりにせず、遠くからでも連携を取ることが、遠距離介護のポイントだと柴田さん。「母とは毎日電話をしていますが、ケアマネさんたちにも定期的に連絡をしています。『親がこういうふうに言ってるんですけど、どう思われますか?』って相談したり、逆に『ウチの親が何か困ったことはしてませんか?』と聞いたり」そうやって連絡を取り合っていると、あるとき「実は、須美子さんが服を全然着替えないんです」とケアマネジャーから報告を受けた。きれい好きの母が着替えないのはおかしいと思った柴田さんは、早速須美子さんに理由を聞いた。「母は私の従弟のお嫁さんに洗濯をしてもらっているのですが、“そのお嫁さんは子どもを2人育てていてとても忙しいのに、自分の分まで洗濯をしてもらうのが申し訳ない”って言うんです」その後柴田さんは、須美子さんに「お嫁さんが、私の洗濯の仕方が嫌だから洗濯物を出さないんじゃないかと、心配してたよ」と、遠慮なく洗濯物を出せるよう、間を取り持ったという。介護サービスを受けていると、ケアマネジャーやヘルパーが踏み込めない部分や、須美子さんも彼らに言いづらいことが出てくる。そういうときに、遠くにいる柴田さんが間に入ることで、円滑に物事が進むようになるのだ。■「覚悟があるなら母の意思を尊重したい」今年の春、須美子さんの腎臓の数値が悪化。入院の後、現在は弱った足腰を鍛えるために、一時的に介護施設で暮らしている。「たまに『家に帰りたい』とこぼすんです。だから母に『家に一人で帰って倒れて、誰にも発見されんで死んでも、それはあんたの責任だからね』ってくぎを刺したら『わかった』って。覚悟があるなら、お母さんの人生だから本人の意思を尊重したいと思っています」ただ、コロナ禍の今年は、年末年始の一時帰宅でさえ、ハードルが上がったという。「今は私がPCR検査で陰性でも、母と会って1カ月間は介護サービスを受けられなくなるんです。もちろん、施設にも戻れません」大雪の中、母を家に一人きりにしたくはない。しかし--。「本人は家に帰りたがっているし、もう92歳。来年会えるかどうかもわかりません。だから、今回も正月に家で会おうと思っています」家に帰るために、奮闘する須美子さんの姿に、柴田さんは感謝の思いを抱くことがあるという。「母がこう生きたいという目標を立てて、リハビリを頑張っているのを見ると、年をとってからの生き方を教えてくれてるんだなぁって、思うんです」教師だった須美子さんが柴田さんに、身をもって教えるのは、最期へと向かう生き方かもしれない。(取材・文:インタビューマン山下)
2021年11月12日年老いていく両親を見るたびに、不安に思うのは介護のこと。じつは介護にかかる費用って、人によって違うのです。はたして、あなたの場合はいくらかかるのか--。「思いもよらずに親の介護が始まったときに、金銭的な不安を抱えてしまうことが多くあります。介護費用を事前に知っておくことも大切です」そう話すのは、「公益社団法人認知症の人と家族の会」副代表理事の花俣ふみ代さん。「介護のありようは百人百様です。仮に介護保険のサービスを利用しても、どのサービスを利用するかで介護費用は大きく変わってくる。また介護のお金は親の年金や貯金でまかなうのが基本です。ところが介護の期間は10年以上になるケースもあり、年金だけでは足りなくなったり、預貯金が不足したりすることも少なくありません」(花俣さん・以下同)これから介護を迎える人がおおよその費用がわかるように、チャートを作成した(画像参照/拡大版はこちら)。要介護度(要支援1~2、要介護1~5)によって、サービスを使える金額の上限は変わる(画像内「介護サービス費利用限度額」参照)。この金額内であれば、利用者の自己負担額は収入によって1~3割になる。それをはみ出た部分は全額自己負担となる。今回は年金収入280万円未満の自己負担率1割を想定した。「介護保険サービスには、自宅で受けられるサービスと施設を利用するものがあります。自宅で介護する場合は、ヘルパーが自宅に来てくれる訪問介護や施設に通うデイサービスから始まるのが一般的。さらに訪問看護や短期入所生活介護(ショートステイ)などを組み合わせて、利用限度額を超えないようにプランを立てます」訪問介護を週3回(月12回)、デイサービスを週2回(月8回)利用した場合、利用者の自己負担額は1万5,000円程度になる。ここに医療費などが加わる。家庭の事情や両親の状態によって、最初から介護施設での入所となることも。「費用が比較的安い『特別養護老人ホーム』は原則要介護3以上と条件が厳しく、比較的入所しやすい『介護付有料老人ホーム』は、数百万円以上の一時金に加え、利用料金が月20万円を超えることも。それぞれの施設の特徴をとらえながら選ぶ必要があります」別の負担も忘れてはならない。「親が離れて住んでいる場合には、往復の交通費がかかる。また認知症の進行が進むと、1日に何度も電話をかけてくるなど、通話料数万円を毎月支払っているという家族もいました」※介護保険の自己負担率は年収280万円未満が1割負担、280万円以上340万円未満が2割負担、340万円以上が3割負担(いずれも同一世帯の65歳以上の人数が1人の場合)
2021年11月05日「介護施設では、月14万~15万円ほどの費用がかかると思いますが、私の場合は在宅介護で、介護費用は月1万5,000円ほどでした。その代わり365日24時間、母のことは常に頭にある状態。同居する兄や夫の協力がなければ、母の希望どおり、自宅で看取ることはできませんでした」こう語るのは、今年3月に母のひで子さん(享年92)を亡くし、6年半に及ぶ在宅介護生活をつづった『悔いなし介護』(主婦の友社)を出版したばかりの新田恵利さん(53)。介護費用の内訳を聞くと--。【1カ月にかかった介護のお金】介護用品のレンタル料:3,000~4,000円/月おむつ代:5,000円/月デイサービス費:7,000円/月月の合計:1万5,000~1万6,000円※いずれも自己負担額「もともと母は、年金加入期間が足りなかったため、無年金生活。介護前から兄が消耗品や食費を負担。私の家には母や兄が同居していたし、高価な衣料品や入院などのイレギュラーな出費を負担していました」■バリアフリー工事を自分で行ったひで子さんが骨粗しょう症による圧迫骨折で歩けなくなり、要介護4と認定されたのは14年秋。その後、認知症も患った。「すぐに手配したのが、介護ベッド、防水加工されたマットレスカバー、ベッドの上で食事するためのテーブル、車椅子、玄関の段差をなくすためのスロープです。レンタル料は月3,000~4,000円ほどで、母が亡くなるまでレンタルしていました」おむつは行政から、毎月1パックを無料で支給されたが、それではとても足りず、最低5,000円分くらいは必要だった。「やる以上はしっかりやりたいので、おむつフィッターの資格を取るために、1泊2日の研修を受けました」しばらくは週2回の訪問のリハビリと週1回の入浴サービス(1カ月4,000~7,000円ほど、自己負担額、以下同)を利用していたが、症状が落ち着くと、訪問リハビリと入浴サービスをやめ、週2回のデイサービスに。「デイサービスは、約5年続けました。月に何度かはサボっていたので、1カ月の費用は7,000円ほどでしたね」ひで子さんの自室は畳なので、車椅子の移動も難しく、リフォームすることにした。「バリアフリー工事などは、自治体から補助もありますが、私は複雑な申請が苦手なんです。だったら自分でやればいいと、近所のホームセンターに行きました」畳を外して断熱材を敷き、高さを確保するためにベニヤ板を重ね、タイルカーペットを敷き詰めた。「材料代は2万5,000円ほどで、工賃はタダ。隙間ができたり、イビツになるのも、“ハンドメイドの味”です(笑)」亡くなる半年前も、週2回のデイサービスを、訪問看護に切り替えた(入浴サービスは再開)。さらに車椅子の母が病院などに行く際には、ストレッチャー付きの介護タクシーが1回1万円、亡くなる前の数カ月間は、1回6,000円の訪問医療費用が別途かかったという。「在宅介護は大変でしたが、母の喜ぶ顔がモチベーションになりました。最期、声にならない声で『ありがとぉ』と言ってくれたことで“後悔のない介護ができた”と実感できました」
2021年11月05日大人になってから親との思い出を振り返ると、「こんなこともしてもらっていたんだな」と、多くのことに気付くことができます。漫画家のヒヅメ(@hizumedex)さんが描いたのは、母親とのエピソード。ヒヅメさんが保育園児だった頃、母親が毎日、仕事終わりに迎えに来てくれました。子供ながらに嬉しさを隠し、母親のもとに向かうのですが…。次は僕の番毎日仕事の後保育園に迎えに来てくれたおかんへのマンガ。 #コルクラボマンガ専科 #漫画 #漫画が読めるハッシュタグ pic.twitter.com/djQXHbzDdW — ヒヅメ『マンガでわかる製図試験』 (@hizumedex) September 12, 2020 帰宅途中、母親と話せる嬉しさを隠せずに、同じ話を繰り返してしまうヒヅメさん。気付いた母親は、同じ返事を何回でもしてくれました。月日が経ち、大人になったヒヅメさんは、そんな幼い日々のことを思い出します。今では立場が逆転し、我が子と話していたい母親の想いを、ヒヅメさんが受け止める番。ジンワリと胸にしみる内容に、読者からは「泣いた」とコメントが寄せられています。自分が受けた分だけ、同じように愛を返していきたくなりますね。[文・構成/grape編集部]
2021年10月20日老後資金に2,000万円必要とささやかれ始めて久しいが、それはあくまで自分の話。「親の介護」まして「遠方にいる親の介護」のお金は、また別で計上したほうがいいだろう。いざというときに困らないように、考えておこう。そこで、遠距離介護にかかるお金を、人気イラストレーター・上大岡トメさん著『マンガで解決親の介護とお金が不安です』の監修をしたファイナンシャルプランナー・黒田尚子さんが、寄せられた相談を例に教えてくれた。【ケース1】働きながらの介護、使える制度は?〈Q〉東京で仕事をしながら、大阪の両親を介護したい。利用できる支援制度はありますか?〈A〉介護と仕事の両立は苦しいものですが、早まって仕事を辞めてはいけません「次の公的制度や親の地域の支援サービス、そしてあなたの勤め先独自の支援制度などをよく調べて、遠慮なく活用することで、少しでも介護の負担を減らせるように支援を受けてください」(黒田さん・以下同)[公的支援]介護休業:申し出ることにより、要介護状態にある家族1人につき3回を上限として、通算93日まで、介護休業を申請することができる。介護休暇:介護する家族が1人であれば年に5日まで(2人以上は年10日まで)時間単位または1日単位で取得できる。介護休業給付:雇用保険の加入者が要介護状態の家族のために介護休業を取得した場合、原則として休業開始前の67%を受給できる。不利益取り扱いの禁止:事業主は介護休業などの制度の申請や取得を理由として、解雇などの不利益な取り扱いをしてはならない。[親の住む自治体]高齢者福祉サービス:地元の地域包括支援センターに連絡して、配食サービス、ゴミ収集などの生活支援、安否確認サービスなどの安全・安心サービスを利用できる。[勤め先]福利厚生・社内制度:福利厚生として、介護休業中の給与補助の制度や、介護のためという要件で有給休暇の翌年への繰り越し(積立休暇)が可能になるなど。【ケース2】富山の母の在宅介護費用は?〈Q〉富山にいる一人暮らしの母(78)を在宅のまま、千葉在住の私(50)が介護したいと思っています。年間、子どもの負担はどのくらいになりますか?〈A〉目安の金額は年間64.2万円「生命保険文化センターによる調査では、在宅の場合、介護費用が月平均4.6万円×12カ月=55.2万円程度。あなたが実家に宿泊できるなら、年3回実家に通う交通費(千葉⇔富山)約3万円×3回=9万円を合わせて、総額64.2万円という試算になります。ただ、当然、お母さんの年金や貯金もありますので、全額あなたが出すことにはなりません。ニッセイ基礎研究所の調査でも、遠距離介護している親子全体の6割は親が全額負担。残りの4割も子どもが交通費だけ出すなど一部負担しているケースが多いです。お母さんが無年金の場合などは、子どもが生活費用まで支援せざるをえないケースも。親に介護が必要になる前に、一度、親子で腹を割って、親の収入や貯金額を前もって、確認しておくことが大切です」【ケース3】遠方の父が突然入院!かかる費用は?〈Q〉広島で一人暮らしの父(75)が急に脳梗塞で倒れ、大阪在住の娘の私(48)が3カ月介護することに。資金はいくら必要ですか?〈A〉目安の金額は74.5万円「お父さんの年収によって、医療費負担が大きく変わりますが、年金だけで年収300万円として試算してみましょう。3週間の入院で病院の窓口で払う金額は17万円(1割負担・高額療養費適用前の自己負担分)。2カ月間、リハビリ専門病院に入院すると、そこでの支払額は約20万円で、当座必要な医療費は37万円です。これに入院している3カ月間、毎週末に通う交通費(広島⇔大阪)+滞在費(病院近くのビジネスホテル)が総額37.5万円。総額で74.5万円が必要になります。ただ、のちに高額療養費適用で月5万7,600円以上の医療費(リハビリ入院中も含む)は戻ってきますので、最終的な負担額は50万円前後と考えてください」
2021年09月22日近年、100円ショップでも介護用品が買えるという。さらに、発想次第で介護用ではない商品も役立ちアイテムに!100均を活用して費用も手間も節約する方法を聞いたーー。13年間、在宅で両親の介護をした『親が倒れたら、まず読む本』(プレジデント社)の著者で、在宅介護エキスパート協会代表・渋澤和世さん。介護を始めたころは、専門店で介護用品をそろえていたが、100円ショップ「DAISO」でたまたま入れ歯ケースを発見。「普通に買ったら、500円以上するのに!材質も同じものが100円で買えるなんて!」この発見をきっかけに、100円ショップでさまざまな介護用品をそろえるようになったという。そこで渋澤さんがおすすめする、介護に使える100均グッズを紹介してもらった。【入浴介助に……】■「ふわふわ手触りヘアーキャップ」(キャン☆ドゥ)入浴後に頭にかぶると着替えの際、濡れた髪から雫が落ちず、衣類が濡れにくくなる。冷え防止にも。■「速乾!ヘアドライ手袋」(DAISO)タオル地の手袋は、入浴後の介護者の髪を乾かす際に、介助者が使うとすぐ乾いて便利。■「足ゆび広げてリラックスパット」(DAISO)お風呂上がりにこれを足の指に付けて乾かしてあげると、高齢者がなりやすい水虫予防に。■「大人用からだ拭き」(DAISO)からだ拭きは、顔から陰部すべてに使えるのでお尻拭きとしても便利。100均なら安く手に入る。【下のお世話に……】■「チューブポット」(DAISO)おしりの下に防水シーツなどを敷き、温かいお湯をポットの中に入れて尿や便の付いた陰部にかけて洗い落とす。■「ペット用消臭ポリ袋」(DAISO)臭いの強いおむつ等の廃棄に便利。ビニール袋ではなく、臭わない消臭袋で捨てたい。SS、S、M、Lサイズが選べる。【食事介助には赤ちゃんグッズを活用】■「シリコーンスプーン」(DAISO)金属製だと歯にカチカチと当たり、お年寄りには危ないし食べにくい。軟らかいシリコーン製だと安全に食事ができる。■「ストローコップ」(DAISO)寝た状態でも飲み物が飲みやすくなるストローコップ。普通に買うと1,000円程度するものをお得にゲット。■「ベビーめんカッター&マッシャー」(DAISO)お皿の中で軟らかめの食材を簡単に切ったり、潰したりして、食べやすい大きさにできる。1人分の食事の際に便利。■「会津塗り粗亀甲汁椀」(DAISO)介護時、お皿の中面の色は赤がおすすめ。高齢者の目に入りやすく、食事をとってくれやすくなる。【ちょっとしたことを楽に……】■「ピタッと止まる!厚手タイプ すべり止めシート」(DAISO)車いすの座面クッションや座布団の下に敷くと、座布団がずり落ちにくくなり転落防止になる。■「カードリング」(DAISO)ファスナーに取り付けると、上げ下げが楽になる。お財布などにつけてもよい。渋澤さんは価格や性能、材質を比べて購入するのが賢い利用方法だとアドバイス。これらの商品を参考に、次はあなた自身の目で、日ごろの介護に役立つ100均グッズを探してみるのも楽しいかも!
2021年07月02日「いまは在宅介護だけでなく、介護施設などでも100均グッズを使用しているところは多いです。たとえば、車いすの座面クッションの下に敷く『すべり止めシート』などは、特によく使われています」こう語るのは、『親が倒れたら、まず読む本』(プレジデント社)の著者で、在宅介護エキスパート協会代表・渋澤和世さん。13年間、在宅で両親の介護をした渋澤さん。介護を始めたころは、専門店で介護用品をそろえていたが、100円ショップ「DAISO」でたまたま入れ歯ケースを発見。「普通に買ったら、500円以上するのに!材質も同じものが100円で買えるなんて!」この発見をきっかけに、100円ショップでさまざまな介護用品をそろえるようになったという。「ほかにも介護に役立つものがないか?そういう目で店内を見て回ってみると、もともと介護用品として売っていないものでも、介護に応用できる商品がいくつもあることに気づきました。ペットコーナーには、おむつなどの汚物を入れるのに使える『ペット用消臭ポリ袋』。赤ちゃんコーナーには、食事介助のときに便利な『ベビーめんカッター&マッシャー』など、100円ショップには“介護グッズ”になるものが豊富にそろっています」■文具売場の商品で介護が楽に!そこで渋澤さんがおすすめする、介護に使える100均グッズを紹介してもらった。「まずは『シリコーンスプーン』(DAISO・以下同)と『ストローコップ』。どちらも介護用だと500〜1,000円しますが、材質が変わらないので100円ショップで十分です。介護用品ではありませんが、『チューブポット』は寝たきりの人のおしりを洗うのに使えます。『カードリング』も、ファスナーにつけると開け閉めが楽に。『ヘアドライ手袋』など、私たちが使っても便利な商品は、もちろん介護にも役立ちます」さらに、おすすめ商品を教えてくれた。「食事介助でとろみ剤を溶くときには『泡立て器ミニ』が便利。杖の先端に付ける滑り止め用の『杖ゴム』や薬を小分けできる『薬ケース』なども、即買い商品です」さらに、200円商品にはなるが、足がむくむことの多い高齢者にもってこいの商品がある。「普通の靴下では締め付けがきつくて跡が残ります。はき口がゆったりした介護用のソックスは、普通に買うと1足1,000〜1,500円します。それが100円ショップだと200円!かなりお得です」一方、100円ショップで買わないほうがよい商品もあるという。「入れ歯用洗浄剤はドラッグストアのほうが安いです。杖もおすすめできません。グリップが樹脂製で硬いため、長時間使うと手が痛くなってしまいます。万が一折れたら転倒の可能性も。杖は、自分に合ったものを専門家に見立ててもらうほうが安心できます」
2021年07月02日介護保険料がじりじりと上がっている。介護保険の見直しは3年に1度で、今年が見直しの年だった。すでに多くの人が4月の給料から新しい保険料を納めているが、健康保険料と合算で支払うため、介護保険料自体を確認することは少ないかもしれない。そんな介護保険料について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■使える制度は使って健康第一に過ごそう介護保険料の指標となるのは65歳以上が払う保険料で、’21年度は全国平均で月6,014円と初めて6,000円を超えました。介護保険が始まった’00年は月2,911円でしたから、約20年で倍増したことになります(’21年5月・厚生労働省)。介護保険は全国1,571の自治体などがそれぞれ見直します。今回は全体の48.6%が引き上げ、36.2%が据え置き、15.2%が引き下げました。保険料月額が高いのは東京都青ヶ島村の9,800円、秋田県五城目町の8,300円など。反対に安いのは北海道音威子府村と群馬県草津町の3,300円、東京都小笠原村の3,374円など。高い地域と安い地域の差は最大で月6,500円、年間7万8,000円にのぼります。こうした保険料格差は、介護サービスの利用者や、支え手である現役世代の数などが関係します。また、自治体が介護サービスをどれだけ提供するかにもよるため、一概に保険料が高い=悪いとはいえませんが、お住まいの自治体の状況を知っておくとよいでしょう。介護サービスの充実は、介護保険制度以前の自宅介護が大半だったころを思うと、とてもありがたいものです。とはいえ、保険料が上がり続けるのは、家計にとって大きな痛手。しかも、社会保険料は節約のしようがありません。とすると、使える制度は存分に使い倒すのがよいと思います。家族で抱え込まず、地域包括支援センターにご相談を。「1人で大丈夫」な高齢者も、元気なうちからつながっておくとよいでしょう。それでも「他人の世話を受けたくない」高齢者もいるでしょう。そんな家族介護をする方に「家族介護慰労金」を支給する自治体がたくさんあります。家族介護慰労金は自治体によりさまざまですが、多くは要介護4か5、介護保険サービスの利用が年10日以下、入院期間が3カ月以下などの状態で介護する方に、年10万円が支給される制度です。自宅で介護している方は自治体にお問い合わせを。現在、総人口の28.7%が高齢者(’20年9月・総務省)。’40年ごろまで高齢者は増加し、逆に現役世代は減少して、介護保険料は高騰が続くでしょう。厚生労働省は’25年度の介護保険料の全国平均額を6,856円と試算しています。社会保険料の引き上げは苦しいですが、私たちは財布のひもを引き締めながら、介護いらずの健康老人を目指しましょう。そして、国が利権まみれのムダ遣い体質を改め、血税を社会保障制度の充実のために使うよう、目を光らせていたいものです。
2021年06月25日愛知県一宮市を中心に、介護事業を展開している『HIDAMARI GROUP』。代表取締役を務める丹羽悠介(@yusukeniwa32)さんが、Twitterに公開した1枚の写真が反響を呼んでいます。丹羽さんが投稿したのは、職場で働く同僚の結婚式で披露したという、余興のシーンです。多くの人のド肝を抜いた、こちらの光景をご覧ください!日本一マッチョの多い介護の会社。弊社に入社して結婚式を挙げると余興はこんな感じになります!! pic.twitter.com/PV7ygxQUXV — 丹羽悠介|Niwa Yusuke (@yusukeniwa32) May 15, 2021 マッチョ率が高すぎる…!高いどころか、もはや鍛え抜かれた肉体美を誇るメンバーしかいません。『HIDAMARI GROUP』には、フィットネスの実業団があるため、自然とマッチョな体格のスタッフが集まりやすいのだとか。結婚式の新郎も素晴らしい筋肉美を誇る男性ですが、新婦に止められて、式中に脱ぐことはなかったといいます。【ネットの声】・圧巻すぎる!こんなイケメンなマッチョたちに介護されたら、元気になれそう。・いい会社だなあ。結婚式の余興というより、もはやボディビルの大会で笑った!・自分はマッチョじゃないけど、みんな楽しそうなので、この会社に転職したい。丹羽さんは「介護のイメージを変え、若者が目指す仕事にしたい」という想いを抱いて、活動しています。ちなみに、職場にはマッチョばかりではなく、元気で明るいスタッフが多数在籍しているとのこと。スタッフに囲まれる利用者の笑顔を見たら、居心地のよさは一目りょう然ですね![文・構成/grape編集部]
2021年05月17日誰もが仕事や子育て、介護などさまざまな用事を抱えながら、日々を生きています。限られた時間の中で、自分の好きなことを見つけて夢中になれたら、人生はとても充実したものになるでしょう。ありま(@arimama_umauma)さんが実体験をもとに描いた漫画が、反響を呼んでいます。ありまさんがまだ大学生の頃、母親が突然、和裁を習い始めたそうです。「忙しい毎日なのに、なぜ今のタイミングで始めたのか」と、ありまさんは疑問に思い、母親に聞いてみると…。『好きなことを持って生きたい』3/3 pic.twitter.com/b9gLOwOM27 — ありま (@arimama_umauma) May 11, 2021 「介護をしていても、やりたいことをやっておく。好きなことをちゃんと持っていたい」「介護を終えた後も、自分の人生を生きていたい」という母親の想いを知り、ありまさんはとても心を打たれたといいます。そして時は流れ、現在子育て中のありまさん。母親の言葉を思い出し、忙しい毎日の中で自分のやりたいことを考えた結果、好きだった刺繍を改めて始めることにしたそうです。読者からは、共感の声が相次ぎました。・素敵なお話。忙しくて何が好きだったのかを忘れちゃったけど、一つひとつ思い出してみようと思いました。・すごく分かります。趣味は大事ですよね。自分の人生を生きることを意識していきたいです。・まさに今の自分のことで、ハッとしました。オシャレを忘れ、好きなことを忘れていました…。仕事に精を出したり、家族の世話をしたり、誰かのために頑張っている時間は尊いものです。しかし、自分自身が充実し、楽しいと思える時間を持つことも大切。ありまさんのエピソードは、多くの人の心に響いたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年05月14日「受け取る年金額は減っているのに、天引きされる介護保険料だけは上がっていくばかり。生活が厳しくなるから、介護サービスの利用も少し控えようかと……」都内在住の81歳の女性はこう語ると深いため息を吐いた。3年に1度、見直される65歳以上の人が払う介護保険料。4月からはじまった’21〜’23年度(第8期)から新しい基準額に基づいた金額になっている。本誌は47都道府県の県庁所在地と政令指定都市の介護保険料の基準額を調査。その結果、52都市の平均基準額は6,327円と、過去最高を記録したことがわかった。介護保険がスタートした’00年の全国平均は2,911円。見直しのたびに上昇し、ついに2倍以上にまで引き上げられたのだ。介護問題に詳しい淑徳大学総合福祉学部の結城康博教授が語る。「介護サービス費用は、利用者が1割を払い、残りの9割の半分が税金、もう半分が介護保険料で賄われます。さらに、介護保険料は65歳以上の人が払う第1号保険料と、40〜64歳の人が払う第2号保険料に分かれています。高齢者が増え、介護保険サービスを多く利用しているため、介護保険料が上昇し続けているのです」第1号保険料の基準額は自治体ごとに決められ、そこから所得に応じて段階的に保険料が設定される。払う保険料は基準額の半分〜2倍になるのだ。注目は、もっとも高い大阪市と最安値の山口市では基準額に月3,044円の差が開いていること。年3万6,528円もの違いだ。「介護保険料の基準額は、高齢者が多く、かつ介護保険サービスを利用している人がたくさんいる自治体が高くなります。大阪市は、横浜市についで、日本で2番目に高齢者人口が多い市。そのうえ、サービス付き高齢者向け住宅の利用が多いのが特徴です。これは在宅介護と有料老人ホームの中間的存在で、施設費用以外にもヘルパーの付帯サービス費用がかかる。結果、大阪市は高齢者1人当たりにかかっている月の給付費が、2万9,960円と高くなっているのです。それが介護保険料に反映されています。ちなみに大阪市の高所得者は月額1万8,000円になることも」ならば、最も安い山口市には、どのような特徴が?「介護保険サービスの施設整備が遅れていることが要因のひとつと言われています。その結果、介護サービス料が低く抑えられる在宅介護が多く、高齢者1人当たりの給付費が伸びずに、基準額が抑えられているのです。在宅介護が多いことで知られる長野県も基準額は抑えられています」介護保険料の高い安いだけでは、介護サービスが充実しているかどうかはわかりにくい。「大都市では施設介護が好まれ、地方では家族や住民などが支える在宅介護があるなど、地域ごとに特性があります。お住まいの自治体の介護の実力を知るには、介護予防政策に力を入れているかどうか、特別養護老人ホーム(特養)の定員数や待機者数にも注目する必要があります」「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月12日介護のせいで仕事を辞めなくてはならない。自分の時間がない……。そんな苦しい状況は上手に制度を使うと改善されるかもしれませんーー。「親の介護でやっていけないことは2つあり、1つはなんでもお金で解決しようと思わないこと。仕事や家事に追われていると、『手続きが面倒』『急いでいるから』といって、親の病院への支払いや介護費をつい立て替えてしまう人が多いようで、自分たちの生活にしわ寄せがきます。2つは、1人ですべて背負わないこと。介護はプロに任せるのが基本です。介護保険で使えるサービスを知っておくと“もしも”のときにも安心できます」そうアドバイスするのは、『残念な介護楽になる介護』(日経プレミアムシリーズ)の著者で、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。介護が必要になったとき、ほとんどの親は「住み慣れた家で過ごしたい」という希望を持つが、支える家族の負担は増える。介護にかかる費用を抑えながら、家族の負担を少なくするツールを知っておくことが、「楽になる介護」につながるという。「在宅介護を続けていると、一時的に介護が難しくなるときがあります。たとえば、介護者の残業が続くようになった。親戚や親しい友人の冠婚葬祭に出席するために、泊まりがけで出かけなければならない、また、介護疲れをリフレッシュするために旅行に行くということもときには必要でしょう。そんなとき使いたいのがショートステイです。さらに、日常的に介護が楽になるサービスは、あまり知られていませんが、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護が便利です。自治体にこれらの介護サービスがあるかどうかは、介護保険の小冊子で調べるほかに、介護のよろず相談所の『地域包括支援センター』などで聞いてみましょう」(井戸さん・以下同)骨折など長期入院したときは、病院内の医療ソーシャルワーカーが、退院後の生活について相談してくれることもある。そんな介護サービスを使って“楽”になった実際のケースを井戸さんが解説してくれた。【ケース】80代の母を娘50代(独身)が同居介護独身で会社員のA子さん(53)は母(84)と2人暮らし。あるとき、母は転倒して、大腿骨を骨折してしまい、長期入院することに。すっかり足腰が弱くなったので要介護認定を受けると要介護2。週3回、デイサービス(通所介護)に通い、2日は自宅で過ごしていたが、3度の食事の用意のほかにも、トイレの介助が増えてきたので、A子さんは「私が会社を辞めて面倒を見なければならないのか」と、困っていた。週2日は、ヘルパーに来てもらい、家事支援を中心にサポートしてもらいたかったが、「同居の家族がいる」という理由でホームヘルプサービス(訪問介護)は使えなかった。これ以上、ケアマネジャーに相談してもらちが明かないと思ったA子さんは、思い切って「地域包括支援センター」に連絡をして、相談に乗ってもらうことにした。そこで、担当者から提案されたのは、「小規模多機能型居宅介護」の利用だった。耳慣れない名前だったが、デイサービスを中心に、ホームヘルプ、ショートステイを組み合わせて使える。しかも、利用料は基本定額制なので、金銭的な負担は軽くなるという説明を受けた。「ちょうど1名空きが出た」と言われたので、利用してみることにした。【サービス】「小規模多機能型居宅介護」を使おう「小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)」とは、介護保険制度の地域密着型のサービスで、デイサービスを中心に状況や要望に応じて、ショートステイとホームヘルプを組み合わせたプランを利用することができる。要支援1、2と要介護1〜5の人が利用でき、利用料金は定額制で、自治体によって異なる。別途、食費などがかかる。「A子さんの母は、月曜から金曜まで週5日デイサービスに通うプランを立ててもらい、1カ月の利用料は5万6,836円(1割負担)でした。内訳は基本料金が1万6,836円(要介護2)、昼・夕食代が約3万円、ほかの加算が約1万円で、費用は全額、母の年金の範囲内で間に合ったそうです」平日は7時30分にA子さんが仕事に出かけてすぐに、施設のお迎えの車が来て、母は施設に。施設では、昼食の買い物から調理、後片付けまでみんなで役割分担して行うので、A子さんの母はほかの高齢者に代わってたくさんの役割を担ったそうだ。「この制度のおかげで母が留守番をする時間がなくなりました。仕事で忙しいときは1日4,000円程度かかるショートステイを利用し、仕事との両立ができるようになりました。ただし、利用する際には施設に直接申し込むので、今までケアプランを立ててもらっていた居宅介護支援事業所との契約を打ち切る必要があります」A子さんも、最初は悩んだというが、週5でデイサービスに通えることが決め手となったという。介護はいつ終わるかわからないので、親も介護する家族も“楽”になれるプランを選ぼう!「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月28日「親の介護でやっていけないことは2つあり、1つはなんでもお金で解決しようと思わないこと。仕事や家事に追われていると、『手続きが面倒』『急いでいるから』といって、親の病院への支払いや介護費をつい立て替えてしまう人が多いようで、自分たちの生活にしわ寄せがきます。2つは、1人ですべて背負わないこと。介護はプロに任せるのが基本です。介護保険で使えるサービスを知っておくと“もしも”のときにも安心できます」そうアドバイスするのは、『残念な介護楽になる介護』(日経プレミアムシリーズ)の著者で、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。介護が必要になったとき、ほとんどの親は「住み慣れた家で過ごしたい」という希望を持つが、支える家族の負担は増える。介護にかかる費用を抑えながら、家族の負担を少なくするツールを知っておくことが、「楽になる介護」につながるという。「在宅介護を続けていると、一時的に介護が難しくなるときがあります。たとえば、介護者の残業が続くようになった。親戚や親しい友人の冠婚葬祭に出席するために、泊まりがけで出かけなければならない、また、介護疲れをリフレッシュするために旅行に行くということもときには必要でしょう。そんなとき使いたいのがショートステイです。さらに、日常的に介護が楽になるサービスは、あまり知られていませんが、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護が便利です。自治体にこれらの介護サービスがあるかどうかは、介護保険の小冊子で調べるほかに、介護のよろず相談所の『地域包括支援センター』などで聞いてみましょう」(井戸さん・以下同)骨折など長期入院したときは、病院内の医療ソーシャルワーカーが、退院後の生活について相談してくれることもある。そんな介護サービスを使って“楽”になった実際のケースを井戸さんが解説してくれた。【ケース1】80代の両親を同時に同居介護専業主婦のB子さん(61)は同じ敷地内に住む両親の“同時介護”をしていた。3年前に父(享年86)をみとり、認知症の母(89)は今は要介護2。元々、父が母の介護をしていたが、父にがんが見つかり自宅で療養をすることに。父は要介護1だが、母の世話をする体力はなかった。2人とも「最期まで自宅で過ごしたい」と願い続けたので、1階の居間に介護ベッドを2つ並べて、B子さんが世話をし始めた。「母はトイレに行ったことを忘れてしまうので、1日に何度もトイレ介助の呼び出しをしてきたそうです。つきっきりで介護をする状態が続いたので、B子さんは体調を崩してしまいました」このままでは「親子共倒れになってしまう」と、心配したケアマネジャーが提案したのが、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」というサービスだった。【サービス】「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」を使おう定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、1回につき15分程度の訪問介護サービス「定期巡回サービス」を1日に3〜4回行い、このほかに具合が悪くなったときや室内で転倒したときなど、24時間対応の「随時対応サービス」で、貸与されたケアコールで呼び出すと、介護事業所のオペレーターにつながり、看護師やヘルパー、ケアマネジャーが対応してくれるという仕組み。さらに、医師の指示のもと、訪問看護が受けられるというように、24時間体制で在宅生活を支えてくれる。「利用できるのは要介護1〜5の人で、利用料金は定額制です。B子さんの両親は1カ月3万9,749円で済んだそうです。ケアプランは、入浴のために週2回デイサービスに通い、定期巡回サービスの訪問介護を1日3回、3度の食事の世話のために来てもらいました。利用枠は1回で2人分、30分サービスが受けられるようにプランを組んでもらったそうです」このプランのおかげで、B子さんは食事の世話や母のトイレ介助のコールから解放されて、ようやくパートに出られるようになった。父をみとってからも安心した介護生活が続いているという。【ケース2】介護者がどうしても家を空けるとき契約社員のC子さん(55)は、母(79)と、夫と子どもの4人暮らし。母は心臓に持病があるため運動ができず、入退院を繰り返すたびに足腰が弱っていき、要介護3になってしまった。「介護者がどうしても家を空けるときにショートステイを使いますが、施設に空きがあれば、利用日数いっぱい使う方法もあります。C子さんの場合、母が留守番をしているときに倒れたら心配なので、ケアマネジャーに相談したところ、在宅介護で使えるサービスをショートステイのみにするプランを立ててもらいました」そんな使い方ができたとは知らなかったとC子さんはいう。【サービス】「ショートステイ」を活用しようショートステイとは、介護施設に短期間滞在して、生活援助やリハビリなどを受ける。「特別養護老人ホームや特定施設の認可を受けている有料老人ホーム(短期入所生活介護)で利用すると、食事や入浴などの生活援助を受けることができ、介護老人保健施設(短期入所療養介護)では、生活援助のほかにリハビリが受けられます。利用できる日数の目安は、要介護度によって異なります」C子さんの母は要介護3なので、26日使えるが、施設の都合で、3週間特養のショートステイで生活をして、1週間自宅で過ごす、というプランを立てた。「ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、2泊など体験入所を経て契約。料金は介護保険の1〜3割と食事代などです」施設サービス費、居住費、食費代込みで、月3万8,575円(1割負担)。母の年金で支えた。介護はいつ終わるかわからないので、親も介護する家族も“楽”になれるプランを選ぼう!「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月28日介護を楽にするさまざまなアイデアグッズが日々、誕生している。そこで、実際に介護をしている人と、介護のプロたちが選んだ、おすすめ商品を紹介!介護作家・ブロガーの工藤広伸さんは、岩手県で一人暮らししている、認知症で要介護2の母(77)を9年間も遠距離介護してきた。「これまでやってこられたのは、さまざまなアイテムを活用してきたから。なかでも見守りカメラは欠かせません。一緒に住んでいないので、転倒をして何日も見つからないなんてことがないように、“安全を保つため”には必需品です」認知症介護で困るのが、もの忘れへの対処。財布や鍵など大事なものがないと大騒ぎに。「認知症で“モノ盗られ妄想”が出る人もいて、財布などが見つからないと、『盗ったでしょう』と泥棒扱いされて大ゲンカになることも。そんなときは、キーファインダーのリモコンのボタンを押すと、ビビビと鳴ってありかを教えてくれます。母も安心するのか「あら、ごめんね」と素直に謝ります」忘れっぽくなるにつれ、家の中に張り紙が増えていく家庭も多い。「トイレの場所や電話の使い方などを張り紙で説明して張っていても、めくれていると認知症の人は剥がしてしまうことが。長持ちするし、捨てられにくくなるので、手貼りでラミネート加工ができる商品がおすすめです」■便利グッズは介護売場以外にも介護ジャーナリストでオールアバウトガイドの小山朝子さんは、20年以上介護現場に関わり、祖母を介護した経験も持つ。「かつてある病院でおかずもごはんも同時にミキサーにかけ食べさせていたのを見ました。いまでは、見た目や食べやすさに配慮した『ユニバーサルデザインフード』と呼ばれるレトルト食品も増えています。在宅介護を担う多忙な人にもおすすめです」高齢になるとのみ込みづらくなる嚥下障害が生じることも。予防するためには、食事の前に冷たいものを食べて口内を刺激することが有効だという。「冷たいものを冷たいまま食べさせられるスプーンが活躍します。コロナ禍では、食事が唯一の楽しみという高齢者も多いので、食事まわりのグッズも工夫してみては」介護の負担を軽くしたり、介護される側の生活を向上させるような便利グッズは、介護用品売場以外に隠れていることも多い。「ホームセンターなどで商品を見てまわっているときに、これは、あの困り事に役立ちそうなグッズだ!と見つけることが多いですね」(工藤さん)ぜひ参考に、少しでも快適な介護を目指してほしい。「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月24日家庭の諸事情によって、働き方を変えなければいけないことは、誰にでも起こりえます。定められた労働時間に働くことが難しく、勤務する時間帯をずらすなど、いろいろな調整を職場に相談することもあるでしょう。「介護します」と上司に話すと?とある男性は、自分の親を介護するため、職場の上司に遅刻や早退が増えることを相談しました。すると、上司はこんな言葉を返したそうです。「奥さんに仕事を辞めてもらうわけにはいかないの?」※写真はイメージ予想外のひと言に、あ然としてしまった男性。上司は「介護という役目は、妻が負うもの」と決めつけていたのかもしれません。男性は上司に、こんな言葉をいい返したそうです。「は?僕の親なんだから、仕事を辞めるなら僕のほうですよね?」共働きの世帯が増えていますが、未だに「家事や育児、介護は女性が担うもの」といった考えが根深くあります。男性が「育児休暇や介護休暇を取得したい」「働き方を調整したい」と考えていても、いい出しづらい職場もあるようです。男性が一連のやり取りをTwitterに投稿したところ、多くの反響が寄せられました。・よくいってくれた。上司さん、時代は令和よ…。・ド正論。世の中は「介護は家庭内、だから女の仕事」って思う人がまだ多いのかな。・この考え方が当たり前の社会に、早くなってほしいです。・かっこいい!スカッとしました。何もかも妻がやればいいと思ってるなら、大間違いです。男性はその後、上司と話し合いを進めることができ、共働きをしながら介護を続けているとのこと。「家事や育児、介護は女性がするもの」という偏見は、女性だけでなく、男性も苦しくさせてしまうでしょう。性別に関係なく、誰もが向き合う課題として捉え、働きやすい柔軟な社会を目指したいですね。※掲載許可は頂いておりますが、投稿者様のご意向により匿名で掲載しております。[文・構成/grape編集部]
2021年03月23日今年’21年は、3年に1度の「介護報酬」を改定する年です。介護報酬とは介護サービスの料金のこと。身体介護が何分でいくらと、国が定めている。4月からの改定に向けて、新しい料金体系が固まってきた介護報酬について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■政府は、介護報酬の公費負担増やすべき今回の改定では、介護サービス費全体を0.7%引き上げます。たとえばデイサービス(通所介護)は、1回約100円上がります。ただ多くの利用者が1割負担なので、「1カ月分で数百円上がる」という方が多いでしょう(所得によって2割負担、3割負担の方も)。今回のポイントは、床ずれの予防やおむつ使用がなくなるなど身体状態の改善に、介護報酬がつくようになったことです。そもそも介護報酬は、介護の手がかかったときに料金が発生します。そのため大変な労力をかけ自立を支援しても、たとえばおむつがはずれ、自分でトイレに行き、用が足せるようになると、排せつの介助に対する介護報酬はなくなり、結果的に介護業者の利益を減らしてしまいます。これが自立支援を阻んでいるのではと問題視されていました。3年前の改定で、おむつをはずすためのケアに介護報酬が設定され、今回はもう一歩進めて、おむつがはずれたなどの成果に料金加算が認められました。介護の重度化を防ぎ、自立支援に力を注ぐきっかけになってほしいと思います。またコロナ禍で、介護業者はかなり疲弊していると思います。そこで、新型コロナウイルスの対策費として、4〜9月の期間限定で、すべての基本料金に0.1%上乗せします。現場のご苦労を思うと、私は足りないくらいだと思います。こうした介護報酬は、介護サービスを受けた方の支払額に反映されるだけでなく、介護業界で働く方の給料にも影響します。介護保険サービスを行う事業者は、介護報酬が上がれば収入が増えますから、職員の給料を増やす余裕が生まれるでしょう。慢性的な人手不足の介護業界で働く方を増やすため、またコロナ禍のいま働く方の給料アップのためにも、介護報酬の引き上げは必要だと思います。介護報酬は、利用者が1〜3割を負担しますが、残りは公費(税金)と介護保険でほぼ折半しています。国全体の介護費は、介護保険制度が始まった’00年には約3兆6,000億円でしたが、’20年度予算は約12兆4,000億円とほぼ3倍。’25年には団塊の世代が後期高齢者になり、膨らんでいくでしょう。それにつれて、私たちが負担する介護保険料も上がっていますが、消費税率も引き上げたのですから介護報酬は公費負担を増やすなどして対応していただきたい。’20年度の第3次補正予算には、約1兆円ものGo To トラベル事業費が組み込まれましたが、正しい税金の使い道なのでしょうか。税金のムダを改め、介護や医療などの社会保障を充実させるよう努めていただきたいものです。「女性自身」2021年2月23日号 掲載
2021年02月12日2019年からスタートした、福祉・介護の魅力を伝えるプロジェクト「介護のしごと魅力発信等事業」の一環として、一昨年から昨年にかけてBSフジで放送された「にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉」。幅広い人に介護や福祉を身近に感じてもらうことを目指したユーザー参加型・体験番組で、俳優・タレントの要潤さん、介護福祉士でモデルの上条百里奈さんがメインパーソナリティを務めています。同テレビ番組は、昨年に引き続き、2021年2月より全3回でのオンエアが決定。これまで番組を通して日本の福祉・介護の“いま”を伝えてきた要さんと上条さんに、介護に対する意識の変化や、介護の現状について伺いました。要さんが語る、介護へのイメージの変化要潤さんは番組を通して、「介護に対して身近に感じることが出来るようになりました」と語り、介護のヒントは日常にあるということを実感したそう。介護福祉士でモデルの上条さんは、「介護施設などを訪問した学生の様子を見て、介護について知ってもらえれば魅力的だと思ってくれるというのを再認識しました」と語りました。「介護について知る」重要性上条さんによると、介護の現場では、認知症患者の徘徊や暴力など、症状が重篤になってはじめて介護の手が入るケースがあるといいます。「もっと早くSOSを出してくれたら、介護職員がここまで重労働にならなかったかもしれない」と、現代における介護の課題感について、介護分野における「情報不足」を挙げました。コロナ禍における介護の現状とは?コロナ禍における介護の現状について、上条さんが挙げた問題は以下2点。・コミュニケーション不足・介護職員の精神的な負担「認知症の方に対しては、表情や目の向け方、瞬きの回数、口の角度といった『非言語コミュニケーション』を多く使います。しかし今はマスクで半分が見えないため、コミュニケーションがうまく取れないこともあります」(上条さん)また「介護職員の精神的な負担」の背景には、クラスターの問題があるのだそう。「介護施設によっては、職員や入居者に感染者が出てクラスターが起きても、受け入れてくれる病院がないという現状があるんです。なかには4人部屋で隔離が難しく、介護職員の精神的負担が大きいことを心配しています」(上条さん)本当に必要な人が医療を受けられるように、それぞれが出来る限りの感染対策を行うのが大事だとコメントしました。「最新の介護・福祉」を知る第一歩に!2月7日より放送中の「にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉」は、まさに今回お二人に伺ったような最新の介護・福祉を知るきっかけとなる番組です。介護や福祉に興味のある方はもちろん、これまで介護に良いイメージがなかったという方も、ぜひ番組を最新の介護・福祉を知るきっかけにしてみてはいかがでしょうか。【参考】※にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉
2021年02月09日「介護は『一人でがんばれば、なんとかなる』ものではありません」そう話すのは約10年にわたって両親を介護したエッセイストの鳥居りんこさん。介護の実体験から『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス刊)を上梓した。「『介護は大変』って言いますよね。私も覚悟はしていました。それでも実際は、想定をはるかに超えてくる。私のメンタルは壊れる寸前でした」介護の初心者は、わからないことだらけ。用語さえ理解できない。「介護の相談窓口である地域包括支援センターを『ホウカツ』と呼ぶのですが、私はなぜか『呆活』と脳内変換してしまい、話が全くかみ合いませんでした」(鳥居さん・以下同)懸命に介護をしていても、心ない言葉を発する人もいる。認知症のために、親から罵声を浴びせられることもあるかもしれない。そんな状況でも、介護する人の心が折れないように守っていこう。経験者の鳥居さんに介護の本音をぶっちゃけてもらった。【金言1】親への恩が怨になっても大丈夫介護生活が長期化すると、介護をする人の心がむしばまれていく。「当時は、ひどい精神状態でした。母の前で『お願いだから、今日死んで』と思ったのは、一度や二度ではありません」親の恩はもちろん感じるが、仕事をセーブして、家庭をかえりみず、体力をすり減らして介護にあたる人は、どんどん追い詰められていく。「恩」が「怨」に変わっても仕方ない。それほど過酷なのだ。「ついぽろっと、禁断の言葉を吐き出してしまったら、『罰当たり』『親不孝』などと非難ごうごう。最終的には『介護って文句は言われても、誰からも感謝されないものだ』とわりきりました」他人がほめてくれないなら、自分で自分をほめてあげよう。怨がこぼれおち、親の死を一瞬願ったとしても、日々必死に介護する人にバチなんて当たるはずがない!【金言2】ゴネた人が得をするたったひとりで、徘徊のひどい親を介護していた男性がいた。親は認知症が進むものの体は丈夫で、要介護度は2。3以上が条件の特別養護老人ホームには入れない。数年に及ぶワンオペ介護の末、親が亡くなった。やっと解放されたとホッとした数カ月後、今度は彼が亡くなった。介護に追われ、自分の病気を放置していたのだ。「ただ黙ってがんばり続けるだけではダメだと思います。つらいときは必死でSOSを叫び続けないと、だれも気付いてくれません」介護は「ゴネた人」が得をする。何度も何度も助けを求め続けた人が救われる。変なプライドを捨てて、大声で助けを呼ぼう。「介護は孤軍奮闘では戦えません。困っていることは、具体的に訴えて。一度でダメなら、何度もかけあってゴネてゴネてアピールしましょう。命あっての物種ですから」【金言】「理想の死」は存在しない介護では、「延命治療をするかどうか」が大きな意味を持つ。「母は日ごろから『延命を望まない』と話していたので迷うことはないはずでした。それなのに、最後の決断はなかなかできませんでした」親は、延命治療の意味をきちんと理解していたのか。本当はもっと生きたかったのではないかと、余命いくばくもない母の姿に気持ちが揺さぶられるという。「介護施設の方から、『最期は、遠い溺死か、近い餓死のどちらか』といわれました。延命治療を行えば、水分が徐々に肺にまわって、おぼれるような感覚で死んでいく。いっぽう、延命治療を行わない場合は、栄養や水分の点滴もやめていき餓死が待っている。どちらを選んでもつらいのですが、どちらかを選ばないといけないのです」どんな死も苦しいのだろう。「理想の死」などないのかもしれない。きれいごとだけでは済まされない、ハードな親の介護。この“介護の金言”を、リアルな問題に立ち向かう心の支えにしよう。「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年02月01日