大腸内視鏡検査5万人以上の松生医師腸の働きをよくして健康になろうという新刊『寿命を延ばす! 腸を温める食事』が発売された。A5判、224ページ、価格は1,700円(税別)、出版社は三和書籍となっている。著者はテレビ番組にも多数出演している松生恒夫(まついけつねお)氏である。同氏は松生クリニック院長で、これまで30年以上、5万人以上の大腸内視鏡検査を行ってきた実績があり、著作には『「排便力」をつけて便秘を治す本』『腸の冷えを取ると病気は勝手に治る』などがある。「腸活」ブームでも日本人の腸は改善されていない?日本で「腸活」という言葉が認知されるようになってしばらく経つが、腸の働きや腸内環境の重要性が広く知られるようになったものの、日本人の腸は改善されたのだろうか。松生恒夫氏によれば、「腸活」ブーム以降もあまり改善されておらず、悪くなる人が増えている実感があるという。同氏はその理由について、「食事内容の大きな変化」「腸活にかかわる誤解」「深刻な腸冷えのリスク」を挙げる。新刊では、便秘や下痢の解消、免疫機能改善、アンチエイジング、大腸ガンの予防、糖尿病の予防・改善、健康長寿の実現に役立つ腸を温める食事について解説する。いつもの食事を少し置き換える「腸活置き換え食材」を使用する「おいしい特効レシピ」も掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※寿命を延ばす! 腸を温める食事 ‐ 三和書籍
2023年03月20日腸は消化・吸収、排泄だけでなく、免疫にも関わる重要な器官である腸。「冬の温め腸活」を実行して、様々な病気の予防に努めよう。外気温が下がるこの季節は、暖房や服装、入浴などでできる腸を冷やさないための対策を万全に。ちょっとした工夫で腸は元気になる!腸を冷やさない1:屋外と室内の寒暖差に注意する。実は冷たい飲み物より腸に負担をかけるのは、屋外と室内の寒暖差による腸冷え。「“10度の法則”と呼んでいるのですが、室温と外気温の差が10度以上になると、腸にストレスがかかり、動きが悪くなります」。この法則に従って、寒暖差を10度以内に保つのがベストだが、今の季節は無理があるので、室温は20度くらいで。セーター1枚で過ごせるくらいを目安に。「その代わり、外に出る時に携帯カイロをお腹に入れるなど、お腹を急激に冷やさないような工夫を。また、暖房器具の発達で室温を上げすぎている場合が多く見られるので、一度確認してみてください」2:温めるだけでなく、締め付けない服装を。「若い女性を中心に、上半身は厚着しながら、下半身は冬でもミニスカートなどの人を見かけますが、言うまでもなく腸冷えを招く服装です。本当に美容を考えるなら、腸とカラダを保温して全身に血液を回す服装を選びましょう。それによって肌もキレイになります」。この季節、まずお腹がしっかり保温される服装が基本。ただ、単に分厚い服を着ればよいわけではなく、首・手首・足首から冷気が侵入しないデザインを選ぶ。また、体熱を運ぶのは血液なので、血流を妨げないようカラダを締め付けないゆったりしたものを。重ね着で空気の層を作るのが、保温効果を高めるコツ。3:半身浴&アロマバスで腸を癒す、温める。「毎日、入浴をシャワーで済ませてしまっている人がいますが、お湯を浴びるだけでは温め効果は望めません。腸を温めるには、湯船にしっかり浸かることが大切です。おすすめなのが、少しぬるめのお湯での半身浴。便秘やお腹の張りは、交感神経が優位になっている時に起こりがちですが、ぬるめのお湯は副交感神経を程よく刺激して、心身のストレスを取り除く効果があります」。血流を促して自律神経のバランスを整えることは、腸を温めて活発に動かすのにとても有効。また、湯船にアロマオイルを垂らすアロマバスも、交感神経を静め、さらなるリラックス効果が期待できる。冬の半身浴のやり方あらかじめバスタブにお湯を張り、湯気で浴室を暖めておく。お湯の温度は38~41度、みぞおちから下が浸かる程度の量で。20~30分ほど、じんわりと汗が出るまで浸かる。湯船の中で「腸ストレッチ」を行うのもおすすめ。まず右わき腹から左わき腹へ、続けて斜め下に押す。アロマバスのやり方オリーブオイルやホホバオイル、アーモンドオイルなどのキャリアオイル(希釈用のベースオイル)でエッセンシャルオイルを薄めて、バスタブのお湯に入れる。オイルの分量は、10~15mlのキャリアオイルに対して、エッセンシャルオイル3~5滴を目安に。キャリアオイルアーモンドオイルアーモンドの種子から、成分を壊さないように冷圧搾法(コールドプレス)で抽出。肌なじみの良いピュアなオイル。200ml¥3,400(ニールズヤード レメディーズ TEL:0120・316・99)エッセンシャルオイル(左)ラベンダー、(右)イランイラン・オーガニックゆったり寛ぐ香りの代表格、やや甘みのあるラベンダー。濃密でエキゾティックなイランイラン。各5ml。ラベンダー¥1,300イランイラン¥1,600(ニールズヤード レメディーズ)松生恒夫先生松生クリニック院長。これまでに、5万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた大腸疾患治療の第一人者。『専門医が教える 腸ストレッチでお腹スッキリ!』(マイナビ出版)、『図解ハンディ版 腸を温める食べ物・食べ方』(青春出版社)ほか著書多数。※『anan』2021年2月3日号より。イラスト・朝野ペコ(by anan編集部)
2021年01月31日カラダを動かす機会の少ない人は、腸の動きも停滞しがちなことが多い。せっかく食生活を改善して腸を温めても、運動不足だと、また腸は冷えてしまう!簡単にできるストレッチやマッサージで、腸に程よい刺激を与えて活性化しよう。腸の動きを活発にする1:ストレッチ&腹式呼吸で腸の緊張を緩める。「大腸はストレスに弱い器官。長く緊張を強いられると交感神経優位の状態が続いて、腸の働きが低下します。ストレスを感じた時や、お腹の調子が悪いと思ったら、一日の終わりにゆっくりストレッチをしてみましょう。こわばったカラダをほぐすことで、腸もリラックスできます」。胸の上部だけを使った浅い呼吸の人が多いともいわれているので、ストレッチに腹式呼吸を組み合わせるのもおすすめ。ゆったりとした腹式呼吸をすると、腹圧がかかり内臓がマッサージされていくような心地よさが感じられる。3分も続けると自律神経のバランスが整い、腸もリラックス状態を取り戻すはず。ストレッチ床に仰向けになる。腰を床につけたまま、両膝を手で胸の方に引き寄せる。あごを引き、ゆっくり深呼吸を5回。手足を伸ばしてリラックスする。腹式呼吸鼻から深く息を吸う。横隔膜が下がり、お腹が膨らむようにする。息を吐く時は横隔膜を背骨に引き寄せるようにお腹を凹ませる。1と2を繰り返す。2:ウォーキングがお腹の血流を良くする。「世界がん研究基金と米国がん研究協会の共同研究で、大腸がんのリスクを下げる最も確実な要因として発表されたのは、“身体活動”、つまり運動でした」。カラダを温め、腸を動かす運動で簡単に始められるのがウォーキング。ウォーキングで下半身の筋肉が刺激されると、新陳代謝が高まって血液循環も良くなり、腸も活発に働くようになる。運動不足で背中やお腹の筋力が低下するのも、便秘の大きな原因の一つだが、ウォーキングはこれらの筋力の維持にも役立つ。1回30分ほどを週3回できれば理想的。通勤や会社内でもなるべく歩いたり、階段を使って、腸を動かそう。3:“腸ストレッチ”で直接刺激する。「腸の働きが活発になると、お腹の張りも解消しますが、ウォーキングやストレッチをしても張りが解消されない人も。特に女性の場合は、横行結腸が垂れ下がっているケースが多く、その部分にガスが溜まり抜けにくくなっているんですね」。そんな状態に有効なのが、「腸ストレッチ」。お腹を優しく撫でることで、腸のぜん動運動をコントロールする副交感神経が活発に働いてくれる。もう一つおすすめなのが、うつ伏せの姿勢での深呼吸。しっかりと息を吸い込むと腸を刺激することができる。毎日続けているうちに徐々に効果が表れ、便秘も解消されるはずなので、お試しを。うつ伏せ深呼吸うつ伏せになり、クッションや枕をお腹の下に入れる。腸に刺激を届けるつもりで、お腹を膨らませてゆっくりと深呼吸を2~3分間繰り返す。「腸ストレッチ」とセットで行うとより効果的。「腸ストレッチ」左半身を上にして横になり、右肘を立てて頭を支えリラックス。左の手の平で、左わき腹の上部から斜め下(下腹部)に向けて、お腹をプッシュする。2~3分間繰り返す。松生恒夫先生松生クリニック院長。これまでに、5万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた大腸疾患治療の第一人者。『専門医が教える 腸ストレッチでお腹スッキリ!』(マイナビ出版)、『図解ハンディ版 腸を温める食べ物・食べ方』(青春出版社)ほか著書多数。※『anan』2020年2月3日号より。イラスト・朝野ペコ(by anan編集部)
2021年01月30日腸は消化・吸収、排泄だけでなく、免疫にも関わる重要な器官。だから、腸を元気にする対策を立てることは様々な病気の予防に。なかでもこの時期、特に気をつけて実行したいのは“冷やさない”ということ。腸を温め、動かすためにできることを知っておこう!温めれば腸の動きは活発に。正常に動けば、腸は温まる。大腸専門医の松生恒夫先生によると「現代人の腸にかかるストレスは年々悪化しており、なかでもいちばん深刻なのが“冷え”によるもの」だとか。「腸活や、腸内環境を整えるといった言葉も定着してきましたが、肝心の腸が冷え切って動いていないと、せっかくの腸活も効果を最大限に発揮できません」“腸冷え”は、気温やカラダを冷やす服装だけでなく、食生活の変化、寒いからと部屋でゴロゴロして過ごす生活、シャワーだけで入浴を済ます習慣なども原因に。「腸冷えの人に多く見られるのが“停滞腸”です。これは“腸の働きが鈍くなっている状態”のこと。腸冷えと停滞腸はお互いに悪循環を招く裏表の関係で、腸が冷えていると働きが鈍くなり、逆に、働きが鈍くなることで冷えが進む。そして腸冷えや停滞腸は、便秘や下痢、お腹の張り、肌荒れから生活習慣病まで、様々なトラブルや病気のリスクへと繋がります」腸冷えと停滞腸を撃退する方法、すなわち腸を温め活発に動かす基本は、食生活、運動、生活習慣の3つ。できることから生活に取り入れて、温め腸活を始めよう。冬の温め腸活1:食事する時間と腸のリズムを合わせる。腸が正常に働くためには、腸のリズムに沿った食生活が大切。例えば、腸が活発に働く時間に食事を摂る。規則正しい時間に食事を摂り、ちゃんと腸も休ませる。便意は我慢しないなど…。「便を排泄するために起きる大腸の収縮運動の中で、最も大きな“大ぜん動”が起きるのは朝食後。なので、腸が最も動く朝は、腸を温める最大のチャンスでもあります。朝食後、リラックスして排泄できると、一日のリズムが整い、腸の調子も良くなります」。また、睡眠中、腸に収縮運動を起こし胃腸内を掃除するホルモンが出るが、消化が終わらないと出ないので、夕食は寝る3時間前までに。朝、排泄を済ませ、仕事や家事など活動を始めると、交感神経が優位になり、午前中、大腸はお休みモードに。冬の温め腸活2:朝食には必ず温かい汁物を食べる。朝は、大腸が最も動くタイミング。ただしそれは、朝食を食べることで胃から大腸に刺激が伝わって初めて引き起こされる。なので、朝食は必ず摂りたい。「今の食生活で腸にダメージを与えている要素の一つに、温かい汁物を食べる機会が減ったことがあります。温かい味噌汁やスープで物理的に腸を内側から温めることは、実はとても効果的です」。できれば毎日、朝食の献立には温かい汁物を入れたい。味噌汁には植物性乳酸菌を摂れるメリットも。食物繊維たっぷりの具だくさんだとベスト。どうしてもきちんとした朝食が摂れない人は、左ページの腸を温めるドリンクだけでも。漬物も植物性乳酸菌が多く含まれる。昔ながらの和の朝食でなくても構わないので、温かい汁物を取り入れよう。冬の温め腸活3:“食温腸”の食材を積極的に摂る。「食温腸とは、東洋医学の考え方である“食養生”を基に“温めて腸の動きを良くする食材”という意味から考案した言葉です。腸冷えや停滞腸による軽症の便秘であれば、食温腸の食材を摂りながら本来の機能を整えていくことで、自分で治せるケースがほとんどです」。食温腸のメニューの中で腸を動かす働きが抜群なのが、カレー。カレーにはカラダにいい効能を持つスパイスが豊富に含まれている。特に温め効果が高いのがターメリックやシナモン、ジンジャー。他には、発汗作用があるペパーミントや唐辛子。不溶性と水溶性、両方の食物繊維を含むキウイフルーツもおすすめ。ライスをターメリックライスにすると効果倍増。ペパーミントには腸管の痙攣抑制や、ガスを排出させる働きも。冬の温め腸活4:腸を温めるチョイ足し食材を活用。毎回、腸を温める具材入りの料理を作るのは大変だが、料理や飲み物に、温め効果が上がる食材をちょっと足すだけなら簡単。「何にでも合って、気軽に取り入れられる最強のチョイ足し食材は、オリーブオイル。温かい飲み物に数滴垂らすと表面に油膜ができ、それが優れた保温持続力を発揮します。何種類かあるので、最も効果が高い精製されていないEXV(エキストラバージン)オリーブオイルを選んで」。シナモンも、血管を拡張する作用が期待でき、漢方では発汗や整腸に効果があるとされている食材。冷えた腸を温め、元気にする。パウダーを飲み物やサラダ、トーストに振りかけよう。80度のお湯180mlにEXVオリーブオイル5mlを入れたもの、サラダ油を同量入れたもの、油なしのお湯で、時間経過とともに低下する温度差を比較。EXVオリーブオイル入りのお湯が最も冷めにくいことがわかった。冬の温め腸活5:腸を温めるドリンクメニュー!「腸冷えを解消するには、直接温かいものを飲むことも有効な手。水分を摂取することで便秘の解消も期待できます」。冷え対策として漢方にも用いられるシナモン&ジンジャー、血流を改善しカラダの芯から温めるココア、理想的な発酵食品の一つである甘酒…。今回紹介するホットドリンクは、それらを使い体内で温度が持続するように考えられた、松生先生オリジナル。「保温効果を確かめるため比較実験をしましたが、いずれも高い保温力がありました」。材料のオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やし、ぜん動運動を促す働きが。甘酒ココアや、ホットイチゴ甘酒などアレンジもOK。松生恒夫先生松生クリニック院長。これまでに、5万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた大腸疾患治療の第一人者。『専門医が教える 腸ストレッチでお腹スッキリ!』(マイナビ出版)、『図解ハンディ版 腸を温める食べ物・食べ方』(青春出版社)ほか著書多数。※『anan』2020年2月3日号より。イラスト・朝野ペコ(by anan編集部)
2021年01月30日新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛生活が長引いたことで、腸の不調を訴える人が増えているという。便秘外来がある松生クリニック(東京都立川市)の松生恒夫院長は次のように話す。「在宅時間が長くなったことによって、腸に負担をかけている原因のひとつは運動不足です。不要不急の外出を控えることで活動量が低下すると、同時に腸の動きも鈍くなります。すると、体の外に排出すべき便が腸内にたまり、便秘になります。これは、いわば“巣ごもり便秘”の状態です。この状態が続くと、便をエサにする悪玉菌が腸内で増えてしまいます。悪玉菌が血液の流れに乗って全身に行き渡ると、便秘のほか、冷え性や肥満、肌荒れ、体臭などのトラブルが体に出てきます。自粛が緩和された後でも、これから梅雨の季節にかけては便秘を招く条件が重なるので、腸のトラブルは早い段階でスッキリさせましょう」“巣ごもり便秘”を招く原因はほかにもまだある。自粛によるストレスの蓄積や感情の高まりから、自律神経のバランスが乱れ、正常な腸のぜん動運動が起こらず、腸内環境が悪化する。これも便秘を招くことにつながってしまう。「食生活にも問題があります。巣ごもり生活では、どうしても市販の弁当や手のかからないメニューが増えてしまいがち。それにより食物繊維が不足している人が多いようです。一日中家にいるので、つい夜更かしをするなど不規則な生活も腸のダメージになります。さらに、いまの時季は暑い日と肌寒い日の寒暖差が激しく、10度以上の気温差が生じることも。すると、腹部膨満感などの腸のトラブルが出やすくなります。気温とともに体の表面温度が下がると、交感神経が緊張して腸の動きが低下してしまうためです。また、血行が悪くなることで、腸の血液が滞り、ぜん動運動が抑制されてしまいます」(松生院長・以下同)特に、ホルモンバランスが乱れがちになる更年期以降の女性は、加齢に伴う筋力の衰えから、基礎代謝量が落ちてくる。すると、冷え性などの影響から便秘にもなりやすいというので気をつけたい。脳に次ぐ多くの神経細胞を持つことから、腸は“第二の脳”ともいわれる。そんな大切な器官の健康を取り戻すには、バランスのとれた食事、規則正しい生活を送ることが基本。腸を活性化させる食物繊維が豊富なキウイや発酵食品の納豆、飲み物はココアを積極的に取ることがおすすめだ。例年とは違う生活サイクルが続くことで、気づかぬうちに腸内環境を悪化させている人が多いという。蓄積したダメージをケアするために、早めに対処しておこう。「女性自身」2020年6月16日号 掲載
2020年06月11日例年とは違う生活サイクルが続くことで、気づかぬうちに腸内環境を悪化させている人が多いという。蓄積したダメージをケアするために、早めに対処しておこうーー。新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛生活が長引いたことで、腸の不調を訴える人が増えているという。便秘外来がある松生クリニック(東京都立川市)の松生恒夫院長は次のように話す。「在宅時間が長くなったことによって、腸に負担をかけている原因のひとつは運動不足です。不要不急の外出を控えることで活動量が低下すると、同時に腸の動きも鈍くなります。すると、体の外に排出すべき便が腸内にたまり、便秘になります。これは、いわば“巣ごもり便秘”の状態です。この状態が続くと、便をエサにする悪玉菌が腸内で増えてしまいます。悪玉菌が血液の流れに乗って全身に行き渡ると、便秘のほか、冷え性や肥満、肌荒れ、体臭などのトラブルが体に出てきます。自粛が緩和された後でも、これから梅雨の季節にかけては便秘を招く条件が重なるので、腸のトラブルは早い段階でスッキリさせましょう」脳に次ぐ多くの神経細胞を持つことから、腸は“第二の脳”ともいわれる。そんな大切な器官の健康を取り戻すには、バランスのとれた食事、規則正しい生活を送ることが基本。腸を活性化させる食物繊維が豊富なキウイや発酵食品の納豆、飲み物はココアを積極的に取ることがおすすめだ。これら生活習慣の改善に加えて、毎日取り入れたいのが、松生院長が考案した腸のストレッチ。「腸の動きを活性化させる運動はウオーキングが効果的ですが、天候によって外出できないときもあります。スキマ時間に部屋の中でできるのが腸のストレッチです。なかでもイスに座りながらできる『腸ひねりストレッチ』と、寝ながら行う『ガス抜きマッサージ』は1日5分もあればできるものです。習慣づけると腸の活性化を助けてくれますよ」「腸ひねりストレッチ」は、ぞうきんを絞るように体をひねる「横ひねり」と、腰骨と肋骨の間を開くように体を伸ばす「縦ひねり」の2つ。腸にダイレクトな刺激を送ることができ、繰り返し行うと、腹横筋や腹斜筋が鍛えられて腸内のガスが抜けやすい体質になる。■腸ひねりストレッチ【横ひねり】安定したイスにしっかり座って、足を組む。上半身と下半身を逆方向にひねり、おなかをねじったところで5回深呼吸をする。反対方向も同様に行う。※息をはきながらゆっくりとねじる。【縦ひねり】安定したイスにしっかり座って、片手を上げる。反対側の手を床に近づけるようにしながら体を倒したところで5回深呼吸をする。反対側も同様に行う。※下半身は動かさない。手を上げたほうのわき腹をしっかり伸ばすこと。もうひとつは、おなかが張って苦しいときの「ガス抜きマッサージ」。夕方になるとおなかが張ってくるという人は、飲食物と一緒に飲み込んだ空気や、食べすぎや消化不良によってガスがたまることが原因ということが多い。■ガス抜きマッサージ【1】右わき腹に枕を当てて横になり、右腕を頭の下に置く。左手で、右わき腹の下部を持ち上げながら、横行結腸まわりのガスを移動させるように1分間マッサージ。【2】左わき腹を下にして枕を当てる。右手で左わき腹の下部を持ち上げながら、S状結腸周辺を刺激するイメージで1分間マッサージ。【3】あおむけになり、何回か腹式呼吸をした後、両手を下腹部に当て、1分間マッサージ。【4】うつ伏せになり、おなかの下に枕を当てて、1分間ゆっくり深呼吸をして直腸を刺激する。※お尻の力を抜くこと。「病院で大腸内検査をするとき、内視鏡が腸の中を進みやすくするために、大腸へ空気を送り込みます。腸内が膨らんでおなかにガスがたまっているのと同じ状態になり、検査後はこの空気を抜くために右半身が下になるように体を動かします。これを応用したのが『ガス抜きマッサージ』です。右半身を下にして横行結腸をマッサージします。その次に左半身、あおむけ、うつ伏せの順に体を動かしてマッサージしながらガスを抜きます。ポイントはガスをどの方向に移動させているかを意識すること。強く押したり、いきんだりせずに、毎日続けることで効果が出てきます」毎日のストレッチで、“快腸”な生活を取り戻そう!「女性自身」2020年6月16日号 掲載
2020年06月11日「お通じはあるけど、なんだかスッキリしない」「更年期に入って便秘になった」など、40代以降の多くの女性たちを苦しめる便秘の症状。更年期を迎えると、ホルモンの分泌が乱れて交感神経が過敏になる。同時に副交感神経の働きが悪くなると、便を押し出すぜん動運動が鈍くなり、便秘を招きやすくする。「腸の機能が弱まり便秘が続くと、老廃物や有害な毒素が体内にとどまってしまうため、大腸がんをはじめ重篤な病気のリスクが高まってしまいます。また、腸には病原細菌やウイルスを除去する働きがあり、この機能が衰えると、肌トラブルや免疫力の低下などを招くことにつながります」そう話すのは、松生クリニックの松生恒夫院長。これまで5万人以上の患者さんの腸を診察してきた松生院長は、全身の健康を保つために腸内環境を整えることの大切さを強調する。’12年にアメリカ・メイヨー医科大学が発表した、ミネソタ州に住む人約4,000人の15年追跡調査でも、慢性的な便秘がない人は生存率が高く、便秘などで腸の働きが悪い人は寿命が短い傾向が確認されたという。クリニックを訪れる患者さんに、便秘の対処法として松生院長がまず薦めるのは食事内容を見直すことだ。「腸の内側のひだのなかには、約500種類、合計100兆個の細菌が存在するといわれ、フローラ(お花畑)と呼ばれる腸内細菌叢を構成しています。細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌があり、日和見菌は状況に応じて善玉菌や悪玉菌に加勢します。腸にやさしい食材を積極的に取ることで善玉菌を増やすようにすると、便秘の症状も改善することが多いのです」(松生院長・以下同)この善玉菌を増やすための“最強食”と松生院長が太鼓判を押すのが「納豆にオリーブオイルをかけて食べる」ことだという。「発酵食品である納豆は私も週に数回食べていましたが、正直なところ、それが排便を促進するという実感は得られませんでした。あるときふと、大さじ1杯程度のエクストラバージンオリーブオイルを納豆にかけてよく混ぜて食べてみたところ、思いのほかおいしくて。毎日夕食時に食べるようになったのです。それ以降、私自身は便秘知らず、いまではオリーブオイル納豆を外来の患者さんにも薦めています。腸は消化・排せつの役目を担っていますが、冷えなどの原因からこれらの機能が衰えてしまう状態を“停滞腸”といいます。この停滞腸の改善にとっても、オリーブオイル納豆は効果を発揮してくれます」健康の基本は腸内環境から。長生きするためにも、オリーブオイル納豆をはじめてみよう!「女性自身」2020年2月25日号 掲載
2020年02月15日「腸の機能が弱まり便秘が続くと、老廃物や有害な毒素が体内にとどまってしまうため、大腸がんをはじめ重篤な病気のリスクが高まってしまいます。また、腸には病原細菌やウイルスを除去する働きがあり、この機能が衰えると、肌トラブルや免疫力の低下などを招くことにつながります」そう話すのは、松生クリニックの松生恒夫院長。これまで5万人以上の患者さんの腸を診察してきた松生院長は、全身の健康を保つために腸内環境を整えることの大切さを強調する。’12年にアメリカ・メイヨー医科大学が発表した、ミネソタ州に住む人約4,000人の15年追跡調査でも、慢性的な便秘がない人は生存率が高く、便秘などで腸の働きが悪い人は寿命が短い傾向が確認されたという。クリニックを訪れる患者さんに、便秘の対処法として松生院長がまず薦めるのは食事内容を見直すことだ。「腸の内側のひだのなかには、約500種類、合計100兆個の細菌が存在するといわれ、フローラ(お花畑)と呼ばれる腸内細菌叢を構成しています。細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌があり、日和見菌は状況に応じて善玉菌や悪玉菌に加勢します。腸にやさしい食材を積極的に取ることで善玉菌を増やすようにすると、便秘の症状も改善することが多いのです」(松生院長・以下同)この善玉菌を増やすための“最強食”と松生院長が太鼓判を押すのが「納豆にオリーブオイルをかけて食べる」ことだという。納豆の納豆菌、ナットウキナーゼは、血栓を溶かし脳梗塞などのリスクを下げる。大豆には更年期症状を改善させるイソフラボンのほか、便を軟らかくする水溶性食物繊維が豊富だ。食物繊維は大腸の中を酸性にして有害な細菌をすみにくくさせるとともに、有害物質を吸着させて便と排出、血中コレステロールを下げるといった働きを持つ。いっぽう、エクストラバージンオリーブオイルに含まれる不飽和脂肪酸のオレイン酸は、悪玉コレステロールを抑える作用がある。さらに酸化しにくい性質ももっていて、動脈硬化を防止する効果もある。これらの相乗効果によって、オリーブオイル納豆を食べることで便秘を防ぎ、腸内環境を整えることができるのだという本誌記者もさっそく、納豆に大さじ1杯分のオリーブオイルをかけて、よくかき混ぜて食べてみるとーー。納豆の粘り気が抑えられ、サラッとした食感だ。ネバネバが苦手、という人にはうれしいかも。納豆とオリーブオイルの風味はけんかすることもなく、想像以上に食べやすかった。「オリーブオイル納豆をより一層おいしく、健康的に摂取するためには、主食は白米よりも麦や雑穀を混ぜたごはんにすることもおすすめしています。精製加工されていない全粒粉や雑穀は、血糖値の上昇を緩やかにする作用があるからです。さらに、体によい食材をトッピングとして“ちょいのせ”する方法もあります。こうして毎日飽きずに食べられるのも、オリーブオイル納豆のメリットです」そこで、読者世代の女性に松生院長がおすすめする“ちょいのせ”食材と、そこから期待できる効果を教えてもらった。【おろししょうが】体を温める効果のあるジンゲロールを含有し、冷え症改善にも効果アリ。【キムチ】発酵食品であり、乳酸菌が豊富。腸内環境の改善に大きく期待できる。【刻んだトマト】抗酸化作用のあるリコピンを含むため、肌の若返りの効果が期待できる。【青じそ】青じそに含まれるビタミンEの作用でアンチエイジング効果も期待できる。【砕いたナッツ】食物繊維が腸のぜん動運動を促し、抗酸化作用のあるビタミンEも含む。【みょうが】独特の香りの成分α-ピネンの作用で、ストレス緩和や集中力アップにも。【黒ごま】抗酸化作用のあるセサミン、さらにビタミンEと栄養が豊富。【カレー粉】スパイスの作用が代謝を促進し、生活習慣病の予防効果もある。ほかにも、大根おろしや練り梅、刻んだ長ねぎ、しらすをかけて食べるアレンジ方法も。また、もずく酢、すりおろした長いもなど“ネバネバ食材”と一緒に混ぜると、便秘解消の効果をアップさせることができそうだ。「いずれの食材も安価なので、毎日続けやすいところもオリーブオイル納豆の優れた点です。薬に頼って排便を促している人も、少しずつ減薬できるでしょう」「女性自身」2020年2月25日号 掲載
2020年02月15日暑さで自覚が少ないぶん、夏の冷えは意外と厄介。知らないうちに「腸冷え」が進行して不調の原因になっているかも…。暑くても実践できる“冷やさない”腸温活で、無理なく冷えを予防&改善。夏バテと無縁の元気な腸を手に入れよう。薄着や冷房、冷たい食べ物…。実は夏は、冬と同じくらい腸が冷えやすい季節。さらに、ここ数年は35°C以上の猛暑日が増えたため、より腸に負担がかかっていると、松生クリニック院長・松生恒夫先生は指摘する。「外と室内の温度差が10°Cを超えると、急激な寒暖差で腸冷えが起こりやすいのです。冷えによって交感神経が優位になり、腸の血流が減って活動が停滞し、便秘や免疫力低下にもつながります」夏の腸冷え対策は、暑さに対応しながら行うことが大切。エアコンを我慢して熱中症になっては本末転倒だし、冷たい食べ物や飲み物をすべて断つのもむずかしい。「夏は腸を“冷やしすぎない”ことを意識しましょう。エアコンの風に直接当たらない、飲み物は常温で飲む。そうした小さな工夫を重ねることで冷えは防げます」冷やさないことと同時に心がけたいのが、腸を動かすこと。朝食を欠かさない、日頃から歩くようにするなど、生活習慣も見直そう。「朝食におすすめの食材はキウイです。腸内環境を整える酪酸を作り出す水溶性食物繊維がキウイに多く含まれるので、便秘解消にも役立つでしょう。腸の動きをスムーズにしたうえで冷やさないこと。これで夏バテも予防できますよ」“腸冷え”になる3大要因薄着薄着や露出で肌をさらすほど「温度差」によるダメージが。夏はどうしても薄着になり、肌を露出しがち。暑い外にいるときは良くても、エアコンがガンガンに効いた場所との行き来があったとき、肌を覆う被服が少ないほど体温調節がうまくできず、腸冷えに。エアコンオフィスやお店ではとくに冷やさない工夫が大切。「寒いと感じるくらいエアコンの効いた場所に長時間いると体が冷え、当然、腸も冷えます」(松生先生)。オフィスやレストランなど、設定温度を自分で変えられない場所はとくに要注意。食べ物内側からのダイレクト冷えは量を減らしてブロック。かき氷やアイス、冷やし中華…。冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎると腸などの内臓を直に冷やしてしまう。食べる量を減らす、温かい飲み物と一緒に摂るなどして冷えすぎを予防しよう。“腸温活”をはじめよう!薄着冷え対策には温めアイテムを仕込んで薄着でも冷やさない。冷え対策といえど、夏に厚着をするのは非現実的。そこで、活用したいのが“隠れ温めアイテム”。薄手の腹巻きや一分丈のショーツを着用するだけで、薄着のままでもお腹の冷えはぐっと軽減する。保湿ケアも兼ねて温感クリームをお腹まわりに擦り込んでおけばより効果的。カーディガンなどの羽織りものは、お守りのようにいつも持ち歩こう。いつものショーツに重ねるほか、1枚ばきも可能な一分丈ショーツはスカートのときにぜひ。吸汗&速乾性の素材でさらっと快適なうえ、伸縮性抜群だからストレスフリー。カラーは紺とグレーも展開。ウイング まるで素肌¥1,600(ワコール TEL:0120・307・056)エアコン冷え対策には直の冷気や汗冷えは禁物。冷えを感じたらお腹を温めて。エアコンによる腸冷えを防ぐポイントは、冷気に直接当たらない、汗冷えを避ける、お腹を温める、この3つ。サーキュレーターなどで冷気を循環させるのも。「寒いと感じたらお腹にハンドタオルや手を当てるだけでも温まります。簡単にできる腸冷え対策です。エアコンの設定ができるなら、自分が快適と感じる温度にすることも大切」コンパクトなデスクファンは、パーソナルスペースを涼しくするのに有効。首振りにしたり風量を調節したりして、冷えすぎない適度な涼感を手に入れて。低騒音ファンだから仕事中も気にならない。USBデスクファン首振りタイプ¥3,232(無印良品 池袋西武 TEL:03・3989・1171)食べ物冷え対策には腸の温め&活性化作用のある食材を味方にしよう。冷たいものは食べすぎない、ドリンクは常温を選ぶなど、基本的なことをまず押さえよう。そのうえで、温かい食事や飲み物にちょい足しすることで、腸の保温効果を高めるオリーブオイルとスパイスを取り入れてみて。また、腸の筋肉の緊張を緩める作用を持つペパーミントや、腸の働きを促すキウイ、全身を温めるカレーにも要注目。ペパーミントに含まれるメントールには腸を動かす筋肉の緊張を緩める作用が。清涼感のあるペパーミントティーはホットでも飲みやすく、お腹も温まる。レーベンスバウム オーガニックハーブティー ペパーミント 20P入り¥800(おもちゃ箱 TEL:0120・070・868)松生恒夫先生医学博士。松生クリニック院長。「便秘外来」を開設。『長生きしたけりゃ、腸は冷やすな』(主婦の友社)など、腸関連の著書多数。新刊は『キウイを食べると腸が健康になる!』(現代書林)。※『anan』2019年7月24日号より。イラスト・サヲリブラウン取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2019年07月22日夏は室内と屋外の気温差や水分の取りすぎなど、体に負担をかけてしまいがちな季節。特に、腸へのダメージにご用心!そのコンディションは、健康寿命と大いに関係している――。「腸内環境を整えて健康を維持する“腸活”がブームですが、『腸にいい』と思っていた習慣が、じつは腸の状態を不調にする原因だった、ということがよくあります。腸が健康でないと、肌荒れなど見た目に影響が出るだけでなく、精神的にもストレスがたまり、免疫力が下がって病気にかかりやすくなってしまうのです。人生100年時代ともいわれますが、健康寿命でいるためには、足腰だけでなく、腸の健康も欠かせません。正しい腸活を行って、消化と吸収、排泄がスムーズな“美腸”をキープすることが大切です」松生クリニックの松生恒夫院長は、腸の健康の大切さをそう強調する。松生院長はこれまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行い、“汚腸”の人を救ってきた便秘外来のスペシャリストだ。「ベストな“美腸”の状態になるためには、毎日の朝食後に消化管の収縮活動“大蠕動”が起きて、スムーズな排泄が行われていることが不可欠です。ダイエットで朝食を抜いたり、食事の時間が不規則になるなど、生活リズムが狂うと大蠕動が起こらなくなります。また、腸に強いストレスがかかると交感神経が優位になり、腸を動かす腸管運動にブレーキがかかり、便秘の原因となってしまいます」(松生院長)便秘は腸の老化を早めるだけでなく、万病のもと。便秘が長引くと、老廃物や毒素が体内にたまり、さまざまな病気リスクが増大してしまう。“腸美人”であることは、体の内部も見た目もイキイキと過ごすためのカギなのだ。年齢とともに筋力が低下してくると、腸が下がり、周囲の内臓も一緒に引きずられて動きが鈍くなるという。便の排出がうまくいかないと、老廃物がたまり便秘になるといった負のスパイラルに陥ってしまう。そこで日本美腸協会代表理事の小野咲さんがすすめるのが美腸エクササイズ「腸ストレッチ」だ。「腸のまわりの筋肉を鍛えて腸をアップさせるために“腸ストレッチ”を行いましょう。インナーマッスルに刺激を与えて、腸が動きます。正しい位置に腸を直接引き上げ、たまった便を出すと、1~2キロは体重が減って、ダイエットをしなくても、ウエストとともに下腹も引き締まってきますよ」(小野さん)■腸ストレッチ【胸式&腹式ストレッチ】腸を引き上げる(1)両足を肩幅に開いて立ち、手を体に沿わせながら体を起こす。両手をおなかにあて、軽く息を吸っておなかに息をためる。(2)両手の腕を体に沿わせて、ゆっくり上げる。おなかから胸の順にふくらませるイメージで。ここまで5秒かけて鼻から息を吸う。(3)腕をゆっくり下ろしながら、10秒かけて胸からおなかの順に息を吐き出す。(4)さらに上体を丸めて。おへそをのぞき込むようにする。ひざ下まで手を伸ばし、息を吐き切る。1~4を5回繰り返す。【おじぎストレッチ】便通を促進する(1)両足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、右手は腸骨の下、左手は肋骨の下にあてて、前かがみになる準備をする。(2)両手で脇腹をもみながら上半身を前に倒していく。もみながら左手だけを下にスライドさせ、息はゆっくり吐く。床と平行になるまで体を倒したら頭を上げる。両手は腸骨の位置に。10回繰り返す。【ガス腸のストレッチ】腸内を整える(1)あおむけに寝て足を立てて肩幅に開き、両手は床につける。背骨の下にある「仙骨」が床にぴったりつくように意識する。(2)腰を上げ下げして、仙骨をリズムよく動かす。これを20回繰り返す。【おすもうスクワット】外肛門括約筋を強化する(1)両足を開いてしゃがみ、両腕はひざの内側に入れ、両手を合わせる。(2)右側にぐっと体をねじり、左の上半身の内側に入れる。目線はなるべく遠くへ向ける。同様に左方向にも体をねじる。これを5回繰り返す。入浴後などにリラックスしながら腸ストレッチを行うとより効果がアップするそう。呼吸を整えながら、無理のない範囲で毎日続けよう!
2019年07月12日夏は室内と屋外の気温差や水分の取りすぎなど、体に負担をかけてしまいがちな季節。特に、腸へのダメージにご用心!そのコンディションは、健康寿命と大いに関係している――。「腸内環境を整えて健康を維持する“腸活”がブームですが、『腸にいい』と思っていた習慣が、じつは腸の状態を不調にする原因だった、ということがよくあります。腸が健康でないと、肌荒れなど見た目に影響が出るだけでなく、精神的にもストレスがたまり、免疫力が下がって病気にかかりやすくなってしまうのです。人生100年時代ともいわれますが、健康寿命でいるためには、足腰だけでなく、腸の健康も欠かせません。正しい腸活を行って、消化と吸収、排泄がスムーズな“美腸”をキープすることが大切です」松生クリニックの松生恒夫院長は、腸の健康の大切さをそう強調する。松生院長はこれまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行い、“汚腸”の人を救ってきた便秘外来のスペシャリストだ。「ベストな“美腸”の状態になるためには、毎日の朝食後に消化管の収縮活動“大蠕動”が起きて、スムーズな排泄が行われていることが不可欠です。ダイエットで朝食を抜いたり、食事の時間が不規則になるなど、生活リズムが狂うと大蠕動が起こらなくなります。また、腸に強いストレスがかかると交感神経が優位になり、腸を動かす腸管運動にブレーキがかかり、便秘の原因となってしまいます」(松生院長)便秘は腸の老化を早めるだけでなく、万病のもと。便秘が長引くと、老廃物や毒素が体内にたまり、さまざまな病気リスクが増大してしまう。“腸美人”であることは、体の内部も見た目もイキイキと過ごすためのカギなのだ。年齢とともに筋力が低下してくると、腸が下がり、周囲の内臓も一緒に引きずられて動きが鈍くなるという。便の排出がうまくいかないと、老廃物がたまり便秘になるといった負のスパイラルに陥ってしまう。そこで日本美腸協会代表理事の小野咲さんがすすめるのが美腸エクササイズ「腸もみ」だ。「肌の上から腹部をマッサージするのが“腸もみ”です。正しい位置に腸を直接引き上げ、たまった便を出すと、1~2キロは体重が減って、ダイエットをしなくても、ウエストとともに下腹も引き締まってきますよ」(小野さん)■腸もみ【基本の腸もみ】腸の働きを活性化する(1)肌の上から腸を押すときには両手を使う。両手の人さし指、中指、薬指を重ねて押すと、押す面積が広くなり痛くならない。(2)脇腹をもむときは、4本の指と親指でつかみ、指の第一関節まで入る程度に力を入れる。痛くなったらやめる。【小腸のツボ押し】便秘と下痢に効く(1)おへそから左右それぞれ指2本分の位置にあるツボを、左右の人さし指、中指、薬指の3本を使って、息を吐きながら同時に押す。(2)おへその上下のツボを左右の人さし指、中指、薬指の3本を使って同時に押す。本来、ツボおへそから上下、指2本分だが、腸が下がり気味の人は上は指1本分、下は指3本分の位置で押す。【ガス腸の腸もみ】腸の動きの悪い原因を撃退(1)両手の人さし指、中指、薬指の3本の指の腹で、おへそのまわりを時計回りにポンポンとたたく。(2)ポンポンとたたきながら円を大きくしておなか全体にリズミカルな刺激を与える。10分以上続けると効果が出やすい。入浴後などにリラックスしながら腸もみを行うとより効果がアップするそう。特に便秘がひどいときにはベッドの中に入ってから寝る前に念入りに腸もみをすると、たまった老廃物が出やすくなるという。呼吸を整えながら、無理のない範囲で毎日続けよう!
2019年07月11日夏は室内と屋外の気温差や水分の取りすぎなど、体に負担をかけてしまいがちな季節。特に、腸へのダメージにご用心!そのコンディションは、健康寿命と大いに関係している――。「腸内環境を整えて健康を維持する“腸活”がブームですが、『腸にいい』と思っていた習慣が、じつは腸の状態を不調にする原因だった、ということがよくあります。腸が健康でないと、肌荒れなど見た目に影響が出るだけでなく、精神的にもストレスがたまり、免疫力が下がって病気にかかりやすくなってしまうのです。人生100年時代ともいわれますが、健康寿命でいるためには、足腰だけでなく、腸の健康も欠かせません。正しい腸活を行って、消化と吸収、排泄がスムーズな“美腸”をキープすることが大切です」松生クリニックの松生恒夫院長は、腸の健康の大切さをそう強調する。松生院長はこれまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行い、“汚腸”の人を救ってきた便秘外来のスペシャリストだ。「ベストな“美腸”の状態になるためには、毎日の朝食後に消化管の収縮活動“大蠕動”が起きて、スムーズな排泄が行われていることが不可欠です。ダイエットで朝食を抜いたり、食事の時間が不規則になるなど、生活リズムが狂うと大蠕動が起こらなくなります。また、腸に強いストレスがかかると交感神経が優位になり、腸を動かす腸管運動にブレーキがかかり、便秘の原因となってしまいます」(松生院長)便秘は腸の老化を早めるだけでなく、万病のもと。便秘が長引くと、老廃物や毒素が体内にたまり、さまざまな病気リスクが増大してしまう。“腸美人”であることは、体の内部も見た目もイキイキと過ごすためのカギなのだ。腸に負担をかけない生活を心がけなくちゃ、とは思うものの、食事などの習慣をガラッと見直すのはなかなか大変なもの。まずはここから、という生活習慣改善のポイントを、日本美腸協会代表理事の小野咲さんに教えてもらった。■24時間、腸に優しい生活のポイント【朝】朝食を食べる朝日を浴びる最低10分、排便のための時間を確保する朝起きたらコップ1杯の常温の水を飲んで腸を動かそう。朝日を浴びると自律神経が副交感神経から交感神経にスイッチが入り活動的に。朝食後に排泄する習慣をつけると、1日を快適に過ごせて”美腸”に。NGは起床後にコーヒーを飲むこと。【昼】日中はよい姿勢をキープし、深い呼吸を意識する昼食・夕食はおなかがすいたら食べる適度な運動を心がける3度の食事はきちんと食べて、食事の間隔は5時間ぐらい空けよう。また、日中は猫背ではなく、上から糸で引っ張られているイメージで背筋を伸ばして過ごすと腸のまわりの筋肉も鍛えられ、下がった腸が正常な位置に。NGはトイレを我慢する、間食に砂糖たっぷりのお菓子を食べる、足を組むこと。【夜】寝る3時間前に食事は取らない入浴しておなかを温めるリラックスする時間をつくる午前0時までには就寝するぬるめの湯船にゆっくりつかってリラックスしよう。副交感神経が優位になるよう、なるべくスマホは見ないように。入浴後は決まった時間に寝たい。早寝早起きは腸にとってはいいことずくめ。NGは寝る前のスマホ。「朝起きたらコップ1杯の常温のお水を飲んで、腸を動かしましょう。そして朝食はバナナ1本でもきちんと食べること。便意をもよおさなくても出かける前の10分間、トイレタイムを設けて、朝食後に排泄する習慣をつけると、1日快適に過ごすことができます」(小野さん・以下同)腸が下がらないように、日中は姿勢に気をつけつつ、エスカレーターではなく階段を選ぶなど、運動量を確保するよう心がけよう。「夜はぬるめの湯船につかり、リラックスしながら副交感神経を優位にさせてきちんと休むと、腸が翌日のお通じの準備に入ります」
2019年07月11日「体の冷えは、内臓の血流を滞らせ、腸の動きを悪化させてしまいます。特に更年期以降の女性は女性ホルモンバランスの乱れや加齢に伴う筋力の衰えにより、冷え性から慢性的な便秘を招きやすいので気をつけましょう」そう話すのは松生クリニックの松生恒夫院長。松生院長はこれまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行い、“汚腸”の人を救ってきた便秘外来のスペシャリストだ。便秘は腸の老化を早めるだけでなく、万病のもと。便秘が長引くと、老廃物や毒素が体内にたまり、さまざまな病気リスクが増大してしまう。“腸美人”であることは、体の内部も見た目もイキイキと過ごすためのカギなのだそう。夏は腸トラブルの危険性がいっぱい。暑いからといってエアコンが効きすぎた部屋で過ごしてばかりいると、体が冷えるだけでなく、自律神経の乱れの原因にも。「室内と屋外の出入りなどで10度以上の気温差が生じる環境にいると、腹部膨満感などの腸トラブルが出やすくなります。また、体の表面温度が下がると交感神経が緊張し、腸の動きが停滞してきます。さらに、血行が悪くなると、血流の滞りから腸管運動が抑制されていきます」(松生院長・以下同)暑い日は汗で水分が失われるので、熱中症予防のためにも水分摂取は不可欠だが、氷入りのアイスコーヒーや炭酸飲料など、キンキンに冷えたドリンクの飲みすぎは腸を冷やしてしまうので要注意。「汗をかいた分、ビールで喉を潤したい、という人も多いでしょうが、これもやはりおなかの冷えに注意してください。また細菌が繁殖しやすい夏場は食中毒のリスクが高まります。腸の調子がよくないときは、加熱したものを食べるように心がけたいですね」また、薄着の季節になって体形をスリムにしようと取り組む食事制限や、食欲不振からくる食物繊維の摂取量減少も便秘を招く。「腸内細菌のバランスが崩れると、ガスがたまって下腹が膨れてきます。食事制限などの過度なダイエットはかえって腹回りを太くしてしまい逆効果。しっかり食べて、消化・吸収と排便をスムーズにすることで、下腹ぽっこりが解消され、ウエストがサイズダウンしたという声もよく聞きます」ほかに、運動量の低下も、代謝が落ちることで腸の動きを停滞させてしまうという。「ストレッチや腸マッサージなど、温めたり、外から刺激したり、腸を活性化させる工夫が必要です。消化・吸収力が高まり代謝のよい体になれば、やせやすい体質になります。やせにくい、むくみやすい体質だという人は、夏こそストレッチやマッサージで運動不足を解消しながら体を温めましょう」さらに、1日の終わりに湯船につかると、副交感神経が優位になり、翌朝の腸の蠕動運動を促してくれる。暑い夏、腸の冷えに注意しつつ乗り切っていこう!
2019年07月11日「腸内環境を整えて健康を維持する“腸活”がブームですが、『腸にいい』と思っていた習慣が、じつは腸の状態を不調にする原因だった、ということがよくあります。腸が健康でないと、肌荒れなど見た目に影響が出るだけでなく、精神的にもストレスがたまり、免疫力が下がって病気にかかりやすくなってしまうのです。人生100年時代ともいわれますが、健康寿命でいるためには、足腰だけでなく、腸の健康も欠かせません。正しい腸活を行って、消化と吸収、排泄がスムーズな“美腸”をキープすることが大切です」松生クリニックの松生恒夫院長は、腸の健康の大切さをそう強調する。松生院長はこれまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行い、“汚腸”の人を救ってきた便秘外来のスペシャリストだ。「ベストな“美腸”の状態になるためには、毎日の朝食後に消化管の収縮活動“大蠕動”が起きて、スムーズな排泄が行われていることが不可欠です。ダイエットで朝食を抜いたり、食事の時間が不規則になるなど、生活リズムが狂うと大蠕動が起こらなくなります。また、腸に強いストレスがかかると交感神経が優位になり、腸を動かす腸管運動にブレーキがかかり、便秘の原因となってしまいます」(松生院長・以下同)便秘は腸の老化を早めるだけでなく、万病のもと。便秘が長引くと、老廃物や毒素が体内にたまり、さまざまな病気リスクが増大してしまう。“腸美人”であることは、体の内部も見た目もイキイキと過ごすためのカギなのだ。日本人の食生活の欧米化により、腸内環境が悪化して便秘になる人が増えている。大腸がんにかかる人も年々増え、がんで亡くなる人のうち、女性では大腸がんがもっとも多い(男性では3番目)。便秘になりがちという女性は気をつけたいところだ。その一方、腸の健康を維持している人は健康寿命であることが研究で実証されているという。「アメリカのミネソタ州では、’88年から’93年までに20歳以上だった人を対象に『消化器症状評価アンケート』を行い、約4,000人を’08年まで追跡調査しました。この調査の結果、慢性的な便秘がない人のほうがさまざまな病気にかかりにくく、生存率も高いことがわかったのです」食物繊維が豊富で、ビタミンCやカリウム、タンパク質分解酵素のアクチニジンなど、たくさんの栄養素が詰まっているのがキウイフルーツ。毎日1個でも食べることを松生先生は勧めている。「酪酸をはじめとする短鎖脂肪酸は腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラのバランスを整えてくれます。酪酸は水溶性食物繊維を取ることで産生されますが、現代人はこの栄養素が不足しがち。これをキウイで効果的に補うことができるのです。腸のためにはヨーグルトよりもキウイがお勧めです。また、腸の働きをよくする効果があるオレイン酸を多く含むオリーブオイルをキウイにかけて食べれば、いっそう効果的ですよ」
2019年07月10日《1日1食》《糖質制限》など新しいダイエットや、体にいい食材・よくない食材などが次々と話題になるが、むやみに実践することは逆に健康をおびやかすことも。「腸内環境を整えて健康を維持する“腸活”がブームですが、『腸にいい』と思っていた習慣が、じつは腸の状態を不調にする原因だった、ということがよくあります。腸が健康でないと、肌荒れなど見た目に影響が出るだけでなく、精神的にもストレスがたまり、免疫力が下がって病気にかかりやすくなってしまうのです。人生100年時代ともいわれますが、健康寿命でいるためには、足腰だけでなく、腸の健康も欠かせません。正しい腸活を行って、消化と吸収、排泄がスムーズな“美腸”をキープすることが大切です」松生クリニックの松生恒夫院長は、腸の健康の大切さをそう強調する。松生院長はこれまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行い、“汚腸”の人を救ってきた便秘外来のスペシャリストだ。「ベストな“美腸”の状態になるためには、毎日の朝食後に消化管の収縮活動“大蠕動”が起きて、スムーズな排泄が行われていることが不可欠です。ダイエットで朝食を抜いたり、食事の時間が不規則になるなど、生活リズムが狂うと大蠕動が起こらなくなります。また、腸に強いストレスがかかると交感神経が優位になり、腸を動かす腸管運動にブレーキがかかり、便秘の原因となってしまいます」(松生院長・以下同)便秘は腸の老化を早めるだけでなく、万病のもと。便秘が長引くと、老廃物や毒素が体内にたまり、さまざまな病気リスクが増大してしまう。“腸美人”であることは、体の内部も見た目もイキイキと過ごすためのカギなのだ。日本人の食生活の欧米化により、腸内環境が悪化して便秘になる人が増えている。大腸がんにかかる人も年々増え、がんで亡くなる人のうち、女性では大腸がんがもっとも多い(男性では3番目)。便秘になりがちという女性は気をつけたいところだ。その一方、腸の健康を維持している人は健康寿命であることが研究で実証されているという。「アメリカのミネソタ州では、’88年から’93年までに20歳以上だった人を対象に『消化器症状評価アンケート』を行い、約4,000人を’08年まで追跡調査しました。この調査の結果、慢性的な便秘がない人のほうがさまざまな病気にかかりにくく、生存率も高いことがわかったのです」さらに、腸内環境をよくする不飽和脂肪酸のオリーブオイルを多用し、野菜や豆類、果物、穀物をたくさん食べる“地中海型”の食生活をしている人は、アルツハイマー型認知症の発症リスクが少ないという研究結果もあるという。しかし、若々しくありたいと思って取り入れている健康法が“不腸”の原因になってしまうケースも。松生院長の患者さんに目立つ主なケースは3つ。1つ目が「玄米食」。玄米は白米より食物繊維とビタミンB1が豊富で、健康食のイメージがあるけれど……。「食物繊維は、水に溶けない『不溶性食物繊維』と、水に溶ける『水溶性食物繊維』の2つに分けられ、玄米に多く含まれているのは前者です。消化に時間がかかるため、腸にトラブルを抱えている人はかえっておなかが張ったり、便が硬くなったりして、便秘を悪化させてしまうことも。腸の動きが正常ならもちろん食べてもいいですが、その際も、よくかんで食べる、スープなどの水分を多めに取る、水溶性食物繊維が豊富な海藻類と一緒に食べる、などしましょう」理想的なのは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2対1の割合で取ることだという。次に糖質制限。生活習慣病の予防や治療として注目を集めているこのダイエット法は、血糖値をコントロールするなど医師の指導のもとに行うのは効果的だが、やみくもに糖質を避けると、腸にダメージを与えるリスクが。「ごはんやパン、麺類、根菜類などの野菜や果物を食べないことで、体重と体脂肪を一気に減らせるかもしれませんが、同時に食物繊維をはじめ必要な栄養素も不足してしまうと、慢性的な便秘を招き、“汚腸”になってしまいます」このほか、外食やコンビニ食・インスタント食品をよく食べる人も、食物繊維が不足しがちだという。おなかを冷やす生サラダではなく、煮物などの総菜を1品追加するよう心がけよう。納豆や漬け物といった発酵食品もよいという。「漬け物に含まれるラブレ菌という植物性の乳製品は、腸内の善玉菌を増やし、便秘を解消してくれます。また、魚に含まれるEPA、DHAは大腸がんを抑制する因子の1つと認められています。肉ばかりに偏ることなく、魚もしっかり食べましょう」さらに、ヨーグルトにも注意が必要だという。えっ、腸内環境には欠かせない食品じゃないの!?「ヨーグルトに含まれている動物性乳酸菌は、消化の過程でほとんど消滅し、小腸にはよいのですが、大腸にはあまり高い効果が期待できません。『生きたまま腸に届く』という製品も登場していますが、それでもわずかな量です。むしろ食べすぎによる脂肪の取りすぎや腸の冷えによる悪影響のほうに気をつけるべきです。取るのであれば、低脂肪や無脂肪のものを選ぶようにしましょう」
2019年07月10日「腸内環境を整えて健康を維持する“腸活”がブームですが、『腸にいい』と思っていた習慣が、じつは腸の状態を不調にする原因だった、ということがよくあります。腸が健康でないと、肌荒れなど見た目に影響が出るだけでなく、精神的にもストレスがたまり、免疫力が下がって病気にかかりやすくなってしまうのです。人生100年時代ともいわれますが、健康寿命でいるためには、足腰だけでなく、腸の健康も欠かせません。正しい腸活を行って、消化と吸収、排泄がスムーズな“美腸”をキープすることが大切です」松生クリニックの松生恒夫院長は、腸の健康の大切さをそう強調する。松生院長はこれまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行い、“汚腸”の人を救ってきた便秘外来のスペシャリストだ。いまの自分の腸内環境を次の「『美腸レベル』判定チェックリスト」で確認してみよう。該当項目が4個以上なら、すぐに食事や生活習慣を見直す必要がある。□現在ダイエット中で、食事の量を減らしている□就寝3時間前以内に食事を取ることがある□外食が多く、コンビニ食・インスタント食品をよく食べる□納豆やみそ汁、海藻類をほとんど食べない□魚より肉を食べることが多い□野菜は生のサラダを食べる□ヨーグルトを1日200g以上食べる□油はオリーブオイルよりもサラダ油をよく使う□水分はあまり取らない(1日1リットル以下)□便意をもよおしても我慢することがある□おなかにガスがたまりやすく、下痢あるいは硬い便が出る□排便が3日ないことも珍しくない□睡眠時間は1日6時間以下で、運動が不足しがち□性格上、ストレスを感じることが多い□冷え性で頭痛や肩こりがひどい□肌荒れやくすみが目立ち、肌にメリハリがない【3個以下・美腸】排便もスムーズで心も体もリラックスしている。腸にとって理想的な状態をキープできているが、加齢とともに腸の働きが衰えるので、いい状態を保つために努力しよう。【4~10個・不腸】便秘や下痢、ガス腹など、おなかの状態が安定していない。気がつかないうちに腸の働きが停滞気味になっている。食事や生活内容を改善することで、腸内環境や排便リズムが整う。【11個以上・汚腸】心理的、物理的なストレスがかかり、腸内環境がかなり悪化している。おなかの不快感が脳にも伝わって気分も優れない。このままでは大きな病気につながる危険もあるので注意!「ベストな“美腸”の状態になるためには、毎日の朝食後に消化管の収縮活動“大蠕動”が起きて、スムーズな排泄が行われていることが不可欠です。ダイエットで朝食を抜いたり、食事の時間が不規則になるなど、生活リズムが狂うと大蠕動が起こらなくなります。また、腸に強いストレスがかかると交感神経が優位になり、腸を動かす腸管運動にブレーキがかかり、便秘の原因となってしまいます」(松生院長)便秘は腸の老化を早めるだけでなく、万病のもと。便秘が長引くと、老廃物や毒素が体内にたまり、さまざまな病気リスクが増大してしまう。“腸美人”であることは、体の内部も見た目もイキイキと過ごすためのカギなのだ。日本人の食生活の欧米化により、腸内環境が悪化して便秘になる人が増えている。大腸がんにかかる人も年々増え、がんで亡くなる人のうち、女性では大腸がんがもっとも多い(男性では3番目)。便秘になりがちという女性は気をつけたいところだ。食生活のみならず、腸美人になるためには、ウオーキングなど体を動かすことを日課にするのも大事。そして、くれぐれもストレスをためないようにしたい。まずは美腸チェックリストであてはまったカテゴリーから1つ改善できるように心がけてみよう。
2019年07月10日「いつも元気で、あまり風邪を引かない」「集中力、やる気がある」「好奇心が旺盛」「落ち着きがある」これらは、まさに “心身ともに健康な子ども” の特長です。そんな子どもにするための大きなカギが「腸」にあるのをご存じですか?子どもの「腸内環境」が、体はもちろん、心にも大きな影響を与えるのです。その理由と、子どもの腸内環境を整える効果的な食事法についてご紹介しましょう。緊張するとお腹が痛くなるのはなぜ?人間の体の中でも、腸は「第二の脳」とも呼ばれ、その役割の大きさ・重要性が指摘されているのはご存じの方も多いでしょう。アトピーや花粉症などのアレルギー性疾患や、メタボリックシンドロームなどの発症に、腸内細菌が関係していることもわかってきています。また、最近では、腸内環境を整えることを「腸活」と呼んだりして、ちょっとしたブームにもなっていますよね。腸の役割は、食べたものを消化し、栄養分や水分を吸収して便をつくることですが、実はそれだけではないのです。腸内細菌学・微生物分類学が専門で、理化学研究所特別招聘研究員・農学博士の辨野義己先生は、腸は「脳」ともつながっていて、感情や頭の働きを変化させることが明らかになってきたと言います。例えば、「意欲」や「集中力」に関係する神経伝達物質のドーパミン。多く作られすぎると精神疾患の引き金になるといわれていますが、腸内細菌は、このドーパミンの産生を抑制する働きを持ち、血流を介してドーパミンの量のバランスをとっているのだそう。また、「感情や気分のコントロール」や「精神の安定」に深く関わっているセロトニンにも腸内細菌が関わっています。これが不足すると、脳の機能の低下が見られたり、心のバランスを保つことが難しくなったりするのだそう。子どもにとっても大人にとっても、重要な神経伝達物質と言えるでしょう。まさか腸内細菌が、意欲や集中力などに関係する神経伝達物質の量を調整したり、精神安定の一助になっているなんて、ちょっと驚きですよね。でも皆さん、仕事やプライベートで極度のストレスを感じたときに、なぜかお腹が痛くなった経験はありませんか?この “脳と腸がお互いに情報を伝えあっている状態” は「脳腸相関」と呼ばれ、いま多くの研究が進められています。どうやら、心身ともに健康な状態を保つためには、腸内環境を整えることが重要なようです。小学生の3人に1人が便秘&便秘予備軍となると、自分の子どもの腸内環境はどうなっているのだろう、と疑問が湧いてきますよね。ここで興味深いデータをご紹介しましょう。NPO法人日本トイレ研究所の調査(2017年)によれば、小学生の3人に1人は便秘状態・便秘予備軍であることが判明しました。さらに、便秘の小学生のうち約半数が便秘を誰にも相談をしたことがないという結果も。毎日もしくは2日に一度でもスッキリ快便な場合はひとまず安心ですが、便秘の場合は心配です。便秘=「腸が健康ではない」ことの証だからです。便秘の子どもが増えている背景には、「野菜嫌いで肉食の子が増えたこと」と辨野先生は指摘します。肉類中心の食生活は、腸内の悪玉菌を増やしてしまうのです。周知の通り、悪玉菌は有害物質を作って体に悪影響を及ぼす菌。腸には200兆個(計1~1.5㎏)の細菌が生息していますが、理想の割合は、善玉:悪玉:日和見(未知の菌)=2:1:7と言われています。悪玉菌が増えると、便秘になり、便秘になるとますます悪玉菌が増えるという悪循環にも陥ってしまいます。さらに辨野先生は子どもの便秘の要因として、「夜型生活で朝に排便の時間をとりにくい」「運動量が減っている」ことも挙げています。子どもが便の話をすると「汚いからやめなさい」と言ってしまいがちですが、便はもともと体の中にあったもの。腸内環境を推測する大切なツールとして積極的に便の話をできる関係を保つことが、子どもはもちろん、家族の腸内環境を把握するのに役立つでしょう。便秘の子どものいい食べ物、食事とは?子どもが便秘の場合、食事にどう気をつけたらよいでしょうか。30年間で4万人の大腸内視鏡検査を実施した腸のエキスパートである、松生クリニック院長の松生恒夫先生によれば、以下の食べ物が効果的とのこと。■食物繊維が白米の25倍含まれるというもち麦■納豆や味噌などの発酵食品■オリゴ糖が多いキウイなどの果物■海藻やきのこ類■オリーブ油そのほかの改善法としては、「朝起きたら、お水かお茶を一杯飲む」「夕食から寝るまでの時間をなるべく空ける」「毎日湯船につかる」なども挙げています。「うちの子、便秘かも?」と思ったら、ぜひ実践してみましょう!子どもの腸はまだまだ未熟!子どもの腸内環境を整えるうえで、もうひとつ頭に入れておいてほしいことがあります。それは「食事」です。アレルギーや免疫学などを医療に導入し、自身のクリニックで多くの子どもの治療を行ってきた医学博士の西原克也先生は、著書の中で次のように書いています。呼吸や腸、免疫などのシステムが大人の人間と同じように働き出すには6歳くらいまで時間がかかります。さらに、小学生のうちはまだ人間として“駆け出し”の段階であり、腸や免疫の働きが成熟してくる12歳くらいまでは食事や生活習慣などに引き続き注意を払っていかなくてはなりません。(引用元:西原克也(2018),『子どもの腸には毒になる食べ物食べ方』、青春出版社)小学生ともなれば大人と同じような食事をすることが多いと思いますが、子どもの腸はまだまだ未熟だというのです。西原先生は、子どもの腸に良い食べ物、悪い食べ物として以下を挙げています。<子どもの腸に良い食べ物>煮魚、焼き魚、野菜の煮物、温野菜スープ、温めた豆腐、玉ねぎ(加熱したもの)、ゴボウなどの根菜類、トマト、梅干し、ニンニク(加熱したもの)、乾燥シイタケ、シメジ、きくらげなどのキノコ類、40度以上に温めた飲み物<子どもの腸に悪い食べ物>玄米などの雑穀類、カレー・明太子・キムチ・ショウガなどの辛い刺激物、うどん・パン・パスタなどの小麦製品、刺身などの生魚、ユッケなどの生肉、インスタント食品、ファーストフード、アイス・かき氷などの冷たい食べ物、冷たい飲み物特に、日頃から冷たい飲み物を飲む習慣がついてしまっている場合は、気をつけてください。腸の内部の温度が、0.5~1度下がると、消化力や免疫力がガタ落ちの状態になって、悪玉菌も増えてしまうのだとか。ただ、うどん・パン・パスタなどの小麦製品などは学校の給食でも出てくるものですし、アイスやかき氷は子どもの大好物です。外出時やお祝いの席ではお寿司やお刺身を食べることもあるでしょう。これらすべてをいきなりNGにするのは難しいと思います。日々の食生活ではなるべく腸に良い食べ物を増やし、腸に悪い食べ物は食べすぎないように心がけていきましょう。***西原先生のクリニックでは、アトピーや食物アレルギー、潰瘍性大腸炎、発達障害やうつ病、自閉症などの子どもたちに、こうした腸に良い食事法とその他適切なアドバイスをしています。アドバイスを受けた子どもの中には、顔つきがキュッと引き締まり、目が輝くようになり、言葉も性格も快活になって、学校の成績が急に伸びるようになった子もいるそうです。大人もそうですが、子どもにとっても腸内環境を整えておくのはとても大切なこと。子どものうちから健康な腸にして、明るい毎日を送りましょう。文/鈴木里映(参考)AERA with Kids 2018冬号,朝日新聞出版西原克也(2018),『子どもの腸には毒になる食べ物食べ方』、青春出版社日本トイレ研究所|「小学生の排便と生活習慣に関する調査」ハッピー・ノート・ドットコム|子どもの腸活~腸内環境を整える食事~森永|ヨーグルトなんでもQ&A 第10回子どもの腸内育菌には家族のコミュニケーションが大切って本当?「カルピス」由来健康情報室|〝脳腸相関〟とは
2019年02月12日15年もの長きにわたり、女性のがん死亡者数1位である大腸がん。日本人の生活の変化が増加の原因だといわれているが、生活習慣の改善で大腸がんになるリスクは下げられるという。専門家に聞いた。「大腸がんの原因は、はっきり解明されていません。しかし大腸がんの約70%は、肛門のすぐ上、便がたまりやすい直腸とS字結腸にできるんです。つまり便秘になると、大腸がんになるリスクが高まると考えられます。腸内に老廃物をため込まないことが予防になるのです」こう語るのは、これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸の専門医で、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社)など、多くの著書を発表している、松生クリニックの松生恒夫院長(63)。9月に厚生労働省が発表した「平成29年人口動態統計」によると、昨年の女性のがん死亡者数1位は、15年連続で大腸がん(結腸、直腸)だった。その数は2万3,347人。さらに、国立がん研究センターが同時期に発表した今年のがん死亡者数予測でも、2万4,800人と、今年も女性の死亡者数1位は大腸がんと予測されている。30年前と比べて倍以上に増えている大腸がんによる死亡者数。多くの女性たちがこの病いが原因で命を落としてきた。「大腸がん増加は、日本人のライフスタイルの変化、特に食生活の変化が、腸に負担をかけていることが原因だと考えられています」(松生院長・以下同)それでは、どのように生活習慣を改善すれば、腸が健康になるのだろうか。松生院長は、オリーブオイルを多用した食生活を提案している。「オリーブオイルには主成分のオレイン酸をはじめ、ポリフェノールや葉緑素、ビタミンEなどの抗酸化作用のある物質が豊富に含まれています。とくにオリーブの実を搾っただけの、精製をしていないエクストラ・バージン・オリーブオイルには、強い抗炎症作用のあるオレオカンタールも含まれています」これらの成分が、腸の老化と炎症を防いでくれる。「さらに、オリーブオイルが腸管を刺激し、腸内の老廃物にもオリーブオイルが混じるので、排便がスムーズになります。いわば“天然の下剤”のようなものですね。実際、エクストラ・バージン・オリーブオイルをたっぷりと取る食生活をしている地中海地域では、大腸がんの発症率が低いことが知られています」1日の推奨摂取量は30ミリリットル。大さじ2杯分だ。毎日これだけの量を取るには、オリーブオイルを使った凝った料理を無理して作るより、できるだけシンプルに使ったほうが長続きするという。そこで、1日30ミリリットルを実現する「ちょい足し・オリーブオイルレシピ」を紹介。■納豆オリーブオイルボウルに納豆を入れてよく混ぜ、タレとオリーブオイルを入れ、また混ぜる。納豆1パックに対して、大さじ1杯の割合で。■オリーブココア1)カップに純ココアの粉を適量入れ、熱湯を注ぎ混ぜ合わせる。2)オリーブオイルを小さじ2杯(約10ミリリットル)とオリゴ糖を適量入れてよく混ぜ合わせる。■マグロのカルパッチョ1)マグロのさくをぶつ切りにする。2)オリーブオイル、醤油を適量加えて混ぜる。最後に刻んだバジルの葉をかける。■オリーブ野菜スープ(4人分)1)オリーブオイルを大さじ2杯鍋に引いて、それぞれ食べやすい大きさに切ったベーコン、玉ねぎ(1/2個)、にんじん(1/2本)、キャベツの葉(2枚)、じゃがいも(1個)の順に入れて、よく炒める。2)火が十分に通ったら、水を600ミリリットル入れて、スープのもと、塩を小さじ1/3、こしょうを加えて、沸騰させる。3)オリーブオイルを適量入れ、味を調えて、できあがり。「納豆1パックに大さじ1杯混ぜるなど、できるだけシンプルな使い方をすることが、毎日欠かさずに取るコツです。意外に日本食に合うので、さまざまなもので試してみてください」もちろん、野菜や穀類など、食物繊維が豊富な食材を多く食べることも大切だ。さらに、岩塩、豆腐、ごまなどに含まれるマグネシウムや、漬け物、味噌、醤油などに含まれる植物性乳酸菌も腸の刺激になり、排便を促す効果がある。豆腐入りの味噌汁なども、腸にはいいという。「夕飯の主食は、肉と魚を1日おきに食べましょう。そうすれば、肉の摂取量を減らし、魚を増やすことができる。魚に含まれるEPAやDHAは、生活習慣病を予防する効果があります。オリーブオイルをかけてカルパッチョにしたり、焼き魚にするといいでしょう」
2018年11月12日「大腸がんの原因は、はっきり解明されていません。しかし大腸がんの約70%は、肛門のすぐ上、便がたまりやすい直腸とS字結腸にできるんです。つまり便秘になると、大腸がんになるリスクが高まると考えられます。腸内に老廃物をため込まないことが予防になるのです」こう語るのは、これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸の専門医で、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社)など、多くの著書を発表している、松生クリニックの松生恒夫院長(63)。9月に厚生労働省が発表した「平成29年人口動態統計」によると、昨年の女性のがん死亡者数1位は、15年連続で大腸がん(結腸、直腸)だった。その数は2万3,347人。さらに、国立がん研究センターが同時期に発表した今年のがん死亡者数予測でも、2万4,800人と、今年も女性の死亡者数1位は大腸がんと予測されている。30年前と比べて倍以上に増えている大腸がんによる死亡者数。多くの女性たちがこの病いが原因で命を落としてきた。「大腸がん増加は、日本人のライフスタイルの変化、特に食生活の変化が、腸に負担をかけていることが原因だと考えられています」(松生院長・以下同)それでは、どのように生活習慣を改善すれば、腸が健康になるのだろうか。松生院長が勧める大腸がんを予防する習慣は次の5つ。【1】オリーブオイルを使った食事をする【2】夕食の主食は、肉と魚を1日おきにする【3】節度ある飲酒を心がける【4】食物繊維の多い品目を多く取る【5】適度な運動をして、肥満を避ける生活習慣の改善のほかに、忘れてはならないのが、定期的に大腸がん検診を受けることだ。「大腸がんの死亡者数が減らないのは、大腸内視鏡検査が浸透していないことが大きな要因です。現在、国内で年間400万件ぐらいの検査が行われていますが、胃の内視鏡検査など(約950万件)の半分以下に過ぎません。検査を受ける人が少ないので、大腸がんが悪くなってから見つかるケースが多く、死亡者数にブレーキがかからないのです。胃がんによる死亡者数が毎年減っているのとは対照的です」大腸がんは内視鏡検査による早期発見、早期治療で90%以上が治癒するといわれている。最後に松生院長はこんな人には、ぜひ診察を受けてほしいと言う。「いちばんは血便のある人。次に、いままでは平気だったのになぜか急に便秘が始まったような人です。また、親が60歳前後で大腸がんになったなど、家系内に大腸がんの経験者がいる場合は、遺伝性の大腸がんになるリスクが高いので、注意してください」女性のがん死亡者数1位の大腸がん。だが、正しく予防し、定期的に検査すれば、“死なない”病気なのだ。
2018年11月12日「大腸がんの原因は、はっきり解明されていません。しかし大腸がんの約70%は、肛門のすぐ上、便がたまりやすい直腸とS字結腸にできるんです。つまり便秘になると、大腸がんになるリスクが高まると考えられます。腸内に老廃物をため込まないことが予防になるのです」こう語るのは、これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸の専門医で、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社)など、多くの著書を発表している、松生クリニックの松生恒夫院長(63)。9月に厚生労働省が発表した「平成29年人口動態統計」によると、昨年の女性のがん死亡者数1位は、15年連続で大腸がん(結腸、直腸)だった。その数は2万3,347人。さらに、国立がん研究センターが同時期に発表した今年のがん死亡者数予測でも、2万4,800人と、今年も女性の死亡者数1位は大腸がんと予測されている。30年前と比べて倍以上に増えている大腸がんによる死亡者数。多くの女性たちがこの病いが原因で命を落としてきた。「大腸がん増加は、日本人のライフスタイルの変化、特に食生活の変化が、腸に負担をかけていることが原因だと考えられています。それを改善するためにも、最初に自分の腸の健康状態を把握してください」(松生院長・以下同)松生院長監修のもと本誌が作成した、次のチェックリストをやってみよう。□ふだんから、野菜や生の果物をあまり食べない□水分をあまり取らない□炭水化物の摂取を避けている□牛肉や豚肉、加工肉(ベーコン、ソーセージなど)をよく食べる□下痢と便秘を繰り返している□排便後も残便感がある□排便時にときどき下血することがある□運動をしない□肥満気味だ□過度の飲酒や喫煙の習慣があるチェック数が、「3個以下」=特に問題なし。「4~5個」=やや問題があるので、チェック項目を見直そう。「6~8個」=要注意。生活習慣の改善を。「9個以上」=全面的な生活習慣の見直しが必要。近年、はやっている“炭水化物抜きダイエット”。「米やパンといった炭水化物は食物繊維と糖質でできています。食物繊維の摂取量が減ると、腸内に老廃物がたまりやすくなってしまいます。つまり便秘になりやすくなるわけです」一方、肉は大腸がんのリスクを高めるといわれているので、取りすぎは気を付けたい。さらに、夜にトイレに起きるのが、めんどうくさいなどの理由で、水分摂取を控えている人も注意が必要だ。「本来、便は腸内で泥状になっており、S状結腸で初めて固形便になります。水分が不足すると、S状結腸に至る前に固形化してしまって、便秘を引き起こします」食事や水分だけではなく、運動不足も腸の大敵だ。「大腸は、内容物を肛門のほうに送り出すぜん動運動を行っているのですが、筋力が衰えると、ぜん動運動が起こりにくくなり、便を押し出す力が弱くなってしまいます」
2018年11月12日「暑い日から一転、涼しい日が来ると、過ごしやすくなりますが、同時にお腹の不調を訴える患者さんが急に増えてきます。意外なのは、下痢よりも便秘の症状を訴える人のほうが多いことです」そう語るのは、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社知恵の森文庫)の著者で、便秘外来がある松生クリニック(東京都立川市)の松生恒夫院長だ。季節の変わり目は、なにかと体調トラブルに悩まされがち。そのなかでも便秘はつらい症状の1つだ。「残暑が厳しいなか、エアコンの効いた涼しい部屋から外に出たときや、暑い日の翌日に急に寒くなるなど、10度以上の気温差が生じる環境にいると、腹部膨満感など腸のトラブルが出やすくなります。寒暖差の激しくなるこれからの季節は特に注意が必要なのです」(松生院長・以下同)気温とともに体の表面温度が下がると、交感神経が緊張して腸の動きが低下する。また、血行が悪くなると腸に流れる血流が滞るため、腸管運動が抑制されるという。さらに、水分をあまり取らなくなり、室内でゴロゴロしてばかりいるなど、いくつもの因子が重なることで便秘になる。特に、更年期以降の女性はホルモンバランスの乱れや加齢に伴う筋力の衰えにより、基礎代謝が落ちる。冷え性になると便秘になりやすいというので気をつけたい。「毎日お通じがあったとしても残便感があり『スッキリしない』『ガスでお腹が張って苦しい』という症状を訴える人が多く、それらは便秘の一歩手前“停滞腸”の状態です。停滞腸を放っておくと便の腐敗が進み、善玉菌が少なくなり反対に悪玉菌が増えてきます。悪玉菌が血液の流れに乗って全身に行き渡ると、便秘のほかにも冷え性や肥満、肌荒れ、体臭がきつくなるなど、体にさまざまな悪影響を及ぼします。また便秘がさらに慢性化してきますと潰瘍性大腸炎など腸の病気にも発展します。便秘は日本人に増えている大腸がんの原因の1つともいわれているので、停滞腸の段階でしっかりと治しておきましょう」停滞腸を引き起こしやすい生活習慣は次のチェックリストのとおり。【「停滞腸」チェックリスト 】□野菜はあまり食べない□果物はあまり食べない□外食が多い□水分の摂取量が少なめ□1日3食食べないことがよくある□食後、下腹部がポッコリと出やすい□むくみやすい□冷え性である□真冬になるとお腹の症状が悪化する□それほど飲み食いしているわけではないのになぜか痩せない□ダイエットをしているのに、下腹だけポッコリと出ている□なんとなく、いつもお腹がスッキリしないし、体も重く感じる□便が出た後も爽快感がない□あまり体を動かさない、歩かない□最近ストレスを感じることが多い5項目当てはまる人は軽度。6〜8項目であれば中程度。9項目以上は重度の停滞腸である可能性が。5項目以上当てはまるようであれば、症状がひどくなる前に、腸内環境の改善に取り組みたい。
2018年09月19日猛暑もピークを過ぎ、秋の訪れを感じる日も増えてきたけれど、同時に季節の変わり目に多くなりがちなのがお腹のトラブル。重大な病気につながりかねない便秘の悩みは、早めに手を打つことが肝心だ。「暑い日から一転、涼しい日が来ると、過ごしやすくなりますが、同時にお腹の不調を訴える患者さんが急に増えてきます。意外なのは、下痢よりも便秘の症状を訴える人のほうが多いことです」そう語るのは、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社知恵の森文庫)の著者で、便秘外来がある松生クリニック(東京都立川市)の松生恒夫院長だ。季節の変わり目は、なにかと体調トラブルに悩まされがち。そのなかでも便秘はつらい症状の1つだ。「毎日お通じがあったとしても残便感があり『スッキリしない』『ガスでお腹が張って苦しい』という症状を訴える人が多く、それらは便秘の一歩手前“停滞腸”の状態です。停滞腸を放っておくと便の腐敗が進み、善玉菌が少なくなり反対に悪玉菌が増えてきます。悪玉菌が血液の流れに乗って全身に行き渡ると、便秘のほかにも冷え性や肥満、肌荒れ、体臭がきつくなるなど、体にさまざまな悪影響を及ぼします。また便秘がさらに慢性化してきますと潰瘍性大腸炎など腸の病気にも発展します。便秘は日本人に増えている大腸がんの原因の1つともいわれているので、停滞腸の段階でしっかりと治しておきましょう」(松生院長・以下同)腸の健康を取り戻すには、十分な睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動といった規則正しい生活が大前提。こうした生活改善に加えて、補助的に市販の便秘薬を利用することも症状の改善のための方法の1つだ。現在発売されている市販薬は作用の仕組みや強さもさまざま。購入する際には薬剤師に相談し、正しい用量を服用するように心がけたい。より積極的に腸内環境の改善を目指すなら、腸の運動を活性化させる“腸活”に取り組もう。松生院長のおススメは次の3つ。■キウイフルーツを毎日食べる食物繊維が豊富に含まれているキウイフルーツを食べると、腸の活動が活性化する。その際、トッピングとして“オリーブオイル”をかけるとさらに効果が出るそうだ。「キウイを輪切りにして、その上にオリーブオイルをティースプーン1杯程度かけて食べるのがポイント。オリーブオイルはお腹を温める保温力があるうえ、腸管を刺激します。キウイと一緒に食べると、排便を促進する効果を相乗的に生み出します」ただし、食べすぎるとお腹を壊す恐れもあるので、はじめは2分の1個からトライしてみよう。■“腸もみ”で腸のぜん動運動を促す大腸内内視鏡検査の際、腸内に溜まったガスを排出するために考えられたのが「腸徒手圧迫法」で、日常的にも使える運動だという。「腸徒手圧迫法」のやり方は次のとおり。1)右の脇腹に枕を当てて横になり、左手で右脇腹を持ち上げるようにしながら、腸を1分間刺激する。枕で上行結腸を押し、左手で横行結腸を刺激するイメージで。反対側も同様に(枕で下行結腸を押し、右手でS状結腸を刺激するイメージで)。2)あおむけになり、両手で下腹部をさするように1分間刺激する。終わりにうつぶせになり、1分間ゆっくりと深呼吸する。行うのは腸のぜん動運動が活発になる朝食後がベストだが、忙しい場合は就寝の1〜2時間前でも効果が望めるそうだ。■忙しい人こそ入浴中に“美腹半身浴”忙しい人こそ、入浴の時間を有効活用したい。37〜40度のぬるめのお湯にみぞおちから下だけつかり、10〜20分体をじっくり温めよう。そのとき、時計回りに大腸をなぞるよう両手でお腹をつまんでいく。腸のぜん動運動が活発になるだけでなく、自律神経の副交感神経が優位になるので、心身ともにリラックスできる。「人間の血液は約1分間で体内を1周するといわれています。20分で約20周しながら、体の隅々まで血液が行き渡るうえ、体が温まることで血行がよくなり、便秘のもとになる冷え性を改善できます」放置すると重大な病気を招きかねない秋の便秘。腸の不調は早い段階でスッキリさせて、秋の味覚やスポーツを存分に楽しもう!
2018年09月19日子どもの便秘を「この子の体質だから」とあきらめていませんか?医学博士・松生恒夫先生によれば、がんこな便秘でも病院にかかる前に家庭で食生活に気をつければ、あるていど解消が期待できるとか。松生先生の新刊 「子どもの便秘は今すぐなおせ」 (主婦の友社)から、今日から始められる快便のための食事法を紹介してもらいました。もちろん、子どもだけでなく、ママ自身の便秘解消にも役立つはず!お話をうかがったのは…松生クリニック院長 松生恒夫(まついけ つねお)先生医学博士。大腸内視鏡検査や生活習慣病としての大腸疾患等を専門とする。30年間で4万人の腸を見てきた腸のエキスパート。なるべく薬に頼らない便秘解消のための食生活指導などを行っている。新刊に「子どもの便秘は今すぐなおせ」(主婦の友社)がある。■子どもの便秘「快便のサイクルを完成させる」3つの生活習慣松生先生のクリニックには、3、4日どころか1週間も便が出ないような便秘体質の患者さんが相談に来ています。「子どもを含め、あらゆる年代の人が来ますが、20歳ぐらいの若い人も多いですね。いつから便秘なのですか? と質問すると、『ものごころついたときから』と答える。腸内細菌のバランスは子どものうちにある程度決まるので、お母さんたちにはできるだけ早いタイミングで“腸育”を心がけてほしい。やはり幼少期に快便の習慣をつけることが大事です」(松生先生)“腸育”にはどんな方法があるのでしょうか? 「子どもの便秘は今すぐなおせ」で紹介されている生活習慣として気をつけるべきことは次の3つです。1)寝起きに1杯の水を飲み、1日3食きちんととる腸がうんちを送り出す“ぜん動運動”は、からっぽの胃に朝食が入ってくる朝が最も強く、消化に時間のかかる固形物よりまず水を飲むのがベストだそうです。「水で腸に刺激を送り込みましょう。子どもの寝起きに、コップ1杯の水を出してあげるといいと思いますよ。朝昼夕の3食をとるといいのは、規則的な食事をすれば、腸の動きも規則的になるから。決まった時間に排便できるようにするために、心がけてください」(松生先生)2)寝る3時間前は食べない大人のダイエットでも寝る前は食べないというのは鉄則ですが、子どもを快便に導くためにも、寝る3時間前からはものを食べさせないよう注意すべきとか。「就寝前に食事をすると、うんちのリズムをつかさどる自律神経が乱れてしまいます。また、朝の“大ぜん動”が起こりにくくなりますね」(松生先生)3)便意をがまんさせないオムツをしている間はだいじょうぶですが、トイレトレーニングが終わってから出てくる問題が、子どもがうんちをがまんしてしまうということ。かたいうんちを出すと痛いので怖がってしまったり、友だちと遊ぶのに夢中になってトイレに行かなかったり。まだ就学前の子どもでも、そういう傾向があります。「がまんすることが続くと、『うんちがたまった』と直腸が認識しにくくなり、便意が起こらなくなります。『したくなったらすぐ出す』習慣をつけることが大事です」(松生先生)具体的には、朝、時間にゆとりをもってトイレにすわり、便を出す習慣をつけること。また、おけいこごとや塾の時間などに「便意をがまんせざるをえない」状況を減らすこと。ママがこまめに「うんち? トイレへ行こう」などと声をかけるといいかもしれません。■子どもの便秘「便秘解消に効く食べ物ベスト3はこれ!」一般的なイメージとして、胃腸の働きを良くする食材というと、ヨーグルトや食物繊維いっぱいのキャベツなどを思い浮かべますが、松生先生によれば、便秘解消に効く食べ物は「キウイ」「植物性乳酸菌」「オリーブオイル」とちょっと意外なもの。この3つにはどんな働きがあるのか、聞きました。1)キウイオリゴ糖がたっぷり含まれていて、食物繊維のバランスが理想的なフルーツ。便をやわらかくし、カサも増してくれます。「私の調査によれば、便秘ぎみの中学生・高校生とその母親に1日1個のキウイを2週間食べてもらったところ、その約7割が1日1回以上の便通になったということ。キウイがきらいな子なら、バナナでも同じような効果が期待できます」(松生先生)2)植物性乳酸菌乳酸菌といえばヨーグルトを思い浮かべますが、松生先生によれば、「残念ながら、ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌(通称)は、胃で死んでしまう場合が多い。植物性乳酸菌(通称)をとるように心がけてください」とのこと。「植物性乳酸菌とは、漬物、甘酒、みそなどの発酵食品に含まれるもの。生きて大腸に届き、善玉菌を増やしてくれます」(松生先生)3)オリーブオイル体に良い油として知られるオリーブオイルは、便通も良くするのでしょうか。「小腸で吸収されにくいので、腸をやさしく刺激してくれる天然の下剤ともいえます。また、それこそ潤滑油として、うんちのすべりをスムーズにしてくれます」(松生先生)ほかにも、海藻やきのこ、もち麦なども便秘解消に役立つそうです。どれもスーパーで買える食物で、日常の食事にとり入れやすいものばかり。子どもが便秘ぎみというママは、料理するとき、この3つを積極的にとり入れてみることをおすすめします。■子どもの便秘に効果的! 腸元気レシピ「キウイシャベーット」「子どもの便秘は今すぐなおせ」には腸が元気になる具体的なレシピがたくさん紹介されています。その中から、火を使わずにできる夏場にピッタリのかんたんメニューをピックアップ。子どもが喜ぶキウイのシャーベットデザートです。食べやすいので、食欲がないときにも試してみては?「キウイシャーベット」(レシピ:荻田尚子)【材料】キウイ 2個砂糖 40g【作り方】1. キウイは皮をむいて5mm厚さの輪切りにする。冷凍用保存袋に入れて砂糖を加え、袋の口を閉じる。上から軽くもみ、砂糖をとかす。2. 平らにならし、袋の空気を抜いて口を閉じ直し、バットなどにのせて冷凍室で冷やしかためる。3. かたまったら取り出し、室温で少しやわらかくする。めん棒でたたいてあらくつぶし、さらにめん棒を押しつけて転がす。やわらかくなったら、軍手をして袋の上からもんでつぶす。キウイをそのまま食べると、すっぱさが強い場合があり、子どもは敬遠しがちですよね。このレシピなら簡単なうえ、砂糖で甘みが増し、キウイもたくさん食べられるので、暑い季節にぴったりですね。「子どもの便秘解消のために、食事指導に一番力を入れています」と語る松生先生。うちの子、ちょっとうんちがかたいな、便通がないのにおなかを痛がるなど、便秘が疑われるときは、まず食事や食生活を見直してみましょう。参考図書: 「子どもの便秘は今すぐなおせ」 (主婦の友社)松生 恒夫著 1,200円(税別) 子どもの腹痛・イライラ・学校嫌い…それ、「便秘のせい」かも! ? 「母親が便秘なら子どもも便秘の可能性大! 子どもは約5割が便秘ともいわれているのに、気づかない親が多いのです」。便秘外来で多くの子どもを診療してきた松生恒夫医師が、子どもの隠れ便秘のチェック方法、改善法を紹介します。新生児〜6カ月、6カ月〜3歳まで、3〜12歳、12歳以降ではつまる場所、原因、対策などが違う子どもの便秘。特に幼児~小学生ママ必見の1冊です。
2018年08月29日テレビなどで活躍中の医学博士・松生恒夫先生が、新刊 「子どもの便秘は今すぐなおせ」 (主婦の友社)を発売。松生先生は、院長を務める大腸専門のクリニックで子どもの便秘相談が増えていることを受け、子どもの便秘についての本を執筆されました。本の中では、子どもが便秘ぎみになったとき、ママが生活の中でできる食事療法などを紹介しています。気になる子どもの便秘の解消法について松生先生にうかがいました。お話をうかがったのは…松生クリニック院長 松生恒夫(まついけ つねお)先生医学博士。大腸内視鏡検査や生活習慣病としての大腸疾患等を専門とする。30年間で4万人の腸を見てきた腸のエキスパート。なるべく薬に頼らない便秘解消のための食生活指導などを行っている。新刊に「子どもの便秘は今すぐなおせ」(主婦の友社)がある。■子どもの便秘が増えている!? 便秘かどうかを簡単チェック子どもは便秘が習慣化していても、なかなか自分の言葉ではそれを伝えられないもの。それだけに、子どもが小さいうちはママパパがわが子の「うんち事情」をある程度、把握しておく必要がありますね。そこで、子どもの便秘相談が増えていることを受けて、松生先生は次のような「子どもの便秘チェックシート」を考案。「もしかしたら、うちの子、便秘ぎみ?」と思ったら、以下のチェック項目に当てはまるかどうか考えてみましょう。チェックした項目が多ければ多いほど、慢性的な便秘である可能性が高まります。便秘は重大な病気が原因である可能性もあるので、1つでもチェックがついたら、危険な便秘かどうか確認する必要があるでしょう。■赤ちゃんの便秘「離乳食が始まるまでは、親が注意深く観察・発見」新生児から生後6カ月ごろまで(離乳食を始めるまで)、子どもの排便には100パーセント、親の管理が必要。赤ちゃん自身にいきむ力はなく、うんちは腸の反射的な動きで排出されます。オムツ替えをするときに、うんちの色がおかしくないか、うんちに血がついていないかなどをチェックするといいそうです。「赤ちゃんのうんちの管理は、正直とても難しい。まだ話せないのでどういう状態かも教えてくれません。『便秘かな?』と思ったら、肛門を綿棒でそっと刺激するのが有効です。またはワセリンを肛門の入り口に塗って『うんちは怖くないよ』と教えるのもいいですね」(松生先生)もし、4日以上うんちが出ないときは要注意。その場合や血便が出たときなどは自己判断せず、すぐに病院へ連れていきましょう。■子どもの便秘「3歳までに快便習慣を」毎日の“うんちの記録”がおすすめ離乳食をスタートすると、腸内環境が変わり、一時的に便秘になる子も。しかし、1歳になると、大脳が発達して「便意」を感じられるようにななり、「ママ、うんち」としたいときを教えてくれる子も多くなってきます。ただ、大人と同じ食事(普通食)に近づくにつれ、うんちは固くなるもの。排便の痛みによって「うんちはこわい」というネガティブなイメージが子どもにすり込まれてしまうこともあります。「オムツが取れたとしても、まだまだ大人の手助けが必要な時期。やはり多くの家庭でママは司令塔ですから、便秘にならないためにも、食事に気をつけたり、書籍に収録した『うんち日記』のような記録をつけたりすることが大事です。記録をしておかないと、いざ便秘になったとき、何日前からうんちが出ていないのか、わからないですからね。私のクリニックには、20歳過ぎてから便秘で困ってかけ込んでくる患者さんが多いんですよ。聞くとたいてい、もの心ついたころから便秘体質だったといいます。便秘にならないため、子どものころに親御さんができることはあると思いますよ」(松生先生)■子どもの便秘「良いうんちVS悪いうんち」排便で腸内環境を知るでは、子どもの「良いうんち」「悪いうんち」とはどんなものなのでしょうか? 「子どもの便秘は今すぐなおせ」の一部をここで紹介いたします。理想的なうんちは、においの少ない、黄色いなめらかなうんち。かたすぎず、スルリと出てくるバナナ状の便が望ましいそうです。 逆に要注意のうんちは、においが気になる、黒いカチカチうんち。悪臭がして思わず鼻をつまんでしまうようなうんちや、ウサギのフンのようなコロコロしたかたいうんちはNGです。子どもが成長するにつれ、ついつい出したうんちはチェックしなくなるものですが、便秘体質にさせないためにも、ママがトイレで確認する習慣をつけましょう。■猛暑が便秘を引き起こす?「大人も子どもも“大腸が砂漠化”!」記録的な猛暑日が続くこの夏。松生先生にはぜひ子どもを持つママに警告したいことがあるそうです。それは“大腸の砂漠化”。この暑さのせいで本来、水分が多くあるべき大腸がまるで砂漠のように乾燥してしまっているといいます。「この7月は、クリニックの外来で例年の1.2倍の薬を処方しました。毎日、気温35度を超えるような暑さですし、10度以上の寒暖差がある日もあって、大腸が温度変化についていけず、便秘や下痢になる人が増えているのです。大人も子どももたいへんですね。小さいお子さんを持つママ自身も、暑い中、子どもを遊ばせるために屋外へ出て、干からびているのでは。特に便秘で困っている人が増えています」(松生先生) どうして、大腸内の水分が減ってしまうのでしょうか?「実は、水や飲料の水分のほとんどは、小腸で吸収されてしまいます。そのため、大腸には水分を多く含む消化物(食べ物)を送り込むことが必要で、その中は泥状の食物残渣(しょくもつざんさ)で多く占められています。しかし、暑さのせいで食物摂取量や食物繊維摂取量が少なくなったり、発汗量が多くなったりすると、その残渣の量が減少し、大腸内の水分量が減るんです。泥状の残渣は水分が少ないと固形化しやすく、排出しにくくなるわけです。干からびた食物残渣が腸内に蓄積したようなイメージです」(松生先生)簡単に言えば、大腸が水分不足になるので、うんちが固くなってしまうということ。まさに砂漠化で、その原因としては「発汗量の増加」「食事量の低下」があげられるのです。夏バテで食欲がない子どもも多いですが、それが便秘の原因になっているかも? 夏にはよくあることですが、あまり軽く見ないほうがいいでしょう。「放置すると、干からびたような薄い食物残渣がひとつに固まらず腸内に貯留するような状況になり、腸の蠕動運動が低下。腹部にガスがたまりやすくなって、腹部膨満感や排便障害、便秘などが起こりやすくなってきます」(松生先生)暑い時期、子どもが「うんちが出ない」と言ったり、おなかに違和感を覚えている様子があったら「砂漠化」に注意! 病院で診てもらうことを視野に入れ、家庭内でも食事でできる改善策を考えてみましょう。子どもの便秘が続く場合、要注意のうんちが出た場合などは、まずは食生活から見直してみましょう。次回は、ふだんから便秘予防として実践したい食事法をご紹介します。参考図書: 「子どもの便秘は今すぐなおせ」 (主婦の友社)松生 恒夫著 1,200円(税別) 子どもの腹痛・イライラ・学校嫌い…それ、「便秘のせい」かも! ? 「母親が便秘なら子どもも便秘の可能性大! 子どもは約5割が便秘ともいわれているのに、気づかない親が多いのです」。便秘外来で多くの子どもを診療してきた松生恒夫医師が、子どもの隠れ便秘のチェック方法、改善法を紹介します。新生児〜6カ月、6カ月〜3歳まで、3〜12歳、12歳以降ではつまる場所、原因、対策などが違う子どもの便秘。特に幼児~小学生ママ必見の1冊です。
2018年08月25日パートナーとの付き合いが長くなれば、1度や2度の倦怠期は経験するもの。不穏な空気感が続く期間は、本当に辛いですよね。それでも倦怠期の理由がはっきりしているうちは、まだマシな方。解決策が見つけやすいですから。厄介なのは、特別な理由はないのになんとなく険悪な状態です。占いに頼ってみたり、セミナーに通ってみたり、高級レストランのスペシャルデートをセッティングしてみたりと、あれこれ策を講じているのに状況がなかなか進展しないなら、バナナを食べてみましょう。なにを唐突に、と思いますよね。ごもっとも。でも、パートナーとバナナを一緒に食べることで、コミュニケーションが生まれやすくなるという報告があるんです。バナナを食べ続けると仲が良くなる!?日本輸入バナナ組合が小学生のいる家庭3家族を対象に行った「バナナ摂取試験」では、1日2本、2週間バナナを継続して摂取したところ次のような効果が期待できることがわかりました。「便通改善」家族全員の便秘の悩みが約10分の1に減少。「肌改善」母親の肌のハリが4.6%アップ。「集中力向上」子供のテスト時間が2分12秒短縮。バナナが体に良い影響があることはなんとなく感じている人は多いと思いますが、こうして数値化されるとより効果がよりはっきりわかりますよね。松生クリニック院長の松生恒夫(まついけつねお)先生によれば、バナナには整腸作用のある食物繊維とフラクトオリゴ糖が豊富に含まれているので、バナナを食べることで腸内環境が改善し、その結果、肌の状態が良くなることが期待できるとのこと。またバナナには美容ビタミンとも呼ばれ、さらには脳のエネルギー不足を防ぐ作用のあるビタミンB群も豊富に含まれているので、こうした成分が複合的に働いて、美容効果や集中力アップに影響した可能性があるのだとか。今回特に注目したいのは、パートナーシップ改善への効果です。実は試験を通じて、「家族の会話が増えた」「家族が笑いあうことが増えた」「家族仲が良くなった」という情緒面での効果を評価する回答が83.3%にも上りました。調査では家族が対象となっていますが、これはパートナーとの関係作りにも有効なはず。バナナが倦怠期解消のカギになるかもしれないんです!健康がパートナーとの関係を良好にするワケ松生先生曰く、「バナナの摂取により家族を構成する人たちの便秘が改善されたり、肌の調子が良くなったり、集中力が高まったりすることで、みんなが明るく前向きになった結果、『家族の会話が増えた』『家族が笑いあうことが増えた』などの実感が持てたのではないかと思います」とのこと。つまりバナナを食べて健康や美容、精神面が良好な状態になることで、情緒面にも良い影響をおよぼした可能性があるのです。確かに、体調が悪い時や肌荒れなどの美容トラブルがある時、さらに精神的なストレスを抱えている時などは、気持ちがネガティブに傾きがちですよね。いつもは気にも留めないパートナーの言動が、風邪などで体調を崩している時は、妙にカチンときてイラついてしまった経験はありませんか?体調に限らず余裕がない時に、他人を思いやるのは簡単ではありません。その意味でも、健康をキープすることは、パートナーはもちろん人間関係を良好に保つ上でも大切だと言えるでしょう。イライラの原因は相手ではなくて、実は自分自身にあったというのもよく聞く話です。まずは自分を健康に美しく整えることが、倦怠期打破の第一歩なのかもしれません。1週間で60万回再生!?話題のバナナ動画今回の試験結果をまとめた動画が、公開からわずか1週間で再生回数60万回を突破し話題になっています。動画には、試験に協力した3家族のうち1家族が登場し、彼らが和気藹々とバナナを食べる様子や、2週間の摂取の結果明らかになった、様々なバナナの効果をわかりやすく紹介しています。バナナは一年中手に入る身近なフルーツなので、いつでも継続して食べられるのが魅力です。さらに動画の家族のように、同じ食材を一緒に食べることも、コミュニケーションのきっかけとしておすすめです。時間が合わずパートナーと食事を一緒に摂る時間がないという方も、バナナ1本を一緒に食べるくらいの時間なら作れるのでは?早速バナナを買って、一緒に食べてみてはいかがでしょう。「おいしいね」から、笑顔が生まれるかもしれません。仲良しカップルへの道は一日にして成らずパートナーと良い関係を築いていくためには、きっとバナナを毎日食べる習慣のような、些細ではあるけれど二人の日々を丁寧に重ねようとする意識が大切なのではないでしょうか。倦怠期を乗り切るために、ついつい特別なイベントに頼りたくなるもの。でも関係を進展させるヒントは、たまに食べるスーパーフードよりも毎日のバナナが効くように、普段の生活の中にこそあるのでは?参考:バナナ大学-バナナの情報総合サイト-
2017年11月10日バナナには、便秘や肌の改善、ダイエット効果など、さまざまな健康機能が期待できることが知られている。また日本バナナ輸入組合の調査によると、約80%もの主婦が「家族に食べさせたい」と思っているという調査結果も。このような状況を踏まえ、日本バナナ輸入組合はバナナ摂取の具体的な効果を改めて明らかにするために、小学生のいる家庭3家族を対象として「バナナ摂取試験」を2017年8~9月に実施した。健康・美容・学力への効果が実証!試験では1日2本、2週間のバナナ摂取をしたところ、家族の便秘の悩みが約10分の1に減少。成長期の子供を除く両親については、平均0.37kgの体重減というダイエット効果も見られた。また、母親については「肌の水分量」と「肌のハリ」が向上。特に肌のハリ具合は4.6%アップするという結果に。さらに、子供の100マス計算では、バナナ摂取開始日のテストにかかった時間より、摂取2週間後にかかった時間の方が、平均2分12秒も短縮。点数も平均1点アップ。試験終了時のアンケートでも「集中力が向上した」「仕事や家事、勉強を効率良くできるようになった」という意見が聞かれるなど、バナナ摂取で子供の集中力が劇的に向上したことが明らかとなった。家族の「会話が増えた」「笑いあうことが増えた」など情緒的な効果も今回特に注目すべきは、バナナ摂取に家族の絆を強める効果も見られたことだ。摂取試験を通して「家族の会話が増えた」「家族が笑いあうことが増えた」「家族仲が良くなった」と3家族の83.3%もが回答しており、バナナを継続的に食べると、家族にとってさまざまな嬉しい効果が見込まれることが判明した。腸の専門家である松生クリニック院長松生恒夫医師は、この結果を、「家族の便秘が改善されたり、肌の調子が良くなったり、集中力が高まったりすることで、みんなが明るく前向きになった結果、情緒的な効果が実感できたのではないか」と分析している。実証動画『FAMILIKE家族に幸せをもたらす黄色い食べ物』これらの「バナナ摂取試験」の様子は、動画『FAMILIKE家族に幸せをもたらす黄色い食べ物』として、2017年10月10日(火)より「バナナ大学-バナナの情報総合サイト-」内で公開。その結果、公開からわずか1週間で再生回数は60万回を突破し、バナナの家族に対する嬉しい効果への感動と驚きの声が視聴者に広がっている。家族に幸せをもたらしてくれる、バナナ。健康や美容に悩む方はもちろん、家族の絆をもっと深めたいと思っている人にもぜひ、日常の食卓に取り入れることをおすすめしたい。【参考】※バナナ大学-バナナの情報総合サイト-※実証動画『FAMILIKE家族に幸せをもたらす黄色い食べ物』
2017年11月08日いつの間にやら話題になっている“もち麦”。腸と血管の味方となる、その秘めたるパワーを、専門医に聞きました。もち麦は麦ごはんや麦茶に使われる大麦の一種。整腸作用をはじめ女性に嬉しい効果がいっぱい!「もち麦には腸内環境を整えて便通を改善する食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、おもに野菜やイモなどに含まれ、水に溶けにくい『不溶性』と、大麦や海藻類に含まれていて、水に溶けやすい『水溶性』の2種類があり、腸の健康維持にはこの2種類をバランスよく摂ることが必要。もち麦には、普段の食生活の中で比較的摂りやすい『不溶性』はもちろん、ひとつの食材から大量に摂ることが難しい『水溶性』も他の麦に比べて多く含まれているのが特徴です。なかでも注目すべきは、水溶性食物繊維の一種である、β-グルカン。これには糖質の吸収を抑制したり、血糖値の急上昇を抑えたり、さまざまな健康効果が報告されています」(松生クリニック院長・松生恒夫先生)そこで、まずはもち麦の健康効果をお勉強。これを知れば、もっともっともち麦の虜になるはず!≪もち麦に含まれる「食物繊維β-グルカン」がスゴイ理由≫■便をやわらかくするので便秘に効果的「便秘改善に大きく貢献するのは、もち麦に多く含まれる食物繊維。しかもその量は、白米の約25倍、玄米の約4倍にも。一般的に便のカサを増やして排便を促す効果が高いのは不溶性の食物繊維ですが、排泄する力が弱まっている腸の場合、それだけでは便秘を悪化させてしまう可能性も。しかし、水溶性食物繊維のβ-グルカンは、便をやわらかくして排泄をスムーズにする働きをもつので、便秘を悪化させる心配もありません」(松生先生)■腸内の善玉菌を増やす「ここ最近、注目を集めているのが、腸内フローラと呼ばれる細菌の働き。腸内には“善玉菌”と“悪玉菌”、そして善玉と悪玉の優位なほうにつく“日和見菌”が棲んでいます。これらはバランスをとりながら活動していて、腸内環境を整えるためには、善玉菌を増やすことが重要。β-グルカンは胃で消化されずに腸まで届き、腸内細菌のエサになって善玉菌を増やしてくれるため、腸内環境の改善にひと役買ってくれます」■血糖値の上昇をゆるやかにする「β-グルカンを含む水溶性食物繊維は、体内で水分を吸収して膨らみ、胃の中に長時間停滞。消化のスピードが遅くなるため、糖の吸収もゆるやかになり、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。また、β-グルカンには脂肪の吸収を抑える働きもあるため、今まで脂肪によって阻害されていたインスリンの働きを活性化し、さらに血糖値を下げやすくしてくれる効果も。この2つのアプローチで、糖尿病を予防してくれるのです」■塩分の吸収を抑え、高血圧を防ぐ「β-グルカンには塩分の吸収を抑える働きがあるため、塩分を摂りすぎたときに起こる血液量の増加や、血管への圧力を最小限に抑えてくれます。また、もち麦には体内の余分な塩分を排泄するカリウムも含有。しかもその量は白米の約2倍にも。さらに、血管の収縮に関わる平滑筋を正常に機能させるために欠かせないカルシウムも白米の約3倍含まれているため、あらゆる面から高血圧を予防することができるのです」◇松生(まついけ)恒夫先生松生クリニック院長、医学博士。現在までに4万件以上行っている、大腸内視鏡検査の第一人者。著書は『腸医が教える こうすりゃ健康 コンビニ飯』(中央公論新社)など多数。※『anan』2016年11月23日号より。料理作製・牧野直子写真・小笠原真紀スタイリスト・白男川清美文・菅野綾子撮影協力・UTUWA
2016年11月21日【ママからのご相談】2歳10か月の男の子がいます。夏から始めたトイレトレーニングの成果が出て、ようやく日中はオムツ無しの生活になりました。ところが、うんちをトイレでするのを嫌がるので困っています。おしっこはちゃんと教えてくれますが、どうしても「うんちはイヤだ」と言います。そのせいか、近頃便秘気味になってしまいました。理由を聞くと「怖いから」と言うのですが、来年から幼稚園に入園するのに、このままでは本人が困るのではないかと心配です。何か良い方法はないでしょうか?●A. しゃがむ姿勢が最大のポイント!ご相談ありがとうございます。2歳児を子育て中のママライター、あしださきです。トイレトレーニングを2016年の夏に頑張っていた者同士、とても親近感を覚えてしまいます。ぜひお力になれたらと思い、自分の経験と専門家の見解、最新のアイテムなどをヒントにして、ご相談にお答えしたいなと思っています。●うんちをトイレ以外の隠れた場所でしてしまう子どもは珍しくない私は自分の子ども3人のトイレトレーニングを経験しましたが、そのうち2人はおしっこのトレーニングが完了した後もしばらく、うんちをカーテンの裏や部屋の隅っこに隠れてこっそりとしていました。何回トイレに誘っても来てくれず、短い期間ではありましたが、とても悩みました。実はこのような悩みを抱えていたママは珍しくないようで、周囲のママさんたちからも似たようなお話を聞くことができました。『うちの子は年少さんまで、うんちはずっとパンツにしかできなかった です。そのため幼稚園だとできずに我慢していたようで、幼稚園から帰るとすぐにうんち。怒ると逆効果だと割り切り、しばらく何も言わずに付き合いました。そのうちに、トイレに行くと自分から言うように。本人の時期を待つのも手ですよ』(6歳女の子のママ)『双子の男の子を育てています。片方の子はいつも便秘気味で、自分だけで静かにうんちをしたいようで、いつも家族のいない部屋にこもって頑張って出しています。普段オムツは夜だけ履くのですが、うんちをしたくなるとオムツを履きたがる のですぐに分かります。便が固く、なかなか出なくて泣いてしまうこともあってかわいそうです。今のところまだ継続中。双子でも、それぞれ違いますね』(40代双子の男の子のママ)『うちの2歳11か月の息子は夜寝ている間にうんちをします。ちなみに、昼間のトイレトレーニングは完了しています。寝ているとき、急にうつ伏せになって両足を曲げた“ダンゴムシの姿”になるとうんちが出る ので、すぐにオムツを取り替えます。この習慣は絶対に良くないのだと思いますが、寝ているわが子に何を言っても仕方がなく……。困っています』(30代男の子のママ)●しゃがむ姿勢が自然な排便姿勢2016年、アメリカで一大ムーブメントを巻き起こしている、『スクワティ・ポティー(Squatty potty)』をご存じでしょうか?これは、薬などには一切頼らないで便秘を治すために発明された便秘椅子です。発明者のロバート・エドワード(Robert Edwards)さん曰く、『基本的に人間の体はしゃがんで用を足すようにできている 。日本の和式トイレを考えればわかりやすい』とのこと。その姿勢を追求して、洋式のトイレでも自然としゃがむ姿勢を取れるように工夫されて生まれたのがスクワティ・ポティーだそうです。私はこれはトイレを怖がる2歳児にも参考になるのでは、と考えています。洋式トイレに座った姿勢、小さい子どもはまだ足が床に届きませんよね。つまりしゃがむ姿勢には程遠い、不安定な状態 にあります。そこで、足が乗せられて、かつしゃがむ姿勢に近くなるような高さのステップを2つ用意します(両足分)。簡易型の折りたたみ台のようなものがいいと思います。高さが重要なので、お子さんの足の長さと床からの距離は計算してくださいね。足乗せがあるだけでも、不安定さが改善されて、トイレでの排便が怖くなくなる という期待もできますし、足乗せ台が高いと和式トイレにしゃがむ姿勢に近くなりますから、排便がスムーズになります 。●下剤の使い方には注意が必要子どもの便秘というと、小児科では下剤を処方されることも多いと聞きます。しかし、その使い方にはくれぐれもご注意を。松生クリニック院長、松生恒夫医師の著書『「排便力」をつけて便秘を治す本ー専門医が教える「便意リハビリ」』によると、小児科などの病院で処方される、ラキソベロンなどの刺激系の下剤は、長く使い続けると『腸内メラノーシス』 といって、腸内が黒くなり大腸の働きが悪くなる 症状を引き起こすことがあるとのことで、注意が必要です。下剤を試すときは、薬局でも手に入る塩類下剤をまず試してみると良いそうです。このタイプは腸内の水分をコントロールして排便させるものです。----------いかがでしたか?お子さんとのトイレトレーニングの最終課題、一緒に乗り越えたときの喜びはきっとママだけの宝物になることでしょう。私もご相談者様と同じようにわが家の2歳児と最後の山を乗り越えていきたいと思います。ぜひご参考にしてみてくださいね。【参考文献】・『「排便力」をつけて便秘を治す本ー専門医が教える「便意リハビリ」』松生恒夫・著●ライター/あしださき(元モデル)
2016年10月24日「お腹がスッキリしない……」「むくみや肌荒れが気になる……」それは、あなたのカラダに“毒素”が溜まっているサインかもしれません。じつは、イマドキの忙しい女性のライフスタイルは、カラダの中に“毒素”をためがちなんです……。(外食が多い、ストレスを溜め込んでいる、不規則な生活etc)毒素が溜まると、肌荒れや肥満の原因に!ほかにも、体臭や口臭がひどくなったり、冷え症、イライラ、だるさ、ウツなどを引き起こすおそれもあります。「こりゃまずーい!」すぐさまデトックスしましょう!「でも、くすりの力には頼りたくないし、お金も手間もかけたくない!」そんなワガママな女性たちのために、今回は「簡単で美味しい☆デトックスティーのつくりかた」のご紹介をしたいと思います。■デトックスティーで美肌&美ボディ&美マインドGET【材料】・ペパーミントティーのTバッグ(紅茶とブレンドされていないミント100%のもの・もしくは乾燥ペパーミント小さじ2分の1)・レモンの絞り汁大さじ1・ショウガチューブ入りのものもしくは1片をすりおろす・オリゴ糖少々【つくり方】1コップ1杯のお湯にティーバッグを1つ入れ、ミントティーを抽出します2ショウガを加え、よくかき混ぜます3レモンの絞り汁とオリゴ糖をお好みで加えて、できあがり!(量は好みで調節してOKです)■毒素排出成分がたっぷり !☆ペパーミント解毒作用、消化を助ける健胃作用がある。お腹にたまったガスを出して、ポッコリお腹を解消。ほかにも、気分を落ち着かせたり、寝つきをよくする効果も期待できる☆ショウガカラダを温め、血液の循環を促進。水分の代謝も助け、便秘やむくみを解消する作用が強い。体温が上がることで、新陳代謝も活発になり、ダイエットや冷え性も改善してくれる☆レモンビタミンが腸を動かす力になる。活性酸素を除去するので、アンチエイジング効果も期待できる☆オリゴ糖善玉菌のエサになり、腸内環境を整えるこのデトックスティーは好きなときに好きなだけ飲むようにしましょう。毒素の悩みが強い人は多めに飲むのがおすすめ。腸内環境が整い、溜まった便やガスがスムーズに排出されると、まず肌荒れが劇的に改善されます。そして、血行促進効果により、顔色は明るく発光したような肌に!メークノリもよくなりますよ。スッキリ感を味わうことで、ウツウツイライラからも解放され、気持ちがワクワク、マインドからも美しく!飲み続けることで、体質改善され、生理前の不快症状や肩こりの改善も期待できます。体重も落ちやすくなるので、ダイエットの手助けもしてくれますよ~!みなさんも是非、デトックスティーでカラダの大掃除。美肌と美ボディ、美マインドをGETしてくださいね。参考:完全「毒出し」健康法著者松生恒夫
2016年01月29日トレンド総研はこのほど、「ダイエット」に関する調査結果を発表した。調査は10月6~8日の期間にインターネット上で行われ、2015年にダイエットを行った20~40代の女性500名から回答を得た。はじめに、回答者のダイエットの成功率を調べたところ、「目標体重に到達し、ダイエットに成功した」人は17%とわずか1割台だった。また成功した人の中でも「リバウンドした」人は31%いた。続いて、最近チャレンジをしたダイエット方法について調査した。結果は「炭水化物抜きダイエット」(44%)という回答が最も多かった。そこで、特定の栄養素を抜く、または食事を抜くダイエットをしたことがあるか尋ねたところ、70%の人にチャレンジした経験があることがわかった。さらに、特定の栄養素または食事を抜くダイエットをしたことがあると回答した人に、感想を聞いた。最も多かった回答は「ストレスがたまりやすいと感じる」(83%)で、次いで、「食欲を我慢するのが難しいと感じる」(79%)、「集中力が低下したことがある」(58%)が続いた。そこで、理想だと思うダイエット方法を聞いた結果、1位が「無理なく続けやすい」(75%)、2位が「リバウンドしづらい」(65%)、3位「ストレスが少ない」(55%)となった。最後に、夕食約30分前にバナナ2本(可食部約80~100gのもの)を食べて、その後にお湯もしくは緑茶など、約200mlの水分をとる「夜バナナダイエット」について調査した。興味・関心を尋ねると64%の人が「興味がある」と回答。どのような人が向いているかという質問には、「1日の食事のうち、夕食の摂取カロリーが特に多い人」(47%)、「食事をつい食べ過ぎてしまう人」(39%)、「夕食を減らしたり、抜いたりすると、ストレスを感じてしまう人」(39%)と答えた人が多かった。腸に関する著書を多数執筆している医学博士の松生恒夫氏は、「夕食は、料理そのものが高カロリーであったり、朝・昼に比べて量を多く食べたり、お酒を飲んだりと、太りやすい食事パターンになりやすい」と指摘。その上で、「『夜バナナダイエット』は、腹持ちがよく、満腹感を得られ、腸にも優しく、低カロリーのバナナを夜に食べることで、自然に夕食の量を抑えられ、過食を防ぐことができます」とコメントしている。
2015年11月11日