《先の見えない不安に駆られることもある現代で、私たちは新しい年をどう生きていくべきか、美輪明宏さんにアドバイスをもらいました——》’23年も、国内外で気になる出来事がたくさんありました。世界的な事象でいうと、やはりロシアとウクライナ、そしてイスラエルとハマスの戦争です。アジアでも東シナ海周辺の緊張感が増してきています。まるで第二次世界大戦が始まる前と似たような状況にも思えるのです。私は先の戦争を経験しています。戦争のない平和のありがたみを身に染みて感じます。だから他人ごととは思えません。戦争の歴史は、古代から何千年以上も繰り返されています。つまり、人間は同じ過ちを何度も何度も繰り返す生き物なのです。そもそも世界中の人々が、すべて同じ思想や価値観で生きているわけではありません。しかし、いつの時代にも愚かな指導者が現れ、“我こそが正義だ”と、1つの価値観を武力で正当化しようとする。そこで犠牲になるのは、いつも罪なき民たちです。それでも人間は戦争を何度も繰り返すのです。みなさん、地球全体がお花畑だと想像してみてください。日本の国花は「菊」ですね。アメリカは「バラ」、オランダは「チューリップ」、フランスは「ユリ」、ロシアは「ヒマワリ」です。国花はそれぞれ国によって違います。花にはたくさんの品種があり、動物や昆虫も、さまざまな種類がいます。人間も同じ。それなのに、異なる思想や価値観を否定し、1種類にしようという発想自体が無理なことなのです。国によって考え方も意見も異なるのですから。それは、身近な職場の同僚や友人、夫婦関係においても同じことが言えます。所属する組織の違い、男女の違いがあることから、自分自身が不安や葛藤、苦しみ、悲しみなどで悩むことがあるでしょう。人生を過ごすなかで、夫や妻、上司や仲間の考え方に疑問を感じたり、ときには自分の生き方や性格がだんだん嫌になってくることもある。そういうときは“人は人、自分は自分”と考えることができれば、腹も立ちません。さまざまな価値観があって当たり前。そう思って生きるべきなのです。人は不幸の数ばかりかぞえます。自分の容姿や欠点を気にして、それをコンプレックスにする。そして他人に対しても、自分と同じような欠点がないかと粗探しする。つまり、《人は不幸の数はかぞえるが幸せの数はかぞえない》。でも、冷静に考えてみてください。まず、元気でいられる。そして見える、聞こえる、喋れる、歩ける、飲める、住む家だってある。本来、不幸の数より、幸せの数のほうが多いはずです。そのことを見失っていませんか?ふだん当たり前に思っていることが、どれだけ幸せなことか。感謝すべきことがどれだけあるか、一度数えてみることです。すると、“なんてつまらないことでイライラしていたんだろう”“私は不幸じゃない”と、気づけるはずです。幸せの数をかぞえる人生に切り替えることで、嫌なことや辛いことがあっても、明るく穏やかに過ごせるようになるでしょう。悲観ばかりせず、身の回りにある幸せを見つめ直して、前向きな気持ちで’24年を迎えてください。
2024年01月01日「銀巴里から生まれたうた」をテーマに、金子由香利のシャンソン『時は過ぎてゆく』と美輪明宏のオリジナル曲『ヨイトマケの唄』をカバーした楽曲を7月12日にリリースしたシャンソン歌手のクミコ。クミコ チケット情報「銀巴里」とは、美輪明宏、金子由香利、戸川昌子などを輩出した伝説のシャンソン喫茶で、クミコも出演者の一人だった。1982年6月、銀巴里のオーディションに合格し、プロデビュー。当時、27歳だった。だが、オーディションでもオリジナル曲を披露したように、もともと“シャンソン畑”ではなかったクミコは、銀巴里のステージに立つも「いつでも逃げ出したいと思い続けていた」と明かす。「銀巴里に入ってからもシャンソン的なヒエラルキーに馴染めなくて。掟やぶりみたいな歌もたくさん歌って。自分の事を“シャンソン歌手”と言う時、絶対に“なんちゃって”がつくんです。“なんちゃってシャンソン歌手”。今もずっと思い続けています」。そんな思いを抱きながらも、今年、金子由香利、美輪明宏というシャンソン歌手の代表的存在のふたりのカバーをすることとなった。「金子さんの歌とか、ましてや美輪さんの『ヨイトマケの唄』を歌う日が来るとは本当に思ってなかった」とクミコ。だが、一大決心したのは、シャンソンこそが年齢を重ねても唯一、現在進行形で歌える歌だと実感したからだという。「シャンソンは80歳を過ぎても歌われている方がたくさんいて、皆さん誇りを持って、色香を失わず歌っていらっしゃる方ばかりで。他のジャンルでは、そういう方ってなかなか少ないですよね。年を重ねるとリズム感も落ちたり、負になることがたくさんある中で、負にならないジャンルはシャンソン系しかないなと思ったんです」。シャンソンは時間を武器にできる歌。「自分自身、再来年に古希を迎えるにあたっても、真剣にシャンソンに向かい合って、先輩方の思いを継いでいく者としてもやっていかなければいけないなと思いました」。決意と覚悟を新たにクミコはステージに立ち続ける。10月7日(土)には、リニューアルした神戸朝日ホールのオープニングシリーズでのコンサートを開く。「神戸朝日ホールのオープニングシリーズの一人に入れていただいて光栄です。神戸は本当に久しぶりです。私にシャンソン的なものを教えてくれた元夫がたまたま神戸の出身で。これもご縁の一つだと思いますので、神戸の方も、大阪の方も、京都の方も、よろしければぜひお越しください。クミコスタイルのシャンソンですけれども、皆さんの心を揺さぶれたらいいなと思っています」。取材・文:岩本
2023年09月21日人間と同じく、犬も夢を見ています。睡眠中に脚を動かしたり、寝言をいうこともしばしばあるとか。犬の顎(アギト)ちゃんと暮らす、ジョー(@6464prpr)さんは、愛犬が寝言をいう瞬間を撮影することに成功し、こうコメントしました。「笑っている美輪明宏さんみたいな犬の寝言」なんと、顎ちゃんの寝言がタレントの美輪明宏さんの笑い声にそっくりだというのです!どんな寝言なのか、音声をオンにしてお聞きください。笑ってる美輪さんみたいな犬の寝言は定期的に投下していきます。 pic.twitter.com/UGbQP2ltH3 — ジョーは犬&猫と共に古民家で暮らしている (@6464prpr) August 29, 2023 「ホホホホホ」と、上品な笑い声のような寝言が聞こえてきますね!大勢の頭に神々しい美輪さんの姿が浮かんだようで、「例えが秀逸」「もろに美輪さんだった」などの声が相次いでいます。・こんなのズルイ!笑い転げてむせるから、全人類に聞いてほしい。・本当に美輪さんみたい…ツボに入りすぎて眠れなくなった。・荒んだ心が浄化される上品な寝言。・電車やバスの中で聞いたら腹筋が終わる。・想像以上に美輪さんでかわいすぎた。何度も再生し、耳を澄ませたくなる動画。どんな時も、聞いたら心が一気に明るくなりそうです。[文・構成/grape編集部]
2023年08月31日Days of Delight(ファウンダー&プロデューサー:平野暁臣)は、多彩な領域で活躍するテナーサックスの名手・西口明宏の最新作『Something in Red』を2023年6月22日に発売します。西口明宏『Something in Red』jacket本作は、西口明宏がこのために新編成したドラムレス・トリオによるもので、全編ソプラノサックス/全曲オリジナル/ドラムレスという意欲作です。脇を固めるのは、David Bryant(p)、粟谷巧(b)という1級の腕利きミュージシャン。あえて決めごとをなくしたシンプルな曲を、3人の創造力が紡いでいきます。たっぷりと余白の空いた空間のなかを疾走する、キレのいいソプラノサックスの響きを存分にお楽しみいただけます。「決めごとのないシンプルな構造だから、プレイヤーは存分に創造力を発揮できるし、余白がたっぷり空いているので、リスナーも想像力を刺激される。ひとりひとりの音色、タイム、フレーズ……がしっかり届く。西口明宏のもっともプリミティブな姿をとらえた本作は、彼の原風景が透けて見える、いわば“体幹”の記録です」―――Days of Delight ファウンダー&プロデューサー 平野暁臣■DOD-036 西口明宏『Something in Red』【演奏者】西口明宏 soprano saxophoneDavid Bryant piano粟谷巧 bass【収録曲】1. Three Principles2. Hub Trees3. Something in Red4. First Impressions5. Ms.Colour6. Blue Elephant7. S.P.8. Taro's Eleven(2022年11月29日 東京・岡本太郎記念館にて収録)・YouTube ・公式サイト 【商品概要】レーベル:Days of Delight型番 :DOD-036JAN :4582530660498定価 :2,500円(税込 2,750円)発売日 :2023年6月22日 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月01日2月22日、テレビ業界に衝撃が走った。深夜バラエティ番組『タモリ俱楽部』(テレビ朝日系)が3月末で放送終了することが発表されたのだ。1982年から40年以上にわたって続いた人気番組の突然の終了報告に、ネット上ではショックと惜しむ声が相次いだ毎回ニッチな特集を全力で楽しんでいた『タモリ倶楽部』だが、その中でも屈指の人気企画が「空耳アワー」。視聴者から寄せられた、日本語ではないのになぜか日本語に聞こえる「空耳」歌詞を紹介するという企画で、「空耳」の面白さに応じて手ぬぐいや耳かき、Tシャツなどといった記念品が贈呈される。投稿者によって支えられてきた「空耳アワー」だが、中にはかなり熱心な人も。10年以上にわたって投稿を続けてきた、相賀浩紀さんもその1人だ。相賀さんは番組終了の報せが流れた当日、Twitterにこう綴った。《学生時代に授業の一環として見た空耳アワーを「おもしろいな~」と思い、軽い気持ちで空耳投稿を始めて気がついたら10年以上空耳人生を送ってきた私です》また3枚の写真も添えられており、そこには所狭しと並べられた手ぬぐいや耳かきといった景品の数々が。その数はさることながら、贈呈されることが珍しいTシャツまで複数並んでいることもあって、ツイートには《まさかレジェンドの方がツイッターやられていたとは》《すごい、空耳職人や》《凄すぎます。本当にお疲れ様でした》など、驚きと称賛の声が寄せられた。本誌が相賀さんに取材を申し込んだところ、「10年以上前の事なので記憶違いがあったら申し訳ないのですが……」と、当時を振り返ってくれた。「学生時代、たしか英語の授業で『空耳アワー』を観て、「ケインズ・オファリング」というバンドの「カレー・そば・パスタ・ピザ・スープ 何なんすか?」という空耳が面白いなと思いました。さらにその先生が『空耳アワーで採用された人には単位をあげよう』と言ったので、冗談だと分かったうえで空耳探しを始めました。初めて投稿したのは、2011年頃だったと思います」洋楽、邦楽問わず聞くようになったのも、空耳アワーがきっかけだという相賀さん。他の番組への投稿は、ほとんどしたことがないという。さらに、自身の投稿が初めて採用された放送回を、こう振り返った。「2011年11月頃に、トム・ジョーンズの『恋はメキ・メキ』という曲から『ほんこん』というネタで採用されました。 映像にタレントのほんこんさんが出演されていたのと、初採用で耳かき評価を頂けたので、非常に嬉しかったですね。担任の先生は当時、初めて採用されたことを知っていました」投稿するきっかけとなった先生も、ずっと投稿を続ける相賀さんのことを知っていたようで、「社会人になってから偶然、街で再会したときに空耳アワーの話をして、会話が弾んだ記憶があります」と懐かしんだ。これまで全部で91回、採用されたという相賀さん。特に印象に残っている作品を聞くとーー。「『ブルース・ブラザーズ2000』OSTの『ファンキー・ナッソー』という曲から採用された、『姫 清楚だったら良かったです』というネタです。採用されたときに映像後のトークで、タモリさんがブルース・ブラザーズと会って面白話をしたというトークが、印象に残っています」相賀さんの言葉の端々から溢れ出る、番組への並々ならぬ情熱と愛。果たして、番組終了を知ったときにはどう思ったのだろうか。「Twitterを見ていたら『タモリ倶楽部、3月末に終了』という記事がいきなり目に飛び込んできたので、『えっ!こんな唐突に!?』という感情が強かったですね。ただそれと同時に、『前触れもなく唐突に終わるのもタモリ倶楽部らしいと言えばタモリ倶楽部らしいかもしれないな』という感情もありました。最初は好きだった番組が終わるのは寂しいなと思っていましたが。40年続いた番組との事なので、今はタモリさんや関係者の皆様にはお疲れ様でしたとありがとうございました、という気持ちですね」番組は終了してしまうが、気が向けば今後も空耳投稿を続けるかもしれないという。「現在Twitterの別アカウントで、採用されなかったりボツにしたネタを投稿したりしているのですが、もしかしたら新しく見つけたネタを、そちらで投稿したりするかもしれません。 ただ、空耳アワーが特番枠で復活するという希望も捨ててないので、様子を見ながら決めていくと思います」注目を集めた相賀さんのツイートには、すでに3万を超えるいいねがつけられている。多く寄せられた声や反響に、相賀さんはこう語った。「正直な所、まさかここまで皆さんが反応してくれるとは思っていませんでした。色んな方々から感謝の言葉や『あのネタが好きでした』と言って貰えて、続けてきて良かったなと思っています。これからも趣味として空耳探しは続けていくつもりなので、マイペースに頑張っていこうと思います」番組が終わっても相賀さんの“空耳アワー”は続きそうだーー。
2023年02月28日会社や学校などで、嫌なことがあれば、親しい人に不満を打ち明けてしまいたくなるもの。周囲に話をすることで、心が軽くなる…と感じる人もいるでしょう。しかし、お笑いタレントの勝俣州和さんは、日頃から不満をいわないように心掛けていると、2023年2月15日放送のバラエティ番組『これ余談なんですけど・・・』(朝日放送テレビ)で明かしました。勝俣州和が不満をいわない理由同番組では、若い世代が中高年の『自分語り』などを聞くことを嫌っていることが紹介されていました。この話にちなんで、勝俣さんは『自分語り』や不満を漏らすことをしないと話します。その理由について、タレントの美輪明宏さんからかつていわれた言葉がきっかけだったと、振り返りました。ある時美輪さんとしゃべってたの。こういう後輩がいて、仕事を一生懸命にやらない、手を抜くとか、「何待ち?」とかすぐに(スタッフに)怒るとかという話をした。そしたら美輪さんが、「あなたは念が強いから、あなたがそう思うといなくなっちゃう」って。はっと思って。「この子もうちょっと人間的に勉強してくればいいのにな」と思う人が、本当にいなくなっていると思って。「そういう子をいなくするのではなく、頑張ってほしい人を、頑張れというほうに念を使いなさい」といわれた。これ余談なんですけど・・・ーより引用勝俣さんは、美輪さんからいわれた言葉にハッとします。「誰かの不満を漏らしたら、その人が周囲からいなくなっている」と…。実際、仕事現場などで目にすることがなくなったことを思い出し、美輪さんの言葉を聞いてからは不満を持たないようにしているといいます。そのため先輩の説教を耳にしても、「『うるさい』と思うといなくなるかもしれない」と考え、「この人はこの人で色々大変なんだろうな、頑張ってください」と聞くようにしていると心構えを語りました。勝俣さんのエピソードに、多くの人が共感しています。・とても周囲に気を使っている人なんだと分かり、ますます好感度が上がりました!・念の強さは人にもよると思うけど、不満ばかり漏らしている人にはならないように気を付けよう。・不満を聞いてばかりいると嫌な気持ちになるから、自分も過度にいいすぎないようにします。不満を抱くと、普通は周囲に漏らしたくなるもの。しかし、その不満を聞く人や、矛先を向けられた人は、いい気がしないでしょう。適度に息抜きすることが、大切かもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2023年02月16日『女性自身』年末年始号では、麗人・美輪明宏さんに“清く美しく生きるためのコツ”をテーマにインタビュー。ここでは「自分を見失いそうなとき」に思い出したいメッセージを紹介しますーー。人間が生きていくうえでもっとも大変なことは、「感情」と「理性」を使い分けること。現代社会で感情と理性をうまく仕分けしながら、毎日の生活を送っている人はおそらく少ないでしょう。たとえば、“病気になりました”“経済的に大変なことになりました”“仕事で大きなミスをしました”など、何か大きな問題が起こったときに、泣いたり、わめいたり、さけんだり……。理性を失い、感情的になってしまう人のほうが多いのではないでしょうか。人間は肉体と知性(精神)でできています。肉体は、よい食べ物をバランスよく食べていれば健康を維持できます。ところが、お酒を飲んだり、刺激物など体によくないものを食べていると健康を害し、病気になる可能性が高まります。それは精神にも同じことが言えます。では、精神を健康的に維持するために必要な食べ物とは何か?それは芸術や音楽、スポーツといった文化です。文化にも質の高いもの、質の悪いものがあります。食べ物と同じように、質のよい文化に常に触れていれば、精神が“栄養失調”になることはありません。そうすると何かつらいことが起こっても、頭が冷静に物事の本質を捉え、問題の解決方法だけを考えるようになります。こんな不安定な時代だからこそ、自分を見失わないことはとても大事。そのためには、精神が常に“冷静沈着”であることが欠かせません。そしてまわりに流されず、自分の感情を理性でコントロールする。感情に任せて行動すると、物事の判断を誤りますから。「頭は冷たく、心は暖かく」が大切です。とはいえつらい現実に直面することはあります。でも、「黒があるから白さが分かる」のです。“黒”というのは苦労の“くろ”。仕事、対人関係、病気、経済的な苦労など、苦労人であればあるほど、いろんなことを経験しています。それは同時に、苦労から脱出する方法も知っているということ。苦しいことを経験し、どうやってそれを乗り越えてきたか。人生というのは、そういう脱出劇の繰り返しです。金銭的に散々苦労をした人が、その状態から抜け出して経済的に楽になったときは、人一倍お金のありがたみを感じるでしょう。また、大病を患い、それを克服して健康になったときに、足が動く、手が動く、自分で何でも行動できるー、ふだんなら当たり前と思っていることが、ありがたく感じる。それは大病で苦しんだからこそわかるのです。現在のロシアとウクライナの戦争のニュースを見ていると、この日本の平和という“白さ”のありがたみがわかるはずです。私は先の戦争を経験しています。広島、長崎に原爆が落とされ、多くの国民の命が奪われました。戦争は経済をひっ迫させ、食べる物もなくなり、世の中全体を“黒”にしてしまうのです。今、お茶わん一杯のごはんを口にしたときに、戦争のない平和のありがたみを身に染みて感じます。“白さ”というのは、健康であったり、幸せや喜び、そして平和であるということ。今ある“白さ”の大切さをかみしめて日々を過ごしましょうーー。
2023年01月01日『女性自身』年末年始号では、麗人・美輪明宏さんに“清く美しく生きるためのコツ”をテーマにインタビュー。ここでは「息が詰まりそうなとき」に思い出したいメッセージを紹介しますーー。人生には、苦しい時期や切羽詰まったりすることが必ずあります。そういうときに一服の清涼剤となってくれるのがユーモアです。ユーモアは大昔から必要とされてきました。たとえば、平安時代には『鳥獣戯画』というものがありました。カエルやウサギなどがまるで人間のように面白おかしく世相をからかう絵巻物。やがてそれが進化していくと、ふんどしや提灯のお化けになったり……。何もかもが擬人化した絵巻物として描かれ、人々の心を和ませていたのです。江戸時代の元禄期になると、京都に芸で笑いを取る寄席のようなものが生まれます。人々は芸によって笑いを楽しむ時代へと移り、それが現代も続いています。海外でも昔のフランス宮廷には、王様のそばに必ず道化師がついていました。王様を和ませ、一息ついてもらうために、道化師が政治家や貴族をからかって笑いを取る。そうやって王様のご機嫌を取る、といった時代もあったのです。人間にとって、なぜ笑いやユーモアが必要なのかといえば、それだけ実生活というものがシビアで苦しいものだから。どこかで息を抜きたい、笑いたい、逃れたい……、そういう思いが昔から今に至っても連綿と続いています。人々は常にどこかにはけ口を求めているのです。そのいっぽう、ユーモアを楽しむためには、見る側、聞く側も、ふだんからいろんなことを知っておかないとダメです。世界の歴史や文化をはじめ、いま世の中で話題になっている人の名前や事象など、知識と教養、そして情報を幅広く身につける。自分自身のユーモアのセンスを磨くこともとても大事です。これはフランスの小咄ですが、ある貴婦人が記者のインタビューに答えたユニークな話があります。記者が「今度生まれ変わったときも女性に生まれたいと思いますか?」と質問。貴婦人は「当然です」と即答。記者が「そんなに女性がお好きですか?」と続けて聞くと、なぜか貴婦人の答えは「大嫌いです!」。記者は「大嫌いなのになぜ生まれ変わりたいとおっしゃるのですか?」と問うと、その貴婦人は「こんな厄介な人間を愛さなきゃいけない、抱かなきゃいけない男に生まれ変わる……、そんな悲劇に見舞われるぐらいなら、女に生まれ変わるほうがマシです」って。そのセンスある受け答えに、みんな大笑いしたそうです。人の心は、笑いやユーモアによって癒されます。どれだけギスギスした大変な世の中であっても、生きる知恵として、ふだんから生活の中に取り入れておくといいですね。
2023年01月01日『女性自身』年末年始号では、麗人・美輪明宏さんに“清く美しく生きるためのコツ”をテーマにインタビュー。ここでは「人との付き合い方に悩んだとき」に思い出したいメッセージを紹介しますーー。心美しき人と付き合いたい―。それは誰もが望んでいることでしょう。家族、夫婦、そして友人……。自分自身が諸手を挙げて安心できる人、かまえることなく付き合える人を、みなさん求めています。ところが、心がゴミだらけで、荒れ果てた川だったりする人に限って、透明の心を持った人を求めたがるのです。自分の心が汚れているから、何も要求しない、心のきれいな人と付き合いたい。残念ながら現代にはそういう人のほうが多く見受けられます。しかし、汚れたゴミだらけの川に、いくらきれいな水を流しても、中流から下流のほうへ行くと、真っ黒な汚い川になってしまいます。それは汚い川のほうが力が強いから。あなたが心の美しい人と付き合いたいと望むのなら、まずは自分の心を大掃除しましょう。これまで自分が川に捨てたゴミを一つひとつ拾い上げ、自己反省する。そのうえで慈悲の心を持って研鑽を積む。きれいな川底に、きれいな水を流せるようにしないといけません。自分の心の川を磨かないと、いつまでたっても汚れて濁った川のままです。自分自身の心の川がきれいでなければ、いくらほかの人のきれいな川に頼っても、結局はゴミのような川であることに変わりはないのです。自分のことを省みず、ただきれいな水を欲するのは間違いだということです。同時に忘れてはならないのが「親しき仲にも礼儀あり」ということ。これは人間社会の中で生きていくうえで、いちばん基本となるものです。どれだけ親しい間柄であっても、礼儀は不可欠。それにはまず、言葉遣いが大切です。たとえば、昔の会社では、上司が部下のことを“君(キミ)”と言っていました。“キミ”というのは“君子”の君でもあり、相手の人格を認めている言葉なのです。“貴方(あなた)”という意味での“貴君”が“君”になって、“君、こうしてくれたまえ”と、貴族が使うような言葉で部下に指示を与える。部下は上司が自分の人格をきちんと認めて、敬意を表してくれていると、言葉遣いから感じることができたのです。ところが、今は職場だけでなく、家庭や学校でもひどい言葉遣いが日常的に飛び交っています。“おまえ”“てめえ”“これやれ”“あれやれ”……。言われた側は、礼儀どころか敵意を感じて、“なんだこのやろう”と思うでしょう。昔の女性は、言葉の最後に“ね”や“な”をつけていました。“そうしてくださいね”“そうしてくださいな”と。そう言われると、言葉もマイルドな印象になってかわいらしいし、角も立たない。言葉遣いひとつで、その人の印象や相手との付き合い方は大きく変わってくるのです。品のない言葉を使う人は人格を疑われます。いっぽう、丁寧な美しい言葉を使う人は、周囲から尊敬され、一目置かれる存在になります。それから、どんな些細なことでも、“感謝の言葉”を忘れないこと。“ありがとう”“ごくろうさまでした”―。家庭でも職場でも、相手に対して感謝の気持ちをしっかり伝えることはとても重要です。丁寧な言葉遣いと感謝の言葉。この2つを忘れずに守っていれば、人間関係はうまくいきます。無理して相手と深く付き合う必要なんてありません。腹いっぱいに付き合おうとすると、過度な押し付けや見返りを期待したりすることも出てくるからです。そうなるとお互いのわがままも顔を出し、言葉もどんどんひどくなっていく。お互いの人格をきちんと認めてさえいれば、人間関係は“腹六分”ぐらいでちょうどいいのです。
2023年01月01日世の中には、運気が上がるとされているジンクスが数多く存在します。風水を始め、「毎年4月の満月を見ると恋愛運が上がる」といったものや、「黄色い物を財布に入れると金運が上がる」といった話は有名ですよね。そんな中、ある芸能人にまつわるジンクスが国内外で広まっているのをご存知でしょうか…。「美輪明宏さんをスマホの壁紙に設定すると、運気が上がるらしい」なんと、歌手や俳優などマルチに活躍を続けている美輪さんの写真を、携帯電話の壁紙に設定すると、幸運を呼んでくれるというのです!美輪さんといえば、浮世離れした独特な雰囲気や、派手で圧倒的なオーラが特徴的な人。その姿からは、神々しさすら感じます。そんなジンクスを受け、2022年4月12日に1枚の画像を投稿したのは、日清食品株式会社が販売するカップ麺『どん兵衛』のTwitterアカウント。なんと、急激に運気がアップしそうな最強の壁紙を配布したのです!美輪明宏さんを壁紙にすると運気がアップするという噂が国内外で広まっているらしいので、最強どんぎつねさんで作ってみました。運気を最&強にしたい方向けの最&強な壁紙です。 #最強どん兵衛 #美輪明宏 pic.twitter.com/tZSnytLpZj — どん兵衛 公式 (@donbei_jp) April 12, 2022 写っているのは、同年3月から『どん兵衛』のCM『最強どんぎつね 篇』に登場している、最強どんぎつねさん!チャームポイントのまぶしい金髪と、九尾の尻尾、穏やかな笑みを見ていると、いいことが起こりそうな気がしますね!『運気を最&強』にできるかもしれないという、美輪さんの特別な壁紙。早速、多くの人が壁紙に設定したようです。・す、すごいパワーがあふれ出ていそうだ…ッ!・CMを見た時から「ご利益がありそう!」って思ってた!この壁紙、もらった!・『最&強』だし最高。特に金運が上がりそうな色合いですね!新たな年度の幕が上がる、4月。これからの1年をよりよいものにしたい人は、美輪さんのパワーに頼ってみてはいかがでしょうか…![文・構成/grape編集部]
2022年04月14日田中義剛(64)が代表取締役社長を務め、生キャラメルで有名な「花畑牧場」(北海道中札内村)。2月24日に労使トラブルが報じられて以降、3月14日には花畑牧場側がベトナム人従業員3名を刑事告訴したことが明らかになるなど、余波が広がっている。「今年1月26日に38名のベトナム人従業員が、寮の水光熱費を一方的に値上げされたとして抗議のストライキを実施。ですが“ストライキの報復”で不当な雇い止めをされたとして、会社側に撤回を求めたと報じられました。一方で、会社側は『不当な争議行為』としてベトナム人従業員4名に、計200万円の損害賠償請求をしたことが判明したのです」(全国紙記者)しかし2月28日、同社はホームページ上に「ベトナム人従業員に関する一連の報道について」と題する声明を発表。ベトナム人従業員に対する不当な雇い止めを否定し、雇用の終了は“契約上のもの”として次のように説明している。《当社では、ベトナム人従業員の受入を約1年半前からはじめ、現在135名のベトナム人従業員を受け入れています。そして、この135名のベトナム人従業員は、毎年3月15日を契約期間の終期となっており、更新する者については毎年3月16日から翌年3月15日までの1年間の契約を締結することになっています》次に、「寮の水光熱費が月7,000円から1万5,000円に値上げされた」と報じられたことにも言及。“コミュニケーション上の齟齬があった”として、従業員側が「月7,000円の固定費」と認識していたと説明。値上がりした理由については、大寒波の影響等により冬場の暖房費が高騰したことを挙げている。各メディアによれば、3月14日に第1回目の団体交渉が行われたが、双方の主張は平行線に終わったという。一方で同社は、一部切り取られた田中の音声データが拡散されたとして、ベトナム人従業員3名を名誉毀損などの疑いで刑事告訴したとも報じられた。このことについて札幌地域労働組合の鈴木一副委員長は、「立場の弱いベトナム人を刑事告訴するのは脅しだ」と批判しているという。■ベトナム人従業員との契約期間が異なる文書が提出されていたそんななか、新たな続報が。3月15日、共同通信が「ベトナム人契約期間で異なる書類入管に提出、花畑牧場を当局調査」と題する記事で、《入管当局にベトナム人側と交わした書類とは異なる契約期間の文書が提出されていた》と報じたのだ。「昨年3月15日付で交付された『労働条件通知書』では、契約期間は今年の3月15日までとなっていたそうです。確かにこれは、会社側が2月28日にホームページで説明した通りです。しかし昨年10月20日付で入管に提出された『雇用条件書」では、期間が今年の10月31日までとなっていたのです。入管は虚偽の届出の可能性があるとして、調査を開始しました」(前出・全国紙記者)同社は3月14日に再びホームページ上で労使トラブルの経過を報告し、問題視されている契約期間について釈明。特定技能及び特定活動の在留資格を有するベトナム人の受け入れについて、同社は’20年9月から登録支援機関「FUN To FUN 株式会社」に支援業務を委託してきたという。その上で「労働条件通知書」の契約期間が「本年3月15日までになっていた」と認め、次のように説明している。《ベトナム人等との間での書面等のやりとりは全て FUN To FUN 社を通じて行っていたため、当社は本年2月4日に改めてFUN To FUN社の担当者に確認し、担当者からは「契約期間の終期が3月15日で問題ない」との回答を得たうえで、契約期間の終了に向けた今回の対応を進めていました。ところが、その後、当社の手元にある「労働条件通知書」の記載とは異なる契約期間の終期が記載された「雇用条件書」がFUN To FUN社を通じて出入国在留管理庁に提出されていたことが発覚しました》■14年前「やり方が乱暴だった」と話す田中に美輪明宏から“公開説教”もますます深刻化する労使トラブル。’94年に「花畑牧場」を開業してから、現在の規模に成長するまでは紆余曲折あった。「もとはチーズの生産から始まりましたが、転機となったのは’07年に『生キャラメル』が大ヒットしたこと。タレントである田中さんの知名度も奏功し、メディアで大きく取り上げられ北海道みやげの定番となりました。ですが商売の成功とは裏腹に、田中さんは当時も従業員との間でトラブルがあったことを明かしていました」(テレビ局関係者)それは’08年10月放送の『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』(テレビ朝日系)に、田中がゲスト出演した時のこと。番組冒頭で「生キャラメル」が話題にのぼるなか、田中は「従業員が30人も辞めて、1人しか残らなかった」時期があったと打ち明けたのだ。自らの素行に原因があったとして、「乱暴だったんですよ、自分が、やり方が。(従業員たちが)辞めていって、本当に当然だと思います」と振り返った田中。一時は牧場の閉鎖まで考えたというが、“最後の仲間”が彼を支えてくれたことで「従業員が3年で500人も増えた」と語っていた。そんな経営者としての振る舞いを、美輪明宏(86)と江原啓之(57)から“公開説教”されたのだ。美輪に「相手の気持ちを考えないで、自分の感情だけで物を言っていたのね」と投げかけられると、田中は「いや、全部そうでした。経営者としても、最悪でした」とコメント。懺悔する田中の話に耳を傾ける美輪は、こう指摘したのだった。「こうやってお話してると穏やかだけど、仕事のことで注意したりすると、ものすごくキツくおなりになるところが見えるのね。何気なく本当に一生懸命になって仕事のことを言ってるんだけど、それが向こうにとってはね、恨みになる人がいるのよね」そして、神妙な顔で田中を諭した。「会社が大きくなったらね、根性や精神論だけじゃ成立しないんですよ。あくまでも今度は、あなたの今までの情念、根性、そういうものは置いておいて、理性だけ。理性ですべて計算して、人心掌握術でカッときたときでも、いったん(怒りを)飲んで、改めて頭が冷えたところで、『これは、こうでこうだろう。だから、こうしなさいよ』と(冷静に説明する)。それが経営者の、つまり帝王学なんですよ」また腑に落ちないことがあると、1人で農業団体に抗議しに行くとも明かしていた田中。江原からも「美輪さんがおっしゃった理性で、感情は抜いて、理性で会社もきちっとして」と、感情的になる性格を諌められていた。経営者としての覚悟を諭されていた田中。今回のトラブルをめぐって“コミュニケーションの問題”にも言及しているが、美輪から授かった心得を生かして、騒動が早期に解決されることを願いたい。
2022年03月17日「寂聴さんは99歳でしたから、あと少しで100歳だったのに……悲しいですね」そう語る美輪明宏さん(86)。今年11月9日に亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(享年99)との思い出を振り返るーー。■愛を貫き通した寂聴さんとはお互いに「双子じゃないか」って昔から愛をまっとうされる方や、信念を貫き通す人物はいました。それがスキャンダルになったり、後世に伝えられるような伝説になることもあります。たとえば、『花子とアン』のモデルになった柳原白蓮をはじめ、与謝野晶子や岡本太郎さんのお母さま、岡本かの子さんなどもそうです。政治家では、婦人参政権獲得運動を牽引した市川房枝さんのような“烈女”は、たまに現れます。その流れをくむ方が、先日お亡くなりになった瀬戸内寂聴さんでした。寂聴さんとは50年以上前に出会いました。何かの取材で、私のマンションに、まだ無名だった寂聴さんがいらっしゃって、インタビューを受けたのが最初でした。そのとき、三島由紀夫さんにファンレターを出されて、「ていねいなお返事が来た」と感動されていたことを今でもよく覚えております。寂聴さんは私より13歳年上でしたが、モダニズムの時代、戦中、戦後をともに生きてきました。寂聴さんが東北で行った説法におじゃまして、一緒にお話をさせていただいたこともあります。二人で長崎、東京でも講演会をやりました。同じ反戦派であるということだけではなく、思想観や価値観など、多岐にわたって考え方が似ているので「双子じゃないか」って言い合ったほどです。寂聴さんは25歳のときに、3歳の娘と夫を捨てました。そして、夫の教え子だった若い青年と駆け落ちをしました。後に娘さんとは仲直りをされましたが、寂聴さんはあの年になられても、ずっと「後悔している」と、罪の意識を持ち続けておられました。私には「人助けは罪滅ぼし」だと、おっしゃっていました。寂聴さんも愛を貫き通した人でした。罪滅ぼしだと思って、人々を恭敬し、各地で説法を行い、身の上相談をなさってこられた。ご自身がいろんな経験をされてこられたから、他人の気持ちもわかったのだと思います。晩年、安全保障関連法案に反対するために、国会前に抗議に行かれたこともありました。“気骨のある烈女がまた一人いなくなった”ーー。そういう寂寥感が大きいです。
2021年12月31日「私自身、この一年間はテレビのレギュラー番組以外のお仕事は、ほとんどお断りさせていただきました。ずっとコロナ禍でしたから、講演のお仕事もキャンセルするなど慎んでおりました」そう語る美輪明宏さん(86)。それでも、この一年で感じることができた“明日への希望”とは?美輪さんがコロナ禍“負の一年”を振り返るーー。■自然にほほ笑みを振りまける大谷選手が明るい希望今年は寂寥感もあった一方で、“これぞ日本だ!”という希望もたくさん生まれました。とくにうれしく思ったのが、日本の若者たちの活躍でした。メジャーリーガーの大谷翔平選手は、満票でMVPを獲得されました。試合中のベンチの様子もよく映されていましたが、彼はチームメートと仲がよくて、みんなから好かれていることがよくわかります。日本人のいいところは、ほほ笑みを振りまくことができること。大谷選手はそれを意識的にするのではなく、自然にやっていますね。野球の本場アメリカで、文句なく認められたわけですから、素晴らしい。コロナ禍の日本に明るいニュースを届けてくれました。またゴルフでは、アメリカのマスターズ大会で、日本人初の優勝を成し遂げた松山英樹選手。優勝したら跳んだりはねたりして喜ぶのかと思ったら、彼は平然としていました。ちょっとお太りになられたせいもあるのかも(笑)。テレビで試合を見ておりましたが、さすがにこれは無理だろうと思うような場所からでも、冷静に正確なショットを打ち、崩れませんでした。その集中力とメンタルの強さにはびっくりしました。国内では、将棋の藤井聡太竜王が、また史上初の最年少記録(四冠)を更新されました。実力もさることながら、19歳の若さで、あれだけの礼儀作法を身につけていらっしゃるのですから感心いたします。対局で座敷に入ってくるときの入り方、歩き方を見ても、畳の縁を踏まないような規則正しい歩き方をなさっています。着物もいい物を着てらっしゃるし、着こなしもいい。そして4時間も5時間も座っていても、身じろぎもせずに姿勢を崩さない。さらに将棋の指し方も、おごることなく静か。とても丁寧でエレガントです。五冠になるのは時間の問題ではないですか。音楽界では、ピアニストが目指す世界最高峰の舞台といわれている「ショパン国際ピアノコンクール」で、反田恭平さんが第2位、小林愛実さんが第4位に同時入賞するという快挙がありました。このように、日本の若い人たちがスポーツ界のみならず、さまざまな分野で活躍されています。そういう姿を見るたびに、希望の光が見えてきます。“日本もまだまだ捨てたもんじゃない”ーーと。9月末に緊急事態宣言が解除されてから、イベントなどの入場規制なども元に戻りつつありますが、まだまだ安心できないですね。私は86歳です。昔から気管支炎の持病がございますから、とくに慎重にならざるをえません。コロナ禍になる前のように、お芝居や音楽会を開催して、もし私が感染したら、イベントそのものが中止となり、スタッフやお客様に大変なご迷惑をおかけすることになります。そして何よりも、イベントに来られたお客様のなかから感染者が出るようなことだけは、絶対にあってはなりません。とにかく、私は人様にご迷惑をおかけすることがいちばん怖い。だからできるだけお仕事をセーブしながら、安心できる日が来るのを待つことにしたのです。毎日自宅で、ストレッチや運動などをしながら、私自身の体力を維持するための生活をずっと続けております。この2年近く、世界中がコロナ一色でした。いま日本は感染者数が減少しておりますが、私はこの状態がずっと続くとは思っておりません。オミクロン株だけでなく、また別の新たな変異株が、いつどこで出現するかわかりませんからね。“第5波”のような感染拡大が、再び起きる可能性はゼロではありません。このまま皆さんが安心して、何もかもが開放的になってしまうことがいちばん怖いですね。気が緩みがちないまこそ、「勝って兜の緒を締めよ」ーー。来年を無事に乗り切るためにも、この言葉を胸にお過ごしください。
2021年12月31日「私自身、この一年間はテレビのレギュラー番組以外のお仕事は、ほとんどお断りさせていただきました。ずっとコロナ禍でしたから、講演のお仕事もキャンセルするなど慎んでおりました」そう語る美輪明宏さん(86)。コロナ禍“負の一年”を振り返る——。■マスクは現代版の手拭い。抵抗感がないのは当然のこと今年一番のニュースは、やはりコロナになりますね。人類は古代から感染症と闘ってきました。天然痘、ペスト、スペインかぜ……。日本でも平安時代に、疫病がはやったことがありました。当時、疫病がはやった原因は、学問の神様として知られる菅原道真が、道真を妬む貴族たちによって“宮廷から追い出されたからだ”という噂が広がりました。その後、菅原道真を天神様としてお祭りして、疫病をおさめたという伝説があります。私は常々「正負の法則」のお話をします。プラスの数と同じぐらいにマイナスもあるーー。今年はまさに、“負”の年だったと思っております。では、コロナ禍になる前はどうだったか。どうにかこうにか景気はいい状態で、全体的には“正”の部分のほうが多かったのではないでしょうか。もちろん、場所によっては、地震や水害といった自然災害が起きた“負”の部分もありました。しかし、新型コロナウイルスへの感染によって、世界全体で累計500万人以上も死者が出るようなことはありませんでした。いま日本は、感染者数が減少しておりますが、ドイツや韓国といった国々では、逆に感染が広がっています。昔からドイツ人は、物事を論理的に考えるそうですが、理屈っぽくて頑固ともいわれます。ニュース映像を見ていると、感染が拡大しているにもかかわらず、街ではマスクを着けていない人が多いことに驚きます。マスクをしない理由は、そういった頑固さからきているのかもしれません。一方、感染者が減少している日本はどうか。マスクを着け続けることにそれほど抵抗がありません。どうしてだとお思いになります?“感染対策の意識が高いこと”や“周りに迷惑をかけてはいけない”という理由もあるでしょう。私は、それ以外にも日本の服装の歴史が大いに影響しているのではないかと考えております。たとえば、江戸時代に広く用いられた「頭巾」です。頭や顔を包む布製の被り物で、僧侶や武士、町人らが、防寒、ほこりよけ、そして人目を避けるために使っていました。女性たちも外をお忍びで歩くときは、「御高祖頭巾」という紫の頭巾を被っていました。さらに、あの有名な大泥棒・ねずみ小僧も、手拭いで頬被りをしていますでしょ(笑)。日本にはそういった被り物に対する歴史が昔からずっとあるのです。欧米には、そのような歴史がございません。あっても仮面舞踏会といった程度です。日本人は、顔を包み隠したり、日常のなかで顔を覆う必要があるときは、ねずみ小僧のように、だいたい手拭いを使っていました。その現代版がマスクだと思っています。感染者が減少しても、日本人がマスクを着け続けているのは、国民性として、いわば当然のこと。それが外国との大きな違いなのではないでしょうか。私は毎日散歩をしておりますが、外に出れば、今でもほとんどの人がマスクをしています。保育園でも子どもたちは、ちゃんとマスクを着けていますし、お迎えに来られる親御さんたちも、しっかりマスクをされています。たまに、マスクをされていない方とすれ違うことがありますが、そういう方はいかにも怖そうな顔で、頑固そうな感じの人ですね。私は、日本に生まれて本当によかったと思っております(笑)。
2021年12月30日住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう!わかる」って盛り上がれるのが、青春時代、恐怖に震えた心霊写真や怪奇現象の話。活躍する同世代の女性と一緒に、’80年代を振り返ってみましょうーー。’80年代は空前のオカルトブーム。夏休みの子どもたちは、午前中はプールに出かけ、午後はワイドショーの心霊写真のコーナー、夜は怪奇特番を楽しみにしていました。一部の小売店でも、心霊写真展などを開催していたようです」こう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(53)。それほどのブームになったのは、社会的背景もあるという。「’60年代から’70年代にかけて、日本は高度経済成長期を迎え、物質的に豊かになりました。その一方で“このまま科学技術を妄信していいのだろうか。人知を超えた大切なものがあるのではないか”と考える人も増えたのです」ベトナム戦争が泥沼化した時代、反戦運動、瞑想、サイケデリックなどに傾倒する“ヒッピー文化”も台頭。また、’69年のアポロ11号の月面着陸に人々は心を躍らせた。「UFOや宇宙人など、未知のものへの探求心がくすぐられたことも、オカルトブームの原動力になったのではないでしょうか」その言葉どおり、’70年代に入ると、ユリ・ゲラーのスプーン曲げを代表とする超能力、口裂け女やネッシー、ツチノコの目撃談など数々のブームが起こり、コンテンツも細分化されていく。「現代ではデジタル技術を使って、心霊写真など容易に加工できますが、当時は紙焼き写真。一般の人が合成するのは難しく、より一層、信憑性が高く感じられました。修学旅行などで日光の華厳の滝の前で記念撮影した際は、写真に“何か”が写り込んでいないか、探した人も多いはずです」’80年代には宜保愛子さんが登場し、「ノストラダムスの大予言」の関連本も飛ぶように売れた。だが、“地球が滅亡する”と予言された「一九九九の年、七の月」を過ぎると、ブームも下火に。「一連のオウム真理教の事件などの影響もあり、当時すでに大手メディアでは、現実社会を否定するようなオカルト番組を扱いづらくなっていた側面もあるでしょう」’00年代に入ると、『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』(’05〜’09年・テレビ朝日系)などで、オカルトとは似て非なる“スピリチュアル”が注目された。「かつて霊は“呪い”のようなマイナスのイメージでしたが、スピリチュアルでは“守護霊”など、プラスに捉えられることも多いのが特徴のひとつでしょう。物質的に豊かになり、科学技術が進歩しても、人は目に見えない“何か”に、心の拠りどころを求めてしまうものなのです」
2021年05月31日「今の状況は戦時下とよく似ています」……夏に行ったインタビューでも、そう語っていた美輪明宏さん(85)。第3波が猛威を振るい、相変わらず収束が見えないコロナ禍のなか迎える新年を、私たちはどう生きればいいのだろう?美輪さんからの新しい1年に歩み出す希望の提言ーー。’20年は、世界中が新型コロナウイルスに翻弄され続ける1年となりました。ここにきて国内では東京、大阪、北海道、兵庫など各地で、一日での新規感染者数が過去最多を記録するなど、第3波の猛威は、すでに第1波、第2波を超える危険な状態だと感じております。コロナによって、社会は一気に激変しました。外にばかり目を向けた生活から、家の中でこもる生活へと変化しました。これは知性と教養を身に付けるいいチャンスです。この機会に、日本の伝統文化、芸術を学んでください。じつは日本の家の中は、文化の宝庫。たとえば、陶器がいい例です。洋食器というのは簡単で、小皿やパン皿など種類はいくつもありません。形だって大して変わらないでしょ?日本の家庭の台所には、中華皿、洋皿から和食器、○○焼のお皿など、とにかく食器の種類が豊富。こんなにお皿がある台所は、世界で日本ぐらいです。まさに食器の文化、食の文化のすごさがわかります。私たちはそういうことを誇りに思うべきです。忘れかけていた伝統と文化を掘り起こす。そして、人間としてのレパートリーを増やす。今はそういうチャンスだと、お思いになってください。伝統と文化を世界に伝えていけば、日本はもっと認められるでしょう。家の中で過ごす時間がある今だからこそ、家の中でできることをもう一度見直すーー。そうすれば、コロナが収束した暁には、人間的にすごい財産ができている。一生の役に立ちます。「温故知新」ーー昔を学び、知恵をつけることで、精神的修行者としての今の自分の立ち位置、置かれている状況などが見えてきます。そうすると、自分がどれだけありがたい存在であるか。いろんなことが学べて、新しい発見もいっぱい出てきます。“ありがたみ”や“感謝”が、自分自身という身近なところにあることに気づく。感謝の気持ちを知ることで、自分自身を見つめ直すことができれば、’21年の新たな生き方も発見できるでしょう。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2021年01月03日「今の状況は戦時下とよく似ています」……夏に行ったインタビューでも、そう語っていた美輪明宏さん(85)。第3波が猛威を振るい、相変わらず収束が見えないコロナ禍のなか迎える新年を、私たちはどう生きればいいのだろう?美輪さんからの新しい1年に歩み出す希望の提言ーー。’20年は、世界中が新型コロナウイルスに翻弄され続ける1年となりました。ここにきて国内では東京、大阪、北海道、兵庫など各地で、一日での新規感染者数が過去最多を記録するなど、第3波の猛威は、すでに第1波、第2波を超える危険な状態だと感じております。コロナによって、社会は一気に激変しました。外にばかり目を向けた生活から、家の中でこもる生活へと変化しました。これは知性と教養を身に付けるいいチャンスです。この機会に、日本の伝統文化、芸術を学んでください。それどころじゃないとおっしゃる方もおられるでしょうが、まあ、お聞きください。たとえば、日本語を学ぶのもいいですね。日本語というのは縦書きになるようにできています。わざわざ横書きにする必要はない。そういうふうな日本語の素晴らしさを知れば知るほど、日本文化の奥深さを同時に学ぶことができるでしょう。人間は肉体と精神でできています。肉体を維持するためのビタミン剤は、過剰なぐらい世の中に出回っています。いっぽう、精神を維持する栄養剤といえば、それは文化です。日本の美術、文学、スポーツ、音楽……とにかく多岐にわたってあります。その質のいいものに触れてさえいれば、精神は栄養失調にならないものです。家の中でも、俳句や和歌は詠めます。湯飲みやお茶碗といったものを作ってもいい。碁や将棋だっていいし、日本は昔からそういったことを四畳半の部屋で学び、伝統を継承してきました。将棋の藤井聡太さん、あの若さで、お行儀のいい格好のまま、4〜5時間もほぼ座りっぱなしで対局をなさっています。礼儀正しく、お辞儀も深々とされて少しも乱れない。精神力のすごさ、礼儀作法の見事さは、誇るべき日本文化だと思います。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2021年01月02日「今の状況は戦時下とよく似ています」……夏に行ったインタビューでも、そう語っていた美輪明宏さん(85)。第3波が猛威を振るい、相変わらず収束が見えないコロナ禍のなか迎える新年を、私たちはどう生きればいいのだろう?美輪さんからの新しい1年に歩み出す希望の提言ーー。’20年は、世界中が新型コロナウイルスに翻弄され続ける1年となりました。ここにきて国内では東京、大阪、北海道、兵庫など各地で、一日での新規感染者数が過去最多を記録するなど、第3波の猛威は、すでに第1波、第2波を超える危険な状態だと感じております。コロナによって、社会は一気に激変しました。それまでは、仕事があること、買い物をすること、食事や旅行に行くことなど、皆さん日常生活の一部として、当たり前のように過ごされていたと思います。毎日ご飯を食べること1つ取っても、それほど深く考えることはなかったのではないでしょうか。私たちがご飯を食べるまでの過程には、大勢の人たちが関わっています。まず生産者。そこでお米や野菜などが作られるわけです。そして収穫された農産物を運搬する人や仲卸人。さらにその先には店舗で商品を販売する人たちがいます。飲食店に行けば、それらの食材を料理人が調理して提供します。このように何人もの人の手によって、毎日のご飯がいただけるわけです。これは食以外のすべてのことにも言えます。今まで当り前だと思っていたさまざまな日常生活が、コロナによって奪われました。しかし、それが逆に、当たり前の日常に感謝するというきっかけを作りました。これまで自分の力だと思っていたことも、じつは多くの人に支えられていることに気づいたり……。長引く自粛生活の中で、忘れかけていた“人への感謝の気持ち”を思い出させたのは、コロナの功績かもしれません。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2021年01月01日「今の状況は戦時下とよく似ています」……夏に行ったインタビューでも、そう語っていた美輪明宏さん(85)。第3波が猛威を振るい、相変わらず収束が見えないコロナ禍のなか迎える新年を、私たちはどう生きればいいのだろう?美輪さんからの新しい1年に歩み出す希望の提言ーー。’20年は、世界中が新型コロナウイルスに翻弄され続ける1年となりました。ここにきて国内では東京、大阪、北海道、兵庫など各地で、一日での新規感染者数が過去最多を記録するなど、第3波の猛威は、すでに第1波、第2波を超える危険な状態だと感じております。11月、世界で最もコロナ感染者が多い国アメリカで、大統領選挙が行われました。バイデンさんが勝利しましたが、結果に納得しないトランプさんは、「最高裁まで争う」と言っています。でも、もう半分折れてきているようですけど(笑)。時代遅れのトランプさんよりいいリーダーは、世界にごまんといますよ。バイデンさんは選挙期間中、コロナ対策について、国民に強く訴えかけていましたね。その内容は常識的で、トランプさんと違ってまともなことを言っていました。今回の選挙はアメリカ国内を二分しました。理知的な人と感情的な人が半々に分かれた−−。そう表現したほうがわかりやすいかもしれません。感情的な人はみんなトランプさんを支持し、理知的な人は“反トランプ”、つまりバイデンさんに投票した。その結果、“反トランプ票”が僅差で上回ったという感じです。日本でも7年9カ月近く続いた安倍政権から、菅政権に代わりました。菅さんはこれまで自らが命令し、自分の主義主張を押し通す習慣がなかった人でしょ?長い間下働きをして、上に言われたことをそのまま実行し、下へ伝えることをずっとやってきた、そういう習性が身に付いている人に見えます。もちろん、菅さん一人が全部できるわけではないし、財界などのしがらみもあるでしょう。それにしても、この危機的状況のコロナ禍で、主体性のない国会答弁を聞いていると、国民の皆さんも不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2021年01月01日「今の状況は戦時下とよく似ています」……夏に行ったインタビューでも、そう語っていた美輪明宏さん(85)。第3波が猛威を振るい、相変わらず収束が見えないコロナ禍のなか迎える新年を、私たちはどう生きればいいのだろう?美輪さんからの新しい1年に歩み出す希望の提言ーー。’20年は、世界中が新型コロナウイルスに翻弄され続ける1年となりました。ここにきて国内では東京、大阪、北海道、兵庫など各地で、一日での新規感染者数が過去最多を記録するなど、第3波の猛威は、すでに第1波、第2波を超える危険な状態だと感じております。政府は第3波の感染拡大を受け、「Go To トラベル」や「Go To イート」などの一部停止に踏み切りましたが、相変わらず決断を下してから実行に移すまでのスピード感はないですね。観光業界や飲食業界は、自民党の大事な票田です。そういう業界から嘆願書が来ると、嫌でも次の選挙に関わってくるので、菅首相も簡単に中止するわけにはいかない。規制するにしても、緩くしかできなかったのでしょう。ただ、政府を責めてばかりもいられません。大手航空会社が、グループ全体の社員を3,500人も削減するという報道もありました。コロナの影響で、仕事を失った方々が多くいらっしゃることも事実です。そして、さまざまな業界で給与削減、ボーナス、退職金が払えないといった話なども耳にします。ボーナスや退職金が出る会社は、まだいいほうかもしれません。東京、神奈川、大阪など感染者数が多い地域では、お酒を提供する飲食店に対して、再び時短営業の要請が出されました。店舗を借りて飲食店を経営するオーナーたちには、家賃、従業員の給与、光熱費などの支払いが重くのしかかっています。貯金がいっぱいあれば別ですが、毎月カツカツで商売をやっているお店だと、いくら国や自治体からの給付金や協力金をもらっても、それだけでは食べていけない。第1波以降、閉店に追い込まれたお店も少なくありません。国民はそういう飲食店の苦しい経営事情をよく理解していると思います。お店側もお客さんに安心して来てもらうために、衛生面での気配りをはじめ、入店の際は検温、手の消毒、そして人数や座席の制限を設けるなど、クラスターが起きないように、皆さん我慢と努力を続けながら、必死に経営をなさっています。私たちのエンタテインメント業界も、大打撃を受けています。コンサートやお芝居などは、すべてキャンセル。観客数を大幅に減らして、やっているところもありますが、結果的には赤字になってしまう。だから、赤字になるぐらいなら、いっそのことやらないほうがいい、と。そしてプロダクションのタレントやアーティストたちも仕事がなくなって困っています。死活問題ですが、まだ今の段階では、ブレーキとアクセルをうまく使いながら、感染者をできるだけ増やさないように、経済を動かしていくしか方法はありません。経済が回らなくなってしまったら、各家庭が食べていけなくなる。そうなれば、国全体が食べていけなくなってしまいますから。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2020年12月31日「今の状況は戦時下とよく似ています」……夏に行ったインタビューでも、そう語っていた美輪明宏さん(85)。第3波が猛威を振るい、相変わらず収束が見えないコロナ禍のなか迎える新年を、私たちはどう生きればいいのだろう?美輪さんからの新しい1年に歩み出す希望の提言ーー。’20年は、世界中が新型コロナウイルスに翻弄され続ける1年となりました。ここにきて国内では東京、大阪、北海道、兵庫など各地で、一日での新規感染者数が過去最多を記録するなど、第3波の猛威は、すでに第1波、第2波を超える危険な状態だと感じております。この状況で、多くの命を守るためには、まず“自分が感染しないようにする”ことが大事。そして“自らが感染を広げないように行動する”ことーー。私はこれを徹底しながら、不要不急の外出は控えています。やはりクラスターが怖いですからね。テレビの収録などのお仕事以外は家の中で過ごす。もちろん、ただじっとしているわけではありません。読書を中心に、歴史や文学、芸術など、家で学べるさまざまな勉強や情報収集は欠かさずやっております。同時に、外出しないことで、体力や筋力が落ちることのないように、体操やトレーニング、ウオーキングなどを毎日続けながら、コロナ収束後の生活に備えています。幸いなことに、日本は陸続きのEU諸国、あるいは広大な面積を持つアメリカ、ロシアといった国々と違い、国土が狭いので、世界の中でも、感染者数はまだまだ少ないほうです。コロナ禍を収束させる救いの神は、効果的なワクチンと特効薬が開発されること。今はそれを頼りに、じっと耐えるしかないと思っております。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2020年12月30日「今の状況は戦時下とよく似ています」……夏に行ったインタビューでも、そう語っていた美輪明宏さん(85)。第3波が猛威を振るい、相変わらず収束が見えないコロナ禍のなか迎える新年を、私たちはどう生きればいいのだろう?美輪さんからの新しい1年に歩み出す希望の提言ーー。’20年は、世界中が新型コロナウイルスに翻弄され続ける1年となりました。ここにきて国内では東京、大阪、北海道、兵庫など各地で、一日での新規感染者数が過去最多を記録するなど、第3波の猛威は、すでに第1波、第2波を超える危険な状態だと感じております。それは第2波以降、政府が規制を緩め、街には多くの人があふれるようになったから。おそらく、長期にわたるコロナ禍の生活に慣れてしまい、“自分が死ぬことはない”と考える人が増えてきたからでしょう。とくに若い世代の人たちは、高齢者の方々と比べて、重症化するリスク、死亡率も低い。“自分たちは大丈夫”だと、楽観的な人たちの多いことが、感染拡大に歯止めがかからない要因の1つになっていると思います。私はコロナの収束が見えない今の状況は、戦時下と同じだと思っています。この状況ではとても怖くて出歩く気にはなれません。きっと戦争体験のある人なら、そう感じているはずです。戦時中は、爆弾よけの防空壕を一軒一軒が造ったり、山の陰に横穴式に掘ったりして、いざというときに備えていました。都会の場合はそういう場所がないから、家の床を剥がして防空壕を床下に造っていたのです。そして敵機来襲のサイレンが鳴ると、みんな防空壕に逃げ込んで、外には一切出ない。警戒警報の解除を知らせるサイレンが鳴るまでは、じっと息を殺して、その時を待つ。私たちはそういう体験をしてきたのです。敵がいつ襲ってくるかわからない……。今は、そのときと同じようなことが起きている、そう実感しております。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2020年12月29日2人の息子さんを育てる、母親のお肉(@manimanibleble)さんがTwitterに投稿した内容に、反響が上がっています。ある日、7歳の次男を寝かしつけていると、唐突に「もし僕が事故で死んだらどうする?」と聞かれたそうです。お肉さんは少し悩んだ末、「後を追って死んじゃうかも…」と答えると、次男は笑って次のような言葉を口にしました。「ふふっ…自分勝手なママ……お兄ちゃんはどうするの?…生きなさい…」※写真はイメージ昨日の寝かしつけの時、次男に「もし僕が事故で死んだらどうする?」と聞かれたので「ええ…!んー、後を追って死んじゃうかも…」と答えたら「ふふっ…自分勝手なママ……お兄ちゃんはどうするの?…生きなさい…」と突然の美輪。— お肉さん〆 (@manimanibleble) December 23, 2020 突然のキャラ変!!お肉さんの言葉を制し、残される兄を気にかけた次男。きびしさと愛にあふれた次男の発言は、歌手で俳優の美輪明宏さんを彷彿とさせたようです。投稿には15万件以上の『いいね』と、さまざまなコメントが寄せられました。・なんていい子なの。・忘れられしパパ!・残されたお兄ちゃんのことを考えられるなんて、泣ける…。お肉さんいわく、「超テレビっ子だから、絶対に何かになりきったんだろう」とのこと。優しさあふれる息子さんの返答は、多くの人の心を和ませました![文・構成/grape編集部]
2020年12月26日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(73)が、読者からの相談に答える!【Q】「14歳の中学生の娘がまったく本を読みません。小さいときから読書が趣味だった私としては、本は心を豊かにするものだと。どうしたら娘が本を読むようになるのでしょうか?」(ポムさん・63・パート・埼玉県)【A】「オレは生涯で1.5冊しか本を読んでない」(蛭子能収)オレと一緒ですね。(マネージャー「蛭子さんは70年以上生きていて、1冊しか本を読んだことがないんですよね」)あ、そうですよ、安部……なんとかの、なんとかの女。(マネージャー「安部公房の『砂の女』です」)映画を見て衝撃を受けて原作を読んだんです。あと美輪明宏さんの本も、半年かけて半分読んだことがありますから生まれてから読んだ冊数は1.5冊ですね、うへへ。それにしても、最近はもの忘れがあって、頭がボーっとしている、しかも本を読んだことがないオレに相談しますかね。この人は心が広いかもしれませんが、視野はすごく狭そうですね。本を読むかどうかは娘の自由だと思いますけどね。強制的に読ませる必要はありませんよ。オレは読書しないことで、苦労したことはありません。少し恥ずかしいことぐらい。そんなのどうでもいいことですね。でも、50年以上、スポーツ新聞の競艇のコーナーは読み込んでいます。選手の戦績や天候などを考えながらレースを予想する。きっと視野が広くなりますよ。「女性自身」2020年11月3日号 掲載
2020年10月26日2020年10月13日、華道家として活躍する假屋崎省吾さんがブログを更新。歌手の美輪明宏さんから告げられた言葉を明かしました。假屋崎省吾が感激した、美輪明宏の『言葉』個展の準備をするために、栃木県にある日光東照宮を訪れていた假屋崎さん。日光東照宮にある「見ざるいわざる聞かざる」を意味する『三猿』の彫刻を見て、美輪さんとのある会話を思い出したといいます。余計なことは見たり、いったり聞いたりしないほうがよいという意味の「見ざるいわざる聞かざる」について、美輪さんが語ったことは…。ある時、あの美輪明宏様が、私に見猿、言わ猿、聞か猿にもうひとつプラスして、関わらざる人生、上手く行きていくために、必要ですよといただいた言葉に感激したことをあらためて、今日、日光東照宮で久しぶりにこの彫刻を拝見して思い出しました假屋崎省吾オフィシャルブログーより引用美輪さんは、假屋崎さんに対して「見ざるいわざる聞かざるにプラスして、関わらざるが人生をうまく生きていくために必要」だと教えたのです。その言葉に感激した假屋崎さんは、ブログで「みなさんもぜひ生活の中で実践してみてくださいね」と呼びかけています。【ネットの声】・とても深いお言葉ですね。・『関わらざる』って、本当にその通りだと思います。・さすが美輪様。その言葉をしっかり心に刻んで過ごしたいです!生きていく中で、どうしても考え方や価値観の異なる相手と接する機会はあるものです。人間関係でストレスをためこまないようにするために、時にはあえて『関わらない』というスタンスをとることが、プラスに動くことはあるでしょう。自分の心が苦しくなった時は、立ち止まって一度深呼吸して、相手との距離を保つのもいいかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月13日『ハケンの品格』『Doctor-X 外科医・大門未知子』『花子とアン』など、数々の大ヒットドラマを手がける脚本家・中園ミホさん(61)。その成功の秘密は、14歳から始めた占いにあった。占いによる導きと強運な有名人との出会いから学んだ「お金を呼び込む作法」とはーー。「私が書くドラマのヒロインは、みな占い師時代に出会った誰かがモデルになっているような気がしますね」そう話すのは、いまや押しも押されもせぬヒットメーカーである脚本家の中園ミホさん。初の占い本『占いで強運をつかむ』(マガジンハウス)を出版したところベストセラーに。そして占いサイト『中園ミホ 解禁! 女の絶対運命』は、四柱推命をベースにしたオリジナル占術が「驚くほど当たる」「希望が持てる」と話題を呼んでいる。それにしても脚本家として不動の地位を築いたこのタイミングで、なぜ占い師としての活動を大きく展開し始めたのか。「私は人間ウオッチングが趣味なのですが、幸運の波は誰のところにも公平に訪れるようです。それなのに、その波にうまく乗り切れない人が多いような気がして。もっと人生のなかに占いを取り入れて、目の前のチャンスをつかんでほしいと思うんです」あまり知られていないが、中園さんの前職は占い師。20代半ばまで活動し、政財界の名だたる大物を鑑定することもあったという。「金運を上げるには、まずは毎日使うお財布にこだわること。なかでも、強運の人のパワーにあやかると効果的だと思います」そう話す中園さんに“金運のおすそ分け”をしてくれたのは、作家の林真理子さん。大ヒットドラマ『不機嫌な果実』(’97年)の脚本を書く直前に、原作の林さんに初めて会ったそうだが、「出会う前から、何もかも手に入れているように見えた林さんの意志の力に引きつけられていた」と中園さん。当時は小さなマンションを買ったばかり。すっからかんになっていたとき、長く「成功者のお財布」を調査している中園さんが実践したのが、憧れるお金持ちから財布をいただくということ。「チャリティにも積極的で、気前のいい素敵なお金持ちである林さんの強運にあやかりたいと思って『お財布をいただけませんか?使い終わったお財布でかまいません』とお願いしたんです」それにもかかわらず林さんはドルチェ&ガッバーナの新品を贈ってくれたという。その後、続々と仕事が舞い込むことに。「私の金運は仕事運と連動して忙しくなりましたが、通帳の桁が変わっていくのを実感しました」さらに、気がついたらプラダのスーツを買っていて「何かおかしいな」と思ったそうだが、「林さんの華やかなお金遣いも受け継いでしまっていたんですね(笑)」そのほかにも、中園さん流「お金を呼び込むお作法」がある。【1】ハンコは願いを込めて「のの字」2回押す「私は印相学の大家の先生につくっていただいたハンコを愛用していますが、基本的には“押して気持ちいいもの”を愛用するといいですよ。サイン色紙などにたくさん押して、人にもお見せする雅号印は、『の』の字を2回書くように、念を込めて押しています」(中園さん・以下同)【2】節分に「金を入れた升」を枕元に置く「Dr.コパさんがおっしゃっていた「節分の夜に金を入れた升を枕元に飾って眠る方法」はとても効果がありました。ある年、片付けそびれ、さらに数日置いていたことがあって。それはそれで好調な金運は続いたのですが、防犯上、片付けたほうがいいですね(笑)」【3】触らぬ神にたたりなし。パワスポ巡りはほどほどに「神社巡りは好きでしたが、美輪明宏さんに『触らぬ神にたたりなし』と諭されて、いまは氏神様と好きな神社にお参りするようにしています。大仕事をまかされたときは伊勢神宮へ、早朝参拝に。『私のドラマでみなさんに元気になっていただけますように』と祈ります」中園さんはあらゆる金運UP法を試してみたという。「多くの人が『効果がある』という方法には、やはり力があります。むやみに相手を怖がらせず、優しく寄り添ってくれるタイプの占いを信じることにしています」「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載
2020年09月27日「ラジオは遠慮しないで100%攻めの姿勢です!ただ、本番中に放送禁止用語だけは言わないように気をつけています(笑)」バラエティ番組での、歯に衣着せぬ発言が話題となり昨年から大ブレーク中のファーストサマーウイカ(30)。今年4月期からラジオ番組『オールナイトニッポン0』の月曜(ニッポン放送にて毎週月曜深夜27時〜)レギュラーに抜擢されると、初回からTwitterトレンド1位を獲得する人気ぶりを見せている。ハッキリとした物言いから“毒舌”と評されることが多い彼女だが、それには反論があるという。「実は自らヤンキーキャラや毒舌キャラを謳ったことはないんですよ!私の使う矢継ぎ早な関西弁やビジュアルがそう感じさせてしまうみたいで(笑)。ただ、番組の打ち合わせなどで『ここで毒舌お願いします』っていわれたら『いや、会ったこともない人に悪態つけるかいっ!』ってその場で毒吐くことはあります(笑)」サバサバして動じないように見えるが、収録後の姿は真逆だそう。「うまくいかなかったときは極端に落ち込みますね。もっとできたとか、果たして(番組として)成立しただろうかとか。テレビって1カ月くらい前に撮ったものが流れるので、時限爆弾みたいな感じなんですよ。それが爆発するかしないか……その1カ月は不安な時間ですね」今後、ラジオで共演してみたい芸能人には意外な答えが。「お会いしたいのは美輪明宏さん!あと、女性自身さんとのコラボで蛭子能収さんと“賭けじゃない”麻雀の話もしてみたいな(笑)。ゲストに来てくださる方、大募集中です!」「女性自身」2020年6月23・30日合併号 掲載
2020年06月22日「新宿のバーで、放送作家の高平哲郎さん(73)と飲んでいたら、高平さんが『面白いやつがいるから呼ぶよ』って。そしたら、まだ有名になる前のタモちゃん(タモリ・74)が来たんです。テーブルにはいつくばって、イグアナのモノマネとかやりだすから、『なんだこいつ』と最初は思いましたね(笑)」そう当時を懐かしむのは、今年で芸能生活50周年に突入した研ナオコさん(66)。50年の芸能生活において、日本のバラエティ界をけん引したコメディアンとの交友関係は広かった。「タモちゃんには、背中もなめられた(笑)。どうしてそうなったかは思い出せないんだけれど、私が背中の開いたドレスを着ていたのは覚えています。数年後、そのことを本人に言ったら『そういえば、なめたなめた!』って。『バカ野郎!なめた、なめたじゃねぇだろう』と(笑)」タモリ、そしてビートたけし(73)とともに“お笑いBIG3”として知られる明石家さんま(64)とは、同じマンションに住んでいた時期もあったという。「私は彼の部屋のちょうど上に引っ越したんですが、さんちゃんはそのことを知らなかった。脅かしてやろうと思って、仕事で会ったときに『さんちゃん、○○に住んでるでしょ?』と言ったら『なんで知ってまんの?』と不審がったの。私はそれを聞いて『お見通しやで〜へっへっへっ』って笑ってやりました。それで、さんちゃんの家の新聞受けに『上の階の住人に気をつけなさい』と書いた手紙を入れて(笑)。次会ったときに『手紙を入れた犯人は私』とバラしたらめちゃくちゃホッとしてました。相当、ビビッていたんでしょうね」さんまとは“イタズラ好き”な研さんならではのエピソードもある。「同じマンションに住んでいる当時、エレベーターで女のコと一緒になると、そのコがさんちゃんの部屋に行くかどうか大体雰囲気でわかるんですよ。そういうコに限って、私と目が合ったらサッとそらすから。それで、『かわいらしい方ですね〜また違う子ですね〜』と書いたメモを、私の部屋からさんちゃんの部屋にとどくように、ひもにつけて垂らしたりもしたの(笑)」研さんは、バラエティ番組での活躍だけでなく、中島みゆき(68)が作詞・作曲を手がけた『あばよ』(’76年)、『かもめはかもめ』(’78年)など、歌手としてヒット曲も連発している。しかし、40歳のときに歌手・タレントの命ともいえる喉に異変が。ポリープ摘出の手術を受けたあともなかなか完治せず、悩んでいたという。「術後にお医者さんから1週間しゃべんないでください」と言われたから、言いつけは守ったの。でも、1週間たっても声が出なくて歌えないんですよ。そこからイップス(精神的な理由により、思いどおりパフォーマンスが行えないような異変が体に起こること)が始まって、それが20年ぐらい続きました。コンサートが始まる前は緞帳の裏で『私、ここから消えてなくなりたい。消えたい。消えたい。消えたい』って思っていましたから。でも、娘には『開き直って、とにかく全身の力を抜いて』と言われ、美輪明宏さんにも『もっと自分に自信を持ちなさい』とおっしゃっていただいて、気持ちが楽になったのを覚えています」多くの病いも経験したが、今年は芸能生活50周年を記念し、梅沢富美男(69)とのエンターテインメントショー「梅沢富美男劇団」の公演も予定している。研さんの芸能活動の勢いは止まらない。(取材:インタビューマン山下)「女性自身」2020年4月21日号 掲載
2020年04月09日2月25日に女性自身から刊行されたムック「女性自身介護スペシャル『老親と10年後のあなたの要介護度をゼロにするぴんぴん習慣100』」(光文社)。瀬戸内寂聴さんのお言葉集、美輪明宏さん、柴田理恵さんのインタビューなどの企画が目白押し。さらに、温泉、バスツアー、長寿のインテリアなど、使える実用企画も充実しています。また、6章に渡って展開される納得の健康習慣も読みごたえ十分のボリュームです。その健康習慣の中から厳選した“マル秘ワザ”を2択クイズ形式で紹介。若いつもりでいても、加齢とともに老いの原因となる物質が体内に蓄積し、老化のスピードが速まってしまいます。それを予防するには、体にいい食材選びや調理法を知ることも大切!【Q1】老化の原因物質を撃退する豚肉の調理法は?蒸す or ゆでる正解は、蒸す。豚肉には糖質代謝に効果のあるビタミンB1が豊富に含まれていて、ほかの肉や魚、野菜と比べてもトップクラス。そのビタミンB1は、ゆでると30〜50%に減ってしまいます。老化の原因となるAGEをつくらないためにも蒸し料理にするのがオススメ。【Q2】骨を丈夫にする干ししいたけの使い方は?さらに天日に干す or 早めに水に戻す正解は、さらに天日に干す。骨の生成にはカルシウムだけでなくビタミンDも大切。干ししいたけにはビタミンDが豊富に含まれているが、天日で干すとビタミンDの量が10倍にアップする。しかし、最近の市販の干ししいたけは機械乾燥のため、2時間ほど天日干しをしてから使おう。【Q3】サンマの血液サラサラ効果を高めるのはどっち?グリル or フライパン正解は、フライパン。血液サラサラの効果があるEPA。サンマの脂肪には多くのEPAが含まれているので理想は刺身で食べることだが、調理するときは脂の流失を避けたい。グリルをするとEPAが2割失われてしまうが、フライパンでは失う脂をその半分に抑えられる。【Q4】ちりめんじゃこのカルシウム吸収を助けるのはどっち?ポン酢 or 醤油正解は、ポン酢。ちりめんじゃこのカルシウム量は牛乳の4倍で、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれている。また、ちりめんじゃこにクエン酸をプラスするとカルシウムの吸収率がアップ。ちりめんじゃこにポン酢をかける食べ方が効果的な組み合わせ。食習慣を改善し、体の内側から元気になる食べ方を心がけよう!「女性自身」2020年3月10日号 掲載
2020年03月14日2月25日に女性自身から刊行されたムック「女性自身介護スペシャル『老親と10年後のあなたの要介護度をゼロにするぴんぴん習慣100』」(光文社)。瀬戸内寂聴さんのお言葉集、美輪明宏さん、柴田理恵さんのインタビューなどの企画が目白押し。さらに、温泉、バスツアー、長寿のインテリアなど、使える実用企画も充実しています。また、6章に渡って展開される納得の健康習慣も読みごたえ十分のボリュームです。その健康習慣の中から厳選した“マル秘ワザ”を2択クイズ形式で紹介。若いつもりでいても、加齢とともに老いの原因となる物質が体内に蓄積し、老化のスピードが速まってしまいます。それを予防するには、体にいい食材選びや調理法を知ることも大切!【Q1】長寿ホルモンを増やすトマトの食べ方はどっち?生で食べる or 冷凍する正解は、冷凍する。トマトに含まれるオスモチンには、生活習慣病を予防・改善する効果があるが、強固な細胞壁で守られているため、生では栄養を取り逃す可能性が。冷凍すると水分膨張で細胞壁が壊れるため栄養吸収もアップ。さらにグルタミン酸が出やすくなるので甘みやうま味を感じられる。【Q2】疲労回復力アップする山芋の調理法は?すりおろし or 千切り正解は、すりおろし。山芋には疲労回復や免疫力アップの働きをするジオスゲニンという消化酵素が含まれている。ジオスゲニンの栄養素は、切るよりもすりおろしたほうが損なわれない。レモンやすだちなどビタミンCが豊富な食材と一緒に食べるとさらに効果が上がる。【Q3】肩こりをやわらげるためのかぼちゃの調理法は?油炒め or 煮物正解は、油炒め。かぼちゃにはβカロテン、ビタミンB、C、Eが多く含まれており、免疫力アップ、疲労回復、肩こり、冷え症を改善するなどの働きがあるが、栄養素を効果的に摂取するには、油を使って焼く・炒めるなどの調理をすることでビタミンEの吸収率が生食の6倍になる。【Q4】ほうれん草の栄養を効果的に引き出すのはどっち?ゆでる or 油炒め正解は、油炒め。ほうれん草はゆでるとビタミンCの残存率が1分で74%、3分で48%になり、ゆでるほど栄養の損に。ほうれん草のフィトケミカルは、加熱に強く、油炒めや油を使ったあえ物などで食べると吸収率がアップする。食習慣を改善し、体の内側から元気になる食べ方を心がけよう!「女性自身」2020年3月10日号 掲載
2020年03月14日