歌手の前川清(75)、俳優の藤山直美(65)が17日、大阪・新歌舞伎座で行われた開場65周年記念『前川清・藤山直美』公演(6月1日~25日)の発表会見に出席し、息のあった“夫婦”トークで盛り上げた。第一部の芝居『だいこん役者』は、しがない旅芸人一座が巻き起こす、笑いあり、涙ありの人情劇。「川上恋次郎一座」の座長でありながら“だいこん役者”と呼ばれる川上恋次郎を前川、恋次郎をフォローして一座を引っ張る女房・唄子を藤山が演じる。前川は、自身の役柄について「まだわかっておりません。一応台本を読ませていただきまして、いつもながら、ぼおっとした、いるのか、いないのかわからないような、そんな役」とテキトー回答。実際、台本に「あとは適当に」と指示があるとぶっちゃけ、「まあ雰囲気によってなんとなく明るく楽しい舞台になるんじゃないかな」と、爆笑をさらった。さらに「長いセリフはダメ」という前川は、リアル“だいこん役者”状態。「(セリフが)ほとんど1行程度で終わっている。もうちょっとあってもいいんじゃないか(笑)」「(ストーリーの)きっかけ(セリフ)は与えられません。誰かがきっかけをだして、私が、うん、うんという(笑)」とボケ倒していた。藤山は「隣の人どうしましょう…(笑)。好きなことしゃべってますけどね」といいながら、何度も共演があるだけに絶妙にツッコミ。前川の好きなところを聞かれると「いま質問があったように、この方の“嫌いなところ”は…」と切り返し、前川の「存在」の大きさを絶賛していた。第二部は『前川清オンステージ』で楽しませる。このほか、田畑智子、山田まりや、米原幸佑、岸本加世子が出席した。
2024年04月17日6月1日より東京電力をはじめ、大手電力7社は家庭向け電気料金の値上げを開始した。夏の家庭における家電製品の1日での電力消費割合を調べたところ、エアコンが34.2%を占め、いちばん高い(出典:平成30年度電力需給対策広報調査事業の結果より)。対策なしだと、夏の電気代が大変なことに!そこで、過去にエアコンの節電を実証したことがある、節電家電コーディネーターの藤山哲人さんに、エアコンの電気代節約のしかたを教えてもらった。今回は、冷房使用率の高い7~9月の3カ月でどれだけの節電ができるかを調べることに(※料金などデータは一般社団法人省エネルギーセンターの実測値を使用して本誌作成)。■具体的に料金を抑えることができる節電ワザ【設定温度1度上げで410円】室温の設定温度を1度上げた場合、3カ月で410円節約できる。逆を言えば、設定温度が低ければ低いほど、電気代はかかるのだ。たとえば帰宅して、日中上がっていた室温を下げるために温度設定を極端に低くするのは、電力消費量が増えるためNGだと藤山さんは言う。「帰宅したらまず窓を開けて換気し、熱を逃がしてください。その後エアコンをつけますが、温度設定は通常どおりでよく、下げる必要はありません。ポイントは自動運転モードを選ぶこと。エアコンに任せるのがいちばん経済的です」(藤山さん・以下同)【1時間の短縮で255円】たとえば、設定温度28度で使用時間を1日1時間短縮すると、3カ月で255円節約できる。ただしあまりこまめにエアコンをつけたり消したりすると、逆に電気代がかかってしまう。目安としては20分から30分の短時間の外出の場合はつけっぱなしでよい。【フィルター掃除で215円】2週間に1回はエアコンに付いた状態でハンディ掃除機をかける。1カ月に1回はフィルターを外して掃除機で吸う。あとはシーズンごとにフィルターの水洗いを。そうすると掃除しない場合に比べて3カ月で215円の節約に。「特に猫を飼っている人はフィルター掃除を頻繁にやったほうがいいです。犬の毛は重いので床にたまりますが、猫の毛は軽いので空気中に舞います。コロナ禍で猫を飼うご家庭が増えましたが、猫の毛によるエアコンの故障がめちゃくちゃ増えています」また、キッチンに近いエアコンの場合はキッチンから油煙が飛んでくる。それを吸うとフィルターが油でべとべとになってホコリや猫の毛も絡みやすい。そうなると掃除機では取れないので週に1回はフィルターを中性洗剤で水洗いしよう。注意点は、フィルターは弱い樹脂なので、たわしなどは使わず手洗いがおすすめ。【扇風機やサーキュレーター併用で820円】扇風機やサーキュレーターで風を起こすと体感温度が2度下がる。つまり設定温度を30度にしても、体感温度は目標の28度になるので快適に過ごせるのだ。2度設定温度を上げると3カ月で820円節約に。「サーキュレーターや扇風機を置く位置はエアコンと対角線上の部屋の隅に置きます。風向きはエアコンに向けると部屋全体の空気が循環して涼しくなるんです。扇風機の電気代は1時間1円ぐらいなのでかなりの節約になります。ただし、汗をかかないペットは扇風機などの風を涼しく感じられないので、部屋自体の温度を下げてあげてください」【室外機の日除けで258円】室外機の周りの風通しをよくするのが節電のポイント。「何年か前に室外機にカバーをつけるのがはやったんですがそれは風通しが悪くなるので絶対にダメ」ほかには室外機に直射日光が当たらないようにする。よしずを立てて影を作ったり、上部に室外機用の遮熱パネルを置いて日除けするのも効果的。そうすることで3カ月で258円電気代を節約できる。【7~9月の3カ月で計1958円の節電効果】ちりも積もれば山となる。ほんの少しの心がけで、節電できることがいっぱい。暑さを我慢することなく、日除けやサーキュレーターなどとの併用で、賢く安く、夏を乗り切ろう。■使い方の工夫で、まだある節電方法ほかにも、具体的な金額は出ていないが節電法はあると藤山さん。「実は『ドライ』や『除湿』は『冷房』より電力消費量が増えます。除湿したい場合はモードを『冷房』にして設定温度を外気温と同じにすれば除湿と同じ状態になります」また、直射日光を遮るカーテンも節電になる。昔はカーテンを閉めても蛍光灯の電気代がかかり節電にはならなかったが、10年ほど前から電気代の安いLEDライトが普及してカーテンは有効に。だが何よりエアコン本体において、10年前のものと最新型で電気代を比較すると、年間で1万6988円の得になるという。「エアコンはだいたい10年は使うので、古い機種を買い替えれば、電気代が約17万円ぐらい節約できるっていうことですよね(笑)」さあ、できることから始めてみよう!
2023年06月09日家電ライターの藤山哲人さんが、今注目の家電を5点紹介してくれました。中国製のコスパのいいアイテム&時短モノに夢中!今、藤山哲人さんが注目するのが中国製家電。「ここ2年で技術発達と低価格攻勢が激化しています。特にテレビは、“中国製テレビLOVE!”と言いたくなるほどの低価格と高性能ぶり。Hisense『50v型 4K液晶テレビ 50A6G』は、十分な大画面でありながら5万円台と驚異のコスパです。国産でおすすめなのは冷蔵庫や洗濯機。省エネ性や断熱材など、日本ならではの技術が生きたものが多いからです。今年フルモデルチェンジした三菱電機の冷蔵庫『MR‐WZ55H』は、独自開発の断熱構造の改良により、設置スペースはそのまま、昨年に比べ庫内の容量はスーパーのカゴ1個分ほどアップしました」また、劇的な時短ができたり、面倒な手間が省けるなど、QOLが上がるアイテムにもときめき中。「シャープ『ヘルシオ ホットクック』は料理のみならず献立のアシストもしてくれます。スマホで作りたい料理を選ぶだけで下ごしらえが済んだミールキットを配達してくれるサービスもあり、忙しい時でもボタン1つで簡単に美味しい料理が食べられるので、最高!時間をかけて昆布出汁をとる時にも活用するので、ヘルシオ ホットクックを使わない日はありません。超高速モーターを搭載したKINUJOの『Hair Dryer』は、風力が強く髪が素早く乾くのに、会話やテレビの音が余裕で聞こえる静音性の優れもの。これまでにない、ユニークな折りたたみ構造にも激萌えです。また、drinkmateの『series620』も愛用中。マグナムガスというdrinkmate独自の大型ガスを使うと、手軽に炭酸水やハイボールなどが作れます(500ccで約23円)。使い始めて超ビックリしたのが、ゴミ出しの時のペットボトルの少なさ。環境面でもお財布面でもサステナブル!ゴミの少なさが嬉しく、ときめいちゃいます」1、三菱電機「MR‐WZ55H」スマートなのにたくさん入る。食べ物をフレッシュにキープ。幅65cmとスリムながら547Lの大容量。氷点下なのに凍らない過冷却現象を応用した技術により、生ものを美味しく保存。野菜の栄養素を増やす野菜室も。「’08年モデルに比べると、長期旅行用トランク1個分の容量が増えた計算に。冷蔵庫の寿命は10~13年なので、2010年以前のモデルを使っている人は、ぜひ、買い替えの検討を!」。¥407,000(三菱電機お客さま相談センター TEL:0120・139・365)2、Hisense「50v型 4K液晶テレビ 50A6G」映像も音も文句なし。リーズナブル具合に感動!すっきりとした極細ベゼルの美しいデザインで、高精細でクリアな映像が楽しめる。ネット動画などの配信コンテンツも、自動で高画質処理されるため、普段の映像体験もアップデート!「4Kテレビながらこの価格。最近は、テレビをはじめ安価なアイテムが増え、一家に一台から一人一台の時代に。“家電”の“個電”化が加速しています」。オープン価格(Hisense TEL:0120・835・111)3、シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック KN‐HW10G」健康的な食事を手軽に!一人暮らしに嬉しいサイズ。材料を入れてボタンを押すと料理ができる「ヘルシオ ホットクック」の1~2人向け。加熱の進行に合わせてかき混ぜる機能が美味しさの秘密に。スープや副菜作りにも活躍。「有名声優さんの声で話すサービスもスタート。素敵な声で『もうすぐできるよ』と言われると、ときめきます。調理家電を超えた、料理ができる友だちAIです」。¥50,000前後(シャープ TEL:0120・078・178)4、KINUJO「Hair Dryer」ワンランク上の遠赤外線機能で素早く、優しく乾かす。高回転デジタルモーターの大風量により速乾性を実現。ツヤを出す「GLOSS」、髪と頭皮を保湿する「SCULP」、髪を熱ダメージから守る「SWING」の3つのモードを搭載している。「手で持った時にバランスをとりやすいT字フォルムが新しく、折りたためる構造も魅力的。しっとりとしたツヤのある髪を目指したい人におすすめです」。¥26,400(KINUJO TEL:049・236・3380)5、drinkmate「series620+ マグナムガス」炭酸水からお酒まで。自宅で味わうシュワシュワドリンク。ボタン一つで炭酸飲料の強さを4段階に変更できる、炭酸飲料メーカー。水だけでなく、ジュースやお酒など様々なドリンクに炭酸を直接注入可能。「ワインにガスを入れると“なんちゃってシャンパン”、ウイスキーに入れると濃厚ハイボールに。自分好みに楽しめます」。本体と60L用ガスシリンダー、専用ボトルがセットに。¥18,568(drinkmate)ふじやま・てつひと家電ライター。「家電Watch」など数々のメディアで執筆。『マツコの知らない世界』に6回出演。ハードやソフトの開発、アニメ関連グッズの企画も行っている。※『anan』2022年6月8日号より。イラスト・Yui Watanabe取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2022年06月01日“昭和の喜劇王”こと名優、藤山寛美。三十三回忌追善にあたり娘である藤山直美と孫の藤山扇治郎らゆかりの出演者による特別公演が大阪松竹座にお目見えする。『愛の設計図』『大阪ぎらい物語』の名作上方喜劇2本立てに加え、在りし日の姿を映像で偲ぶ『〈映像〉藤山寛美 偲面影』も上演する。「藤山寛美三十三回忌追善 喜劇特別公演」チケット情報「追善公演は今回で区切りとさせていただきます」。記者会見の冒頭、そう切り出した直美。寛美を知る世代が減り、また寛美を超える役者が出ることが何よりの追善との思いからだ。「賑やかで楽しくて、観ていただくと家族の中で会話があって、そういう舞台を私が最後に勤めさせていただきます。昭和にこんな面白い喜劇役者がいたのかと思い出していただければ」と話す。続けて孫の扇治郎は「少しでも観に来て良かったなと思っていただけるよう努力したい」と挨拶した。『大阪ぎらい物語』は船場の老舗問屋を舞台に結婚を巡る母娘の騒動を描くもの。直美は寛美が演じた役を女役に変えた娘の千代子役で主演する。「子供のようにシャープな動きが必要な役なので、ここをひとつの区切りにちゃんと弾けさせたい」とし、今後は本来の男の役に戻して継承してほしいとの願いも語った。扇治郎が『愛の設計図』で演じるのは大卒で一級建築士の資格を持つ建設作業員、間文太郎。昔気質の現場監督に厳しく指導される勤勉な青年役だ。「今の時代パワハラとかいろいろ言われますが、甘やかすだけではなく厳しくすることも大事なことで。やはり祖父も仕事に対しては厳しい方だったと思います」。3歳の時に他界した祖父との思い出は記憶にないが「作品を通して学ぶべきことが多々あります。この家に生まれてきたご縁に感謝して努力していきたい」と改めて決意を語る。直美にとっての寛美は「父親としては厳しく、俳優としては次元が違う」存在だった。「あの哀しさというのはどこからくるのかな、哀愁があるなぁって。私も60歳で亡くなった父親の年齢を超えまして、そう感じるようになりました」としみじみ振り返る。当日は「お客さんに喜んでいただくことが一番大事」と耳に残る寛美の教えを胸に、舞台に立つ。直美は「面白かったと言っていただけるよう、役者も心ひとつに精一杯努力しますのでお越しいただくことをお待ちしております。コロナの感染対策も万全の体制でお迎えさせていただきます」。扇治郎は、今回は3都市を巡る長期公演でもあり「5月、7月、10月のどれかに来ていただけるよう一回一回大事に勤めさせていただきます」とアピールした。尚、京都公演では『えくぼ』『はなのお六』に演目を変えて上演する。公演は5月3日(火・祝)から26日(木)まで大阪・大阪松竹座、7月1日(金)から25日(月)まで東京・新橋演舞場、10月1日(土)から23日(日)まで京都・南座にて。取材・文:石橋法子
2022年04月26日大阪・新歌舞伎座、東京・明治座で主演する前川清と藤山直美が法善寺での成功祈願法要後に合同取材に応じた。過去様々な作品で名共演を重ねるふたり。「いつもお客さんに聞かれるんです『今度はいつふたりでやりはるの?』って。共演すると評判をいただくので嬉しいですね」と藤山。今回は人情芝居と歌謡ショーの豪華2本立てでお届けする。「前川清・藤山直美公演」チケット情報第一部『恋の法善寺横丁』で、前川は救世主のごとく現れた腕利きの板前 徳三を演じ、藤山は父の遺志を継ぎ、小料理屋の女将として店の再建に奔走する辰子を演じる。前川は「のめり込んで読める台本というのが嬉しいですね。直美さんと僕とそれぞれの役の立場が分かって、その通り稽古でやってみると、今度はそこには大阪の皆さんもいて。やっぱりいいな」と久々の舞台の感触をしみじみ語る。料理人役は初めてという前川に藤山は「『風流深川唄』という小料理屋の娘と花板の恋仲を描いた芝居があるんです。観てるとね、板前を演じるには新鮮なお造りを切ってるように見えるかどうかが難しい。人によっては半分生臭そうに見えたりね。やっぱりその方が持っている人間性、清潔感やと思うんですよ。前川さんは板場に立っても新鮮な鯛を切ってるように見える」と太鼓判を押す。ご褒美みたいな大人の恋模様を描いた本作は、仕事や育児など、長年自分の“役目”を務めてきた人々の癒しにも繋がるはず。「何かひとつでも身に覚えがある、こんな感情を持ったことがあるとかリンクしていただけたらいいですね」と藤山。とりわけ“春の訪れ”を感じさせる、花見のシーンは見どころのひとつだ。前川も「徳三が“家族”になれる大事な場面」と強調する。藤山は「辰子も亡くなったお父さんが作ってくれた彼女にとっては派手な着物姿でね。でもそこからまた展開があって」と、話の続きは観てのお楽しみだ。第二部の歌謡ショーは前川の名曲&爆笑トークで綴る。選曲に難航中の前川に藤山は「一部日替わり」を提案。「今日は『噂の女』をやめて『流木』歌おうとか。お客さんも嬉しいですやん」。ファンクラブ会長を自称するだけに、次々とアイデアが飛び出す。「ジャズバージョンの『長崎は今日も雨だった』が良いんです。皆さんも動画サイトで1回見てください」とマネージャーさながらに猛烈アピール。前川も「そのアイデアいいですね」と応じ、日替わり選曲に期待を持たせた。最後に芝居の神髄の一端を語ってくれた藤山。「私はいつも作家さんにお願いするんです。きれいごとではなく、人間の奥底のどろッとしたホンマのもんを書いてくださいと。お客さんは、本当はそれを観に来たいと思ってはるんです」。心揺さぶられる劇体験をぜひ。公演は1月4日(火)から31日(月)まで大阪・新歌舞伎座、2月18日(金)から3月13日(日)まで東京・明治座にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年12月20日ジメジメした季節は“ニオイ”がつきもの。なかでも「家電がクサイ」の原因はカビにありました。悪臭を絶つことはつまり、カビ退治。毎年、梅雨どきを家電のメンテナンス時期にすることをおすすめしますーー!西日本から、例年よりも早い梅雨入りとなったが、部屋干しの洗濯物や、久しぶりに稼働させたエアコンの冷気からも、イヤなニオイが……。「そのおもな原因はカビ。湿度60%以上で繁殖しやすくなるといわれています。ニオイ問題だけでなく、カビはアレルギーやぜんそくを悪化させることが指摘されているので、この時季、悪臭から絶つようなメンテナンスが重要です」と、家電ライターの藤山哲人さんは語るが、家電音痴な人はどうしても業者に頼りがちだ。「マニュアルに従うことが大前提ですが、じつは家庭にあるもので簡単にセルフメンテナンスはできるし、お手入れ後の家電は、機能までも改善するんです」梅雨の時季に警戒すべき家電の代表が「エアコン」だ。エアコンの内部は結露しやすく、これが室内の空気にまぎれ込んでいるカビ菌と結びついて、カビのコロニー(巣)が発生してしまう。「内部の、ミルフィーユ状にアルミ板が並んでいる“フィン”といわれる熱交換器に、市販のエアコン洗浄スプレーを利用します。無香タイプ、芳香タイプがありますが、まずはカビ自体を除去するために『洗浄』『防カビ』と明記してある商品を選びましょう」エアコンを頻繁に使う場合、フィルターは1週間に1回は掃除したいところ。コロナ禍でペットを飼う人が増えたが、特にネコの毛は軽く、エアコンが吸い込みやすいので、飼っている家は3日に1回くらいの掃除が目安だそう。「といっても手間がかかるので、スティック掃除機などを利用して、簡単に表面を吸い込めばOK。取り外して水洗いするのは、半年に1回で十分でしょう。意外と油汚れもついているので、歯ブラシなどでホコリを取り除いた後、中性洗剤をうすめたお湯にひと晩つけておき、洗い流せばカンペキです」盲点としては、エアコンの吹き出し口だ。のぞいてみると、黒ずんでいる場合があるが、それもカビ。100円ショップで売っているハンディモップや、住居用洗剤などを利用して拭き掃除しよう。「日常的な対策としては、スイッチを切る前に1〜2時間、送風運転すること。結露した内部を乾燥させる効果があります。防カビ機能がついたエアコンは、自動的に送風に切り替わっているのです」“クサイ”はメンテナンスのサイン。悪臭ばかりでなく、健康状態にも影響するカビ対策を見直して、今年の梅雨を乗り切ろう。
2021年06月07日西日本から、例年よりも早い梅雨入りとなったが、部屋干しの洗濯物や、久しぶりに稼働させたエアコンの冷気からも、イヤなニオイが……。「そのおもな原因はカビ。湿度60%以上で繁殖しやすくなるといわれています。ニオイ問題だけでなく、カビはアレルギーやぜんそくを悪化させることが指摘されているので、この時季、悪臭から絶つようなメンテナンスが重要です」と、家電ライターの藤山哲人さんは語るが、家電音痴な人はどうしても業者に頼りがちだ。「マニュアルに従うことが大前提ですが、じつは家庭にあるもので簡単にセルフメンテナンスはできるし、お手入れ後の家電は、機能までも改善するんです」そこで、梅雨の時季に警戒すべき家電の“悪臭根こそぎ掃除術”を紹介。【洗濯機】「衣類についた皮脂や洗剤カスなどがカビのエサとなり、洗濯槽の裏はカビだらけ。干した際の生乾きのニオイのもとはこれです」洗濯槽の掃除方法として、インターネット上では“酢や重曹が効く”との情報もあるが。「お酢はそもそもニオイが気になるし、重曹も効果があらわれづらいように思います。私のいちばんのおすすめは酸素系洗剤です」まずは洗濯機に水を満タンにして、縦型洗濯機の場合は洗剤を1本(500グラム)、ドラム式の場合はその半分を入れて、ひと晩放置。翌日、そのまま空回しすると、黒いかたまりがブカブカと浮かんでくるとか……。「水の代わりに、洗剤の効果を高められる40〜60度のお湯を利用できればベストです。ドラム式で温水洗浄モード機能がついていれば、水温を設定できます。ただし、お風呂の残り湯は皮脂が混じっているので、洗濯にも、洗濯槽の掃除にも使用しないで」【掃除機】「紙パック式掃除機のニオイの原因は、紙パックやフィルターにたまったゴミ、そして付着したカビ。それはサイクロン式も同じで、ゴミをためるダストカップと、フィルターの掃除が基本です。フィルターの素材が布であったり、紙であったり、機種ごとに違うため、マニュアルを見てお手入れしましょう」その際、サイクロン式のダストカップは、水洗いしてスッキリしたいところだが。「国産品はほとんどが水洗いできますが、海外製は水洗い禁止の機種が多い。“掃除機を掃除する”という発想は日本特有のもののようで、アメリカ製、中国製の掃除機も洗えないタイプがほとんど。これはロボット掃除機も同様です。これから購入という人は、検討材料にしてみてください」【空気清浄機】「ステイホーム習慣の定着によって、’21年3月の空気清浄機の売上げ額は、前年に比べて2倍近く増えています。特に“加湿機能付き”のタイプを冬の間に稼働して、しばらく放置していた人は、カビが繁殖しているころかと思います」これから空気清浄機能を使用する予定の人は、要注意だ。「フィルターを外して、大きなたらいに水を張り、ハイターなどの塩素系洗剤をキャップ半分くらい入れ、つけ置きしましょう。タンク部分は水洗いして、しっかり乾かしておきます」“クサイ”はメンテナンスのサイン。悪臭ばかりでなく、健康状態にも影響するカビ対策を見直して、今年の梅雨を乗り切ろう。
2021年06月07日「多くの人が、正しいと思ってやっている節電方法が、まったく逆効果だということも珍しくありません。エアコンや洗濯機の使用頻度が上がる夏に、正しい節電術を確かめてみてはいかがでしょうか」そう語るのは、家電ライターの藤山哲人さんだ。「家電は使用方法を少し工夫するだけで、年間数千円単位の省エネになります。これを複数組み合わせれば、かなりの節約ができるのです」さらに、電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」の広報担当・中田都季子さんはこう語る。「一度、節電方法が習慣になると、その効果は一生続きます。ぜひ、正しい知識を得て、効率のいい家電の使い方を覚えましょう」そこでクイズを出題。除湿・冷房はフル稼働、外に出たくないからテレビを見る時間ばかり増えていく家計泣かせのこの季節に、正しい節電術◯×方式で知ろう!■エアコン【Q1】節電のため、「冷房」ではなく設定温度高めの「除湿」にしている答えは×。冷房のほうが1時間3.9円安い。「気温が下がると、空気中の水分は水滴になります。エアコンは空気を冷やすことで、除湿を行っています。多くのエアコンでは“再熱除湿”といって、冷房で除湿した後に、冷えすぎた空気を暖房で温めて送風しています。むしろ除湿のほうが、電気代が高くなる場合が多いのです」(藤山さん)温度を高めに設定すると、むしろ電気料金がかさむ。東京電力の調査によると、設定温度24度の1時間あたりの電気代は、冷房が11円に対し、再熱除湿の除湿が14.9円で、3.9円の差。介護などを理由に、24時間つけていた場合、月額で約3,000円もの違いになる。【Q2】30分程度の外出でも、冷房はこまめに消す答えは×。日中35分までの外出はつけっぱなしOK。エアコンメーカーのダイキン工業の調べによると、日中(9~18時)で、35分以内の外出であれば、こまめにオンオフをするより、つけっぱなしのほうが、1時間あたり0.03kWh省エネという結果に。「ただし、最新機器にはセンサーで、人が不在になったのを感知して、自動的にオフになったり、人のいる場所に涼しい風を吹き分けたりという機能が付いているものもあります。そういった新機種は、自動運転がいちばんの節約につながるでしょう」(藤山さん)【Q3】エアコンと扇風機を併用したほうが電気代は安くなる答えは◯。ひと夏に1部屋2,900円安くなる。「エアコンの冷気は足元にたまりやすい。扇風機を利用すると、室内の空気を攪拌でき、顔や首まで冷気が広がります。体感温度が下がれば、エアコンの設定温度を上げることができます」(中田さん)6畳の部屋で、扇風機を併用しながらエアコンの設定温度を26度から28度に上げると、夏3カ月で約2,900円も節約効果があったという。「エアコンの風は水平に、扇風機は上に向けて首振りにするのがポイントです」(中田さん)■テレビ【Q4】10年前に買った液晶テレビなので十分省エネだ答えは×。最新型より電気代は年間3,700円高い。省エネの技術は年々進んでおり、同メーカーの同サイズのテレビの場合、10年前に比べて約60%も消費電力が下がっていることも多く、年間3,700円の違いになる。「しかし、画面の枠が細くなっているので、同じ大きさでもテレビ画面が大きくなります。来年は東京五輪も控えているので、古くなったテレビをお持ちの方は、4K対応型テレビへの買い換え時かも。高品質な海外メーカーのものも増えています」(藤山さん)【Q5】見ないときはテレビのコンセントはいちいち抜く答えは×。待機電力はわずか1時間0.005円。「テレビも、ハードディスクレコーダーも、待機電力はごくわずか。コンセントを抜く手間に対して、節約できる電気代はわずかなんです」(中田さん)テレビの場合、1時間の待機電力は0.005円、年間でも44円程度にすぎない。ハードディスクレコーダーも同程度なので、こまめにコンセントを抜くくらいなら、単純に見る時間を減らそう。1日1時間、テレビを見る時間を減らすと年間584円の節約になる。出典:東京都「2018家庭の省エネハンドブック」、資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬2017」、「電気代見直しNo.1サイト『エネチェンジ』/電気とガスのかんたん比較」より
2019年07月20日「多くの人が、正しいと思ってやっている節電方法が、まったく逆効果だということも珍しくありません。エアコンや洗濯機の使用頻度が上がる夏に、正しい節電術を確かめてみてはいかがでしょうか」そう語るのは、家電ライターの藤山哲人さんだ。「家電は使用方法を少し工夫するだけで、年間数千円単位の省エネになります。これを複数組み合わせれば、かなりの節約ができるのです」さらに、電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」の広報担当・中田都季子さんはこう語る。「一度、節電方法が習慣になると、その効果は一生続きます。ぜひ、正しい知識を得て、効率のいい家電の使い方を覚えましょう」そこでクイズを出題。除湿・冷房はフル稼働、外に出たくないからテレビを見る時間ばかり増えていく家計泣かせのこの季節に、正しい節電術◯×方式で知ろう!■冷蔵庫【Q1】冷蔵庫に食材をめいっぱい詰めたほうが効率的に冷える答えは×。詰め込むより、半分ほどのほうが年間1,140円安い。「冷蔵庫は、冷気が通るように隙間を作ったほうが、効率的にモノが冷やせて、年間1,140円の節約に。逆にモノを詰め込みすぎると、食材を探す手間が生じ、開けている時間や、開閉回数が増えて、さらに消費電力を増やします」(藤山さん)無駄な開閉をなくすと、年間270円安くなる。開閉時間を10秒で収めると、20秒よりも、年間160円安くなる。「冷気が逃げないようにビニールカーテンを付ける人もいますが、ドアポケットに冷気が循環せず、電気代が高くなることも」(藤山さん)【Q2】冷蔵庫に、学校のプリントをたくさん貼っている答えは×。“冷蔵庫環境”を整えると年間1,170円安い。「冷蔵庫の表面が熱くなるのは、庫内の熱を放出しているから。特に側面などに学校のプリントなどを貼ると、熱の放出を妨げてしまい、電気代に跳ね返ってしまいます。冷蔵庫は割とデリケートで、ほこりが積もっていても、熱がこもってしまう。夏前に、背面のほこりや、上面の油汚れを取るなどしておくのが、正解といえます」(藤山さん)食器棚や壁との間隔を空け、直射日光の当たらない場所に設置するなど、“冷蔵庫環境”を整えると、年間約1,170円の節約につながるのだ。■洗濯機【Q3】ドラム式洗濯乾燥機よりも、浴室乾燥機を使う答えは×。ドラム式乾燥機のほうが年間3万1,733円安い。「浴室乾燥機はドライヤーをつけっぱなしにしているようなもの。消費電力が、洗濯乾燥機の7倍も!毎日3時間利用した場合、浴室乾燥機の年間電気代は3万6,956円。対して最新型のヒートポンプ式洗濯乾燥機は、わずか5,223円です」(中田さん)浴室乾燥機を使わず、エアコンと扇風機併用の部屋干しをした場合でも、年間2万4,000円ほどの節約効果がある。【Q4】電気代がもったいないので、できるだけまとめて洗う答えは◯。“すかすか”より“つめつめ”のほうが年間4,180円得。容量の4割で洗濯する家庭と比較し、8割たまってから洗う家庭は、水道代と電気代合わせて年間4,180円の節約に。「ドラム式は縦型よりも節水効果が大きい。また、洗剤や柔軟剤を自動投入する機能が搭載された機種は、“入れすぎ”の無駄も省けます」(藤山さん)さらにお風呂の残り湯を使うと、水道代が年間7,900円も得になるという。■電子レンジ【Q5】野菜の下ごしらえに、コンロより電子レンジを使っている答えは◯。年間1,140円安い。100グラムの野菜を、1リットルの水を沸騰させて煮た場合と、電子レンジで下ごしらえした場合で、年間で1,140円以上の差が出る。夏場の調理の熱に苦しむ時間も減らせる。「かといって、勘に頼ってワット数や時間を設定すると、電気代が非効率に。ちゃんと調べて設定するか、センサー機能で適切な設定を自動的にしてくれるものを選びましょう」(藤山さん)出典:東京都「2018家庭の省エネハンドブック」、資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬2017」、「電気代見直しNo.1サイト『エネチェンジ』/電気とガスのかんたん比較」より
2019年07月20日「秋に消費増税が予定されているため、夏のボーナスで新しい家電を買い換えようとしている人は多いはず。しかし、選ぶときには、価格だけではなく、消費電力や利便性にも注目してください。電気代などのランニングコストの削減、家事の時短になるなどで、楽で得になることが多いんです」こう語るのは、家電ライターの藤山哲人さんだ。夏のボーナス支給目前。政府は10月の消費税増税を明言しているので、税率8%での最後のボーナスになる可能性が。これを機に家電の買い換えを考えている人も多いのでは?そこで家電プロレビュアーの石井和美さんにも加わってもらい、“楽得家電”を教えてもらった!■4Kテレビ来年の東京五輪に向けて、高画質の4Kテレビの需要が増している。多くの日本製のもののなかで、石井さんが主婦目線でおすすめするのは三菱の製品。【三菱電機 LCD-A50RA1000】50型4K液晶テレビ(ハードディスク、Ultra、HDとブルーレイのレコーダーを内蔵)。実勢価格:約16万円~。「ハードディスク、ブルーレイディスクとの一体型なので、裏側のコードも少なく掃除しやすい。リモコンで角度を変えることのできる首振り機能は、台所にいるときに便利です」(石井さん)低価格なら中国のメーカーであるハイセンスが突出。【Hisense(ハイセンス)50A6800】50型4K液晶テレビ。実勢価格:約7万円~。「国産メーカーよりも3~5割以上安く、実勢価格は42~52インチで7万~8万円。中国製=低品質というイメージをお持ちの人もいるかもしれませんが、東芝の技術を使用していて、画質・品質、ともに文句なし。ちなみにテレビは画面の明るさを調整することで、省エネできます」■洗濯乾燥機「ドラム式は縦型よりも節水効果が大きい傾向があります。多くの人はサボっていますが、洗濯物のホコリを取る乾燥フィルターは、毎回掃除をしましょう。空気の回りがよくなり、乾燥時間を短縮できます」(藤山さん)【日立 ビッグドラム BD-NV120C】ドラム式洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量12キロ、乾燥容量6キロ)。実勢価格:約18万5,000円~。「乾燥機能が優秀で、風が強いためシワがつきにくい。ピシッとアイロンをかけずに、ゆったり着るような綿シャツなら、乾燥機だけで十分な仕上がりです」(石井さん)縦型洗濯機では、6月下旬発売予定のパナソニックの製品に注目。【パナソニック NA-FW80K7】縦型洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量8キロ、乾燥容量4.5キロ)。予想価格:約15万8,000円~(6月下旬発売予定)液体合成洗剤・柔軟剤の自動投入機能を搭載。適量を入れられるため、洗剤だけでなく、すすぎの水も節約効果がある。パナソニック独自の「泡洗浄」で、高い洗浄力を誇る。「洗剤は目分量の場合、必要量よりも1.5倍ほど多く使用するといわれます。自動投入によってこうしたロスも防げます」(藤山さん)総務省の家計調査では、一世帯あたりの年間の洗剤代は4,827円。電気代と合わせて、年間4,000円ほどの節約になるようだ。どうせ買うのなら、“得”な家電で“楽”をしよう!
2019年06月22日「秋に消費増税が予定されているため、夏のボーナスで新しい家電を買い換えようとしている人は多いはず。しかし、選ぶときには、価格だけではなく、消費電力や利便性にも注目してください。電気代などのランニングコストの削減、家事の時短になるなどで、楽で得になることが多いんです」こう語るのは、家電ライターの藤山哲人さんだ。夏のボーナス支給目前。政府は10月の消費税増税を明言しているので、税率8%での最後のボーナスになる可能性が。これを機に家電の買い換えを考えている人も多いのでは?そこで家電プロレビュアーの石井和美さんにも加わってもらい、“楽得家電”を教えてもらった!■冷蔵庫「冷蔵庫は、開ける時間を短縮し、詰めすぎないことが省エネになります。また、側面に学校のプリントなどを張っている人がいますが、これは冷蔵庫の放熱を妨げ、電気代を増やします」(藤山さん)【東芝 VEGETA(ベジータ)GR-R600FZ(601L)】実勢価格:約24万5,000円~。年間電気代は6,450円。10年前の同サイズ機種の電気代、年間1万4,850円~1万6,200円に比べると、最大9,750円も節約。低温チルドモード搭載で、保存前よりも、食材のうまさがアップするとか。「2~3日の保存でしおれる葉野菜が1週間でもシャキシャキしています」(石井さん)【日立 真空チルドXGタイプ R-XG51J(505L)】実勢価格:約17万6,500円~。年間電気代が7,160円と、’08年の機種の1万3,230円~1万4,580円に比べ、最大7,420円も省エネされている。「真空チルドならお刺身もお肉も4~5日鮮度が保てます。新鮮スリープ野菜室は、野菜を眠らせるように保存するため、しいたけが1週間たってもプリプリのまま」(石井さん)■エアコン「大まかに、エアコンはセンサーで人、部屋、日射を調べ、温度の強弱をつける吹き分けタイプと、部屋全体の温度を管理する均一タイプに分けられます」(藤山さん)まず、吹き分けタイプでイチ推しなのが、三菱電機の霧ヶ峰FZシリーズ。【三菱電機 霧ヶ峰 MSZ-FZ7119S(23畳用)】実勢価格:約25万6,000円~。「サーモセンサーを駆使して、たとえば暑がっている旦那さんのところに25度、寒がっている奥さんのところに28度の風を送るなど、吹き分けてくれるので効率的」(藤山さん)23畳用の年間電気代は5万9,100円。10年前機種の8万3,510円に比べ、2万4,410円も節約になっている。均一タイプでは、ダイキンのうるさら7が代表格。【ダイキン うるさら7 RXシリーズ】実勢価格:約14万6,000円~(10畳)、約16万3,000円~(14畳)。「天井に沿って気流をまわすサーキュレーション気流で、部屋全体の温度を管理。人に直接風があたりにくく、部屋全体をムラなく空調するので、部屋中、快適」(石井さん)■その他、便利家電ジメジメするこれからの梅雨の季節に役立つのは、衣類乾燥除湿機だ。藤山さんのおすすめは三菱電機「サラリ」。【三菱電機 サラリ MJ-M100PX】実勢価格:約3万700円~。10年前同様機種に比べ、2キロの衣類を消費電力25%カットで乾燥させる。センサーで、ぬれた洋服を重点的に乾かしてくれるから効率的。タワマン住まいにも人気。「ムーブアイというセンサーが、乾き残りの洗濯物を感知し効率的に風邪を送ります」(石井さん)【アイロボットジャパン ルンバe5】オンライン販売価格:4万9,880円価格約5万円と安いにもかかわらず、12万円ほどのハイクラス商品の性能が備わっている。吸引力も旧モデルに比べ5倍強。ダストボックスが水洗いできるのもポイント。「1回の掃除の電気代は1~2円ほどなのに、主婦の手間を大幅に軽減させます」(藤山さん)どうせ買うのなら、“得”な家電で“楽”をしよう!
2019年06月22日タレント・熊切あさ美(36)が、28日に放送されたTBS系バラエティ番組『余談大賞2016』(20:57~)で、ヤクルト・山田哲人選手(24)との熱愛を否定した。8月発売の週刊誌『女性セブン』で、山田選手との"マンション通い愛"が報じられた熊切。司会の東野幸治(49)からそのことを突っ込まれると、「お友達の一人です」と否定するも、東野の「球界の宝に何してんねん!」「後輩芸人紹介するから、ほんまにやめてくれ!」という追撃を受けて苦笑い。「相手はいない」とフリーを強調する熊切だが、結婚に備えてさまざまな芸能人からお祝いメッセージをもらっているという。その理由は、「自分が結婚した時、たぶん今ほどお仕事をしているかも分からないので、今のうちに」。東野は「ホラーな話」とバッサリと切り捨てて笑いを誘い、ヒロミも「とうとう頭おかしくなったな!」と強烈な突っ込みでスタジオを盛り上げていた。
2016年09月29日日本演劇界が誇る名女優・藤山直美の最新舞台は、山本周五郎の小説が原作、そして石井ふく子演出による『おたふく物語』。江戸の下町に暮らす人々の愛と人情を描いた傑作だ。家族の問題を抱えながらも、健気に暮らす“おしず”を藤山、おしずが思いを寄せる彫金家“貞二郎”を錦織一清、おしずの妹“おたか”を田中美佐子が演じ、その他豪華出演者が脇を固める。舞台『おたふく物語』チケット情報「この物語では、綺麗でもなんでもない普通の女性・おしずが、ひとりの男性に凄く惚れるんですわ。でも、ストーカーみたいな感じではなく、本当に一途に愛らしい想い。女性のチャーミングな情念が出たらええなと思いますね。あと、家族のいろいろな問題も出てきます。表面上はとても良い感じに見えていても、どこの家族も他人には言えへんな~みたいな見せたくない小部屋みたいなんがある。その辺りも丁寧に描いてあって、その中でおしずがどんな風に現実と向き合っていくか。笑いながらもちょっと考えさせられる感じになるかもしれませんね」本作同様、山本周五郎原作、石井ふく子演出、藤山直美主演で舞台化された『かあちゃん』を、今年3月に明治座で上演。こちらも大好評だったという事で、またの石井とのタッグにも期待が高まる。「石井さんは本当に稽古でどんどん変えていかはる方。頭の中にビジョンがちゃんと出来上がってらっしゃるんでしょうね。いやもうお元気で。太陽電池かなんか入ってらっしゃるんやないやろか(笑)。表ではレジェンドやって言うてますけど、妖怪辞典に載りそうな勢いですわ。って、こんなの言うたら怒られるわ(笑)」映画『団地』では上海国際映画祭で日本人女優として初めて最優秀女優賞を受賞するなど、まずます注目も高まっているが、本人は「映画の賞は、やっぱり監督のもの。自分が貰ったという意識はない」とあくまで自然体。そして演じる事への気持ちはどんどん貪欲になっている。「父(藤山寛美)の時代は、芝居が一番の娯楽やった時代。今は多種多様で、いろいろな選択肢がある。その中で劇場や映画館に足を運んで頂くことの難しさも痛感しますね。テレビと違って、おもろないからって途中で変更もできませんから。責任もって最後まで楽しませなアカン思います」公演は9月25日(日)まで東京・明治座、10月5日(水)から27日(木)まで福岡・博多座にて。チケット発売中。
2016年09月13日明治座にて、山本周五郎の『おたふく物語』が石井ふく子演出で舞台化される。江戸の下町に暮らす庶民の姿をやさしく描いたこの傑作で、主演するのは藤山直美。舞台に立てば観客の心を掴んで離さない当代きっての喜劇女優は、どんな人情物語を見せてくれるのか。芝居への思いを聞いた。舞台『おたふく物語』チケット情報藤山が演じるのは、少しおっちょこちょいなところがあるものの心の温かいおしず。妹を思い、妹の幸せのためにと、牢屋に入っていて金をせびりに来る弟のことも、心で泣きながら拒絶する。「姉は妹に幸せになってもらいたいと願い、妹は姉にこそ幸せになってほしいと懇願してと、そんな思って思われてという姉妹の愛情や、弟に対する複雑な思いが描かれているんです。その人間の細やかな機微というものをどうお見せしていくか。石井ふく子先生の舵取りのもと、先生の演出に必死についていっているところです」。なかでも、ずっと秘かな恋心を抱いていてやがて夫婦となる貞二郎には、“おたふく(不美人)な自分にはもったいない”と、何ともかわいらしい感情を見せることに。「おしずは人間的にチャーミングなんですよね。家族の悩みを抱えながらも一途に生きていて。そこに共感してもらえるんやないかなと思いますし、今はもう死語になってしまった、“もどかしさ”とか“奥ゆかしさ”という言葉が、思い出される作品になるんじゃないかなと思っています」。共演者には、妹に田中美佐子、貞二郎に錦織一清らが揃う。「みなさん真面目で芝居に対して真摯で、学ぶべきところの多い方たちばかりです。まだまだ産みの苦しみの最中ですが、何とかみんなで頑張って作っていきたいですね」。ただし、「舞台のうえでは苦しんで稽古したことは絶対にお見せしません。私らがどんなに大変やったかは、お客さんには関係ない。お客さんにはとにかく気楽に観に来ていただいて、楽しんでいただけたらそれでいいんです」ときっぱり。その言葉には、藤山直美という役者が見せるものに人が惹かれずにはいられない理由が表れている。「私、自分が称賛されたり褒められたりすることは、別にいらないんです。それより、“ああ、この話面白かったな”と喜んでいただけるのがいちばん。ただ、そう思ってもらうのは簡単なことじゃないですから。だから、役者をやってる限りは苦しみ続けるんやと思います」。本当に観客のためだけに作られるまさしく庶民の芝居。初秋の明治座で堪能してほしい。明治座公演は9月1日(木)から25日(日)まで。10月には博多座でも公演。取材・文:大内弓子
2016年08月31日2000年の映画『顔』で映画賞を総なめにした阪本順治監督と藤山直美が再びタッグを組んだ『団地』の完成報告会見が5月26日(木)に開催。阪本監督、藤山さんに共演の岸部一徳、石橋蓮司、大楠道代、斎藤工が出席した。タイトル通り、大阪の近郊にある古ぼけた団地を舞台にした本作。長年、営んできた漢方薬局を店じまいし、団地に越してきた夫婦のヒナ子と清治だったが、清治があることをきっかけに家庭内に引きこもるようになったことから、団地特有のウワサや好奇の目にさらされ…。大阪の人間模様を描きつつ、後半以降は斎藤さんが演じる奇妙な青年・真城を軸に驚愕の展開が待ち受ける本作。藤山さんは、最初に脚本を読んだとき「(阪本監督に)いい医者を紹介したいと思いました。『この人、大丈夫か?』と(笑)」と戸惑いを口にする。いくつもの阪本作品に出演してきた大楠さんも「脚本読んですぐに岸部さんに電話して『監督、頭がおかしくなったんじゃ?』と言いました。ショックでした(笑)」と衝撃を述懐する。阪本監督は「藤山さんをどこまで遠くに連れて行こうか?という発想から生まれた」と説明。藤山さんは「帰ってこれないところまで連れていかれました(笑)」と語るが、それでも阪本監督への信頼は絶大!「学校を卒業して、道端で会っても先生のことは『先生』と呼びますが、阪本監督に『顔』を撮ってもらって、それから(舞台の)楽屋に来ていただこうが、監督は『監督』。不思議な関係ですが、そういう人が役者には必要。私の人生にとっては大変貴重な人です」と語った。奇想天外の物語のカギを握る奇妙な男を演じた斎藤さんは「特殊な役だったんですが、それが強み。唯一、この方々に対峙できる役でした」と役の特殊性の力を借りて、阪本組常連のベテラン勢と渡り合ったと振り返る。特に、藤山さんには「いつも的確にイジっていただき幸せでした」とニッコリ。この日も久々に会って、斎藤さんの出で立ちを見て「『打楽器を忘れた南米のミュージシャンだね』と言われました(笑)」と笑いを誘う。ちなみに、藤山さんは当初、斎藤さんの「工(たくみ)」という名前をカタカナの「エ」だと思っていたとか!この日も、斎藤さんが「抱かれたい男No.1」に選ばれたことをネタに「上手に騙すんやね、女の人を(笑)」とイジり倒していた。『団地』は6月4日(土)より有楽町スバル座、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月26日『顔』の監督・阪本順治×主演・藤山直美がコンビが贈る最新作『団地』。このほど、何かとウワサの絶えない団地を舞台にさまざまな人間模様が交錯する本作から、“妄想としゃべくりのハーモニー”を奏でる予告編が解禁。阪本組初参加の斎藤工も、なんとも奇妙な登場の仕方をしていることが分かった。とある事情で家業の漢方薬局を畳み、団地に越してきた山下ヒナ子(藤山直美)と夫の清治(岸部一徳)。住人たちは、自治会長の行徳(石橋蓮司)と妻の君子(大楠道代)、クレーマーで次期会長を狙う吉住(宅間孝行)に、暇を持て余した奥さま連中。ある日、些細な出来事でヘソを曲げた清治が「僕は死んだことにしてくれ」と床下に隠れてしまう。夫の姿がぱったり見えなくなっても淡々とパートに通い続けるヒナ子に、隣人たちの“妄想”は膨らむばかり。さらに、妙な立ち居振る舞いの青年(斎藤工)が山下家を訪れ…。数々の映画賞を総なめにした『顔』から16年、阪本監督が書き下ろす完全オリジナル脚本の会話劇は、さまざまな人生が交差する大阪近郊の古ぼけた団地が舞台。予告編映像には、「阪本監督が撮ってくれるなら」と久々にスクリーンへ復帰した藤山さんをはじめ、岸部一徳、石橋蓮司、大楠道代ら阪本組常連にして最強と言うべきカルテットが集結。「死んだことにしてくれ!」とヘソを曲げ突然床下へ潜ってしまった夫・清治。「最近、姿を見ていない」と口を揃える、距離感の近すぎる隣人たちの好奇心、妄想はとどまることなく加速し続け、ついには失踪説まで流れ出し、緊急会議をひらく始末…。そんな中、今回、阪本組初参加となる斎藤さん演じる青年も謎の言葉を発しながら、異質な存在感を放って登場。また、大阪弁のテンポの良さが会話の応酬にさらなる拍車をかけていき、庶民劇でありながら、大胆不敵な大どんでん返しをも予感させていく。予告編でナレーションを務めているのは、大阪を代表するラジオパーソナリティとして知られ、本編にも声の出演で参加を果たしている大ベテラン、浜村淳。浜村さんは本作について「ウソもマコトも、団地ではうわさの広まり早すぎる。笑わせ泣かせ怖がらせ、ああ、家の団地も良く似てる」とコメント。DANCHI――。それは、なんでもありえる昭和の集合住宅にして、ウワサが転がる“小宇宙”。稀代のコメディエンヌ・藤山さん演じるヒナ子も思わず「団地っておもろいなあ」とつぶやいてしまう、観客巻き込み型の秘密共有エンターテイメントを、ここから目撃してみて。『団地』は6月4日(土)より有楽町スバル座、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月23日藤山直美が主演を、阪本順治が監督を務める映画『団地』の予告編映像が公開になった。大阪近郊にある昭和のムード漂う団地を舞台にした作品だ。予告編映像藤山と阪本監督は『顔』でタッグを組み、高い評価を得たが、16年ぶりに再タッグを組んだ本作は、ごく平凡な夫婦が予想外の出来事を描く異色コメディだ。藤山演じるヒナ子と夫の清治(岸部一徳)は昭和のムード漂う団地に引っ越してきたが、ある事件をきっかけに夫は「僕を死んだことにしてくれ」と床下に隠れてしまう。夫の要求を受け入れたヒナ子は夫が消えても普通の日常を送ろうと振舞うが、そのことが隣人たちの妄想をかきたて、団地に騒動が巻き起こる。本作は、テンポのよい会話で独特の世界観を描き出していく作品で、予告編でも団地で暮らす人々がひたすらに“しゃべりまくる”のが大きなポイントだ。また、藤山、岸部のほかにも石橋蓮司、大楠道代、斎藤工らが出演し不可思議で濃いキャラクターを演じており、これまでにない会話劇になっているようだ。『団地』6月4日(土) 有楽町スバル座、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
2016年03月23日映画賞を総なめにした傑作『顔』から16年、日本演劇界が誇る舞台女優・ 藤山直美と阪本順治監督が再びタッグを組んだ最新作『団地』が、6月4日(土)より公開されることが決定。そして本作のポスタービジュアルがついに解禁された。とある事情で家業の漢方薬局を畳み、団地に越してきたヒナ子(藤山直美)と清治(岸部一徳)。住人たちは、自治会長の行徳(石橋蓮司)と妻の君子(大楠道代)、クレーマーで次期会長を狙う吉住(宅間孝行)に、暇を持て余した奥さま連中。 ある日、些細な出来事でヘソを曲げた清治が「僕は死んだことにしてくれ」と床下に隠れてしまう。夫の姿が消えても淡々とパートに通い続けるヒナ子の言動に、隣人たちの 妄想は膨らむばかり。さらに、妙な立ち居振る舞いの青年(斎藤工)が山下家を訪れて…。『顔』は喜劇女優・藤山さんを主演に、佐藤浩市、豊川悦司ら豪華キャストを迎え、実在した女性逃亡犯の内面を圧倒的リアリティーで再現した異色の犯罪映画。また映画は「日本アカデミー賞」「毎日映画コンクール」などでその年の日本国内の映画賞を総なめにした。その『顔』のコンビが再びタッグを組んだ本作は、“団地”を舞台にある秘密を抱えた夫婦を描く物語で、主人公ヒナ子役の藤山さんを筆頭に、夫・清治役に岸部さん、自治会長夫妻行徳と君子役に阪本組常連の石橋さんと大楠さん、クレーマー・吉住役に宅間さん、ヒナ子の家に出入りするミステリアスな男・貴史役に斎藤さんが好演する。そのほか竹内都子、 濱田マリら個性派キャストが脇を固めている。本作は、観客の予想を気持ちよく覆す、新たなテイストの人間ドラマとなっており、様々な人生が交差する“団地”という空間で、ごく平凡な夫婦のアリエナイ体験を軽快な会話劇で描く、ちょっぴりブラックかつ滋味に溢れる、まさに“妄想としゃべくりのハーモニー”を描いている。そして今回解禁されたポスターは、「【DANCHI】なんでもありえる昭和の集合住宅。ウワサが転がる小宇宙。」というコピーと共に、主人公ヒナ子を演じた藤山さんと、そしてなぜか床下から這い出る夫・清治を演じる岸部さんの姿が目を引くビジュアルとなっている。『団地』は6月4日(土)より有楽町スバル座、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月15日藤山直美が主演する舞台『おもろい女』が5月29日、東京・THEATRE1010にて開幕する。実在した天才漫才師ミス・ワカナの波乱に満ちた36年の生涯を、ドラマチックに描き出す物語。これまで森光子主演で長く人気を博していた舞台だ。ミス・ワカナとコンビを組んだ玉松一郎は、渡辺いっけいが演じる。初日を前にした28日、同劇場にて藤山と渡辺が心境を語った。舞台『おもろい女』チケット情報まくしたてるワカナのしゃべりに、アコーディオンを抱えた一郎がボーっとした絶妙の間合いで合いの手を入れるというスタイルで、昭和初期にエンタツ・アチャコと並び一世を風靡した夫婦漫才師。戦争・敗戦と移りゆく社会情勢の中、ワカナと一郎は結婚・別離を経てなお二人三脚で漫才師として頂点を極めていく…。藤山と渡辺は息のあった漫才シーンもさることながら、ふたりの日常を描く会話のテンポ感に味があり、面白い。さらに昭和の人情の温かさや、漫才に愛情を注ぎ、軽視されていたこの芸事を一流のエンターテインメントとして認められるようにと奮闘する人々の姿が胸を打つ。笑いと涙が絶妙にブレンドされたお芝居だ。この作品、もとは1965年に森光子と藤山寛美がワカナと一郎を演じたテレビドラマ。藤山は父が主演したこのドラマに子役として出演していた。実に50年ぶりの『おもろい女』への出演となるが、当時のことは「ほとんど覚えていない」と藤山。ただその後、森光子主演で上演されていた舞台は観ていたそうで、「面白かったですし、森さんしか出来ないミス・ワカナというものがちゃんとありましたから、自分がやることになるとは夢にも思っていませんでした。話が来た時には『どうしよう』とうなだれました」と話す。ただし「森さんと同じ役をやると考えたら、今この場に立っていない。同じレベルのものをやろうとは思っていない、ひとつの作品としていっけいさんと巡り合い、皆さんと巡り合い、(今回)させてもらう」と、自分たちならではの『おもろい女』を作ることを決意しているよう。渡辺もまた「(藤山の)お父様が演じた役ですね」と記者に話題を振られると「そのことに関しては考えも出来ないくらい。それを考えていたら多分断っていた。そうではなく、直美さんとだからやってみたいと思った」と話す。真摯な姿勢でも息の合ったところを見せた新生“ワカナと一郎”だが、実はこれが初共演。お互いの印象は「大げさな言い方ですが、お芝居に生きてはる人」(渡辺)、「こんな真面目な人いてるんかなと思うくらい真面目な方で、お芝居に対して前向き」(藤山)とのこと。そんな人柄や温もりも伝わってくる漫才コンビの珠玉の芸が、客席に大きな笑いと感動の涙を届けるに違いない。公演は6月2日(火)まで同劇場にて。その後6月5日(金)から30日(火)まで、東京・シアタークリエにて上演される。チケットは発売中。
2015年05月29日戦中戦後を駆け抜けた伝説の漫才師ミス・ワカナ。日本芸能史にその名を轟かす“おもろい女”と、彼女の相方で夫でもあった玉松一郎の一代記が、当代きっての喜劇女優・藤山直美と渡辺いっけいの初タッグで甦る!原作は1965年、森光子と藤山寛美の黄金コンビが、お茶の間を賑わせたテレビドラマだ。寛美の実の娘・直美は6歳当時、中国の浮浪児役で出演していたという。1978年には森と芦屋雁之助により舞台化。実に463回の上演を重ねた名作が、9年ぶりに新生する好機を逃すわけにはいかない!という訳で、5月中旬、1幕の通し稽古が行われていた稽古場に潜入した。舞台『おもろい女』チケット情報顔寄せでも“コツコツ努力道”を歩むと誓った藤山は、その言葉通り丁寧に1場ずつ、演出の田村孝裕と細かな段取りまで確認しながら作品と向き合っていく。物語は十五歳の河本杉子が、大阪漫才の大御所に弟子入りを直談判する騒動から始まる。その一部始終を見ていたのが、映画館のチェロ楽士・河内山一郎。後のワカナと一郎、運命の出会いの瞬間だ。居合わせた漫才台本作家の秋田実(田山涼成)や漫才界のドン・菱本せつ(正司花江)らに“おもろい女”だと認められたワカナの人生は、ここから急激に加速していく。程なくワカナと一郎は駆け落ち。前のめりなほど芸に没頭する妻と、彼女を三歩後ろから支える夫という“凸凹婦夫”の情愛が、藤山と渡辺の“あ・うんの演技”からひしひしと伝わってくる。その後、中国の青島に渡ったふたりだったが、病を煩った一郎は首吊り&割腹自殺を図る……が、止めに入ったワカナと組んず解れつ、結局は仲睦まじいふたりに戻るのがまた微笑ましい。と、偶然その場を目撃する若手漫才コンビ役に挑むのは黒川芽以と篠田光亮。役者としても座組の中では群を抜いて年下ながら、現場に新鮮な空気を送り込んでいた。場の空気を一変させるといえば、九州演芸の顔に扮する山本陽子の存在感たるや。藤山と山本の女優競演も見逃せない一幕になりそうだ。時は流れ、戦下の中国を“演芸わらわし隊”の一員として訪れたワカナと一郎は、戦線の部隊長・飯塚大佐との束の間の親交を結ぶ。しかしふたりが日本に戻り、NHKの本番が始まる瞬間、飯塚大佐の戦死の速報がワカナの心を打ちのめす。その胸中を、藤山は声を震わせ、涙を浮かべた迫真の“泣かせ漫才”で吐露。寄り添う一郎になりきる渡辺が弾くアコーディオンの音色も哀しみを増長させた。この“泣かせ漫才”しかり、各地の方言で聴かせる“しゃべくり漫才”など漫才シーンも見どころの本作。昨年の『ええから加減』でも冒頭から爆笑を誘った藤山をして、いまだ漫才は難儀と言わしめるとは、観ている方にとっては驚きだ。さらに藤山は安来節からフラダンスまでこなすなど、見どころしか見当たらない本作。劇場で新生ワカナに出会える日を指折り待ちたい。公演は5月29日(金)から6月2日(火)まで東京・THEATRE1010、6月5日(金)から30日(火)まで東京・シアタークリエにて。チケット発売中。取材・文:山田美穂
2015年05月26日3月6日、藤山直美主演の舞台『スーパー喜劇「かぐや姫」』が東京・新橋演舞場で幕を開けた。【チケット情報はこちら】「スーパー喜劇」とは三代目市川猿之助(現猿翁)による「スーパー歌舞伎」と、藤山直美が演じる喜劇が合体したもので、2005年に第1弾として『狸御殿』を上演。今回、10年ぶりに第2弾が上演される。太陽の王と月の女王との間に生まれたかぐや姫(藤山直美)は、ある月の掟を破ってしまい、罰として蒼い星<地球>に流刑されることに。いにしえの地球に落ちたかぐや姫は、竹林で月庵(上條恒彦)と照乃夫妻に拾われ、人智を超える早さですくすく育つ。月での記憶を失いながらも、不思議な力を宿していたかぐや姫、人々を明るくさせる福女ぶりの噂に尾ひれがついて広がり、次々とムコ候補が名乗り出る。一方月の世界では、かぐや姫の母、月の女神・月光(水谷八重子)が、地上から“かぐや姫のムコ候補が次々と名乗り出ている”という報告を聞き、不安を募らせていた・・・。同作は、日本昔話で広く知られている「かぐや姫」という切なさや儚さといった印象のある物語が、楽しく、笑いに包まれて展開されていく。藤山が楽しい音楽にあわせて歌い踊るシーンや、かぐや姫を心配する親心を歌う水谷の美声も見所のひとつ。また、拍子木や太鼓といった歌舞伎の技法も盛り込まれている。“スーパー喜劇”お約束の宙乗りもあり、楽しみな要素が詰まった公演だ。『スーパー喜劇「かぐや姫」』は3月31日(火)まで東京・新橋演舞場、4月5日(日)から27日(月)まで、大阪・松竹座で上演。チケットは発売中。
2015年03月09日3月6日(金)より東京・新橋演舞場で上演される『スーパー喜劇「かぐや姫」』の制作発表が1月15日に行なわれ、主演の藤山直美ほかキャストが出席した。【チケット情報はこちら】「スーパー喜劇」とは三代目市川猿翁による「スーパー歌舞伎」と、藤山直美が演じる喜劇が合体したもので、2005年に第1弾として『狸御殿』を上演。今回、10年ぶりに第二弾として『かぐや姫』を上演する。主演のかぐや姫を演じる藤山は「私とかぐや姫が対極にあるっていうのは分かってるんですが、演出の齋藤さんと脚本の佐々木さんに物凄く大きな竹を作るからって言われたので(笑)、かぐや姫をやらせていただく事になりました」とコメント。手応えについては「来月から稽古なのでまだ分からないんですが、新しいひとつの“ジャンル”になれば良いなと思っています。ただ、出演者に珍獣が集まりましたので“ジャングル”になりそうな気もしています(笑)」と笑いを交えて語った。中宮役を務める市川笑也は、同作のエグゼクティブスーパーバイザーを務める猿翁の言葉を用い、「スーパー喜劇というのは、よりよくお客様を楽しませようと言うのがコンセプト。私の師匠である猿翁も“演劇はお客様あってのもの。お客様をどれだけ楽しませるかという所で頑張らなくてはいけないんだよ”とよく言っております。精一杯やらせていただこうと思います」と意気込んだ。また、月のウサギ役を務める市川猿弥は「前回のスーパー喜劇も思い出深い作品。前回は狸で、今回はウサギ。何で動物ばっかりなのかと思いますが(笑)今回も面白い作品になればと思っています」と話した。演出を務める齋藤雅文は、物語の見所のひとつである、藤山演じるかぐや姫の登場シーンについて「東京に初めてゴジラが登場したぐらいの衝撃があるのではないでしょうか(笑)。直美さんがやるからには歌って踊って暴れて・・・というようなお芝居になれば」とコメント。それを受けて藤山は「ゴジラに例えられて凄く幸せという方はいらっしゃらないと思うんですけど(笑)、ただ登場の仕方はどうでも良くて、最近は下を向くようなニュースが多いので、お客さんが劇場に来た時だけでも、心がほころんで帰ってもらえれば」と語った。また「喜劇というからにはお客さんに笑ってもらいたいですが、何でも良いから笑ってもらうというのは好きではない。喜劇というのは人の心情に自然と入り込んで笑ってもらうもの。登場シーンだけではなく、物語が作り出す情愛を感じて笑ってもらえたら良いですね」と話した。『スーパー喜劇「かぐや姫」』は3月6日(金)から3月31日(火)まで東京・新橋演舞場、4月5日(日)から27日(月)まで、大阪・松竹座で上演。なお、チケットぴあでは東京公演の先行抽選いち早プレリザーブを実施中。受付は1月19日(月)午前11時まで。また、先行抽選プレリザーブは1月17日(土)午前11時より受付開始。
2015年01月16日藤山直美と高畑淳子が初共演を果たす舞台『ええから加減』の製作発表が、6月4日に都内で行われた。『ええから加減』公演情報原作は第84回オール讀物新人賞を受賞した永田俊也の短編小説で、上方女漫才コンビの濱子(藤山)と宇多恵(高畑)を中心に物語は展開する。25年のキャリアがありながら、コンビの人気はそこそこといったところ。しかし、ボケ役の宇多恵が突然「上方演芸大賞を目指そう」と言い出したことから、状況は変わり始める。漫才は劇中で実際に披露される予定で、藤山は「イメージするコンビは、海原お浜・小浜師匠や、島田洋之介・今喜多代さん、内海桂子・好江師匠のように、どの年代でも楽しめる王道で古風なタイプ。一生懸命ふたりで練習して、役者による漫才にしてはようがんばったな、と思っていただきたい」と謙虚な姿勢をみせる。一方の高畑は、藤山との初共演が何よりうれしいようで、「短パン、スッピンでマーケットを走り回っているような私が、藤山さんとお芝居できるなんて。軽い“追っかけ”だったので、胸がいっぱいです。漫才のシーンは、読み合わせの段階からすごく面白くて、このまま出しても金になるぞ、と思ったほど。藤山さんは絶対かなわない人ですし、ただへばりついていくつもりです」とユーモラスに心境を語った。記者会見には原作者の永田、脚本・演出の田村孝裕、濱子の夫役を演じる赤井英和、漫才コンビの所属事務所の専務に扮する田山涼成も出席した。永田は「脚本を読んだらものすごくすばらしい内容だった。今から成功を確信しています」と期待を寄せ、田村は「“笑うとはどういうことか”が今回のテーマのひとつ。ぜひ笑っていただけるような舞台を作りたい」と意気込みを語った。公演は、東京・シアタークリエにて7月1日(日)から29日(日)まで。チケット発売中。
2012年06月04日高い演技力もさることながら、TVではバイタリティーあふれる発言で人気の女優、藤山直美と高畑淳子。このふたりが漫才コンビを演じる舞台『ええから加減』が7月に東京・シアタークリエで上演される。『ええから加減』チケット情報本作は、2004年のオール読物新人賞を受賞した永田俊也の同名小説をもとに、丁寧な人間描写に定評のある俊英・田村孝裕(劇団ONEOR8)が脚本と演出を手がけて舞台化するもの。大阪のお笑い芸人コンビ「海野濱子・宇多恵」の奮闘を、原作の味わいそのままに涙と笑いで描く。4月某日に行われたポスター撮影では、サザエさんのような髪型を提案するなど、並々ならぬ意気込みを見せる高畑に話を訊いた。劇中ではボケ役の宇多恵を演じる高畑。「台本を読んだら、最初と最後に漫才のシーンがあるんですよ!舞台に立って、お客様に“大したことないな”と思われることほど恥ずかしいものはない。だから稽古場ではたくさん恥をかいて、少しでも“おもろいやないか”と楽しんでいただけるようにお稽古したいですね」と話す。漫才の稽古も「先日あるパーティーでますだおかだの増田さんにお会いして、お友だちになってもらいました(笑)。早速“役者さんと芸人は立ち位置から違いますよ”なんて貴重なアドバイスをもらってます」と準備万端の様子。物語は中堅でそこそこ人気もある漫才コンビの濱・宇多を軸に展開する。若手芸人の人気に押されるようになったふたりが、一念発起して上方演芸大賞を目指すまでが描かれる。新ネタの打ち合わせやネタの練り直し、営業活動や審査員への根回しなど、お笑い界の裏側を綴るエピソードも見どころだ。「台本には濱子と宇多恵の女性の友情なんて、一切書かれてないんです。そこにあるのは、女の大事な時期をひとつの芸事だけにひたすら打ち込んできたふたりの関係。漫才が終わったらパッと帰る……みたいな仲なのに、芸のためには互いのことを思いやる、そこがなんとも魅力的だなって。私自身、芝居に身を削っているという気持ちもあるので、芸事に携わるものとして感じる部分がありました」。これと思ったら突き進む宇多恵と似た部分は、自身にも大いにあるとか。「女優をするって決めた時も、母が“この子は頑固だから”って諦めたくらい(笑)。いつも困難な道のほうを選んでしまうんですけどね」と笑う。ドラマにバラエティーにと忙しい今も、青年座に所属し、外部公演も含めてさまざまな舞台に立ち続ける高畑。「帝国劇場の楽屋口にある提灯に、歴代の名優の名前が書いてあるのを憧れの気持ちで見上げています。私ももっと頑張らないと!って」。そう語る高畑が全力で打ち込む舞台に期待したい。舞台『ええから加減』は7月1日(日)から29日(日)までシアタークリエにて上演。チケットは発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年05月10日喜劇役者の藤山直美と歌舞伎俳優の坂東薪車が出演する舞台『年忘れ喜劇特別公演』が12月1日、東京・新橋演舞場で開幕する。この興行は、年上女房・おかつと甘えん坊の若い夫・清之助の物語を、笑いと涙でたっぷり描いた上方人情喜劇の名作『銀のかんざし』と、薪車が領主前田能登守と盗賊の赤鞘主水の2役を演じ、大立廻りもある『殿様茶店の恋日和』の2本立てだ。初日前日の11月30日、『銀のかんざし』の稽古を終えた藤山と薪車が取材に応じた。『年忘れ喜劇特別公演』チケット情報藤山は「おかつと清之助は今流行りの年の差夫婦なんですけど、薪車さんは“じじい”っぽいんですよね(笑)。本当は私の方が年上ですけれど、普通にやっております」と笑いを誘い、新車は「じじい、じじいってねぇ(笑)。見た目がちょっと老けているのかな」とおどけてみせた。また藤山との共演は「年上ってこんなにも心地良いものかとお芝居を通して改めて感じています。100%信頼して思いっきりやらせていただいています」と話し、『銀のかんざし』については「男の夢がつまっています。人間の絆、夫婦の絆というものを観ていただきたい」とみどころをアピール。藤山も、もう1本の『殿様茶店の恋日和』について「薪車さんの15分もあるすっごい立廻りは見物です。思わず『音羽屋!』(坂東薪車の屋号)と大向こうをかけたくなります」と力強く語った。そして「お芝居をご覧になったお客様が面白かったなぁ、楽しかったなぁと言っていただけるのが頂点の喜びです」と締めた。公演は同劇場で12月25日(日)まで上演。チケットは発売中。
2011年12月01日