学校給食会社を経て、フリーランスの管理栄養士、ライターとして活動。今日から使える情報発信を得意とし、「みんなが分かる」記事作りをモットーとしています。
野菜の中でも、特に甘みが強くて人気のかぼちゃ。かぼちゃの果肉は鮮やかな黄色をしていますよね。これは、色素の成分であるβ-カロテンによるものです。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持が期待されています。 そんなかぼちゃは、とても大きい野菜のため、使いきれずに傷んでしまった経験があるひとも多いのではないでしょうか? 今回は、かぼちゃをおいしく食べきる保存方法と活用レシピをご紹介します。 ■かぼちゃの保存は冷凍?冷蔵? ・すぐ使わないなら冷凍がおすすめ かぼちゃを買ったものの、すぐに使わないときや、料理で余ったかぼちゃの使い道がすぐに思いつかないときは、冷凍保存しておくと傷まずに保存できます。すでにカットされたかぼちゃは特に傷みやすいので、買った場合は新鮮なうちに冷凍保存しておくといいですね。 ・丸ごとなら常温保存も 丸ごとの状態なら、10℃前後の場所で常温保存すると、冷蔵保存より長持ちします。低い温度やあまりにも高い温度では腐りやすくなりますので注意しましょう。 ■かぼちゃの保存方法【冷凍】 冷凍保存方法は、生のまま冷凍する方法と、加熱やマッシュをして冷凍保存する方法があります。少し手間はかかりますが、下処理してから保存するので急いでいるときにもすぐ使えて便利です。 意外にも、かぼちゃは水分が多く含まれています。そのため、解凍するときに水分が抜けて味や食感が悪くなりがちです。できるだけ味をキープする冷凍・解凍方法をご紹介します。 ・生のまま冷凍保存する場合 生のまま冷凍保存する方法は、カットするだけなので、比較的簡単にできます。水分や空気が傷みの原因になりますので、しっかりと取り除きましょう。 種とわたをとり水気を拭く 丸ごとの場合は、かぼちゃを1/4に切り分けます。ヘタの部分はかたいので、半分に切るときはヘタの部分を避けると切りやすくなりますよ。傷みやニオイの原因になるので、種とわたはスプ―ンでとり除いてください。そのあと、キッチンペーパーを使ってかぼちゃの外側と内側の水気をふき取りましょう。 使いやすい大きさにカットする 使いやすい大きさにカットしましょう。煮物や温野菜にする場合は、2~3cm角くらいにカットすると食べやすくなります。さらに、煮物用の場合は皮をそぎ落とすようにしてところどころむいておくと味が染みこみやすくなります。天ぷらや炒め物にするときは、1/4~1/8に切り分けたかぼちゃを3mm幅くらいの薄いくし形切りにしましょう。 1回分ずつラップで包む 1回分ずつラップと密着させるようにして包みましょう。4~5切れずつに包んでおくと、1人分として使いやすいですよ。 保存袋に入れて冷凍する ジッパー付きの冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかりと抜いてから冷凍庫に入れます。少し面倒ですが、ラップに包んでから保存袋に入れておくことで空気に触れないため、乾燥や食感が悪くなることを防ぐことができます。 ・加熱して冷凍する場合 加熱してから冷凍しておくと、市販の冷凍かぼちゃのように使えてさらに便利になります。生で保存する方法と同じように、下処理してカットしたかぼちゃを少しかために茹でるか、電子レンジで加熱しましょう。冷めてから1回分ずつラップで包んだものをジッパー付きの保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫に入れます。 ・マッシュして冷凍保存する場合 マッシュすると、生で冷凍する場合と比べておいしさをキープでき、食感が悪くなることも防げます。スープやお菓子作りにすぐ活用できるところも魅力的です。 茹でたかぼちゃをマッシュする 種とわたをとり、皮をむいて一口サイズに切ったかぼちゃをやわからかくなるまで茹でます。1/4サイズにカットして皮をむいたカボチャをラップに包んで、電子レンジで加熱してもいいですよ。熱いうちに木べらやマッシャー、フォークなどを使ってなめらかになるまでマッシュします。 1回分ずつラップで包む マッシュしたかぼちゃをしっかりと冷ましてから、1回分ずつラップで包みます。手のひらサイズ(およそ80g)に分けておくと使いやすいですね。凍りやすいようにできるだけ薄く平らにして包みましょう。 保存袋に入れて冷凍する ジッパー付きの冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかりと抜いてから冷凍庫に入れます。 ・冷凍での保存期間 冷凍での保存は生のまま・加熱・マッシュすべて約2週間です。冷凍とはいえ、長期保存すると味が落ちてしまうので、早めに使うようにしましょう。 ・冷凍かぼちゃの解凍方法 冷凍したかぼちゃは、解凍せずに凍ったまま加熱調理に使うと食感や味の劣化を防ぐことができます。解凍すると水分が抜けて食感がグニャグニャになってしまうことがあり、味も薄くて水っぽくなることがありますので注意しましょう。煮物に使う場合は、解凍せずに調理することで煮崩れも防ぐことができます。 マッシュしたかぼちゃは調理の方法によって異なります。スープなどに使う場合は、凍った状態のまま調理の途中で加えましょう。忙しいときでも簡単にかぼちゃのポタージュなどができますよ。コロッケやお菓子作りに使う場合は、電子レンジの解凍機能を使います。水分が飛ばないように様子を見ながら少しずつ解凍しましょう。 ■かぼちゃの保存方法【冷蔵】 保存期間は短くなりますが、冷蔵庫で保存すると味や食感を損なわずに保存できます。カットされたかぼちゃは、常温ではすぐに傷むため、必ず冷蔵庫で保存しましょう。 ・生のまま冷蔵保存する場合 スーパーで売っているかぼちゃは、種とわたがそのままついている場合が多いですよね。種とわたの部分には水分が多いので、買ってきた状態のまま冷蔵庫に入れておくと、すぐに傷んでしまいます。買ってきたら冷蔵庫に入れる前に下処理をしてから冷蔵庫に入れましょう。 種とわたをとり水気を拭く スプーンを使って種とわたをとり除き、キッチンペーパーで水気を拭きます。 ラップでぴったり包む 乾燥を防ぐためにラップを切り口に貼り付けるようにして包みます。 野菜室に入れて保存する さらにビニール袋に入れて、口をしばってから冷蔵庫より温度が高い野菜室に入れて保存しましょう。 ・茹でて冷蔵保存する場合 かぼちゃを茹でてから冷蔵保存しておくと、付け合わせなどにすぐに使えます。茹でてから冷蔵保存する場合は、食べやすい大きさにカットして茹でます。かぼちゃを耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジで加熱するとさらに簡単ですよ。 水気が残っていると傷みやすいので、水気をしっかりと切っておきましょう。よく冷ましてから清潔なタッパーに入れて、冷蔵庫で保存します。 ・冷蔵での保存期間 生で冷蔵保存した場合の保存期間は約1週間です。長く冷蔵庫に保存すると、低温で傷みやすいため、早めに使いましょう。茹でたものは4~5日で使い切るようにします。 ■かぼちゃの保存方法【常温】 かぼちゃは低温を嫌うので、丸ごとの場合、冷蔵庫ではなく常温で保存すると長持ちします。ただし、室温には注意しましょう、 ・丸ごと常温保存する場合 丸ごとの場合は、新聞紙で全体を包んでから風通しの良い冷暗所で保存しましょう。10℃前後であれば1~2ヶ月保存できます。 ・夏場は冷蔵庫での保存を! 夏場は気温が高く常温では傷みやすいので、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。丸ごとの場合は約1ヶ月保存できます。冬場も、暖房で部屋が暖かいと傷んでしまうので、冷蔵庫で保存するか、暖房があたらない場所に置きましょう。 ■おいしいかぼちゃの見分け方 保存方法も大切ですが、まずはおいしいかぼちゃを選ぶことが大切です。丸ごとの場合は、ヘタに注目してみましょう。切り口がコルクのようによく乾いているものが熟されている証拠です。買うときによく確認してくださいね。さらに、ずっしりと重いものがおいしいので、実際に持ってみるといいですね。ほかにも、おいしいかぼちゃの見分け方をみていきましょう。 ・形は左右対称か 丸ごとのものや半分にカットされたものの場合、左右対称に丸くなっているものを選びましょう。 ・皮表面の色とツヤ 皮表面がかたく、緑色が濃いものを選びましょう。 ・カットかぼちゃは果肉に注目 カットかぼちゃは果肉をチェックしましょう。果肉の色が濃い黄色やオレンジ色のものを選びます。肉厚のものがいいですね。未熟なうちに収穫されたものは種が平たいので、種が大きく膨らんでいるものが、甘くてしっかりと熟れている証拠です。 ■冷凍かぼちゃを使ったおすすめレシピ 冷凍保存したかぼちゃは事前にカット・マッシュしているので、忙しいときでも簡単にかぼちゃ料理が作れます。定番のスープ・コロッケ・煮物も材料をアレンジするといつもと違う雰囲気になりますよ。おすすめのレシピをご紹介します。 ・簡単カボチャのコーンスープ 加熱して冷凍したかぼちゃはそのままスープにも使えます。こちらは火を使わずに作る冷製スープです。かぼちゃだけでもおいしいですが、クリームコーンも加えることで両方の甘みが楽しめますよ。暑くて食欲がわかない日にもぴったりです。 材料(2人分) <スープ> カボチャ(冷凍:ひとくち大)5個 クリームコーン1/2缶(1缶190g入り) 牛乳200ml 顆粒スープの素小さじ1 熱湯大さじ1 塩コショウ少々 ドライパセリ少々 下準備 カボチャは解凍しておく。 顆粒スープは熱湯で溶いておく。 作り方 手順1: ミキサーに<スープ>の材料を全て入れ、かくはんして網に通す。塩コショウで味を調え、冷蔵庫で冷やす。器に注ぎ、ドライパセリを振る。 こちらのレシピは加熱をしないので、生ではなく加熱してから冷凍したかぼちゃを使いましょう。マッシュして冷凍したかぼちゃを使う場合はおよそ200~250g使うと同じように作れます。カチカチに凍っているとミキサーが回らないため、軽く解凍して使いましょう。ミキサーでかくはんしたあとは、網でこすことで繊維が除かれて口当たりが良くなりますよ。 ・ひとくちカボチャコロッケ 冷凍したかぼちゃを使うと、ちょっと面倒なコロッケも簡単にできます。炒めたミンチ肉を混ぜたものが一般的ですが、こちらのレシピはクリームコロッケのような一品です。市販のホワイトソースを活用するので、コロッケのタネがあっという間にできます。ひとくちサイズなのでお弁当にもおすすめですよ。 材料(2人分) カボチャ(冷凍)200g ホワイトソース(市販品)1袋 小麦粉適量 溶き卵適量 パン粉適量 揚げ油適量 作り方 手順1: カボチャは解凍し、フォークでつぶす。さらにホワイトソースを加えて混ぜ、ひとくち大に丸める。 手順2: 小麦粉、溶き卵、パン粉をつけ170℃に熱した揚げ油でキツネ色になるまで揚げる。 生のまま冷凍したものを使う場合は茹でてからマッシュしましょう。マッシュして冷凍したものを使う場合は、解凍したものにホワイトソースを加えて混ぜるだけでコロッケのタネができます。ホワイトソースはメーカーによって量が違うので、タネのやわらかさを確認しながら加えるようにしましょう。 ・麺つゆでカボチャとツナの煮物 冷凍したかぼちゃを解凍せずに煮物に活用するレシピです。かぼちゃのみでシンプルに煮ることが多いですが、ツナが入ることでコクがプラスされ、マンネリしがちな煮物が目新しくなりますよ。味付けは麺つゆとみりんのみを使い、材料をすべて入れてから煮るので忙しいときでも簡単にできます。 材料(2人分) カボチャ(冷凍) 200g ツナ(缶) 80g 麺つゆ(2倍濃縮) 大さじ1.5~2 みりん 大さじ1 下準備 ツナはザルに上げ、油をきる。 作り方 手順1: 鍋にカボチャ(冷凍のまま)、ツナ、麺つゆ、みりんを入れ、分量外の水をヒタヒタの量まで入れ、強火にかける。 手順2: 汁気がなくなるまで強火で煮て、器に盛る。 ツナ缶の油を切っておくことで味の含みが良くなります。麵つゆはメーカーによって味が違うので、味見をして加減しましょう。 ■おいしい保存方法でかぼちゃをもっと楽しみましょう! かぼちゃは、カットの有無や気温、それに保存したい期間によって保存の方法が大きく変わってきます。忙しさや献立の予定などを考慮しながら、どの保存方法にするか選ぶといいですね。保存方法を知っておくと、丸ごと買ってもおいしく食べきれます。 種やわたを取り除いたり、カットやマッシュしたりといったひと手間はかかりますが。丁寧に下処理しておくことで傷みを防いでおいしさをキープしてくれますよ。丸ごとのかぼちゃを切るのは大変なので、下処理しておくことで気軽にかぼちゃ料理ができるのも魅力的です。 冷蔵・冷凍に関わらず、保存したかぼちゃは料理やお菓子作りにどんどん使っていきましょう。お菓子作りでは、パンプキンパイやかぼちゃのプリンなどがおすすめです。ホッとした甘さでゆったりしたおやつの時間が楽しめますので、ぜひレシピを調べてみてください。 ご紹介した保存方法とレシピを活用して、日々の食卓にかぼちゃを取り入れてみてくださいね。 《参考》 ・ 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 ・ 大塚製薬「ビタミンA / βカロテン」
2021年06月25日料理の付け合わせや調味料としてよく使われる「レモン」。レモンといえばビタミンCを思い浮かべますよね。ヒトは体内でビタミンCを合成できないため、一日に10mgのビタミンC摂取が推奨されています。レモン果汁は大さじ三杯でなんと22.5mgのビタミンCが含まれているんです。 そんなレモンは、1個買ったとしても使う部分は少量であることも多く、余ってしまいませんか? 今回は、レモンの上手な保存方法と、レモンをたっぷりと使ったおすすめのレシピをご紹介します! ■レモンの保存方法とは? ・レモンは冷凍保存がおすすめ! レモンのおすすめの保存方法は冷凍です! 冷凍した場合、1ヶ月ほどの保存ができますし、味の劣化もあまり起こりません。丸ごと冷凍やカット冷凍など、いろいろな方法で保存が可能です。 ・冷蔵保存は乾燥に注意 レモンは冷蔵庫でも保存できますが、冷蔵庫内は乾燥しやすいので、皮や切り口の乾燥に注意しましょう。また、香りが飛んだり、風味が落ちたりすることもあるので、一週間ほどで早めに使い切る必要があります。 ■レモンの保存方法【冷凍】 まずはおすすめの冷凍保存の方法をご紹介します。レモンを沢山もらったり、袋入りで大量に安売りしていたときなどは、新鮮なうちに冷凍するようにしましょう。 丸ごと冷凍する方法とカットする方法がありますが、しばらく使い道がないときはカットして冷凍しておくといいですよ。すぐに使えて便利です。冷凍の時間をできるだけ短くすることが、風味を落とさずに保存するポイント。 冷凍するときはなるべく重ならないように平らにしたり、アルミのバットなどにのせたりして、できるだけスピーディーに冷凍できるようにしましょう。 丸ごと保存する場合 丸ごと冷凍すると、香りや風味を閉じ込められます。少しかさばるので冷蔵庫の容量に余裕があるときには便利な方法です。 よく洗って水気を拭く 冷凍する前によく洗ってペーパータオルでしっかりと水気をふき取ります。 ラップでぴったり包む ラップでレモンをぴったりと包みましょう。 保存袋に入れ空気を抜く 冷凍用のジッパー付き保存袋に入れて、しっかりと空気を抜いてから冷蔵庫に入れます。 ・くし形で保存する場合 くし形にカットして冷凍すると、レモン果汁を少量使いたいときにさっと絞ることができますし、料理の付け合わせにもすぐに使えます。 よく洗って水気を拭く 冷凍する前によく洗ってペーパータオルでしっかりと水気をふき取りましょう。 くし形に切ってラップに包む くし形にレモンを切って、果肉が乾燥しないようにラップでぴったりと包みます。ラップに並べてまとめて包んでも良いですが、一切れずつ包んでおくと少量だけ使うときに便利です。 保存袋に入れ空気を抜く 冷凍用のジッパー付き保存袋に入れて、できるだけ平らにしてしっかりと空気を抜いてから冷蔵庫に入れます。 ・輪切りで保存する場合 輪切りは、レモンを乗せる華やかな料理におすすめです。解凍せずに調理もできますよ。種を取ってから冷凍しておくとさらに使い勝手がよくなります。 よく洗って水気を拭く くし形の方法と同様に、冷凍する前によく洗ってペーパータオルでしっかりと水気をふき取りましょう。 輪切りにしてラップに包む レモンを輪切りにして、果肉が乾燥しないようにラップでぴったりと包みます。ラップに並べてまとめて包んでも良いですが、一切れずつ包んでおくと少量だけ使うときに便利です。 保存袋に入れ空気を抜く 冷凍用のジッパー付き保存袋に入れて、しっかりと空気を抜いてから冷蔵庫に入れます。 ・冷凍レモンの保存期間 保存前の状態や防腐剤・ワックスの有無にもよりますが、冷凍レモンの保存期間はおよそ1ヶ月です。 ・冷凍レモンの解凍方法 冷凍レモンは自然解凍して使います。丸ごと冷凍したものはカチカチなので、30分ほど常温で置くと自然解凍されてカットできるようになるでしょう。 解凍すると、生の状態よりも果肉や皮が軟らかくなり、絞りやすくなりますので、未熟で絞りにくいレモンは冷凍すると扱いやすいです。解凍の時間は時期や室温によっても異なりますので、様子を見ながら解凍するようにしましょう。 また、レモンが凍った状態でも使えます。無農薬・ノーワックスのレモンを丸ごと冷凍したものであれば、凍ったままおろし金で皮をすりおろして使えますよ。料理やお菓子作りに入れると爽やかな香りを加えられます。 くし形や輪切りで冷凍したものは、凍ったまま飲み物に入れるのがおすすめです。くし形に切ったものはサワーに入れるといいですし、輪切りのものはそのまま紅茶に入れるとレモンティーとして楽しめますよ。煮物やサラダなどの料理に加えるときも凍ったまま使えます。 ■レモンの保存方法【冷蔵】 室温や気候によっては、常温だとすぐに傷んでしまうので、すぐに使う場合でも冷蔵庫で保存しておきましょう。冷蔵の場合、冷凍より保存期間は短くなりますが、レモンの使用頻度が多いときや使い道が決まっているときには手軽な方法です。 冷蔵庫保存で気をつけるべきことは、乾燥と低温障害です。乾燥を避けるためにしっかりと包んでおきましょう。そして、レモンは温暖な気候で育つため、冷蔵庫の低い温度では低温障害といって変色したり味が落ちたりすることがあります。冷蔵庫よりも温度が高い野菜室で保存すると、冷えすぎを防ぐことができますよ。 ・丸ごと保存する場合 すぐに使う予定があるときは、買ってきたレモンを冷蔵庫で保存しておきましょう。そのまま冷蔵庫に入れてしまいがちですが、皮が乾燥してハリが失われるため、きちんと包むとフレッシュさが保たれます。 1つずつキッチンペーパーとラップで包む 乾燥を防ぐため、1つずつ包んでいきます。乾いたキッチンペーパーで包んだあと、ぴったりとラップをしましょう。 冷蔵庫の野菜室で保存する ラップで包んだレモンを冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。 ラップの代わりにビニール袋でもOK ラップの代わりに、ビニール袋に入れて保存しても良いですよ。ちなみに、青い未熟なレモンはりんごと一緒にビニール袋に入れて野菜室に入れておくと、早く追熟できます。 ・カットして保存する場合 中途半端に余ったレモンは、カットして保存しておくと便利です。切り口が乾燥すると果肉がパサパサになってしまいますし、空気にふれると傷みやすくなりますので、ラップできちんと包むことがポイントです。 よく洗って水気を拭く レモンをしっかりと洗って、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭きましょう。 好みの大きさにカットして種をとる くし形や輪切りなど好みの大きさ・形にカットしましょう。少し面倒ですが、種を取っておくと料理に使いやすくなりますよ。 ラップで包んで野菜室に入れる ラップに並べて包みます。一切れずつ包むと少量だけ使うときに便利です。冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。 ・冷蔵レモンの保存期間 丸ごと保存した場合は1ヶ月保存できますが、カットしたレモンは切り口から傷みやすいので保存期間は1週間ほど。香りが飛びやすいので早めに使うようにしましょう。 ■レモンを使ったおすすめレシピ3選 保存したレモンは、さまざまな料理に活用したいですよね。添え物にすることが多いですが、お料理やドリンクなど、さまざまな使い道がありますよ。ここでは、目新しくも取り入れやすいレシピをご紹介します。 ・サツマイモのレモン煮 レモンの皮の部分には香りの成分が多く詰まっているので、レモンの輪切りと果汁の両方を使います。甘いさつまいもにレモンの酸味が加わることで、飽きずに食べられます。レモンとよく合うハチミツを使うところもポイントです。薄口しょうゆをを少量入れるため、ご飯のおかずにもよく合いますよ。 材料(2人分) サツマイモ1本 白ワイン大さじ2 砂糖大さじ1 ハチミツ大さじ1.5 レモン汁1/2個分 レモン(輪切り)2~3枚 塩小さじ1/4 薄口しょうゆ小さじ1/4 下準備 サツマイモは皮ごときれいに水洗いし、厚さ1.5cmの輪切りにして水に放つ。 細いサツマイモ(2~3本)の場合は、皮ごときれいに水洗いし、長さ4~5cmに切る。 作り方 手順1: 深めのフライパンまたは鍋に、水気をきったサツマイモを並べ、白ワイン、かぶるくらいの水を入れ、中火にかける。煮たったら火を少し弱めて5~6分煮る 手順2: 砂糖、ハチミツを加えてさらに5~6分煮る。サツマイモが柔らかくなったらレモン汁、レモンの輪切り、塩、薄口しょうゆを加え、2~3分煮て火を止める。そのまま10分以上置いて味を含ませ、器に盛り分ける 冷凍レモンの場合、輪切りのものを凍ったまま入れてOKです。甘味をとレモンの香りがよく染み込むように、煮たあとにしばらく置いて味を含ませましょう。 ・チキンのレモンハーブソテー こちらもレモンの輪切りと果汁をW使いしたレシピです。レモンとハーブによって、いつものチキンソテーがちょっと豪華に変身しますよ。焼き汁に、レモン汁とバターを加えたソースなので、こってりした中にも爽やかさが広がるおしゃれな一品に仕上がります。ちょっとしたおもてなしにもぴったりです。 材料(2人分) 鶏もも肉1.5枚 塩コショウ少々 白ワイン大さじ1 ハチミツ大さじ1 ローズマリー(生)2枝 片栗粉大さじ1 白ワイン60ml レモン1/2個 バター10g 塩コショウ少々 ベビーリーフ適量 サラダ油大さじ1/2 下準備 鶏もも肉は身の厚い部分をフォークで刺す。1枚を4等分に切り、<下味>の材料に10分漬ける。 レモンは飾り用に2枚スライスし(2人分)、残りは搾る。 作り方 手順1: フライパンにサラダ油と<下味>のローズマリーを入れて中火で熱し、香りがたってきたらローズマリーを取り除く。 手順2: 鶏もも肉は汁気を軽くきり、片栗粉を薄くまぶして(1)のフライパンに皮側を下にして並べ入れ、両面に焼き色をつける。 手順3: ワインを注ぎ入れ、煮たったらフライパンに蓋をして中火にし、途中で返しながら8~10位分蒸し焼きにして器に盛る。鶏もも肉に竹串を刺し、透き通った汁が出てきたら焼き上がりです。 手順4: 手順3のフライパンにレモン汁を加え、煮たったら火を弱め、バターを加える。バターが完全に溶けたら火を止め、塩コショウで味を調える。 手順5: 鶏もも肉にスライスしたレモン、ローズマリーをのせてベビーリーフを添え、手順4のソースをかける。 ローズマリーが焦げないように、油に香りを移したら取り出しましょう。厚みのある鶏もも肉は火が通りにくいので、白ワインで蒸し焼きにしてしっかりと火を通してください。最後に輪切りにしたレモンをのせることで、フレッシュなレモンの風味も楽しめます。 ・レモンジンジャーエール 難しそうに見えて実は手作りできるジンジャーエール。ショウガのピリッとした辛さにレモンの酸味がマッチします。このレシピではさらにレモングラスも使い、香り豊かなジンジャーエールに仕上げています。手に入れるのは少し大変ですが、お酒が苦手な方も楽しめる、ぐっとおしゃれなノンアルコールドリンクができますよ。 材料(2人分) レモングラス(生)5本 ショウガ親指大1片 ハチミツ大さじ1 レモン(輪切り)2枚 炭酸水適量 氷適量 作り方 手順1: 耐熱グラスにレモングラスを長さ4~5cmに切って入れ、熱湯50mlを加え、ラップ等で蓋をしておく。 手順2: ショウガは皮をむいてすりおろす。 手順3: 手順1のレモングラスの香りが立ったらハチミツを加えてよく混ぜ、ハチミツを溶かす。溶けたらショウガを加え、さらに混ぜる。 手順4: 手順3に炭酸水を入れて混ぜ、氷を2~3個入れてレモンスライスを浮かべる。 レモングラスにお湯をかけて香りをしっかりと引き出しましょう。せっかくの香りが飛ばないように必ず蓋をしてくださいね。飲むときにレモンの輪切りを少しつぶすと、より爽やかさが引き立ちますよ。 ■レモンを賢く保存してさまざまな料理に活用しましょう! 今回は、レモンの冷凍保存と冷蔵保存についてお伝えしました。保存方法がわかると、レモン1個全部使いきれるかな…と、不安にならずに済みますね。 すぐに使うときは冷蔵でも良いですが、しばらく使わないときは冷凍しておくと傷みを心配せず長期間保存できます。丸ごと、くし形、輪切りなどの方法に分けて用意しておくと、ちょっと使いたいときにさっと使えますので、より手軽にレモンを取り入れられるでしょう。 保存したレモンは、料理やお菓子づくり、ドリンクなどにどんどん使いましょう。いつもの料理にレモンをプラスすると、爽やかな香りで食欲が湧きますし、目新しい一品になります。今回ご紹介したレシピのほかにも、お菓子やマリネ、さらに浅漬けなど、レモンを活用した料理がたくさんありますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。 《参考》 ・ 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 ・ 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビタミンCの働きと1日の摂取量」 ・ ニチレイほほえみごはん「【レモンの保存】冷凍ストックが便利!1ヵ月長持ちする保存テク」
2021年06月17日