キッチンジャーナリスト/ライフスタイル系エディター&ライター。早稲田大学第一文学部卒業後、家具・インテリアの老舗専門誌「室内」入社。独立後はインテリア、キッチン、暮らし、デザインの分野で取材・執筆活動を行う。海外のインテリア見本市の取材も多数。著書に「リアルキッチン&インテリア」(小学館)など。エキサイトではハイエンド媒体「イズム」、「ガルボ」のコンシェルジュライターとして執筆。
お部屋に緑があるっていいですよね。とは思うのですが、毎日ってやっぱり忙しい。季節が変わり、世話をしきれずにベランダに枯れた鉢がいっぱい。切り花の面倒を見きれず、最後は花瓶にしなしなのお花…。 そんな現実から、なかなかグリーンやお花に手を出せない、という人も多いのではないでしょうか。 グリーンやお花を室内に取り入れるときは、考え方を少し変えるだけでよいのだそう。グリーンに注力しているインテリアショップでそのコツを伺いました。 鉢物よりフレキシブルな枝ものの魅力 今年7月に東京・青山にリニューアルオープンした「CIBONE青山」では、緑の提案に力を入れていますが、いわゆる鉢物ではありません。今回提案していたのは「枝もの」を取り入れる方法。これは観葉植物のかわりになるんです。 「ガラス鉢や壷、木箱、バスケットなど、大きめの入れ物なら何でもいいと思います。1mくらいの大きな枝ものを3、4本、ざくっと差しておく。これをリビングに置くだけで観葉植物を置いたような雰囲気になります。切り花よりも持ちもいいですし、何種類かを組み合わせてもいいですよね。」(広報・金内美穂さん) その脇に使っていない花器を並べ、植物だけではなく、生活に寄り添う緑の空気感を出すことで、インドアグリーンな雰囲気が漂います。 またこんな風に枝ものを交差させると、鉢植えの植物とは違った「動き」を空間に与えることができます。 観葉植物は重いし手入れも必要、またトロピカルなイメージの樹種が多くて、今ひとつ手を出す気持ちになれなかったという方も、これならなんだか楽しめそうですよね。季節によって、インテリアのテーマによって、気軽に植物の種類をチェンジできるのもいいところ。 枯れ感をアートのように味わうのも大切 ここで先日伺ったちょっと感動した言葉をご紹介します。 「枝ものは葉っぱが枯れて縮れてきたり、色が変わったりします。ですけれど、その自然の移ろいを楽しむのものおしゃれです。そのときに大切なのが器で、よい作品に生けられていると、植物の経年変化が味わいとして見えてくるのです」とのこと。これからの季節こそ活かせそうな考えかたです。 こちらは「アキイロあじさい」。枝ものではないですが、枯れて行く感じも楽しめる植物の一種です。 侘び寂び的な感じというより、アートみたいな感じで枯れ感を楽しむ。というのは、なるほど、アートなお店ならではの視点です。今後も同店では花やグリーンの新しいアイディアを店頭で提案していくそう。 テラリウムバーで葉と土の相性を楽しむ また東京・天王洲のライフスタイルショップ「スローハウス」では、テラリウムバーなる売り場を設置。 “テラリウム” ってなんでしょうか? 「ガラス瓶の中に植物と土を入れて、標本のような、アートのようなスタイルにして、室内の中に手軽に緑を飾っておける方法です」(同店広報・直海祐一さん)。スローハウスではグリーンフィンガーズの川本諭さんという、その道では一人者の方のディレクションのもと、インテリアに似合うテラリウムを提案しています。 こんな風にマルシェみたいに並んだ土や砂は、なんだか積極的に取り入れたい気持ちにさせてくれます。 予算も安いもので1,000円前後から。部屋にこもりがちな季節、手のひらにのるサイズから緑を楽しんでみてはいかがでしょうか。 ・ シボネ青山 ・ スローハウス天王洲
2014年10月21日パリのテーブルやインテリアは女性にとっては憧れの街の一つ。ビストロというと赤いギンガムチェックのクロスが掛かっている…そんな光景がお決まりです。 “女性はいつも可愛いものが好き” これは鉄則みたいなものですよね。でも年齢を重ねると可愛いものが似合わなくなっているもの事実。 カジュアル+トラディションでバランスを けれどもフランスではギンガムチェックや水玉は、決してガーリーな柄ではなく、 大人の食卓でも多用される 模様。日本でいうところの縞や格子、亀甲や麻葉の柄に近い感覚で使われているそうです。 そんな話をしてくれたのはフランスで 「サーブル」 というカトラリーブランドを立ち上げたパスカル・ゲルブさん。現役パリマダムです。 彼女がそんな提案を実現するためにつくったのがこちらのカトラリー。口に触れる部分は 正統派の本格的な技術 でつくられていますが、柄は アクリル で扱いやすく、カラフルで愛らしい柄。 彼女いわく「真面目すぎるテーブルはつまらない、カジュアルとトラディションのバランスが大切よ」とのことで、 カトラリーの柄 と お皿やテーブルクロスの色をそろえる コーディネートがおすすめだとか。 この柄の部分はファブリックにプリントしたものを使っているので、カラフルな柄にありがちな、実際に見たときのチープ感はまったくありません。これなら大人の女性でもカジュアルな柄を楽しめそう。 パスカルさんおすすめの大人可愛いテクニックとは? 次のページへ≫ 色をしぼるとよりシックに またパスカルさんは柄から先まで一色のスプーン「オールドファッション」も開発。 17世紀の伝統的なフォルム を写し取って、アクリルという現代の素材で再現したアイディアあるもの。これを使ったテーブルを大人可愛くできるテクニックがあるという。 「 色を絞ってそろえる と、とてもシックな雰囲気が出ますよ」とパスカルさん。そこで木やファーの質感ある食卓で、カトラリーを2色にしぼってみると、白とベージュの2色はシックだけれども可愛いらしい雰囲気に! 緑と赤にすればクリスマス。お正月やハロウィンなどイベントカラーにあわせるのも楽しそう。 ちなみにパリ市内には3店の直営店(オデオン、サンジェルマン・デプレなど)があり、女性旅行者の間でもじわじわと人気が高まっているそう。 お店のディスプレイには、テーブルのヒントがいっぱい詰まっているので、パリ旅行に出かけた時はぜひ立ち寄ってみて。 お問い合わせ: サーブル TEL 03-5437-2533(フジイ)
2014年09月09日忙しい毎日、夕食づくりは楽しみでもあり、ちょっとおっくうでもあり。そんな日々、意外にピンチ!と思うのは、食材を買い込んでいるのに、急な会食など予定していた食事がつくれないとき…。あの食材が古くなってしまう、と何となく晴れない気持ちになったことはありませんか? (c) Africa Studio - Fotolia.com そんなときに時間を止めてくれるのが 「真空」 というマジック。まとめ買いの習慣が多い 海外では家庭にバキューマーを持ち、食材を長持ちさせることも一般的 だといいます。 シンプルな “スティック型のバキューマー”に注目 ただ大げさな機械だと、それはそれで面倒なもの。わたしが注目しているのはシンプルな スティック型のバキューマー です。ブラック&デッカーの「マルチフードキーパー」は、一見、キッチンにすっきりと立つスティック。 使い方もシンプルで、専用のタッパーやパック袋に吸引口を当て、スイッチオン。簡単に中を真空状態にすることができます。 ブラウンのボディで、充電されているときは緑のランプがついている。これを吸い込み口にあててスイッチを押すだけ。 コードレスでUSB充電 なのも嬉しい。音がちょっと大きいな、と思うけど、大コンテナなら中に半分ものが入っていれば、30秒ほどで真空完了するのです。 鮮度だけじゃなく栄養もキープ、漬け物から低温調理まで! 次のページへ≫ 食品の劣化防止だけじゃなく栄養もキープ!低温調理まで 「真空」にすることで食品が酸化しない分、 劣化を防ぐ というわけ。この食材、明日まで大丈夫かな…なんて思った日は時間を一瞬、真空効果でストップ。鮮度だけではなく、なんと 栄養までもキープ するそうです(食材の状態などで保持期間は変わります)。 ぎゅっと食材を押し込めるから、 食材の下味をつけたり (たとえば鳥の唐揚げなど)、 漬け物 もスピーディに。フランス料理などで使われる 低温調理 (60〜70℃に保って、じっくりと熱を加える調理法)もできるのです。 面倒なワインの脱気、サングリア作りもカンタンに! 次のページへ≫ 面倒なワインの脱気もカンタンに 個人的にうれしかったのがワインの栓。おうちご飯で一本はなかなか飲みきれないワイン。空気に触れさせないで保管するために、今までしゅこしゅこ、手動式のストッパーでがんばっていたけれど、これなら ボタン一つで残ったワインの空気を抜いてくれます 。ボトルに半分残ったワインなら、17秒ほどで脱気完了! 急なおつきあいや残業で翌日回しになったご飯も、鮮度保存ばっちりのワインと一緒にゆっくりと楽しみましょう。そんな“心のゆとり”まで生み出してくれます。 また、味がしみやすい特性を利用して、飲み残したワインをタッパーにいれ、これまた冷蔵庫の食べきれない果物を入れて真空にしておけば、 手軽なサングリアの完成 です。(または飲み好きの人向けコンポートも…!)そんな新レシピも楽しく考えられそうですね。写真はリンゴをワインで煮込んだコンポート。真空だとより味が落ち着きます。 ちなみにこのブラック&デッカー、アメリカで月面切削の機械までつくっていた、 電動工具メーカーなのだそうです。本格的なブランドだけど、日本のキッチンにも適したスティック型のスリムなボディも評価高し、です。 マルチフードキーパー VC100 全長25cm 21,600円(税込)/丸形のコンテナ大1個、小2個、真空パック袋、ワインキャップ2個付き ・ブラック&デッカー TEL 03−5979-5677
2014年09月03日