週2で焼肉を食べているフードアナリスト、経営コンサルティング会社秘書。グルメコラム執筆の他、ほぼ毎日食べ歩きブログを更新中。 東京カレンダー「ゆうじがウチにやってきた!!」、日本TV系列ヒルナンデス「詳しくしりた~い!」に焼肉マニアとして出演。 得意ジャンルは焼肉とフレンチ。東京近郊の美味しいお店をご紹介していきます。
高級レストランでは気軽に食べられない料理を、リーズナブルに提供し、フレンチ・季節感・遊び心を大切に、世界各国のワインをグラスで楽しめるビストロ、がコンセプトの「La LUNA LUNA (ルナルナ)」。 野菜ソムリエと栄養士の資格を持つ、イケメン鈴木シェフが作り出す、鎌倉野菜を中心とした全国各地から届く珍しい野菜と、旬の食材をたっぷりと使った料理が魅力。 季節のコースメニューは前菜からメイン、デザートまでの8皿と、食後の飲み物までついて4000円。アラカルトメニューも色々揃っており、お1人様用に少しずつ盛り合わせてもらうこともできる。 コースにも含まれるバーニャカウダは、なかなかその魅力を十分に伝えることができない、カメラ泣かせの立体的なビジュアル。名前を聞いたこともないような野菜ばかりがパフェのように盛り付けられてくる。 うずまきビーツ、白茄子、紫獅子唐、フルーツパプリカ、オレンジズッキーニ、佐助茄子、式部茄子、カレイドスコープ、スターオブデイビット、サラダゴーヤ、バナピーなど、季節により内容が変わる。アツアツのソースも美味。 アラカルトメニューから、「とりあえずはちょこちょこ盛り合わせ(4種)」。富山県産ほたるいかと菜の花の和え物 卵黄ソース、静岡県産生マッシュルーム、蒸し鶏と白ネギのマリネ、白人参と人参のキャロットラペと、4月に訪問した際には、春らしい食材がふんだんに入った盛り合わせとなっていた。 「この時期一番サラダ」は、佐賀県産ホワイトアスパラ、山形県産生で食べられるグリーンアスパラ、高知県産みやびトマト、水茄子など、産地直送のフレッシュでみずみずしい野菜の素材を引き立たせるドレッシングでいただくシンプルなサラダ。 「名物! 焼きウニぎり」は浅利の出汁で炊いたおにぎりを、醤油を塗って香ばしく両面を焼き、生雲丹をたっぷり乗せたシメの名物。数量限定なので早めに注文しておきたい。 恵比寿と広尾のちょうど中間に位置し、恵比寿駅から歩くと10分弱かかる同店、乗ってきたタクシーの領収証を出すと730円をキャッシュバックしてくれるというステキなサービスがある。帰りは満腹なお腹をかかえて散歩するにはちょうど良い距離。 行けば必ず珍しい野菜に出会えること間違いなし。女性1人でも訪れやすいので、事前に予約をして、野菜とワインを楽しみに気軽に寄ってみてほしい。 La Luna Luna(ルナルナ) tel: 03-5789-3411 東京都渋谷区恵比寿3-3-2 New-K Crescent3F 18:00~24:00、日曜定休 公式サイト
2014年05月24日東銀座のランドマーク的な存在である歌舞伎座の近くに、その和な雰囲気とは異なる名を持つ、「喫茶アメリカン」がある。 店内には新聞や雑誌、漫画が置いてあり、ザ・喫茶店と言ったおもむき。佐賀県出身の店主がオープンして30年を迎えたという。 目玉は何と言ってもモーニング。名古屋と違ってモーニング文化がそれほど根付いているわけではない東京で、600円で超満腹になるモーニングセットが楽しめる。7:30~売切れ次第終了してしまう数量限定のセット。 この画像から伝わりきるかどうかわからないが、食パンはこの2枚で1/2斤はあるだろうという分厚さ。マーガリンとイチゴジャムの2種類がついてくる。コーヒーもミルクが2つ付いてくるあたり、通常のカップ2杯分ほどたっぷり入っている。 山のように盛られたサラダの内容は日によって異なるが、おおむね同じような構成になっている。 ドレッシングのかかったレタスの上に、マカロニサラダ、林檎入りツナサラダ、じゃがいもがゴロゴロ入ったポテトサラダ、さらに一番上には、粗めにつぶしたゆで卵のタマゴサラダという4層構造。小さなフォークでこぼさないように食べるだけでも大変だ。 サラダはそのまま食べてもよし、超厚切りパンに乗せたり、挟んだりしながらいただく。サラダに夢中になっていると、食パンを食べきれない恐れが生じるので、配分に気をつけたい。なお、胃袋に自信のない方は、あらかじめ食パンは1枚で、と伝えると良いだろう。 "SANDWICH"と大きく書かれたテントからもわかるが、サンドウィッチも有名。しかし一般的なサンドウィッチとは違って、モーニング同様に超分厚いパンで作られているメガトン級。 店内でもいただくことができるが、店頭でテイクアウトも可能。朝も昼も、時には行列ができる人気のサンドウィッチは450円。なるべく50円玉を用意してほしいというのがお店の希望だ。 相当大きな口の人でも1枚5cmもの厚みがあるサンドウィッチ2枚と具材を一緒にいただくのは至難の業。ここはあきらめて、パンをつぶしていただくのが正解。見た目以上にふわふわで柔らかいパンなので、意外と軽く食べられてしまう。 この日はツナ&タマゴをテイクアウトしたが、ツナはもしかするとツナ缶をまるごと1缶使っているのではないか、と思うほどぎっしりと入っている。ところどころマヨネーズと混ざりあっていない、ツナそのままの部分さえある。他にタマゴポテト、ツナポテト、ハンバーグポテト、タマゴチキンなどが揃っている。 店内は喫煙可能なので、タイミングによっては朝から喫煙者に挟まれる可能性もあるため、嫌煙家の方は要注意。なお、早い時間であってもモーニングが完売していたり、時間帯によってはテイクアウトのサンドウィッチの製造が間に合っていないこともあるため、あればラッキーぐらいの気持ちで訪れてもらいたい。 アメリカン tel:03-3542-0922 東京都中央区銀座4-11-7 7:30~18:30(モーニングは売切れ次第終了) 定休日:土日祝
2014年05月17日「とんかつ」というと、豚肉に衣をつけ、油で揚げる料理として誰もが知る料理だが、チェーン店を含め、とんかつを専門にするお店はたくさんある。豚の産地にこだわったり、揚げ方にこだわったりと、流派も色々。 「とんかつ」で忘れてはならないのは、キャベツ、ご飯、味噌汁。豚肉の美味しさはもちろん、その全てがバランス良く美味しくて、店内が綺麗で、接客も感じ良い。と、文句なく全てが揃った、お気に入りのとんかつ屋がある。それが高田馬場にある「成蔵(なりくら)」だ。 昼も夜もピーク時間ともなると、外まで並ぶのは当たり前の人気店。特に休日のランチタイムは、閉店の時間まで行列が絶えないこともある。 豚肉は栃木県の霧降高原で飼育されている、厳選した霧降高原豚を使用しており、ロースは並(1,000円)、上(1,500円)、特(2,000円)の3種類。ヒレは2種類で、「特ヒレ」と呼ばれる「シャ豚(トン)ブリアン」(2,100円)が何と言ってもオススメ。(価格は全て税抜) ヒレの中でももっとも柔らかい部分を使用したシャトンブリアンは、低温でじっくりと揚げ、余熱で中までしっかり火を通すため、他のメニューに比べて時間がかかる。 衣の色を見てわかる通り、茶色ではなく、黄金色と言ってもいいほどの薄い色になっている。低温でゆっくりと揚げているため、焦げが生じていない証拠だ。 パン粉のために専用に焼いてもらっているという、生の食パンを使っており、ほどよい水分量を含んでいるので油切れが良いのが特徴。さらに揚げ油はオレイン酸を多く含むラードを使用しているため、カラッと揚がる。 限定で入荷する沖縄産の「琉球アグー豚」も見逃せない。天然ハーブの抽出物を添加したこだわりの飼料を使い、一般的な豚に比べて脂質とコレステロールが少なくビタミンB1とオレイン酸を多く含んでいる。月間の出荷頭数が約80頭と希少性が高いため、運よく入荷していたらぜひ食べてみてほしい。豚の甘味、旨味に加え、なめらかな肉質と上品な肉汁を感じることができる。 単品で海老フライ(530円)や、牡蠣フライ(330円・期間限定)などもある。値段に違わぬ立派な海老や牡蠣、計算された火の入れ具合を実感するだろう。 とんかつの名脇役とも言えるキャベツは、細かく千切りにされ、栄養素を逃さないために水にさらしていないという。ソースがいらないほど甘味のあるキャベツは、柔らかくしなやか。 また、とんかつ屋の豚汁というと、豚肉ばかりで野菜が少ないということもあるが、成蔵の豚汁は、野菜がたくさん入り、丁寧に作ってある。 掃除の行き届いた清潔な店内は、ハイヒールでもつるっと滑ることはない。女性1人でも気兼ねなく、美味しいとんかつを堪能できる、綺麗なお店というのも嬉しい。 とんかつ 成蔵 tel. 03-6380-3823 新宿区高田馬場1-32-11 小澤ビル地下1F 11:30~14:00. 17:30~22:00、火曜定休
2014年04月23日赤ちょうちんがぶら下がり、煙がもくもく出ているような焼鳥屋とは一線を画した、スタイリッシュな焼鳥屋が六本木の裏通りにある。 カウンター10席のみ。料理はコースのみ。ドリンクはワインを中心に作り手の顔が見えるものをそろえている、というこだわりのお店、「やきとり 心香(しんか)」 鶏肉や調味料など、店主の目利きにかなったものだけを使用し、これまでの焼鳥の概念を覆すような、一つ一つ素材を引き出した料理として、丁寧に提供している。焼鳥の有名店で長らく修行を積んだ店主だが、修行先を伺っても合点が行かないほど、その枠をはみ出たオリジナリティを感じるコースになっている。 料理は、6,000円のおまかせコースのみ。その他、一品料理や〆のご飯もの、デザートは別途追加でオーダーとなる。コースの一部を抜粋して紹介してみます。 コースのスタートは天城軍鶏のレバーパテから。温めたバゲットにのせながらいただく臭みのないなめらかなレバー。金ゴマのキャラメルが香ばしさと甘さをプラス。 軟骨は、不知火を数滴たらして。青磁のお皿も美しい。 サビ焼は半生でしっとりとした焼き上がりで上品。 野菜焼は、北海道アイコトマト、鳴門金時、蕪、岡山のマッシュルーム。トマトには紫蘇のペーストにオリーブオイルがかかっている和洋折衷な味付け。 もも肉の西京味噌焼にカンボジアの生胡椒を添えて。味噌の風味を纏ったジューシーなもも肉は、香ばしさがアップし、肉汁と味噌と生胡椒が絶妙にマッチしている、驚きの美味しさ。 ぼんじりには衝撃を受けた。外側のカリカリした風味と、中からほとばしる肉汁は是非体感してほしい。 追加でオーダーした、ミニサイズの親子丼には感動を覚えるほど。いままで食べてきた親子丼とは全く違う食感。半生でとろとろで程よい味付け。コースの〆に親子丼はマストオーダー。 スタイリッシュで美しく、こだわりのやきとりコースをぜひ。 やきとり心香 tel:03-3479-0388 港区西麻布1-4-4-1階 18:00~売切れ次第終了、日曜、第2第4土曜日定休 公式サイト
2014年04月19日「ウルトラマン」と言えば、誰もがどこかで目にしているキャラクターではないだろうか。そんなウルトラマンに毎回やっつけられている怪獣たちが憂さ晴らしに訪れる居酒屋がある。 「怪獣酒場」と呼ばれ、今まで世にはばかるように営業してきたが、1年間の期間限定で地球人に向けて営業することになった、というのがコンセプト。 入り口を入ると、あやしく光る大きな「ゼットン」に迎えられる。ウルトラマンを倒した怪獣として尊敬されているそうだ。 反対側には「ジャミラの真実の口」があり、地球防衛隊員や、ヒーローに変身できる能力がある人でないかどうか、この真実の口に手を入れて入店チェックをされる。 座席は場所によってテーマがあり、今回通されたのは「怪獣無法地帯」という座敷エリア。怪獣の書いた書も飾ってある。 コースターやお皿など全て怪獣酒場のオリジナル。嬉しいのは特製箸置きが持ち帰りできることだ。チャージ料金に含まれているので、気兼ねは不要。 お酒や料理はオリジナルメニューがたくさんあるが、味については全般的に期待しない方がいいだろう。特にお酒類は、炭酸が抜け、酒の味もあまりしないようなものだったのはご愛嬌。 ビジュアル重視でオーダーしたのは、「グドンのおすすめツインテールフライ」想像通りの味わいであることを念のためお知らせしておく。 実は入り口付近に、誕生月の人だけ入れるというヒミツの部屋、「野望の部屋」がある。厳重に施錠されているところに、ちょうど誕生日を迎えたばかりの私は、IDを見せて上がりこんできた。 野望の部屋は、モロボシ・ダンがメトロン星人を説得した名シーンのひとつを再現しており、壁には地球人の書いた野望が貼ってある。内定や結婚など世知辛いものから世界平和と壮大な野望まで色々だ。写真撮影も可能なので、誕生月に行くというのも記念になる。 怪獣酒場の店長は、「バルタン星人」がつとめているが、残念ながら地球人向けの営業時間には怖がらせないために登場しないことになっているようだ。 1年という期間限定ではもったいないほど凝った店内は、ウルトラマンが大好きな人もそうでない人も、童心に返って楽しめること間違いなし! 2015年3月までの期間限定営業なので、お早めに。 怪獣酒場 tel:044-210-5565 川崎市川崎区駅前本町3-1 NOF川崎東口ビルB1階 16:30~24:00(フードLO23:00、ドリンクLO23:30 ) 年中無休 公式サイト
2014年04月12日南青山の「よろにく」と言えば、上質な肉とサービス、落ち着いた空間で、「焼肉」をスタイリッシュにいただけるお店として、有名すぎるほどの存在。そのよろにくの新店舗が末広町徒歩0分の場所に2/9 ニクの日にOPENした。大きな「肉」の暖簾が目印の、「生粋(なまいき)」だ。 よろにくはスタッフが焼いてくれるのに対し、生粋ではセルフで焼くという違いがあるが、焼き方の難しい七輪ではなく、完璧に煙を吸い込んでくれるロースターと、素晴らしい肉質と、繊細なタレにより、シロウトが焼いたってウマイということには変わらない。 嬉しいことに、青山のよろにくに比べ値段設定は控えめで、驚きのお得なセットメニューもある。何と言っても目玉は「生肉」! 店名が「生粋」とある通り、生肉を粋に食べさせてくれる。焼肉といえばユッケを必ず頼んでいたという生肉ラバーには朗報の、正式な認可を受けた生肉がメニューに堂々とあるのだ。 よろにくクオリティーの肉を使ったユッケは、文句なく美味しいのに、納豆ユッケ、ユッケの白和えなど、変化球メニューも考案している。 生肉はユッケにとどまらず、肉寿司や、シルクロースを生で食べる、「生シルク」などは悶絶級の美味しさ。スネ肉のチマキと呼ばれる部位の刺身も味が濃厚で思わず唸るだろう。(日によっては入荷がないこともあるのでご了承を) タン元は珍しいカットで登場。この薄さで手切りをしているというから驚きだが、さらに驚くことに京都の塩昆布を合わせていただくと、タンの上品な脂と、塩昆布の旨味が一体となり、今まで食べたことのないタン焼を味わえる。 肉の王様、シャトーブリアンを忘れてはなるまい。非の打ち所のない美しい肉目とカットにはため息がもれる。 脂が多く、甘味の強いザブトンはおろしポン酢でサッパリと。 よろにくと言えば、デザートはカキ氷。新フレーバーのバジル風味が焼肉後にピッタリで何杯でもいけそうだ。 アラカルトメニューのほかコースもあり、一週間前までに相談すれば予算に応じてオマカセで1人5000円~応対可能。コースにしてしまえばメニュー選びで困ることがないので、接待にももってこい。個室が大小複数あるのでプライバシーも保たれ、蔵前橋通りを見下ろしながら、ベンチシートに座ってシッポリできるカップル個室も完備している。デートから接待まで色々な用途に利用できること間違いなしだろう。 焼肉不毛のこの地で旋風を巻き起こすのは時間の問題だ。 生粋(なまいき) tel. 03-5817-8929 東京都千代田区外神田6-14-7 2F 17:00~24:00(LO23:00) 不定休
2014年03月17日アメリカでニューヨークをはじめ7店舗を展開する大人気のステーキハウス、「ウルフギャング・ステーキハウス by ウルフギャング・ズウィナー」が2014年2月、日本に初上陸した。 肉好きの間では名店として知れ渡る、1887年創業のステーキハウス「ピーター・ルーガー」でヘッドウェイターとして41年間活躍したウルフギャング・ズウィナー氏が、2004年にニューヨークでオープンしたのがはじまり。場所は六本木駅から徒歩8分ほど。外苑東通りから鳥居坂方面に向かう道に面しており、ディープレッドのハザードが浮かび上がる。 座席数は約170席と、都内でも大型のレストランと言えるが、オープン前から話題騒然となっており、予約を開始した1月には、早くもオープンから2週間先まで予約が埋まっていたほどだ。2月の中旬に行ってみると、店内は満席で活気に溢れ、ゲストが帰っても次から次へと新しいゲストがやってくるという、回転しっぱなしの状態だった。 メニューや肉の仕入れ、焼き方は本場アメリカと同様にこだわり、使用しているアンガス牛は、アメリカ農務省(USDA)で最上級と認定されたプライムグレードのみをアメリカから空輸している。輸送コストがかかっているから仕方ないが、アメリカの店舗に比べ全体的に設定された価格は高い。 空輸された牛肉は、温度と湿度を管理された乾燥熟成庫で28日間熟成させている。つまり今流行の熟成肉である。アメリカが発祥のドライエイジングという手法を使い、肉を熟成させることでたんぱく質が分解され、肉の繊維が柔らかくなりアミノ酸、つまり旨味成分が増すのである。 USビーフと聞くと、カタイとか、味がないとか、思う人も多いと思うが、熟成させることにより、肉質は柔らかく、肉の旨味も多くなる。最近流行りの熟成肉、とくに和牛の長期熟成を食べなれた人にとっては、28日という短い熟成期間の肉にはやや物足りなさを感じるかもしれない。 骨を挟んで2種類の部位、サーロインとヒレを一度に楽しめる、「Tボーンステーキ」が看板メニュー。それぞれ、STEAK FOR TWO(2名用 15,000円)、THREE(3名用 22,500円)、FOUR(4名用 30,000円)と人数によって大きさと金額が異なる。 バターを塗った皿は表面に焦げがつき、オーブンから出てきたアツアツの状態でテーブルに運ばれる。小さなプレートを逆さに置き、傾斜をつけてその上に肉の皿をおくことで、バターや脂が端に寄る。 そこに肉をディップし、お好みで特製ソースやワサビなどをつけても良いが、オススメはそのまま。既に適度な塩をふってあるので、溶けたバターのみで十分肉が楽しめる。(画像は4名用) 900度の高温で一気に焼き上げたステーキは、表面は香ばしく程よく肉汁が滴り、意外にも軽くサクサクと食べられるので人数よりやや多目に注文するのがオススメだ。4人で4名用を注文したが、実際に食べられる部分は1人あたり200gもないくらいなので、肉が好きな人は、2人で3名用ぐらいがちょうど良いのではないだろうか。 店内には巨大なワインセラーがあり、1000本以上のボトルが揃っているので、肉に合わせてワインを楽しむこともできる。 本場アメリカで人気のステーキを日本で体験するチャンス! ウルフギャング・ステーキハウス 六本木 tel. 03-5572-6341 東京都港区六本木5-16-50 六本木デュープレックス M's1F 17:30~23:30(22:30 LO) ※ランチ営業3月開始予定 無休 公式サイト
2014年03月05日銀座コリドー街近くにあるビルの2F。エレベーターはあるが、エレベーターが止まらない2階にある、TRATTORIA GANZO(ガンゾ)。 BGMは適度な音量で流れるハードロック。ファンキーなTシャツに身を包んだ高田シェフは、本場イタリアや銀座のイタリアンで腕を奮っていたキャリアを持つ。 銀座のど真ん中でありながら、ディナーコースは5,800円で楽しめる、驚きのコース価格。アミューズ、前菜、パスタ、魚料理、グラニテ、肉料理、デザートの全7皿で、しかも本格派という大満足な内容になっている。 22時まではコースのオーダーが必須だが、22時以降はアラカルトにも対応しており、ワインとチーズだけでワインバーとしても利用できる。 コースの前菜とパスタはそれぞれ2-3種の中から好きなものを選択し、メインはグループで同じ料理を選ぶ。メインに用意されている肉料理は何を食べても美味しいので、おおいに迷って決めてほしいところ。 コースのはじまりの合図を告げるアミューズは、「カリフラワーのポタージュとフォアグラサンド」ビスキュイ生地に挟まっているフォアグラは、小さな一口サイズなのに口の中で濃厚な風味が広がる。 4種の前菜から選んだのは、「白子のソテーとキノコのマリネ、イタリア産黒トリュフ添え、サラダ仕立て」冬場ならではの、白子の表面を香ばしくソテーして、ナイフを入れるとトロンと溶け出すのがたまらない。 パスタは手打ち。「つまむ」という意味を持つ、「プリン」という名前のパスタ。中にチーズなどが入っている小さなラビオリのよう。 魚料理は真鯛のソテーをあさりのスープ仕立てで。 グラッパのグラニテでお口直をしていよいよ肉料理。アルコールが苦手な方はこのグラニテで酔ってしまわないように注意。 肉料理は和牛クリのロースト、アイスランド産子羊のロース、北海道産蝦夷鹿の3種から蝦夷鹿内もものローストを選択。火入れが絶妙で、ナイフを入れて断面を見れば美しいルビー色に感嘆の声があがるに違いない。 肉料理をグループで統一するのは、肉は絶対に大きい塊で焼いた方が美味しいから。2人前以上のポーションで火を入れることでぐっと肉の旨味が増すのだ。 デザートはジェラートかタルトの2択。ゴマが超濃厚なゴマジェラートにヘーゼルナッツのリキュールをかけていただくとゴマの風味がさらに濃厚に感じる、オトナなデザート。 ワインはグラスもボトルも揃っており、ワインがまだ残っていれば珍しいチーズもあるのでデザートの前にオーダーするのも良いかも。 大満足の内容でリーズナブルなお値段は心配になるほど。カウンター6席と、テーブル席が2つの小さなお店なのでお忍びにもオススメ。深夜まで開いているのもありがたい。 TRATTORIA GANZO tel. 03-6228-5768 中央区銀座6-3-12 数寄屋ビル 2F(エレベーターは止まりません) 18:00~ 26:00(24:00L.O.) 日曜定休
2014年02月26日江戸川区平井。下町に親しみのある人ならともかく、普段都心部を中心に動いているとあまり縁のない場所だろう。JR総武線の平井駅から徒歩5分。そこに、わざわざ行くべきお店がある。1971年創業の「大衆酒場 豊田屋」だ。 SNSに画像をアップすると、みんなの食いつきがハンパない写真がこの鍋。冬季限定の鮟鱇鍋が絶品で、かつ激安なのだ。 鍋のメニューは他にも、ねぎま鍋、牡蠣鍋、タラチリ、牛鍋などもあるが、 なんと言ってもオススメは鮟鱇鍋。 1人前~5人前まで、好きな鍋を組み合わせてオーダーができる。この画像は5人前で、鮟鱇2、あん肝2、白子1という割合になっている。何度か通ううちに極めた黄金比率と言ってもいいかもしれない。 生々しく、ある意味グロテスクとも言えるヴィジュアルだが、煮込むうちにあん肝が溶け出し、スープにコクがうまれる。白菜はクタクタになってスープを吸い込み、やや濃い目ではあるが口に運ぶスピードは増すばかりであっという間になくなってしまう。 豊田屋での鍋奉行は大将なので、決して鍋を触ってはいけない。頃合いを見計らって、菜箸とレンゲで鍋の中をぐるりとひっくり返してくれるので、鍋が運ばれてきたら、出来上がるまでは大将に身をゆだねよう。 鮟鱇は深海に生息する海水魚で、山口県下関と茨城県大洗が産地として有名だが、豊田屋では、北海道の余市から直送される鮟鱇を使用している。 肝が大きくなる11~2月が鮟鱇の美味しい時期と言われており、豊田屋では3月下旬頃まで楽しむことができる。タイミングが良ければ、店先で鮟鱇をさばく姿が見られるかもしれない。 皮、身、肝、内臓、エラ、ヒレなど全てを食べることから、捨てるところがない魚と言われ、部位それぞれの食感の違いを楽しむことができる。低カロリーなのに栄養価が高く、皮は特有のぬめりをもちコラーゲンを多く含む。臭みがなく、皮のブルンとした食感と、むっちりと弾力のある身はやみつきになるだろう。 味噌ベースで提供されるお店も多いが、豊田屋は醤油ベースのあっさり系で飽きずに食べられるため鍋のお替りを頼む人も多い。 また、大衆酒場というだけあって、つまみも豊富で安い。壁にずらりと並ぶメニューから選ぶだけで楽しくなる。メニューの下に洗濯バサミがついているものは売り切れのサインになっている。 こちらは、ハムステーキ。 下町ならではの酒場らしく、酒も安くて濃い。もちろん飲めない人にもウーロン茶やコーラなどが用意されているのでご心配なく。 冬場は特に1か月先まで予約が埋まった状態。コンロの数も限られているため予約は必須。 豊田屋 tel. 03-3618-1674 江戸川区平井6-15-23 16:30-23:30、日曜定休
2014年02月01日「焼肉ジャンボ」といえば、誰もがその名前を知る有名店。「焼肉」というカテゴリを広め、今や多くの焼肉店で食べられる、「希少部位」の認知度を上げた功績を持つ店の1つだろう。 本店は江戸川区篠崎。やや東京の中心から離れた場所にあるが、そのカリスマ性は未だ衰えず。文京区本郷に支店を構えたのが3年前。またたく間に予約が取れなくなり、現在も数日前では席を確保するのは難しい。そのジャンボ本郷店の斜め前に、2013年9月、「ジャンボはなれ」がOPENした。 メニューは本店や本郷店と同じく、希少部位を取り揃えたおなじみの「裏メニュー」も各種揃っている。今後は焼肉というカテゴリにこだわらず、オリジナルの肉料理も提供していくそうだ。 ジャンボと言えば、甘味とコクのあるタレが特徴的だが、この日は特に、このタレの風味に文字通り舌をまいた。肉のカットの丁寧さはもちろんのこと、部位に合わせて鰹や昆布などの出汁を合わせ、甘さのある特徴はそのままに、和風のエッセンスを加えて、奥行のある味わいになっていた。 焼肉の一品目と言えば、「タン塩」を注文する人が多いと思うが、ほどよい厚切りで脂ののったタン元は、じっくりと肉汁をとじこめながら焼き上げたい。(画像は上タン塩) ジャンボと言えば、「野原焼き」を思い浮かべるほどの、代名詞のような有名メニュー。 サーロインを特製のもみだれにつけ、サッと炙って卵の黄身にジャブンとくぐらせる。サーロインの脂とタレ、黄身が三位一体となる至福のメニュー。もちろん白飯と合わせるのも最高だ。 内ももの一部で、亀の甲羅に似た見た目から、「カメノコウ」と呼ばれる赤身は、肉のもつ甘味を引き立たせる上品なタレでいただく。 お肉の王様とも呼ばれる 「シャトーブリアン」。この部位はお店の方に焼いてもらうのが良いだろう。繊細な食感と味わいを引き出すためにも焼きすぎは禁物だ。楊枝で切れるというパフォーマンスも必見。 〆には切り落とし肉が贅沢に入ったカレーがオススメ。数量限定なので早めのオーダーが必要だ。どうして焼肉店で食べるカレーはこんなに美味しいのだろう・・・。 特等席は間違いなくカウンターだが、巨大なワインセラーのある地下には、可動式の間仕切りで様々な人数に対応可能な個室があるため、肉好きな人を満足させたい接待などにも重宝すること間違いなしだろう。 ジャンボはなれ tel. 03-5689-8705 京都文京区本郷3-27-9 アンリツビル 17:00-24:00、不定休 公式サイト
2014年01月02日吉祥寺にある、現在予約2か月待ちの「肉山」。オーナーが1人で切り盛りし、赤身肉を存分に堪能できる肉料理屋さんをご紹介します。 コースのみで、お値段は5000円。ビール、ワイン、焼酎他、高級酒を含むドリンクの飲み放題をつけると10,000円という破格な値段設定。 馬ヒレ刺身 とにかく豪快な店主。思う存分に肉と酒を味わってもらいたい! という気迫さえ感じるコースと料金設定だ。 提供される肉は、馬・豚・牛の赤身ばかりを使用し、脂でもたれることもなく、食後感が軽い。控え目な塩のみで味付けされており、店主が厳選した調味料(タスマニア産マスタード、柚子胡椒、胡椒の塩漬け、コチュジャン、実山椒など)で好みの味にアレンジし変化させながら楽しむ。 馬ヒレロースト 怒涛の肉コースは熊本産馬ヒレの刺身からスタート。馬は元々脂肪分の少ない肉。その淡泊な風味に黄身醤油でコクをプラス。馬ヒレは後ほどローストでも提供される。生と火を入れた状態の違いも楽しめる。 北海道産の豚は低温でじっくりと火を入れている。パサつくこともなく旨味がギュッと閉じ込められていた。 北海道産の豚 熊本産あか牛ももとランプのロースト。赤身肉ならではの美しい断面にもウットリ。脂がほとんどない部位なので、アッサリサッパリしている。 あか牛もも あか牛ランプ プチトマトときゅうり、アスパラとエリンギなど、野菜類も新鮮でみずみずしく味が濃い。 野菜 シメはTKGかハヤシライスからのチョイス。TKGは出汁醤油とゴマ油の組み合わせが絶妙すぎてサラサラと食べてしまう。 TKG なかなか予約が困難なお店ではあるが、肉を思う存分に食べたい! という方はこの肉山登頂にチャレンジしてみてはどうだろう。 肉山 tel. 0422-27-1635 東京都武蔵野市吉祥寺北町1-1-20 藤野ビル2F 金土日の夜定休 ※完全予約制につき時間は要問合わせ
2013年12月25日2013年7月にOPENした「楽記」。店名はラッキ(Lucky)と読む。香港の広東式焼物(シュウメイ)と自然派ワインをウリにしており、香港に行かずして本場と同じ料理を楽しめる、今までになかったニュータイプの中華料理屋だ。 キラー通りから小路を入った突き当たり、g.g.Luckyの赤いネオンが光る一軒家。 扉を開けるとガラス張りのキッチン前に吊るされた、アヒルやカモが目に飛び込んでくる。香港から取り寄せた大きな釜で焼き上げる焼物は、空気の対流を利用し、炭焼きなのに蒸し焼きになるという。 ここで楽しむべきは、この焼物とワインで、野菜のメニューは1つしかない。自然派ワインはその製法ゆえ、旨味やえぐみを強く感じるものもあるので、好みについてはお店のスタッフと相談するのが良いだろう。グラスワインはもちろん、ボトルも幅広い価格帯のものが揃っている。 燒鴨:炭火釜焼アヒル1/4羽(1,900円) 美しい焼き色がついた皮目は、まさにパリッパリと表現するにふさわしいパリパリ感。アヒルの旨味がぎゅっと閉じ込められている。シンプルに調理されているので、パイナップルと梅干とガリを使った醤をつけると、甘酸っぱい風味が加わって変化が楽しめる。 脆皮燒肉:皮付き豚バラ肉のクリスピー焼き(1,300円) クリスピーな衣をまとい、噛むほどに絶妙な塩梅で味付けされた豚バラの旨味がにじみだす。脂身も甘く、さっと口の中で消える軽さがある。 蜜汁叉燒:炭火釜焼きチャーシュー(1,300円) 見るからに甘い、照りのあるソースに囲まれているが、しつこさがなく、むしろどんどん箸が進んでしまう。肉はしっとりと、ジューシーに仕上がっている。 貴妃鶏:鶏の特製醤漬け1/2羽(1,500円) 特製の醤がしっかりと染み込み、骨からほろりと身が離れる。ネギ塩のタレがついてくるが、合わせるとやや塩辛く感じたため、個人的にはそのままいただくのが好みだった。 海鮮清蒸し:本日の魚の蒸し物(時価) その日のオススメの魚を丸ごと蒸し揚げ、スープに溶け出した旨味を全ていただく豪快かつシンプルな料理。ここにご飯を投入しても旨そうだ。 咸魚鶏粒炒飯:ハムイ入りチャーハン(1,400円) こんなに「パラパラ」という単語がピッタリな炒飯に今まで出会ったことがあっただろうか。日本の米よりやや細長い米の一粒一粒に、ハムイ(発酵させた塩漬けの魚)特有の、塩気のある風味がしっかりとついている。どうしたらここまで水分を飛ばせるのだろう、と考えながらどんどんレンゲが進んで行き、あっという間になくなってしまった炒飯だった。 香港の雑多な雰囲気とは異なり、店内は洗練されている。現地で味わった料理を回顧するかのような、比較的年齢が高めの客層で、落ち着いている。クオリティを考えると値段は決して高くなく、満足度が高いと言えるだろう。現地に行ったことがある人も、まだ行ってない人も、東京のど真ん中で香港を体験してみてはどうだろう。 楽記(ラッキ) tel. 03-3470-0289 東京都渋谷区神宮前3-7-4 18:00-23:00(土曜15:00-21:00) 日曜定休
2013年11月15日池袋、赤坂、銀座、六本木、神田と東京の中心に店舗を展開中のKollabo (コラボ)。Korea+Collaboration = Kollabo という店名の通り、韓国で人気のある有名店11店舗と提携し、現地のレシピをそのままに、本場韓国の味を楽しめる。 韓国の飲食店は、それぞれメインとなる看板メニューがあり、それだけを主に扱う専門店であることも多い。そんな名物料理を一度に味わえるのが、ここコラボだ。 オーナーのイム氏は日本で働く金融マンだったが、日本で食べられる韓国料理にガッカリして脱サラ。その金融マン時代の人脈を随所に活かしている敏腕オーナーだ。1号店は池袋のヤマダ電機総本店内のレストランフロア。この場所への出店もヤマダ電機社長とのお付き合いゆえである。 単品でもコースでも必ず食べてほしいのは、カンジャンケジャン(生の渡り蟹の醤油漬け)。現地でも有名な「プロカンジャンケジャン」だが、その創業4姉妹の長女直伝レシピによる秘伝のタレに漬かっている。この秘伝タレはオーナーのイム氏のみが伝授された、門外不出のレシピ。 カニ味噌をご飯に乗せてタレをたっぷりかけ、刻み海苔をまぶして食べるのも最高。 海鮮チヂミは今やどこでも食べられるメニューだが、具沢山で外側はカリッと、中はフワッと仕上がっている。飽きのこない、サッパリしたタレも特徴。 焼き物の中ではずせないのは、コラム最初の画像のサムギョプサル。厳選した国産豚を使い、燻製しているので香りがいい。豚肉は表面が少しカリッとするまで焼くのがポイント。ネギと味噌をたっぷりのせた肉をサンチュとエゴマの葉に巻いていただく。 みすじやザブトンなどの希少部位は岩手と山梨から直送でA4/A5のみを使用している。程よい脂が口の中にやわらかく広がる。 店舗によっては個室も多数あるため、宴席にもピッタリ。昼のランチはリーズナブルに提供しており、夜は単品やコースの他に定食もあるので、夜のお1人様でも気軽に寄ってほしい。しかも定休日は元日のみの年中無休、通し営業と使い勝手も良い。訪韓歴15回を超える私が太鼓判を押せる、本場韓国の味。 Kollabo(コラボ) 池袋本店 豊島区池袋1-5-7 ヤマダ電機LABI7F tel. 03-5944-9211 11:00-23:00 赤坂店 港区赤坂3-12-2 tel. 03-6426-5693 平日11:00-04:00、土日祝12:00-22:00 六本木店 港区六本木7-14-3 Xeビル3F tel. 03-5785-2925 11:30-23:00 銀座店 中央区銀座3-4-18 大倉別館ビル1F tel. 03-5524-0383 平日11:30-23:00、土日祝12:00-23:00 神田店 千代田区内神田3-9-6 tel. 03-5298-2577 12:30-22:00
2013年11月01日世界一予約の取れなかったレストラン、スペインの「エル・ブリ」。 2011年7月に突如閉店し、今となっては伝説でしかない。 ごく一握りの選ばれた人だけがそこで働くという権利を与えられ、その貴重な経験を持つ日本人はわずか数名。 そのうちの1人、チョイ悪な風貌の永島氏がオーナーシェフをつとめる、 完全予約制、全8席のレストラン、「81(エイティーワン)」。 2012年11月にOPENし、店名は日本の国番号である81に由来する。 エル・ブリでの経験に、日本固有の食材と、永島氏のインスピレーションを融合した新しい枠組みの料理は、 今もてはやされている料理へのアンチテーゼにも近い。 19:00スタートのディナーのみ、全8席、コース1本、ペアリングワイン付で15,000円。料理に合わせ、スパークリング、白ワイン、赤ワイン、デザートワインが提供される。 メニューには日本語はなく、英語の単語のみ。 余計なインプットをなくし、想像力を掻き立てるという意味を込めるが メニューを見ながら食べるのではなく、帰宅後に再度メニューをながめて料理を反芻してほしいそうだ。 ネタバレしてしまうと楽しみが半減するので、ここで料理について多くを語るのはやめておこう。 写真からどのような料理なのか想像して訪問する日を楽しみにしてほしい。 9月某日、6名で貸切をさせてもらったが、1名の到着が少々遅れていた。 それを見たシェフが即興で作った一皿からスタート。 試験管に入れられた細長い物体は、オーブンから出てきたアツアツの状態。スパークリングが進む、スターターにふさわしいスナック。この食材の正体を知ったら驚くに違いない。 トマトのカクテルと命名され、温冷それぞれの温度の違いを楽しめる。 温度が変化しないように急ぎながらも、隠れた食材を見つけるべく、慌てずに味わいたい。 卵をそのまま使ったこの料理は、カルボナーラ。 崩した卵と、その下に潜む食材とを合わせながら食べ進める。 密閉できるポットは81で定番として使われる食器の一つ。 蓋を開けると、閉じ込められていた香りが瞬時に広がる。 ポットの中身は日によって変わるのもお楽しみ。 エスプーマに隠れた料理と、野菜だけを使ったスープを挟み、いよいよメイン。 魚料理は秋鮭。あえて皮目とは反対側に胡麻をたっぷりとつけている。 ソースはコントラストが綺麗なピンクとグリーン。どちらも日本特有の素材を使っている。 岩手短角牛が本日のメイン。レアに仕上げ、赤ワインとホースラディッシュのエスプーマをソースにしている。 このソース、肉の火入れ途中にシェフが突然思いつき、エスプーマを作る機材を貸し出していた、 近所のレストランまで走って取りに行くという、予想外のハプニングもあった。 料理を作りながら常に発想し、アレンジを即興で加えていくという、その日だけのオリジナル料理でもある。 シェフの情熱や哲学を間近に感じ、計算された料理を体験してもらいたい。 2名から訪問可能だが、シェフとの近い距離感と、店の空間全てとの一体感を楽しむには ややハードルは高いが、6-8名貸切がベストだと思う。あまり情報をインプットせずに、そのまま飛び込んで体感するのがオススメだ。 81(エイティーワン) tel. 03-6909-4850 東京都豊島区西池袋5-25-2 B1F 18:30 Door Open、19:00 Dinner Start 日曜、祝日定休
2013年10月07日八丁堀と神田にある「焼きジビエの店」。その名も「罠(わな)」! ジビエというとフレンチやイタリアンでは冬の期間限定メニューとしておなじみだが、ここでは日本各地のハンターから直送される、新鮮なジビエを一年中、しかもリーズナブルに楽しめることができる。 自分で肉を焼くスタイルはいわば「ジビエ焼肉」とも言える。今回ご紹介する神田店は入り口を開け放ち、開放的な雰囲気。 店内では凛々しい鹿や熊の剥製が出迎えてくれるので苦手な方はビックリしないように注意が必要である。 壁にはジビエの種類別、部位別に産地と値段が記載されている。オススメの部位や食べる量などは、フレンドリーなスタッフに相談するのが間違いないだろう。 店長に本日のオススメを伺うと「イノシシ盛り合わせ」と「猪豚のハラミ」だと言う。盛り合わせはロース、バラ、ハラミの3種。イタリアンでは冬場の肉料理としてお目にかかることはあったイノシシを、自分で焼くのは初体験。 イノシシ盛り合わせ 夏の動物達はあまり脂がのらないのだが、甘くてしっかりとした肉質の、美味しいイノシシに驚く。特に猪豚のハラミの脂の優しい味わいは特筆もの。 猪豚のハラミ サイドメニューは300円台から色々と充実している。他では食べることのできない「イノシシのしうまい」は大きくて食べごたえがある。 「煮込」は汁気のないタイプで、ジャガイモがスープを吸っていて誰もが気に入る一品だろう。 雉(きじ)も鶏に比べると出会うことの少ない鳥類。「ズリ(別名:砂肝)」は丁寧に筋が取り除かれており、コリコリとした食感が独特。味付けはオマカセでお願いできるが、醤油タレがよく合っている。 ガブガブ飲んでほしいんです!と店長が言う通り、酒が安い。ビールはもちろん、ホッピー、焼酎、日本酒、ワイン、何でもアリ。目玉と言えば、一升瓶ワイン。最近国産の一升瓶ワインを出すお店が増えているが、漏斗でボトルネックぎりぎりまで入れてくれる大サービスが酒飲みには嬉しい。ワインは1本1000円で持ち込みできるので、好きなワインを持ち込んで合わせてもイイ。 店長はじめスタッフの元気が良くて、一年中ジビエが楽しめ、しかも自分で猪や鹿を焼くなんていう貴重な体験できるお店である。 焼ジビエ 罠 神田店 住所:東京都千代田区内神田2-10-10 電話:03-3251-8899 営業時間:月~金17:00~23:30、土16:00~23:00 定休日:日曜日
2013年09月30日宮益坂の渋谷郵便局の手前にある、ヘイメルミヤマスは2年前の2011年7月にOPEN。道玄坂でベルギービールを専門に扱うHamel(ヘイメル)の2号店。 その昔、ベルギーの農家の人たちが当時雑菌が多くて生水が飲めず、夏の農作業中の喉の渇きを癒すために醸造したシャンパンと同じ「瓶内2次発酵」のセゾンビール。農閑期である冬の間に作られていたので、セゾン=Season=季節の意味をもつ。セゾンビールを置いているお店というのは都内でも珍しい。 一番ポピュラーだという「Saison Dupont(セゾンデュポン)」は味と香りのバランスがとてもよく、キメ細やかな泡も特徴。セゾンビールの他にも、レッド・ホワイト・トラピスト・アビー・ストロングエールなど、カテゴリ分けされたものすごい種類の瓶ビールが揃っているので、ベルギービール愛好家にはたまらないはず。 料理は肉をウリにしており、前菜から炭火焼まで様々な肉料理がメニューに並ぶ。前菜にはフランス仕込みのシェフが作る、自家製の「シャルキュトリー(パテ・ハムなど)」をオススメしたい。この日オーダーした「肉のオードブル盛り合わせ」は、豚モモのハム・鶏レバーのパテ・リエット2種の盛り合わせ。特に燻製をかけたというリエットがなんとも香り良く、ビールにもワインに合う。 日本のレストランではなかなかお目にかかることのできない「メルゲーズ(羊肉のソーセージ)」は羊肉が好きな人にはたまらない、野性味のある味わい。添えられたフリッツは絶対に食べておきたい一皿。ラードを使って低温で2度揚げしているというこのポテト、カリカリなのにホクホクとした食感が非常に美味。ほとんどのテーブルがオーダーするというだけあり、単品Lサイズでもあっという間になくなってしまうだろう。 もちろん肉を食べたら野菜も。ニース風サラダはじゃがいもやトマトなどがゴロゴロと入りボリューム満点。 セゾンビールは発酵が早くすすむため、大瓶(750ml)推奨。種類も多く、料理のポーションが大きめなので、できれば4~5名で訪問したい。 ヘイメルミヤマス 住所:東京都渋谷区渋谷1-12-7 CR-VITE1F 電話:03-6427-7524 営業時間:17:00~翌3:00 定休日:年中無休
2013年09月20日