連載記事:大人のカラダ相談室
夏でもつらい手足の「冷え」、その意外な原因は?【大人のカラダ相談室 Vol.3】
Q.蒸し暑く湿気の多い日が続き、エアコンを使う日も増えてきました。気がつけば手足が冷たく、体の冷えが気になります。何か対策はありますか?
(39歳女性 子供2歳 時短勤務中)
A. 冷えを感じる女性は、そのほとんどが鉄分不足によるものと考えられます。日ごろから鉄分を含む食材を積極的に食べるようにしましょう。さらに普段から体を冷やさず、温める生活を心がけてください。
自分では気がついていなくても体に鉄分が不足している、潜在的な
鉄欠乏性貧血である女性がかなり増えています。採血でわかる貧血の数値は
ヘモグロビン、血清鉄、フェリチンの3種ありますが、一般的に貧血の診断は血液中のヘモグロビン濃度を調べます。ヘモグロビンが正常値でも実際には
鉄分不足状態であることも多いのです。
■鉄分不足が「冷え」や「血行不良」を招く!
わかりやすく例えてみると、
ヘモグロビンは鉄分をキャッシュで持っているような状態。その日暮らしの鉄分しか持ち合わせていないという状態です。キャッシュが十分あれば、余剰分を普通預金に預けるように、血液中に鉄分が十分に存在する状態が
血清鉄です。さらに普通預金が十分にあれば、定期預金にする。その状態が
フェリチン。お金が足りなければ貯金を順に下ろして使ってしまい、貯金がない状態が鉄欠乏性貧血ということになります。
今、多くの女性がこの鉄分の定期預金がない状態の方が多いので、風邪を引く、ストレスを受けるといったちょっとしたことですぐに
貧血になってしまうのです。
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その日暮らし状態の鉄分しかないとすぐに
貧血になり、酸素が体中に行き渡らないために
冷えを感じ、
血行不良になります。
体内の血流が悪くなると
老廃物が溜まってしまい、目の下の
クマや
肌荒れにもつながってしまいます。さらに、鉄分が不足すると
コラーゲンの生成にも影響が出ます。
そのため、フェリチンまでしっかり貯めておけるように女性は日々の食生活で積極的に鉄分を摂取することが大切です。