2018年7月26日 11:00
医師提案する「減薬・断薬」へのステップ、体調改善した例も
「やみくもにすべての薬を否定するつもりはありません。当然、緊急時の治療や短期間で痛みや苦痛を取り除くために必要な薬もあります。問題なのは、“長期間にわたって薬を飲み続ける”こと。このように処方されている薬の9割は、実際は必要のないものだと私は考えます」
そう語るのは、’12年に日本で初めて「薬やめる科」を開設した松田医院和漢堂院長の松田史彦先生。薬の長期服用・多剤服用が原因で体調不良が生じる、という事例が増えているという。
「薬は症状に対して、たしかに作用はします。しかし、その作用を必要とするのは体の細胞の一部。それなのに薬は血液をめぐりながら全身で吸収されていきます。
つまり、薬の成分がその働きを必要としない健康な細胞にも作用してしまうのです。長期間にわたってこれを続けていれば、体に異変が現れるのは当然です」(松田先生・以下同)
松田先生の「薬やめる科」では、患者さんが減薬・断薬によって体調不良の悩みから解放されている。
「何年もせきが止まらないと来院された高齢の女性で、血圧の薬として長期服用していたACE阻害薬(降圧剤)をやめたところ、せきが止まった例があります。