2019年9月25日 06:00
リモコン操作が困難になると黄色信号「認知症」の初期兆候
15年以上も無事故・無違反の優良運転手だった夫(78)の様子が最近、変だと思うようになったのは妻のA子さん(76)。ガレージに車を入れるときに、こするようになっただけでなく、“もの忘れ”も増えてきたという。
「最近、高齢ドライバーによる事故のニュースを見るたびに、いつかお父さんも事故を起こすのではと気が気ではありません。本人は『自分は大丈夫』と言って聞かないのでどうやって運転をやめさせたらいいのか……」(A子さん)
日本では65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症といわれ、アルツハイマー型へ移行する可能性が高いMCI(軽度認知障害)も含めるとその割合は4人に1人となる。日本認知症学会の専門医でおくむらメモリークリニック(岐阜県)の奥村歩院長が解説する。
「認知症は発症すると完治は望めないまでも、初期のうちに見つかれば進行を遅らせて、日常生活も普通に送ることができます。しかし、病院に検査を受けに来ようとするのは、すでにもの忘れが目立ち、日常生活に支障をきたすようになってから。それでは遅すぎます。
初期のちょっとした異変に気づいて対策を講じることが、認知症の発症を食い止める、または進行を遅らせる第一歩なのです」