2020年5月7日 06:00
感染リスク抑制も 歯科衛生士教える「1回1分の正しい舌みがき」
毎日歯みがきはしているけれど、舌もきちんとケアしているという人は多くない。けれども、じつは舌の掃除こそ、感染症を予防するためのカギなのだーー。
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、少しでも感染予防につながる方法を求めている人は多いだろう。歯科衛生士として50年以上のキャリアを持つ、「歯科衛生士事務所ピュアとやま」の精田紀代美代表は「舌をみがくことが感染症の予防にも有効だ」と話す。
精田さんが舌の掃除に着目するようになったのは10年ほど前。介護施設で口腔ケアの研修をするようになったとき、舌みがきの指導を始めるとその効果は絶大だった。
「自分の歯が数本しか残っていない高齢者の人たちが、舌を掃除するようになって1カ月もすると、『歯のグラグラが止まった』という声を、あちこちで聞くようになったのです。それまで40年にわたって歯科衛生士をしていて、舌をみがくことで歯周病が改善したという話を聞いたのは初めてでした。
以来、各方面で積極的に舌みがきを推奨するようになったのです」(精田さん・以下同)
舌みがきの効果はほかにもあった。精田さんが4年ほど舌みがきを徹底した施設で、誤嚥性肺炎とインフルエンザの発生件数がなんとゼロになったのだ。