納豆と卵の味噌汁を朝飲もう 認知症が不安な人に朝スープ
毎日、なんとなくの不調に悩まされると、日常生活の中でできることがあるなら取り入れたいと思うもの。今回、朝のスープ習慣がさまざまな症状を改善すると聞きつけました。10分以内で完成する、栄養たっぷりスープの作り方、教えます――。
「人の体は、食べたものでできています。だから、体を変えたいときは、食べ物を見直すのも1つの方法です。体調の改善に有効な栄養素を積極的に取ることで、持病や不調が徐々に軽快することが期待できます」
こう語るのは、栄養療法を実践する医師の姫野友美先生。人生100年時代、“健康で長生き”するために、必要な栄養素をきちんと知って、食事から取るように心がけたい。
ただ、栄養面をよく考えて食事を取りたいが、忙しい毎日、なかなか続かないのが現実だ。
「上質な食材を時間をかけて調理すれば、栄養面も味もすばらしいものができますが、毎日は続かないでしょう。身近な食材から栄養を引き出し、簡単・時短でおいしく食べたいなら『蒸しいため』が最適です」
そう教えてくれたのは、料理研究家の藤井香江先生。栄養について調べ、実際に食べて効果を検証。調理法も工夫してきた。蒸しいためは、最初に食材と少量の水と油を鍋に入れふたをし、強火にかけることで水蒸気が対流し、食材全体に油がコーティングされる。軟らかく仕上がり、うま味もアップするという。
そこで今回、姫野先生に女性の不調の悩みに必要な栄養素を聞き、それを使って藤井先生が考案したスープレシピを紹介。
【認知症予防】脳の神経細胞の形成を後押しする栄養素を
’25年には高齢者の2割が認知症になるとの予測もあるが、「認知症にはなりたくない」人が多い。
「脳の神経細胞の形成を、食事で後押ししましょう。必要なのは卵黄や大豆に多いレシチン。このほか、コレステロールや鉄、EPAも大切です。記憶力向上に役立つDHAも、しっかり取るとよいでしょう」(姫野先生)
■納豆と卵のみそ汁
納豆と卵は認知症予防に◎。調理が簡単で栄養満点なうえ、お財布にもやさしい。これぞ、日本のスーパーフードだ!
〈材料〉2人分
水…300ml
顆粒和風だし…小さじ1/2
卵…2個
みそ…大さじ1
納豆…2パック
※好みで小ねぎ(小口切り)…適量
〈作り方〉
(1)鍋に水、顆粒和風だしを入れて ふたをして中火にかける。
(2)沸騰したら卵を割り入れ1分ほど煮る。
(3)みそ、納豆を加えて混ぜ、ひと煮立ちさせる。
■ホタテと大豆のポン酢スープ
朝こそ、蒸し大豆や蒸しホタテなどの半調理品を活用しよう。認知症予防メニューとは思えないリッチなさっぱりスープだ。
〈材料〉2人分
キャベツ(ちぎる)…100g(3枚)
しめじ(小房に分ける)…1/2袋
蒸しホタテ…100g(8個)
蒸し大豆…大さじ2
A:油…小さじ1/2、塩…ひとつまみ、水…50ml
B:鶏がらスープの素…小さじ1、ポン酢…大さじ1、酒…大さじ1、水…300m
〈作り方〉
(1)鍋にキャベツ、しめじ、Aを入れ、ふたをして強火で3分蒸しいためにする。
(2)ホタテ、大豆とBを加え、中火にして2分ほど煮る。
「栄養はスープで取るのがおすすめです。スープは調理が簡単で、ビタミンB群など水に溶けやすい栄養素も汁ごと余すことなく摂取できます。体にいい栄養素を含む食品をいろいろ入れると、栄養満点の一皿ができますし、なによりおいしいのがいいでしょう」(姫野先生)
【PROFILE】
藤井香江先生
料理研究家、簡単ダイエットの専門家で「朝ジュースダイエット」を考案。食の力で健康になるジュースやスープのレシピ開発を行う
姫野友美先生
心療内科医、ひめのともみクリニック院長。
監修書に『ストレス脱出レシピ 心療内科医に教わる「ごはん術」』(主婦の友社)などがある