2023年6月8日 15:50
多くの人が知らない「6、7月の熱帯夜」の恐怖…心筋梗塞、脳梗塞など死亡リスクが増加!
(写真:PIXTA)
「この5年で世界の平均気温が観測史上最も高くなる確率が98%」
世界気象機関(WMO)が5月17日にこう発表したように、今年も暑い夏になりそうだ。
猛暑が続くとなると、夜になっても気温が25度を下回らない熱帯夜も多くなる。
「世界的な気候変動で日本でも熱帯夜の日数が増えており、これまで無縁だった地域でも記録されるようになっています」
こう語るのは、熱帯夜によって死亡リスクが上昇することを明らかにした、筑波大学のキム・セッビョル・エステラ助教。
キム助教ら研究チームは、47都道府県における43年間(’73〜’15年)の約2千470万例の死亡例と熱帯夜のデータを解析。その結果、熱帯夜の後には、ほぼ全国的に死亡リスクが上昇していることが明らかになった。さらに、熱帯夜によるリスクの大きさは都道府県ごとに異なるという。
「熱帯夜でない日に比べて死亡リスクは、北海道で5.9倍、青森県で2.8倍、山形県で1.8倍、長野県で1.5倍に上がります。これらの地域は、一般的には寒いイメージのある地域で年間の熱帯夜の日数も少ないのですが……」(キム助教)
そもそも北国では寝苦しい夜はないかと思いきや、気象庁によると、北海道札幌市でも’19年に3日、’21年に4日とここ数年は熱帯夜が増加しているという。