共感呼ぶ91歳の心療内科医の言葉…大切なのは日常生活の小さな一歩「やれば、やる気は起きてくる」
(撮影:秋月 雅)
京都市左京区、ビル一室に構えられた小さなクリニック。ここで診察にあたる91歳の心療内科医の言葉が話題となっている。
心はカラッと、人づきあいはサラッと、人生はさっぱりとーー人間関係や健康、老いや不調との向き合い方など、さまざまな日常に細やかに光を照らした言葉の数々に、「前向きになれた」「ほっとした」という声が寄せられている。
藤井英子医師のはじめての書籍『ほどよく忘れて生きていく』(サンマーク出版)から、一部抜粋、再構成してお届けする。
■「衰えること」をほどよく忘れる
<衰えていくことを必要以上に恐れずにほどよくつきあっていきましょう。認知症の心配もほどほどに>
年齢を重ねてくると認知症への不安を口にされる方も増えてきますが、もし本当に心配なら、まずは専門医に診てもらうのが一番の早道です。介護やご家族のお世話がなくなって、やることがなくなったことを契機に認知機能の低下が一気に進むという方の話も聞きます。
私のクリニックでも、ご家族の方々の不安をお聞きして不安解消のためのお手伝いをすることもありますが、多くの場合は、きちんと対処すればよくなります。
認知症にならずとも、加齢によって多少なりとも脳の萎縮は生じ、認知機能は衰えるものです。