熱中症死しないための「手のひら冷却」近所のお出かけにも保冷剤で簡単に対策
すると、手のひらで冷やされた血液が、動脈から抜け道血管を通って静脈に流れ込む。この血流は大量で勢いがあるため、冷やされた血液は素早く全身を駆け巡って、体の内側から体温を下げるというわけだ。
「自動車にはエンジンを冷やすための『ラジエーター』と呼ばれる部品がありますが、手のひらはまさに、体の熱を下げるためのラジエーターなのです」
手のひら冷却は冷たい水に手を浸すなどでもできるが、いつでもどこでも簡単にできる方法として、保冷剤の利用を佐藤先生は勧めている。
「ケーキなど要冷品を買ったときにもらう小型の保冷剤を、冷凍庫にストックしているご家庭が多いでしょう。その保冷剤を手のひらでぐっぐっと握ればいいんです。簡単でしょう」
手のひら冷却の注意点としては、冷たすぎると指に血が流れないリスクがあるのでNGということ。スタンフォード大学の研究では、15度前後が適しているとの報告もある。ハンドタオルなどで保冷剤を包んで、キンキンに冷えた状態ではない、ほどよい冷たさに調節しよう。
■手のひらを冷やしつつ基本の水分補給も
「もっとも効果的な手のひら冷却は、まず、保冷剤を持った手のひらを、心臓の高さまで上げること。