子育て情報『病気と闘ったわが子の「生後13日間の命」【前編】』

病気と闘ったわが子の「生後13日間の命」【前編】

目次

・ずっと「異常なし」だった妊婦健診
・出産直後に始まったわが子の病気との戦い
・2,000人に1人の心疾患
・著者:大島れい
心電図


わが子を奪った「大血管転位症」「新生児肺高血圧症」という病気。妊婦健診では何も指摘されずに過ごしたマタニティ生活でした。いよいよ出産が近づき楽しみにしていた未来から、過酷な現実と向き合った経験をお話しします。

ずっと「異常なし」だった妊婦健診

妊娠6週だと判明したときは、初めての子どもですし、夫婦・両親ともにとても喜んだのを覚えています。通院していたクリニックは出産対応していないため、里帰り先のクリ二ックでお産する予定でした。

妊娠28週のとき、破水の疑いがあり総合病院へ転院しましたが結局破水もなく、それ以外も異常なく経過。妊娠32週のスクリーニング検査では時間をかけ、胎児の全体を細かく見ていただきましたが異常なし。妊娠33週に入り、里帰り先のクリニックでも「異常なく元気に育っている」とのことでした。


このように、妊婦健診で3つの病院に通い、3人の先生に診てもらいましたが、それぞれが同様に「赤ちゃんは元気に育っています。心臓も大丈夫」ということで安心しきっていたのです。

出産直後に始まったわが子の病気との戦い

わが子の病気を知ったのは、健診時ではなく出産直後でした。出産予定日が過ぎ、なかなか陣痛も来ず分娩誘発のため入院することになりました。「いよいよわが子に会える!」という喜びが強くなるなか、急に分娩監視装置から胎児心拍数低下のアラームが鳴り響きました。緊急帝王切開に切り替わり、不安がいっぱいのなか、手術が始まりました。

局所麻酔だったため私の意識はあり、赤ちゃんが取り出された瞬間は、大きな産声を聞いて安心と喜びでいっぱいになりました。

しかし、安心したのはほんのわずか一瞬……。
赤ちゃんの呼吸が不安定であると医師から報告を受けました。今すぐに大学病院へ移動が必要とのことで、わが子と離れることになってしまったのです。このときは、これが最初で最後の泣き姿のわが子とは思いもしていませんでした。

2,000人に1人の心疾患

病室に戻ると、赤ちゃんに付き添っていた夫から電話があり、わが子の病名を聞かされました。「大血管転位症という心臓の病気がある」と伝えられた瞬間、悲しさのあまり涙が溢れ、泣き崩れました。

そのあとは私自身、術後にも関わらず、朝まで携帯で病名・予後・治療方法を必死に調べました。

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