子育て情報『実はNGなのに勘違いしがち!?→子どもに「野菜ジュース」は飲ませません【3児ママ小児科医が解説】』

実はNGなのに勘違いしがち!?→子どもに「野菜ジュース」は飲ませません【3児ママ小児科医が解説】

目次

・ジュースがダメな理由
・糖分の摂取目安
・野菜不足を野菜ジュースで補わないで
実はNGなのに勘違いしがち!?→子どもに「野菜ジュース」は飲ませません【3児ママ小児科医が解説】


こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では3人の子どもを子育て中の母です。今回は「野菜ジュース」について。離乳食が果汁からだった時代もありますが、今はなるべく子どもに果汁(ジュース)をあげないほうが良い、という時代になってきています。実は、野菜不足が心配でついつい飲ませてしまう(!?)野菜ジュースも同じです。なるべく飲ませないほうが良いと言われるようになってきています。なぜでしょうか?

ジュースがダメな理由

世界保健機構(WHO)などでは「幼児までの子どもには100%ジュースも糖分のとり過ぎになるとして飲ませないほうが良い」としています。糖分のとり過ぎは虫歯のリスクが高まったり、肥満のリスクが高くなるためです。


一方、フルーツそのものに関しては、食べないほうが良いということはありません。フルーツそのものであれば、食物繊維など糖分以外の物も含まれるため、栄養素の吸収も変わってくるからです(もちろん摂取目安量はありますが、そこまで厳しくしなくても良いと私は考えています)。

そのため、現在、小児科では「そもそもジュースは子どもに与えるものではない」という指導をしています。

糖分の摂取目安

WHOでは、「1日の遊離糖類摂取量を総エネルギー量の10%未満に抑えましょう、5%未満だとさらに良い」と言われています。

厚生労働省健康局から出ている「標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】」によると、「遊離糖類とは、グルコースやフルクトース等の単糖類、スクロースや砂糖等の二糖類等食品や飲料の加工調理で加えられるもの、並びに蜂蜜、シロップ、果汁、濃縮果汁等に自然に存在する糖類のこと」を指します。

※はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため、満1歳までは絶対に与えないようにしてください。

例えば、1〜2歳の推定エネルギー必要量は1,000kcal程度(厚生労働省資料より)なので、5%未満とすると遊離糖類摂取量は12.5g程度が望ましいということです。

スポーツドリンク500mLだと約30g、100%ジュースでも200mLで20g、野菜ジュース720mLで約50gの炭水化物(糖質+食物繊維)が含まれています。
ジュースに食物繊維はほとんど含まれていないことを考えると、このうちの“ほとんどが糖質”ということになります。

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