2015年11月30日 04:15|ウーマンエキサイト

早すぎる英語教育は子どもの知能を遅らせる(「幸せ力」の育て方 Vol.4)


調査の結果、日本語の読み書きの基本をしっかり身につけ、さらに学校で各教科を学習してから移住した子どものほうが、早く英語読解力や英語の教科学習への適応がスムーズであるということがわかりました。

また、3~6歳で移住した子どもは、英語の発音は1年半で現地の子ども並みになったものの、学校の学習に不可欠な英語読解能力は育っていませんでした。どの子も例外なく、算数以外の教科はすべてダメ。授業についていけないという状況になっていました。

英語の発音が良くなるかわりに、大切な能力が失われてしまうのでは、子どもの人生にとって大きな損失ではないでしょうか。

小学生から英語の勉強をしていた子どもに、英語嫌いが多い

内田先生は、お茶の水女子大学付属中学校で、英語力にかかわる調査を10年以上にわたって行いました。

「小学生時代に英語を勉強した子どもと、まったくしていない子どもを比較したところ、英語の成績に差はありませんでした。
それどころか、小学生時代に英会話教室や英語塾に通っていた子どもは英語が嫌いという傾向が見られました」

早期英語教育が子どもの人生にとってプラスに働くことは少ないようです。

ほかの子が想像力をふくらませたり、思考力を深めたりする時期に、英単語を暗記することに時間を費やすのはもったいないですよね。
しかも、使わないでいると、その英単語は忘れられてしまいます。

では、ほかの能力を衰えさせずに英語を身に付けるためには、どうすればよいのでしょうか。
次回の記事でお伝えします。

(佐々木月子)

今回取材に協力してくださったのは
内田 伸子先生
内田伸子先生
十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。
専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。



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